2018年「SaaS元年」はスタートアップがけん引
10月29日、日経新聞に「日本は「SaaS元年」、スタートアップが引っ張る」と題した記事が掲載された。
クラウド上でソフトを利用するサービスは以前からあったが、ここに来て自動車業界のカーシェアのように所有から利用へといった考え方が企業に浸透。SaaSの注目度が高まっている。(引用:日経新聞)
また、SaaS市場活発化の背景には、スタートアップ企業の参入が相次ぐことを挙げている。弊社作成の「Horizontal SaaSカオスマップ」を見れば、その種類と企業が細分化されていることは一目瞭然だ。
弊社COO阿部慎平の分析によれば、2018年はHorizontal SaaS(職種別SaaS)の株式上場・大型資金調達、Vertical SaaS(業種別SaaS)のシード・アーリーステージの資金調達が活発化し、SaaS市場に資金が流入した年であったという。
スタートアップを中心としてSaaS市場の成長を大きく加速させる1年、それが「SaaS元年」の2018年であった。
SaaS「導入・活用」進む、2019年の市場を予測
国内のSaaS市場は拡大を続けており、2021年には約5,800億円へと拡大する見通しだ。これは2016年の2倍弱となる数字だ。
また、スタートアップの動きに呼応するように大手オンプレミスベンダーのSaaS化、外資系SaaSの日本進出も続いている。
アジアのSaaS市場の中でも、日本はもっとも市場が大きく、欧米からの進出企業は重要視しているのだ。
2019年の動向について、弊社COO阿部は以下のように予測している。
「2019年はSaaSの機能がますますアップデートされるでしょう。利便性・費用対効果が向上し、「流行」ではなく「あたり前」のものとして導入・活用が進んでいくと予想されます。
オンプレミスに対するSaaSは、インターネット経由で手軽に、場所や時間を選ばずに利用できるというメリットがあります。
クラウド化が進んでいる企業は、クラウド化が進んでいない企業に比べ、30%も生産性が高いというデータもあります。近年の働き方改革を実現する手段として、SaaSを活用した企業のデジタルトランスフォーメーションも加速していくでしょう。」
これまでのSaaS市場の動向については「SaaS業界レポート2018」で公開している。