リードナーチャリングとは?5つの手法とプロセス・注目の理由、顧客育成の重要性と事例
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リードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、「見込み客の育成」のことです。具体的には、獲得したリード(見込み顧客)に対してメールや電話などを利用し、有益な情報を提供することで見込み顧客の購買意欲を高めていく手法やプロセスを指します。
オンラインのリードナーチャリング手法としては、メルマガで解説記事やホワイトペーパーなどのWebコンテンツ配信、オフラインの手法ではセミナーが挙げられます。
近年では単にメールを配信するのではなくMAツールの活用や、インサイドセールス部門を組織に持つことで中長期での顧客戦略が徐々に浸透してきています。
また、BtoBマーケティング成功のポイントはリード獲得だけでなく、セールス連携による顧客化・商談化など一連のプロセスで見ていくことが重要です。
こんな課題はないでしょうか。
- 見込み顧客が足りず、まだまだリード獲得施策の実施検討をする必要がある
- リード獲得は順調だが商談化、受注率が伸び悩んでいる
- リードナーチャリング、インサイドセールス組織に課題がある
下記のBtoBマーケティング完全ガイドでは、リード獲得〜育成、商談化までを一連の流れについて解説しています。
BtoBマーケティングの流れ
一般的なリードマーケティングは、「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」の3つのプロセスから構成されます。
リードジェネレーション
リードジェネレーションは、見込顧客の情報を獲得することです。問い合わせフォームからの情報や展示会での名刺交換などでリードを獲得します。オンラインの施策としてはSEO・SMSなども含まれます。
- 「見込み顧客を増やしたい」
- 「安定したリード獲得を目指したい」
- 「商談につながるリードがほしい」 成果報酬型比較サイトBOXIL SaaSはそんな方にお勧めです。 BOXIL SaaSは、サービス資料・ホワイトペーパーを掲載するだけで サービスの比較検討層にアプローチし、良質なリードが獲得できる比較サイトです。
リードナーチャリング
リードナーチャリングでは、SEO集客やリスティング、展示会などで獲得したリードに対してメール配信やセミナーに誘導することで、顧客の検討度を引き上げていきます。この際顧客を引き付けるコンテンツを作成できるかが重要なポイントになります。
新規顧客だけでなく、購買後の既存顧客ともコミュニケーションを取ることで、長期的な良い関係を築きアップセル・クロスセルにつなげていく場合もあります。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションとは、育成されたリードのなかから見込みの高い顧客を選別し、商談につなげていくことです。マーケティングから営業への橋渡しが重要になります。
リードナーチャリングが注目されている理由・背景
インターネットの普及と顧客の変化
リードナーチャリングが重視される理由は2つあります。
- 多くの製品の情報が簡単手に入り比較・検討に時間をかける
- 競争激化により既存顧客が他社の製品に流れてしまう
上記図のようにインターネットが普及する以前の企業担当者は、営業からの情報を待っている状態でした。しかし、現在は情報を待つのではなく顧客が自ら情報を探し競合製品も含めて比較・検討するようになっています。
そのため企業はいかに早く顧客に情報をどどけ、競合に取られないようするかがカギといえます。企業がマーケティング部門を設置し、SEO集客やリスティング広告に注力している理由はここにあります。
購買プロセスの長期化・売り込まれたくない顧客心理
また、インターネットが普及する前の顧客行動は認知・感情・行動の3つのプロセス(AIDMAの法則)で、購入に移るまでの時間は比較的短いスパンでした。
しかし、現在は自身で情報を探したうえでサービスの検討・比較を行うため購入に至るまでのプロセスが複雑化、長期化しています。
そのため現在は買手主導の消費行動になっているといえます。加えて情報はインターネットで調べることができるため、無理に売り込まれたくないという顧客心理がはたらきます。
