事業が拡大するほど、人が増え、使うツールも増えていく。管理の手間や情報のズレに、頭を悩ませている担当者も多いのではないでしょうか。
こうした課題に対し、CRM(顧客関係管理)・タスク管理・社内コミュニケーション・AIを1つの基盤にまとめ、会社の成長に合わせて機能を追加していける企業向け業務プラットフォームが、Alaio Inc.が提供する「Bitrix24」です。
今回は、Alaio Inc. 国際デジタルマーケティング責任者 Lilit Vasilieva(リリット・ヴァシリエワ)氏に、サービスの特徴や差別化のポイント、導入企業に見られる変化、開発の思想まで詳しくお話をうかがいました。

<お話をうかがった方>
Alaio Inc.
国際デジタルマーケティング責任者
Lilit Vasilieva(リリット・ヴァシリエワ)氏
CRM・タスク・コミュニケーションを1つに 自然言語で自社独自アプリを作成
――貴社が提供されているサービスの概要を教えてください。
ヴァシリエワ氏: 弊社が提供している「Bitrix24」は、CRM、タスク管理、コミュニケーション、AIなどを1つにまとめた、企業向けの業務プラットフォームです。顧客管理から社内のやり取り、タスク管理まで、複数のツールに分かれがちな業務をまとめて管理できるのが特徴です。
料金体系も、基本的にユーザーごとの課金ではなく企業単位のプランなので、人数が増えてもコストを抑えながら会社全体で利用しやすくなっています。
――同様の課題を解決する他のサービスと比べたとき、最も大きな差別化ポイントはどこにあると思いますか。
ヴァシリエワ氏: 大きな違いは、CRM、タスク、コミュニケーションが別々ではなく、業務の流れとしてつながっている点です。CRMの取引からそのままタスクを作成したり、タスクに取引を紐付けたりでき、必要なやり取りもBitrix24のチャット内で完結できます。
さらに、Bitrix24向けのアプリ開発プラットフォーム「Vibecode(バイブコード)」も利用可能です。プログラミングの知識がなくても、作りたいものを自然な言葉で説明するだけで、Bitrix24のデータや機能と連携した自社向けの業務アプリを作成できます。
――業務の流れがつながっている点が大きな違いというお話でしたが、実際に導入を検討している企業に、最初に一番強く訴求するポイントは何ですか。
ヴァシリエワ氏: 最初に伝えたいのは、会社の成長に合わせて新しいツールを次々と買い足す必要がないことです。必要な業務が増えても、Bitrix24の中でできることを広げていけるので、システムが増えて複雑になるのを防げます。
例えば米国のGovTech(行政・自治体向けテクノロジー)企業Easy CIPでは、事業拡大に伴い、営業・マーケティング・顧客対応を別々のシステムで管理する負担が課題になっていました。Bitrix24導入後は、それらを同じプラットフォームで運用し、会社が成長しても新しいツールを次々と追加せずに業務を広げられています。
具体的には、問い合わせから契約締結までの取引進捗をBitrix24で追跡し、電話履歴・メール配信・ウェブチャット・商談メモや資料も案件と一緒に管理するようになりました。営業担当者は、顧客とのやり取りを追いながら、次の対応を判断できるようになっています。
顧客情報も業務も同じ基盤で動く設計 小さな改善が全社に広がるVibecode
――技術面や設計思想の面で、他社が真似しづらい部分はどこにありますか。
ヴァシリエワ氏: 機能を後からつなぎ合わせるのではなく、顧客情報や業務プロセス、社内のやり取りが最初から同じ基盤で動く設計です。
例えば、商談中に追加対応が必要になった場合、顧客情報を別のツールへ移さず、そのまま顧客対応からタスク作成、社内確認、資料共有まで進められます。
Vibecodeでは、CRMやタスク、チャットなど、Bitrix24のデータや機能と連携した自社向けの業務アプリを作成できます。作成したアプリをBitrix24と連携して利用できるため、「顧客情報を見る場所」ではなく「そのまま仕事を進める場所」へと広げられることが大きな価値です。
――「仕事を進める場所」にできるという発想、面白いですね。Vibecodeでは、具体的にどのようなことができるのでしょうか?
