[PR] バックオフィス改革が生産性向上と競合優位性を生む - SCTX2019特集
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日本で市場を開拓し続けてきた「コンカー」
2010年に日本法人を設立したコンカー。当時の日本にはなかった経費精算システム「Concur Expense」で、企業のバックオフィス改革のサポートを行っていた。
それに加え現在では、出張管理の「Concur Travel」、請求書の支払い管理をまとめて自動化できる「Concur Invoice」も提供。大手企業だけでなく、中堅・中小企業のバックオフィス改革にも乗り出している。
日本で「SaaS×バックオフィス改革」の第一線を走り続けてきたコンカーの歴史と今後の展望について語る間氏の言葉には、今後のバックオフィス改革における重要なヒントが詰め込まれていた。
日本における経費精算市場トップシェア
コンカーの取り組みについて語る前に、まず実績について見ていきたい。国内における経費精算市場において、ベンダー別売上金額シェアを見ると、市場全体で42.4%、SaaS型では52.6%と、5年連続でトップシェアを誇っている(いずれも2018年予測値)。
コンカーによるE文書機能導入実績は208社で、うち稼働済みが113社、導入中の企業は95社だ(2019年8月現在)。数字だけを見ると少なく感じるかもしれないが、競合他社でここまでの実績を出せるものはないという。
一筋縄ではいかなかった市場開拓
現在、競合他社の追随を許さないコンカーだが、日本法人設立当初にはパイオニアならではの苦労があったようだ。
間:日本法人を設立した翌年、2011年ごろから本格的に経費精算システムの販売を始めました。ところが、当時はクラウドの経費精算システムの市場そのものがなく、全く認知されていない状況でした。
とある大手企業に赴いた時の話です。保管庫に足を踏み入れると、中には大量の段ボールが保管されていました。中身はすべて紙の領収書で、領収書にかかるコストはなんと年間で5億円というお話でした。
人的コストだけでなく、保管にかかるコスト、さらには領収書の輸送にかかるコストを考えるとそこには大きな無駄があったわけです。しかし、これが当たり前という前提があるため、ここに問題があると考える企業は少数でした。
課題認識からはじめた市場づくり
「領収書は紙が当たり前」の日本で、コンカーはクラウドを利用した経費精算の市場づくりを担う形になった。まず行ったのが、現状を課題として捉えてもらうためのマーケティングだ。
独自調査を行い、「日本のビジネスパーソンは経費精算の業務だけで生涯52日間を費やす」という具体的な数字を持って問題提起を行った。1社だけでなく、日本全体で経費精算においてどのくらい無駄なコストをかけているのかも試算した。人件費で6,000億円、管理代で3,000億円、監査の際の費用が1,000億円、トータルで1兆円がかかっていた。
この数字を使ってメディアに働きかけるとともに、政府や経済産業省、財務省といった関連省庁、関係団体などにもクラウド型の経費精算システムをアピールしたという。
規制緩和に向けた働きかけ
ところが、企業だけではどうにもならない課題も日本にはあったという。それが国が定めた規制だった。技術的には何ら問題のないペーパーレス化も、規制があるために推し進められなかったのだ。
間:ペーパーレス化はシステム的にはすぐに可能でしたが、日本では規制があるため、ルール上できないという状況でした。
そこでコンカーはPRとあわせて財務省や経済産業省にもかけあい、2016年9月30日にとうとう領収書の電子化に関する規制緩和(電子帳簿保存法の規制緩和)が実現したのです。
今では競合も増えていますが、まだ市場がない状態からマーケティングを行い、経済産業省にかけ合うなどしてビジネスの拡大に努めた結果が今の実績につながっています。
他企業や行政との共創
設立当初から5年以上の月日をかけて、電子帳簿保存法の規制緩和にまでたどり着いたコンカー。現在はさまざまな企業との共創にも力を入れており、完全ペーパーレスで効率のよい経費精算システムの開発と実証実験を行っている。
その1つが、公共交通機関のビッグデータを活用するものだ。交通機関の電子マネーを使って移動すると、決済情報は電子マネーを管理するサーバーに送られる。このサーバーとコンカーをつなぐことで、乗車履歴などのデータがコンカーに送られ、そのデータをもとに経費精算が行える。
現在でも交通機関の電子マネーをペーパーレスで精算できるシステムはあるが、乗り降りの際に改札で利用した電子マネーを会社の読み取り機で再度読み取らせてから精算しなければならない。この「会社での読み取り」という手間さえ省くのが、実証実験中のシステムだ。
間:会社での読み取りすら不必要になる交通費の精算システムは、当面の間コンカーが独走できる分野になると考えています。今回の事例はあくまでも一例で、当社だけで何かをする、すべて完結できるシステム作りよりも、今後はよりパートナー企業との共創ビジネスを進めてより便利で有益なシステムを提供していく予定です。
コンカーが目指す未来
経費削減、業務効率化に役立つ経費精算システム市場は拡大を続けている。政府による領収書の電子化に関する議論も始まっており、今後あらゆる部分でペーパーレス化が進むことが見込まれる。
コンカーは徹底的な効率化を目指し、さまざまな企業と連携するエコシステムの構築も視野に入れている。あらゆるシステムとコンカーをつなぐことで、コンカー上でまとめて経費精算が行えるようになるというものだ。
間:単に業務の効率化やコストカットを進めるのではなく、テクノロジーを利活用して直接的にビジネスにかかわりあう費用ではない、間接費の変革を行い、そこから日本企業と日本を変えていきたいという思想が根幹としてあります。
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