ブルーオーシャン戦略とは | 用語解説・事例紹介

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記事の情報は2020-02-20時点のものです。

ブルーオーシャン戦略とは、「競合がいない市場でビジネスをする戦略」のことです。そこで今回はブルーオーシャン戦略の詳しい説明と成功事例をご紹介します。
ブルーオーシャン戦略とは | 用語解説・事例紹介

今、日本では数多くのビジネスが毎日のように生まれています。この中で生き残るために有効な考え方にブルーオーシャン戦略があります。そこで今回は、ブルーオーシャン戦略の説明と、参考になる成功事例を紹介します。

ブルーオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略とは

競合のいない、もしくは少ない新しい市場で、未知なる可能性を秘めている市場を「ブルーオーシャン」と呼びます。これは、フランスの欧州経営大学院の教授であるW・チャン・キムとレネ・モボルニュの著書『ブルー・オーシャン戦略』により提唱された戦略です。

バリューイノベーションの創造

具体的にブルーオーシャン戦略とは何なのかと疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。ブルーオーシャン戦略のポイントはバリューイノベーションの創造です。具体的には、価値を高めて、低コスト化するという2つの要素をもとに差別化を図り、新しい市場を創造しようというものです。

アクションマトリクス

ブルーオーシャン戦略にはアクションマトリクスという概念があります。これは、「取り除く」、「減らす」、「増やす」、「付け加える」を行なうことによって変化を生み出し、ブルーオーシャンを創造できるかを整理してみることです。これはブルーオーシャン戦略には欠かせないフレームワークであり、コストを下げながら価値を高めることを考えるよりも思いつきやすい方法として行われています。

レッドオーシャン戦略とは

ブルーオーシャン戦略に対して、レッドオーシャン戦略と呼ばれる逆の市場戦略があります。これは、「競争の激しい市場」という意味で、価格やクオリティをかけて熾烈な争いがあることから「血の海」や「赤い海」と例えられています。レッドオーシャンには、すでに明確な需要はあるため、うまくいけば一攫千金も狙える可能性がある市場ではあります。

ブルーオーシャン戦略のリスク

ブルーオーシャン戦略は、新しい市場を開拓するということでもあるため、その市場がいつまでも新しいということはありません。そこで成長しても、すぐに誰かが真似をして似たようなことをし、その市場へ参入してくるのは時間の問題です。そのため、ブルーオーシャン戦略では開拓することがゴールではなく、市場環境の変化に合わせて対応することが重要です。

ブルーオーシャン戦略の成功事例5選

日常的によく耳にする企業やニュースには、このブルーオーシャン戦略をうまく活用した企業が数多くあります。ここでは、実際にブルーオーシャン戦略の成功事例を5つ紹介し、どのアクションマトリックスの概念を利用しているかも加えて解説します。

シルク・ドゥ・ソレイユ

シルク・ドゥ・ソレイユは今やサーカス業界のトップに君臨するサーカス団の一つと言えます。シルク・ドゥ・ソレイユでは、サーカス業界に起こっていた「人気なパフォーマーのコストの高騰」、「子ども向けエンターテイメントの飽和状態」、「動物愛護団体の反発」を受け、サーカスの当たり前の概念を「取り除き、付け加える」というチャレンジをしました。それは、「花形パフォーマーと動物をキャスティングせず、ストーリー性や人間のパフォーマンス力を生かした大人向け」のサーカス団を作り、サーカス市場の全く新しい分野を創造し、成功を収めました。

任天堂Wii

Wiiは体感的な操作で遊ぶことができ、これまでゲームをやらなかった大人(高齢者含む)や小さな子どもたちにもできるということで人気が出ました。当時ゲームのターゲット層は10代後半であり、グラフィックの質こそがすべてだと思われていましたが、Wiiではそれらの概念を「取り除き」、新しいターゲットを「増やした」ことで新しい市場を作り上げることに成功しました。

しかし、後にスマホのアプリが誕生したことにより、ゲーム機よりも手軽に遊べるということで市場を奪われてしまいました。このように新しい市場を作り上げても、その市場にあったより良いサービスが生まれると、その市場が奪われることはブルーオーシャン戦略の弱点でもあります。

Green's K

競争が激しい飲食業界でこのブルーオーシャン戦略で成功したのがGreen's Kです。一般的には飲食業界へ参入するには、「低価格」か「美味しさ」で勝負をするのが現代の常識でした。しかし、Green's Kではこれらの戦略との真っ向勝負を避けることにしました。それは、ウェイターを人数を「減らし」低価格を実現し、各テーブルに鉄板を置くことで体験型のスタイルを「付け加える」ことで、新しい市場を作り上げました。

ユニクロ

 
ユニクロはブランド物などの服が流行を埋め尽くしていく中で、自社で流行を追わない誰でも着るようなスタンダートな服を自社で大量に作ることで、新しい市場を開拓しました。自社で製造から販売までを行うことによって、コストを削ることに成功し、高品質で低価格化を実現しました。個性の強い服を作る概念を「取り除き」、これまで服にはなかった高い機能性を「付け加えた」ことで新たな需要を見つけ出しました。

ikea

ikeaでは、実際に自分が家具を使っているイメージが湧くようなモデルルームを作ったことによって、競合他社に差をつけました。実際に目の前で欲しい家具を体験してみることによって利用イメージが湧き、その場で購入につながりやすくなります。もはやikeaの店舗は家具屋さんと言うよりは、一つのアミューズメントパークのような楽しみ方にもなっています。ikeaはこれまでの家具屋の見て選ぶという概念を「取り除き」、実際に体験して選ぶという概念を「付け加えた」ことで新しい市場を作り出しました。

ブルーオーシャン戦略はアイディア一つ

ブルーオーシャン戦略の詳しい説明と、成功事例についてでした。ブルーオーシャン戦略は、競合がいないところで戦うため、先行者優位の傾向が強い戦略になります。ブルーオーシャン戦略はアイディア一つで生まれることがあります。だから、ぜひビジネスを始めようと考えるならば、競合のいない新しい市場を作り出しましょう。