このプロセスはBtoBでもBtoCでも基本的には変わりません。しかしBtoBマーケティングにおいては、高価格なものを扱うことや決裁者と購買担当者が異なることが影響して長期化・複雑化します。
リード対応ができず休眠顧客が増加
見込み顧客の獲得はオフラインによる展示会・セミナーだけでなく、Webを活用したオウンドメディアや広告も増えており全てのリードにアプローチすることが難しくなっています。
また、一度アプローチしていた顧客も半年〜1年後に再検討となれば営業も優先度を下げてしまいます。結果、当たりきれないリード・訪問後に放置している休眠顧客が増加しているのです。
リードナーチャリングのメリット
近年では、市場競争を勝ち抜くためにリード拡大を重視する企業が増えリードジェネレーションにかなり力を入れるようになってきています。
しかし、上述のように拡大した見込み顧客を購買までつなげられず困っている企業やマーケティング担当者も多いのではないでしょうか。
ここからはリードナーチャリングを重視すべき理由とメリットについて解説していきます。
2年で80%の見込み顧客が購買行動に移る
上記図のように直近で購買検討しているユーザーは20〜25%前後です。しかし2年以内に購買行動を起こし、競合などの製品を購入するユーザーは80%いるといわれています。
継続的なアプローチをやめてしまうことは非常に勿体無い状態といえます。
顧客接点を持つことでリードを最大限活用・検討顧客を選別できる
リードナーチャリングを行うことで、獲得したリードしっかりと顧客化させていく必要があります。
弊社でも実施に行っている施策ですが、MAツールを活用してメール配信をすることで特定アクション(クリックや問い合わせ)を起こしたユーザーにアプローチすれば放置しているリードからも再度ニーズ換気することができます。
また、インサイドセールス部隊を持つことでも数多くのリードを選別し、ニーズが高く優先フォローすべきリードにアプローチが可能です。
リードナーチャリングのデメリット
ツールの導入が不可欠
リードナーチャリングを行う上では、顧客情報の管理・施策の検討・マーケティング活動の記録など、多くのリソースが必要になります。これらを人力で管理することは難しく、ITツールの導入は必要不可欠です。
ツール導入によって効率化が進むものの、コストや導入にあたってのマニュアル作成やレクチャーなどの時間がかかるため、事前の準備とシミュレーションが必要です。
一定の顧客数が必要
リードナーチャリングでは、顧客すべての見込み度合いを高められるわけではないため、一定数の顧客数が必要です。そのため、リードナーチャリングを行ううえで顧客数が十分でない場合は、リードジェネレーションに力を入れるべきでしょう。
リードナーチャリングの5つの手法
インサイドセールス
インサイドセールスとは獲得したリードの精査を行い、検討確度の高いリードを商談化させる新しい営業手法です。また、新規獲得のリードだけでなく失注・保留になっているリードにアプローチも行うことで掘り起こしも行います。
MAツール活用
MAツールとはマーケティングオートメーションの略称で、名前のとおりマーケティング活動を自動化するツールです。顧客へのステップメールやアクション別に配信メールを分ける、アクション別のスコアを付けて見込み顧客の確度が上がっているかなどを可視化が可能です。
リターゲティング広告
リターゲティング広告では、忘れた頃に再認識してもらうことで常に購買候補の中心にしてもらうことができます。
具体的には、一度訪れたサイトの製品が他のサイトの閲覧中にも広告として表示されるという仕組みです。
プライベートでもネットショッピングなどで複数の製品を比較しているうちに、昔の商品を忘れてしまったという経験があります。そんな時と同じように思い出してもらうには最適な手法です。
ソーシャルメディア(SNS)
SNSでは見込み顧客とつながるのにハードルが低く、さまざまなメディアが存在するため自社に合ったものを選択する必要があります。
特にSNSなどは、人々の生活と密接に関わっているため接触するためのハードルが低いのです。
メールアドレスを入力することもありませんし、他のユーザーに対して拡散力があるのも特徴です。
セミナー
顧客の関心をさらに高める方法としてセミナーは効果絶大です。会場で行うセミナーとWebセミナーの2つに分けて考えていきます。
会場で行われるセミナー | Webセミナー | |
---|---|---|
運営側 | ・会場準備、片付けなどが必要 ・当日参加者案内や資料などの配布物あり |
