AIを活用したタレントマネジメントシステム8選!AIが人事に与える影響は?
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タレントマネジメントとAIの関係
タレントマネジメントはAIと比較的相性が良いテーマです。膨大なタレントデータを分析、活用するのは、AIの方が人間よりスピーディーかつ公正なアウトプットを出せるとの見方もあります。
また、タレントマネジメントだけに限らずHR Tech全体でAI活用が進んでおり、人事領域全体がAIによって効率化し、人事部の仕事内容自体も変化していくと考えられます。
タレントマネジメントにおけるAIの必要性
タレントマネジメントで正確なデータを出すためには、AIによる客観的な視点が必要です。人間の評価には、人づきあいや社内の評判などのバイアスが入りがちな一方、AIを活用すればこのようなバイアスを排除した提案も可能です。
HR TechでのAI活用も進む
タレントマネジメントだけに限らず採用・育成・評価・人材配置など多くの人事業務でIT活用が進んでいます。人事領域に適用されるIT技術のことをHR Techと呼び、さまざまな場面でAIを活用する新たな人事業務のあり方が提案されています。
膨大な社員の人事評価やタレント分析、レポーティング作業に追われて、より良い組織づくりを行うことに時間を割きにくかった人事の仕事が、このような技術によってより組織づくりにコミットした業務に変革していくのも、そう遠くないかもしれません。
人事評価システムにも、AIを用いたサービスが数多く登場しています。あわせてチェックしてみましょう。
タレントマネジメントにおけるAI活用の影響と効果
これから先、AI技術が人事の仕事にさまざまな影響を与えていくことは避けては通れません。たとえば、AI活用がタレントマネジメントに与える影響や効果として、次のようなことが考えられます。
- 人材の最適な配置と能力開発
- 離職予測と防止策の提案
- ハイパフォーマンス人材の特性分析と発見・育成
人材の最適な配置と能力開発
AIを活用すれば無数のパターンのなかから人材配置の最適解を導き出してくれるので、人間が人材の最適配置を考えるよりも正確かつ短期間でシミュレーションできます。
人の手で人材の最適な配置を考えるためには、組織の状況をチェックしたうえで、社内の人材リソースをもとにパズルのように最適な組み合わせを考える必要があります。
しかし、人材が増えれば増えるほど配置の組み合わせは無数にあり、結局どうするのが最適なのかを判断しかねるかもしれません。
AIを用いたタレントマネジメントシステムならば、スキル、経験、適性を総合的に分析し、最適な配置を提案します。また、個々の強みや弱みを分析し、パーソナライズされた能力開発プランを提供することで、効果的なスキルアップ支援も可能です。
離職予測と防止策の提案
離職しそうな従業員を予測し、離職防止につなげる機能も、タレントマネジメントシステムに搭載されていることがあります。
モチベーションは目に見えないため、数値として測定できません。直属の上司・部下や同じチームの同僚であれば雰囲気で推測できるかもしれないものの、普段から一緒に仕事をしない経営陣や人事部がモチベーションを推測するのは困難です。
AIは評価や業績データ、エンゲージメント調査結果など蓄積されたデータを分析し、離職の兆候が含まれている従業員を特定できます。さらに、AIは個々の状況に応じた離職防止策の提案も可能です。
ハイパフォーマンス人材の特性分析と発見・育成
AIによりパフォーマンスの高い人材の特性を発見できることも、タレントマネジメントに与える良い影響の一つです。
成果をあげている人に共通する行動特性のことをコンピテンシーと呼びます。このコンピテンシーを発見するためには膨大な労力をかける必要があり、それでもなおバイアスは排除できません。
しかし、業績データ、スキルセット、行動特性、キャリアパスなどの多面的な要素をAIが分析すれば短時間で分析が完了します。なおかつ人間のバイアスを排除して、コンピテンシーが発見可能です。
AIを活用したタレントマネジメントシステム8選