ヴァシリエワ氏: 1人の社員が自分の毎日の確認作業をまとめるツールを作れば、自分の仕事を楽にすることもできます。それが便利ならチームに共有して、会社全体の業務フローに広げることも可能です。
1人の小さな改善を、そのまま会社全体の改善につなげられるところが、Vibecodeの面白さですね。
例えば、社内のHR業務を自動化するアプリが作られています。社員からよく出る質問の約80%をAIボットが対応し、入社時のタスク作成や担当者の割り当ても自動化しています。人事担当者が繰り返し対応していた業務を減らし、より重要な仕事に時間を使えるようになりました。
また、CRMのデータを毎朝自動で集めて、対応が遅れている案件や売上見込みなどをまとめ、管理者のチャットにレポートを送るアプリもあります。必要な情報を自分で探しに行かなくても、その日の状況をすぐ把握できます。
――そのようなサービスを提供するうえで、開発や運用面で大切にされていることはありますか?
ヴァシリエワ氏: 開発の速さだけでなく、公開後の運用までサポートさせていただいています。
Vibecodeで作成したアプリは、作成後に自動でセキュリティチェックを受け、外部インターネットから直接見えない環境に配置されます。サーバーやVPN、SSLを個別に準備する必要がないため、現場はインフラ管理より業務改善に集中できます。
ツール乱立は情報のズレを生む 業務や人が増えた成長企業ほど効果が出やすい
――Bitrix24の導入前によくある課題や悩みには、具体的にどんなものがありますか。
ヴァシリエワ氏: よくあるのは、業務が増えるたびにツールも増えて、同じ情報を何度も入力したり、どこが最新なのか分からなくなったりすることです。さらに、ツールごとの契約や管理も増えるので、会社が成長するほど現場の手間とコストが大きくなります。
例えば、会社が成長していく場面では、最初は社内チャットだけでも、営業が増えるとCRM、電話対応が増えるとクラウド電話、さらにタスク管理など、必要なツールが次々に増えていきます。すると契約プランや権限、連携設定、データをそれぞれ更新し続ける必要があり、会社が大きくなるほど管理そのものが負担になります。
特に負担が大きいのは、同じ情報を複数のツールに入力・更新し続ける作業です。顧客情報や担当者、進捗が変わるたびに各システムを修正する必要があり、更新漏れや情報のズレも起きやすくなります。
典型的な例では、営業側が商談金額や納期をCRMで更新しても、タスク管理や社内チャット側には古い情報が残っているケースです。そのまま請求や納品準備が進むと、金額の間違いや対応のやり直しにつながります。
――Bitrix24を導入した後は、そうした点がどのように改善されますか。
ヴァシリエワ氏: 導入すると、顧客情報や取引、タスク、社内のやり取りをすべて同じデータを基準に進められるため、ツールごとに情報がズレる問題を根本から減らせます。
実際の導入事例では、スタッフ数を増やさずに対応できる顧客数を約5倍まで増やした企業があります。CRM業務を自動化して営業レポート作成の時間をなくしたほか、カレンダーやメールもCRMと連携しました。営業データを集めてレポートにまとめる作業も、Bitrix24の分析機能とLooker Studioとの連携によって時間を削減できたとうかがいました。こうした改善によって、同じ人数でもより多くの顧客に対応できる体制を作れたそうです。
――成果が出やすい企業やチームには、どんな特徴がありますか。
ヴァシリエワ氏: 成果が出やすいのは、会社の成長に伴って業務量や人数が増え、これまでの管理方法に限界を感じている企業です。人が増え、引き継ぎや確認が増えて、手作業では回りにくくなってきた状態が1つの目安ですね。
業務の流れを整理し、Bitrix24を共通の業務基盤として使いながら、手作業を順番に自動化していくチームほど、効果を実感しやすいです。