・場所を選ばずWeb上で動画を配信 ・録画でセミナー自体の使い回しが可能 |
参加者 | ・場所や日時が決まっていてスケジュール調整が必要 ・質問はその場か開催後直接口頭で確認 |
・リアルタイム配信は配信時刻に合わせてWeb上で受講 ・録画した動画の視聴はいつでも可能 ・質問はチャットなどで行う |
参考:Webセミナーとは
ただ、ここで注意したいのが、顧客の決断に大きく影響を与えるということです。
セミナーによって離脱を促してしまう可能性もあるので注意しなくてはなりません。進めていくうえでリード育成をしつつ、なるべく離脱者を出さないようにしましょう。
リードナーチャリングをサポートするサービス
実際にリードナーチャリングを実践するとき、サポートしてくれるサービスを活用すると効率的に進められます。おすすめのサービスを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
PROFESSIONAL PORT - 株式会社まーけっち
- ターゲットに最適化したメッセージや広告を表示
- アンケートで顧客の抱える課題を顕在化
- テストモニターやキャンペーンの利用につながりやすい
PROFESSIONAL PORTは、リード獲得率や受注率アップのためのアンケート型プロモーションサービスです。800万人※業界最大規模ユーザーネットワークから特定のターゲットに絞ったリサーチが可能です。潜在ニーズを喚起するアンケートの問いかけで、導入意欲を高めながらサービスへ誘導できるでしょう。
気軽にできるアンケート形式で、離脱を防ぎながら資料請求やセミナー参加などの行動を後押しできます。アンケート画面は自由にカスタマイズ可能で、ターゲットの目に留まりやすいデザインに変えられるのもポイントです。
※株式会社まーけっち公式サイトより(2022年12月時点)
- リードごとに適切なコンテンツを配信
- サイト来訪者の情報をダッシュボード機能により可視化
- 誰でも簡単に扱えるコンテンツ制作と配信設定
OPTIO(オプティオ)は、インタラクティブコンテンツを活用したBtoBリードジェネレーションです。「インタラクティブコンテンツ」とは、クイズや診断ツールを活用してユーザーのアクションに応じて、情報を提供する双方向コミュニケーション型Webコンテンツです。ポップアップ(全画面またはメッセージ)や動画ポップアップを活用し、来訪者の離脱防止やコンバージョン数の向上が期待できます。また、サービス資料やホワイトペーパー、漫画などのPDFデータや動画を入稿するだけで、簡単に配信設定が行えるため、はじめて導入する場合も安心して運用開始できます。
- リードデータ専用の顧客管理システム
- オンライン・オフラインのリードデータを自動的に統合
- 業務の効率化と営業のフォローアップを両立
サスケは、見込み顧客を顧客へと育成するリードナーチャリング専用システムです。Webページからの問い合わせのようなオンラインデータ、展示会やセミナーなどで取得したオフラインデータもまとめて統合します。各リードデータから必要な情報だけを取り込み、膨大なデータも、高度な名寄せ技術とデータマージ技術の活用で一括して自動的に整理します。リードデータを一元管理し、適切に分析することで、見込み顧客一人ひとりのニーズや状況に合わせたアプローチ手法を選択できます。また、メール配信のようなオンラインでのアプローチ後は、URLのクリックやWebサイトへのアクセスなどから顧客の反応を分析。情報マネジメントの効率化と、営業のフォローアップを両立します。
- WEBサイトのPDCAを高速化
- リードジェネレーションの最適化を促進
- リードナーチャリングや顧客管理も簡単
ferret One(リードジェネレーション)は、BtoB事業のリード獲得に必要な機能がすべて揃った高機能CMS&コンサルティングサービスです。
専門知識ゼロで簡単にWEBサイトの構築・編集ができる高機能CMSと感覚的に使えるアクセス解析機能により、WEBサイトのPDCAを高速化。LPはたった2時間で作成でき、A/Bテスト機能も充実しているので、リードジェネレーションの最適化を促進します。人気のMA/SFA/CRMとも簡単に連携できるため、リードナーチャリングや顧客管理も思うままに可能です。
APOLLO SALES - 株式会社Onion
- 簡単に営業リストを作成
- 営業リストに自動でアプローチ
- データベースは日々自動でアップデート