すでにAIを活用したタレントマネジメントシステムはリリースされており、企業にも導入されはじめています。AIを活用したタレントマネジメントシステムで代表的なものは、主に次の7つです。
タレントパレット - 株式会社プラスアルファ・コンサルティング
- 離職兆候をAIで予測
- 採用・育成・評価・配置までトータルサポート
- 豊富なサポート
タレントパレットは、採用前から採用後の育成・評価・人材配置までの幅広い情報を管理し、マーケティング思考を取り入れることで科学的人事を実現するタレントマネジメントシステムです。
離職傾向や離職率、予兆、モチベーションを現在の勤務情報やストレス状態などのさまざまなデータから総合的にAIが判断してくれます。相談会・勉強会・学習コンテンツなど、豊富な機能を活用するためのサポートが充実しています。
POSITIVE - 株式会社電通国際情報サービス
- 人材登用、配置をAIが提案
- 社員のキャリアプラン策定を支援するキャリア管理機能
- 人事基盤システムとのシームレスな連携
POSITIVEは人事管理、就業管理、給与管理、タレントマネジメントが統合された人事システムです。キャリアプラン策定をサポートするキャリア管理機能や、人事情報をAIが分析して人事担当者が求める理想像にマッチした人材を提案したり、最適な人材配置を分析したりする機能があります。
Oracle Cloud HCM - 日本オラクル株式会社
- 人材の採用、評価、報酬、配置、育成などを総合管理
- AIが昇進昇級の提案
- 業務系基幹システムで多くの実績があるオラクルのサービス
Oracle Cloud HCMは、業務系基幹システムのパッケージソフトの販売で実績のあるオラクル社が開発した、クラウド型のタレントマネジメントシステムです。タレントマネジメントだけでなく、採用、評価、報酬、配置、育成などを1つのシステムで管理でき、昇進昇級の提案といった人事の意思決定をAIがサポートしてくれます。
SUZAKU - 株式会社エスユーエス
- 組織心理学×AIで人事部門の課題を可視化
- AIが4つの人事領域業務をサポート
- 人材情報を一元管理できる
SUZAKUは、「組織心理学×AI」で人事部門における課題の可視化をコンセプトにしたタレントマネジメントシステムです。人材配置、育成支援、リテンションマネジメント、採用マッチングなどさまざまな業務をAIがサポートしてくれます。システムを通じて人材情報を一元管理できるようになるので、経営者・人事担当者の意思決定もスムーズになります。
リシテア/AI分析 - 株式会社日立ソリューションズ
- 組織ストレス予測をAIが実施
- 他のリシテアシリーズのシステムと連携可
- 暗号化や匿名化、アクセス管理などセキュリティ対策も充実
リシテア/AI分析は、日立ソリューションズが開発しているリシテアシリーズのAI分析システムです。さまざまな人事データをAIが分析して組織や従業員にかかっているストレスを予測し、早期ケアを施すことにより離職を防止します。就業管理、人財戦略、人事・給与管理など、他のリシテアシリーズとも連携可能です。
Kc-HERO - KPMGコンサルティング株式会社
- コンサルティング会社が開発したAI活用HRソリューション
- 人材配置の最適化をAIが提案
- 複雑な個別要件の組み込みが可能
Kc-HEROは、世界的なコンサルティング会社のKPMGが開発したAIソリューションです。自然言語処理の技術を活用しており、社内の文書をAI用に編集せずともAIが直接内容を分析し、人材配置の最適化プランを提案してくれます。オープンソースソフトウェアを組み合わせて開発されたAIなので、複雑な個別要件の組み込みもでき、柔軟に使用できるのが特徴です。
HR君 - 株式会社エクサウィザーズ
- 人材発掘、配置、パーソナルアシスタント機能にAIを活用
- 15分のオンライン受検で従業員の育成プランをシステムが提案
- 人材の分析をワンストップでカバー
HR君は、人材発掘・配置・パーソナルアシスタント機能などのさまざまな機能でAIを活用しているタレントマネジメントシステムです。15分のオンライン受検でタレントを可視化し、育成プランをシステムが提案してくれます。人事部にデータサイエンティストがいなくても、簡単に組織の人材分析が可能になるでしょう。
