Sansanは3月13日、法人向けクラウド名刺管理ツール「Sansan」の新たなプロダクトコンセプトを発表した。「名刺管理から、ビジネスがはじまる」をかかげ、ビジネスプラットフォームを目指す。
Sansanはスキャンした名刺データを社内で共有できるクラウド名刺管理ツール。2007年のサービス開始から12年で導入社数は6,000社を突破、約8割のシェアを占めるという。当初は営業部門中心の名刺管理ツールだったが、現在はあらゆる部門に導入、またCRMなど各種ツールともAPI連携し横断的なデータ共有ソリューションになったという。
「私たちは、名刺はビジネスを始めるためにあると考えています。名刺交換は出会いの記録。ビジネスが始まった記録であり、データである。このデータを活用してビジネスを後押しするというポジションでありたいと思っています」(取締役 Sansan事業部長 富岡氏)
描くのは、名刺管理を起点として、横断的に企業活動を支えるビジネスプラットフォームだ。たとえば、動画を検索するときにGoogleではなくYouTubeを使うように、往訪先の企業情報を検索するときGoogleではなくSansanを使い、密度の高い情報を持って役立ててもらう。そういった未来を想定している。
ただし現時点では課題も多い。執行役員でCPO(最高製品責任者)を務める大津氏は、テレビCMに関連させて次のように話した。
「テレビCMを放送開始してから6年経ちますが、未だにキーマンを探しています。出会いが社内で共有されていない、同僚をうまく頼れない、名刺の価値に気づいていない、という3つの理由から、『ビジネスがはじまらない』のです」
これを、AI名刺管理、同僚コラボレーション、顧客データHubの新たな3機能により解決を目指す。高度なAI技術でより正確な人物データ管理を実現、社内連携をスムーズにする機能で、人脈をフルに活用できるようにする。あるいは、CRMやMAも含めたあらゆるツール上の顧客データを統合、リッチ化し、名寄せの工数を削減する。名刺管理で培った技術を基盤にアップデートしていくという。
「この10年で名刺をデータ化するという行為が当たり前になってきました。次の10年のチャレンジの一つとして、紙の名刺をなくすという世界も見据えています」(富岡氏)
Sansanは、2020年には国内1万社、海外での導入社数も100社から500社に拡大したいと意気込む。