APOLLO SALESは、見込み顧客を抽出し、自動でアプローチを行いアポイントを獲得するリードジェネレーション(⾒込み顧客獲得)サービスです。アタックしたい企業の条件を指定すると、インターネット上の企業情報を収集して営業リストを作成し、メールやお問い合わせフォームから自動でアプローチを行ってくれます。アプローチ先となる企業のデータベースは日々アップデートされるため、常に最新の情報をもとに営業活動を行えます。
- 受注傾向に沿って、確度の高い企業を抽出
- スマートフォン、PC双方からアポ獲得を支援
- 営業文章のパターンを自動で最適化
GeAIneは、角度の高い営業リストを抽出するAIが搭載された営業支援サービスです。過去の受注傾向に沿って関連情報を収集・分析して、確度の高いターゲットリストを抽出。またターゲット企業の問い合わせフォームに、事前に用意した文章をシステムが自動入力・自動送信し、手間を軽減します。
さらに営業文章パターンに対する企業の反応を分析し、もっとも効果が高いパターンを自動で選び出す仕組みも整っています。
セイヤク - 株式会社ウィルオブ・ワーク
- ターゲットや戦略を策定
- アポ取りから商談、クロージングまでトータルサポート
- アフターサポートが充実
ウィルオブ・ワークが提供するセイヤクは、自社の課題に合わせたサポートが受けられる、営業アウトソーシングサービスです。市場調査や戦略策定といった準備段階から、アポ取りや商談、成約、クロージング、アフターフォローまで、トータルなサポートを受けられます。もちろん、必要な業務のみをアウトソーシングすることも可能です。
営業手法は飛び込みからインサイドセールスまで対応。さまざまな手法の中から、最適なものを行います。運用開始後は、定期的なヒアリングにより、新たな課題や不安がないかを確認してくるので、安心してサービスを利用できます。
リードナーチャリングの成功事例
Oktopost社の成功事例
Oktopost社は主にBtoBマーケティング用ソフトウェアを開発している企業でさまざまなリードナーチャリング手法を実施しています。
その中でも大きな成果が現れたEメールとリターゲティング広告について紹介します。
用いた施策:Eメール(具体的な商談など個別のコミュニケーションも用いず)
↓
結果:リードから顧客とする確率を2.3倍、売上換算で230%の拡大。用いた施策:リターゲティング広告
↓
結果:リードから顧客になるまでの期間が125%低減。
リードナーチャリングはこれからの売上のカギを握る
デジタル時代のマーケティングは"今すぐ客"より"これから客"
解説してきたようにマーケティング活動は複雑化し、長期化しています。これからのマーケティングで重要になるのは顕在化している「今すぐ客」の獲得ではなく、潜在層である「これからの客」の育成になることが予想されます。
また、上記の図のように顕在化している客層は競合も多く獲得コストが高くなるレッドオーシャン市場です。
レッドオーシャン市場を脱却し、MAツールやインサイドセールス部隊を活用しながら将来顧客の育成を検討してみてはいかがでしょうか。
誰も教えないBtoBマーケのツボ|リード獲得〜ナーチャリングを徹底解説
BtoBマーケティング成功のポイントはリード獲得だけでなく、セールス連携による顧客化・商談化など一連のプロセスで見ていくことが重要です。
こんな課題はないでしょうか。
- 見込み顧客が足りず、まだまだリード獲得施策の実施検討をする必要がある
- リード獲得は順調だが商談化、受注率が伸び悩んでいる
- リードナーチャリング、インサイドセールス組織に課題がある
下記のBtoBマーケティング完全ガイドでは、リード獲得〜育成、商談化までを一連の流れについて解説しています。
人手不足の際はアウトソースの検討も
- 展示会リード、休眠リードなど未対応のリードの掘り起こし
- 人手が足りず対応できない問い合わせから失注商談・リード育成〜アポ獲得
- フィールドセールスがコア業務に集中できる「売れる仕組み」の体制構築
BOXILとは
BOXIL(ボクシル)は企業のDXを支援する法人向けプラットフォームです。SaaS比較サイト「BOXIL SaaS」、ビジネスメディア「BOXIL Magazine」、YouTubeチャンネル「BOXIL CHANNEL」を通じて、ビジネスに役立つ情報を発信しています。
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