名簿管理ソフトとは?会員管理を行うべき組織・導入事例
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名簿管理ソフトとは
名簿管理ソフトとは、顧客や社員、取引先などの個人情報や連絡先のデータを一元的に管理できるソフトウェアのことです。名前や住所、電話番号、メールアドレスなどの情報を管理し、必要に応じて編集や検索、整理できます。名簿管理ソフトは、企業や団体が顧客や連絡先の情報を効率的に管理するために使用されます。
名簿管理ソフトの主な機能
名簿管理ソフトの主な機能を表にまとめました。
機能 | 詳細 |
---|---|
連絡先情報の登録・編集 | 氏名・住所・電話番号・メールアドレス・会社名・役職・部署など、さまざまな項目を登録・編集・削除できる機能 |
検索・フィルタリング | 氏名・会社名・電話番号などのさまざまな条件で検索とフィルタリングを行い、必要な連絡先情報を迅速に見つける機能 |
グループ分け | 顧客・取引先・地域・属性など、目的に合わせたグループ分けを行う機能 |
ラベル付け | 重要度・案件名・部署など、任意のラベルを付ける機能 |
重複チェック | 誤入力による重複データを自動的に検出・削除し、データの精度を高める機能 |
名刺取り込み | スマートフォンやスキャナと連携して、名刺情報を読み取り自動的に登録する機能 |
データのエクスポート・インポート | CSVファイルやExcelファイルなど、さまざまな形式でデータのエクスポート・インポートが行える機能 |
宛名印刷 | 郵便ハガキ・封筒・ラベルなどに、登録された連絡先情報で宛名印刷を行う機能 |
レポート作成 | 顧客分布・売上推移など、さまざまな条件にもとづいたレポートを作成し、データ分析に役立てる機能 |
共有・アクセス権設定 | 複数人で名簿を共有し、それぞれ編集権限を設定する機能 |
セキュリティ | パスワード設定や暗号化など、個人情報を保護するためのセキュリティ機能 |
名簿管理の方法・ツール
名簿管理のための代表的なツールとその特徴について解説します。
Excel(エクセル)
Excel(エクセル)は、Microsoftが提供する表計算ソフトウェアで、名簿管理にも広く用いられています。
名簿管理にExcelを使用するメリットは、多くの人が操作方法をすでに知っていることや、高度なカスタマイズが可能な点です。セルに名前や住所、電話番号などの情報を入力し、データの並び替えやフィルタリング、検索機能を利用して名簿管理します。
また、関数を駆使することで、データの集計や分析も可能です。しかし、大量のデータを扱う場合や複数人でのデータ共有が必要な場合には、操作が煩雑になるデメリットがあります。
Excelの顧客管理テンプレートや従業員名簿(労働者名簿)テンプレートは、こちらから無料ダウンロードできます。
名刺管理ソフト
名刺管理ソフトは、ビジネスシーンで頻繁に交換される名刺の情報をデジタル化して管理するためのツールです。
企業が営業活動を行っていくなかで、必然的に取引先や見込み顧客との名刺交換が行われます。氏名、企業名、役職などの名刺情報を名簿化し、企業利益につなげるために利用されるのが名刺管理ソフトです。
名刺管理ソフトは、スキャナやスマートフォンのカメラを使用して名刺を読み取り、個人情報をデータベースに自動的に登録します。OCR(光学文字認識)技術を用いることで、テキストデータの抽出が可能で、手入力の手間がいりません。検索機能やグループ分け機能を備えており、必要な情報を迅速に見つけ出せます。また、SNSやメール、顧客管理システム(CRM)との連携機能を持つシステムもあり、ビジネスコミュニケーションを効率化します。
顧客管理システム(CRM)
顧客管理システム(CRM)は、顧客情報の管理だけでなく、顧客との関係を深めることを目的としたシステムです。顧客の購買履歴や問い合わせ履歴、営業活動の記録など、顧客に関するさまざまな情報を一元管理します。
CRMを利用することで、顧客一人ひとりに合わせたパーソナライズされたサービスの提供が可能になり、顧客満足度の向上が実現可能です。また、マーケティング活動の効果測定や営業プロセスの最適化、カスタマーサポートの効率化など、ビジネスの成長を支援する多様な機能があります。営業支援システム(SFA)と連動して活用されることも多くあります。
会員管理システム
会員管理システムは、団体やクラブ、オンラインサービスなどで会員情報を管理するために設計されたシステムです。
会員登録情報、会費の支払い状況、イベント参加履歴など、会員に関するデータを集中管理し、スムーズな会員サービスの提供を支援します。また、会員向けの通知やニュースレターの配信、イベントの告知といったコミュニケーションツールとしても活用可能です。セキュリティ機能も充実しており、個人情報の保護にも配慮されています。
名簿管理が必要な分野
名簿管理は、さまざまな業界や部門で重要な役割を果たしています。名簿管理は、具体的にどのような分野で実施されているのか紹介します。