crexta - 株式会社マイナビ
- 40年以上にわたる人材サービス展開のノウハウを凝縮
- 組織のエンゲージメント測定が可能
- ハイパフォーマー、長期活躍社員などの共通点を分析
crexta(クレクタ)は、40年以上にわたって人材サービスを展開している、マイナビのノウハウが凝縮されたタレントメントシステムです。データベース機能、パーソナリティ診断機能、eラーニング機能など豊富な機能があり、エンゲージメントの測定も可能です。AIを活用してハイパフォーマー、長期活躍しそうな従業員、エンゲージメントが高い従業員の共通点を見つける機能もあります。
タレントマネジメントシステムは次の記事でも詳しく紹介しています。
AIを活用したタレントマネジメントシステム選定のポイントと導入プロセス
AIを活用したタレントマネジメントシステムの選定と導入は、組織の未来を左右する重要な決断です。従来のシステム選びとは異なり、AI特有の要素を考慮する必要があります。
次のポイントを意識して、自社に最適なシステムを選びましょう。
AIモデルの精度と学習能力の評価をする
AIが活用されたタレントマネジメントシステムを選ぶ際、最も重要なのはAIモデルの精度と学習能力です。使用しているAIモデルが、どの程度の精度で予測や分析を行えるか、また時間とともに学習し精度を向上させる能力があるかを評価しましょう。
ベンダーに過去の導入事例での精度向上の実績を確認したり、デモ環境で実際のデータを使ってテストを行ったりすることがおすすめです。また、自社の人事データの特性にあわせて学習できる柔軟性も重要なポイントです。
データの互換性とシステム連携の容易さ
AIシステムの性能は、入力されるデータの質と量に大きく依存します。そのため、既存の人事システムや他の社内システムとのデータ連携が容易であることも欠かせません。
API連携の有無、対応可能なデータフォーマットの種類、データクレンジング機能の有無などを確認しましょう。また、将来的なシステム拡張を見据えて、他のHR Techツールとの連携可能性も考慮に入れるのがおすすめです。
シームレスなデータ統合が実現できれば、AIの分析精度も向上し、より効果的な人材マネジメントが可能になります。
AIの判断根拠の透明性と説明可能性
AIによる判断や提案の根拠が「ブラックボックス」化していては、現場の理解や信頼を得ることが難しくなります。そのため、AIの判断プロセスの透明性と説明可能性が確保されているかどうかは重要なポイントです。
たとえば、人材の評価や配置の提案に対して、どのようなデータや要因にもとづいて判断されたのかを明確に示せるシステムを選びましょう。これにより、AIの提案に対する人事担当者や管理職の理解が深まり、適切な意思決定を支援できます。
AIの倫理的配慮とバイアス対策
タレントマネジメントにAIを活用する際、倫理的な配慮とバイアス対策は極めて重要です。選定するシステムが、性別、年齢、人種などによる不当な差別を生み出していないか、特定のグループに不利益をもたらすようなアルゴリズムになっていないかを慎重に確認する必要があります。
これらのバイアスは、とくに自然言語処理を行うAIサービスの導入時に欠かせないポイントです。
ベンダーがAI倫理に関するガイドラインをもっているか、定期的なバイアスチェックを行っているかなどを評価しましょう。また、自社でもAI活用の倫理方針を策定し、継続的なモニタリング体制を整えることが重要です。
AIで進化するタレントマネジメントシステム
タレントマネジメントを実現するためには膨大なデータ処理とHRに関する知識、そして経験を重ねた従業員のノウハウが必要でした。しかしAI搭載のタレントマネジメントシステムが普及することによって、どのような企業も簡単に活用できる未来がくると考えられます。
また、タレントマネジメントに限らず人事業務のさまざまな領域でAIが活用されることによって、人事の仕事がより組織の成長にコミットした仕事に変化することが期待できます。
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