例えばイタリアのSunPark社では、部門ごとにWhatsAppやメールなどを使っていたため、情報や業務の管理が分散していました。Bitrix24導入後は、社内のやり取りを1つにまとめ、メール送信や期限通知、タスク作成なども自動化し、部門をまたぐ業務を同じ仕組みで進められるようになっています。
特に印象的なのは、営業実績や担当者ごとのパフォーマンスをリアルタイムで把握できるようになったことです。そのデータをもとに、成果の出ている業務へリソースを集中し、効果の低い施策を見直せるようになりました。
――サービスを最大限に活用するために、企業側で意識しておくべきポイントは何ですか。
ヴァシリエワ氏: 最大限に活用するコツは、機能をたくさん使うことではなく、最も大事で手間のかかる業務を1つ選び、情報入力から担当者への引き継ぎ、実行、確認までを一連の流れとしてBitrix24でつなげることです。効果が見えやすくなってから、他の業務にも少しずつ広げていくのが定着のコツです。
最初から全部を変えようとするとハードルが上がります。そのため、公式のヘルプやサポートに加え、必要に応じて認定パートナーが現状分析から導入業務の整理、設定、社員研修、運用後の支援まで対応する仕組みを整え、段階的に導入できる体制を用意しています。
ツールを増やし続けなくていい環境へ 分断されない仕事の基盤を目指す
――サービス開発において最も大事にしている思想や指針は何ですか。
ヴァシリエワ氏: 最も大事にしているのは、会社が成長しても仕事を複雑にしないことです。人や部門が増えても情報や業務の流れを分断せず、同じ基盤の上で次の仕事につながるようにする。機能開発の優先順位も、単に新しい機能を追加できるかではなく、日々発生する手作業や情報の分断を減らし、より自然に仕事を進められるかどうかを基準に判断しています。
例えば、CRMとタスク管理の連携強化です。多くの企業では、顧客情報を管理する場所と、実際に社員が行動する場所が分かれていました。そこで、顧客情報を登録して終わりではなく、次のタスクや対応まで自然につながるように開発を進めています。
直近では、AIを活用して業務をさらに自動化し、社員がより重要な判断や対応に集中できる環境づくりにも力を入れています。
――仕事をシンプルにするという方針は、機能開発にも一貫していますね。お客様の声は、どのようにプロダクト開発に反映させているのですか。
ヴァシリエワ氏: 同じ課題を多くのお客様が抱えているか、そして日々の業務でどれだけ負担になっているかを見て、開発の優先順位を決めています。1社だけの個別対応ではなく、多くの企業が共通して困っている部分を標準機能として解決していくことを重視しています。
――お客様の声を積み重ねながら機能を磨いてきたのですね。さらに今後特に注力したい領域や、サービスの構想はどのようなものですか?
ヴァシリエワ氏: 今後はAIを活用した業務自動化と、企業ごとに合わせた柔軟な業務環境づくりに力を入れていきます。特にVibecodeのように、企業が自社の課題に合わせたツールを自分たちで作り、Bitrix24の中で活用できる仕組みをさらに発展させていきたいと考えています。
理想は、会社が成長してもツールを増やし続けなくていい環境を作ることです。新しい部署、新しい業務、新しい課題が出てきても、Bitrix24の中で必要な仕組みを追加し、同じデータを使いながら仕事を続けられる状態を目指しています。
――最後に、導入を検討している企業のご担当者に向けて、メッセージをお願いします。
ヴァシリエワ氏: これからの成長を支える業務基盤として、ぜひBitrix24を活用していただきたいです。
特におすすめしたいのは、会社の成長に伴って業務が複雑になってきた企業です。どこに最新情報があるかわからない、部署間の連携に時間がかかると感じている企業には、Bitrix24の価値を実感していただきやすいと思います。
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