マーケティング
マーケティング部門では、顧客や見込み客の情報を正確に把握し、ターゲットに合わせたキャンペーンを実施するために名簿管理が不可欠です。
顧客の購買履歴、興味関心、デモグラフィック情報などを管理し、これらのデータをもとにセグメント化を行うことで、パーソナライズされたマーケティング活動が可能になります。適切な名簿管理を行うことで、マーケティングのROI(投資利益率)の向上が実現できます。
カスタマーサポート
カスタマーサポートでは、顧客からの問い合わせやクレームに迅速かつ適切に対応するために、顧客情報の管理が欠かせません。
顧客の過去の問い合わせ履歴や購買履歴を把握することで、個々の顧客に合わせたサポートの提供が可能になります。これにより、顧客満足度の向上につながり、長期的な顧客関係の構築に寄与します。
営業部門
営業部門では、見込み客や既存顧客の情報を管理し、効果的な営業活動を展開するために名簿管理が重要です。
顧客の業界、企業規模、購買権限者などの情報を整理し、営業戦略やアプローチ方法を決定します。また、営業活動の履歴や成果を追跡することで、営業プロセスの改善点を見つけ出し、営業効率の向上に役立てられます。
ECサイト
ECサイトでも顧客の購買履歴を管理し、リピート率を高めて利益確保を行うためにCRMが活用されています。CRMによる適切な名簿管理により、顧客ロイヤルティの向上やリピート購入の促進が可能です。
さまざまなチャネルを持つ企業では、ECと対面営業を統一したCRMで一元管理する場合が多くなります。ECサイトに特化した機能を持つシステムも多く活用されており、マーケティングオートメーション機能を兼ね備えたものもあります。
コールセンター
コールセンターでは、顧客からの問い合わせに対応するインバウンドと、顧客へ積極的にアプローチするアウトバウンドが行われますが、それぞれに電話とコンピューターを連動したCTIとしてCRMが活用されています。CRMで顧客情報を効率的に管理することで、顧客の問い合わせ履歴や重要な顧客情報に素早くアクセスし、カスタマイズされたサービスを提供可能です。
コールセンター業務に最適化されたシステムは数多くありますが、近年ではオムニチャネルのフロントラインとして、コールセンターの重要性が高まっており、一元化されたCRMを基幹システムとする場合も多くなっています。
選挙名簿管理
大規模なアプローチ先と多くの支援者管理が必要となる選挙でも、名簿管理システムが活用されています。
属性による記載項目の違い、支援者住所と地図の連動、電話帳からのデータベース化など、名簿管理を行ううえで特殊な要件が必要となる、選挙に特化した機能とサービスを持つソフトウェアが多く利用されています。
会員管理
情報を増やして充実させていくことが命題となる顧客管理や選挙名簿に対し、名簿の対象となるリストを適切に管理し、柔軟な運営をサポートする会員管理という分野もあります。
ここからは、この会員管理システムを中心とした解説を行っていきます。
名簿管理に役立つ会員管理システムの機能とメリット
会員管理システムは、名簿管理に対応しつつ、データベースの一元管理によって組織の柔軟な運営を実現し、イベント運営や会費徴収などを効率化するシステムです。近年ではコストパフォーマンスの高いクラウドサービスが主流になっています。
会員情報を一元管理
会員管理および名簿管理といえば、Excelを使用して行われることが一般的でした。Excelの場合、リスト化には十分ですが、データベースとして柔軟に活用するには不向きであるといえるでしょう。
たとえば、会員の属性から対象者を検索したり、リストを作成したりするには会員情報を一元管理したデータベースシステムが必要であり、会員管理システムはこういった用途に最適です。
イベント運営管理
多くの会員管理システムが「会員の個人情報」「会費の決済状況」「イベント情報」などのデータベース管理を連動させています。それにより新たなイベントの開催と、参加者、イベント参加費などの状況が可視化されるようになります。
これによって、面倒な名寄せや消込作業が不要になるほか、イベントの申し込みフォーム作成やメール配信を簡単に実行可能です。
会費の入金決済に連動
同様に、会員情報と会費やイベント参加費などを連動させるのも可能です。
多くのシステムがカード決済、コンビニ支払い、口座引き落としや振込に対応しており、消込作業が不要になるばかりでなく、マイページ機能で会員自身が支払い方法を変更できるシステムもあります。
会員管理システムが最適な組織
会員名簿の管理と組織の運営に特化した会員管理システムですが、これを活用するのに最適な組織とは、どのような団体があるのでしょうか。いくつかの例を挙げてみます。
学会・学術団体
研修やセミナーが頻繁に開催され、参加費や会費などを徴収する必要がある一方、会員の対象が絞られる、学会や学術団体などには会員管理システムが最適です。
マイページ機能で、会員自身で所属情報の変更も可能であり、季刊誌の閲覧やメールの一斉配信などでコミュニケーションを活性化できます。
協会・NPO法人
個人だけでなく、法人の会員も存在することが多い協会やNPO法人でも、それぞれのデータを名簿に紐づけて管理できる会員管理システムが適しているといえるでしょう。
また、カスタマイズ機能により会員限定サイトの作成を行い、物販の実施も可能で、セキュリティ面にも十分な対策が施されています。
社友会・企業OB会
社友会や企業OB会などのような退職者組織では、コミュニティを円滑に運営・管理していく仕組みが望まれており、この場合も会員管理システムが最適です。
コミュニティサイトを活用した会員状況の報告、組織に関する連絡が簡単に行えるほか、印刷物による連絡のみ可能な会員の抽出と宛名ラベル印刷、CSVアップロードでの名簿作成も可能です。
医師会・医会
所属する医療機関、専門、医籍登録番号など、属性が多岐にわたる医師会や医会の会員の名簿管理を、セキュアに行うにも会員管理システムは効果を発揮します。
会員情報が一元管理されることにより、属性を問わない横断的な管理が可能になるほか、セカンドテーブル管理機能により、医療機関による属性と個人の情報を紐づけることも可能。講習会や勉強会などの管理や会費徴収もスムーズに行えます。
ユーザー会・同好会
特定の基準を満たす会員で構成されるユーザー会や同好会などにも、会員管理システムによる名簿管理は最適です。
上述したようなコミュニティサイト運営、イベント運営、会費の入金決済連動、メール一斉配信などが効力を発揮するほか、アンケート機能によって組織の運営改善を行っていくことも可能です。
会員管理システムの活用事例
会員管理システムを利用した名簿管理の事例を紹介します。
シクミネットは、会員管理と入金管理が同時に行えるクラウド型会員管理サービスです。
会員管理、イベント運営管理、会費の徴収が連動されていることから、会員情報を一元的に管理して組織を運営することに最適です。少人数のサークルから数万人規模の団体まで、幅広く柔軟に対応可能な名簿管理を実現します。
多くのシステムではオプションになっている入金決済機能が標準搭載されていることに加え、低価格でありながら定額制による、導入のしやすさも魅力です。
事例:公益社団法人日本ビリヤード協会
活動内容:ビリヤードの普及・大会運営
課題:会費の入金管理業務の効率化と会員の利便性向上
会員数3,000名を越える日本ビリヤード協会では、事務局の入金確認業務の軽減はもちろん、会員が会費を支払いやすいようにさまざまな決済方法を導入したかった。しかし、会員管理システムと紐づく決済サービスがなく、導入に踏み切れなかった。
また、非営利団体のため資金も限られており、低コストで利用できるサービスを求めていた。
効果:イレギュラーな入金管理もリアルタイム処理
課題であった会員管理業務と会費の入金管理業務が効率化できただけでなく、大会参加費やイベント参加費のようなイレギュラーな入金管理もリアルタイム処理が可能に。1人の管理者で約3,000人のデータ管理が可能になっている。
また、マルチデバイス対応により、会員側の利便性が高まる効果も現れている。
SmartCoreの活用事例
SmartCoreは、個人情報保護とセキュリティ対策を最優先したクラウド型会員管理システムです。会員管理に焦点を当てた必要な機能に絞り、低価格での導入を可能にしつつ、将来的な拡張にも柔軟に対応する豊富なオプションも揃えています。
また、ニーズに応じたカスタマイズが可能なほか、CRMやSFAとの連携も可能。会費の入金管理連動により、消込作業を不要にできます。
事例:日本スパ・ウエルネス協会
活動内容:エステティシャンのための学術会議、資格試験、各種講習会開催、サロン認証など
課題:手作業の多い従来システムからの脱却
日本スパ・ウエルネス協会では、所属する養成校の新入生データや、資格試験結果などを手入力で行っており、分離されたメール配信システムとの連携も取れない従来システムからの脱却を行う必要があった。
効果:データ一元管理による効率化と、作業漏れによるミス大幅減少
従来ではまる一日を要していた作業を大幅に短縮できたほか、ミスもほとんどなくなる効果が得られた。マイページによる会員自身による情報アップデートによって、連絡が取れなくなる事態も大幅に減少できた。
名簿管理に使える会員管理システムのサービスは、次の記事で詳しく紹介しています。
最適な名簿管理ソフトを選んでデータを有効活用しよう
名簿管理の方法とツール、名簿管理ソフトの機能、名簿管理が必要な分野から、名簿管理に役立つ会員管理システムを事例とともに紹介しました。名簿管理は、Excel(エクセル)で行うより、名簿管理ソフトや顧客管理システム(CRM)、会員管理システムを利用するほうが、効率的でデータ活用の幅も大きく広がります。
目的や運営形態に応じた、最適な名簿管理ソフトの選定を行いましょう。
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