物流業界向け組織診断ツールおすすめ5選!解決できる課題と導入事例
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物流業界で活用できる組織診断ツールの機能
組織診断ツールとは、アンケート調査や従業員の行動データを活用して、企業の組織課題や従業員のコンディションを可視化・分析するツールです。
実名・匿名のアンケート作成機能や、自動集計・分析など組織課題の抽出をサポートする機能はもちろん、効果的な人事施策の立案・実施までできるシステムもあります。
物流業界においても、アンケート調査や多角的な分析機能を活用し、従業員のコンディションや人間関係の問題などを事前に把握することで、離職防止や環境改善などにつなげられるでしょう。
物流業界における組織運営の課題
物流業界では従業員の安全面を考慮する必要があるほか、働き方にも特徴があります。具体的にどのような課題があるのか解説します。
慢性的な人手不足
EC市場の拡大や高齢化による労働人口の減少により、物流業界では慢性的な人手不足が深刻化しているのが現状です。結果、業務量が増加する一方で、人員の確保が困難です。
人手不足は、業務が遅れたり、品質が低下したりするなど、さまざまな影響を及ぼすでしょう。長時間労働を強いられざるを得なくなるほか、求人広告を掲載しても人が集まらない課題も生まれています。
労働環境が悪化する
ECサイトが普及したことで、消費者にとって便利な時代となりました。しかし、発注からの翌日配送や配送料無料での配送、配送日の指定などユーザーの利便性向上のしわ寄せは運送業者が被っています。
配送時間の指定や即日配送のニーズが増加したことで、ドライバーは深夜や早朝に働くケースが増え、長時間労働や過労のリスクが高まっています。
労働環境が悪化すれば、ドライバーの離職を防げないほか、新しいドライバーを雇い入れることもますます難しくなるでしょう。
従業員の健康管理が難しい
物流業界では、深夜労働や長距離輸送が発生することが多く、生活リズムの乱れや睡眠不足による健康リスクが高まる傾向があります。
健康悪化は取り返しのつかない事故につながる恐れがあるため、企業は従業員の生活や健康状態について考慮しなければなりません。
しかし、移動し続ける業務柄、コミュニケーションが取りにくく従業員とじっくり話をする時間が取れないケースもあるでしょう。
現場で働く従業員、現場をまとめる管理職、組織を運営する経営陣がそれぞれ異なる認識を持つ恐れがあります。放置すれば、大きなトラブルや職場への不満につながる可能性もゼロではありません。
物流業界の課題を組織診断ツールで解決できる理由
物流業界では、慢性的な人手不足、労働環境の悪化、健康管理などの課題を抱えています。
しかし、組織診断ツールを使用すればそれらの課題解決や、解決の糸口を見つけられる可能性があるでしょう。
物流業界の課題が解決できる理由を、組織診断ツールの機能や詳細とともに説明します。
現場の意見をくみ上げ労働環境の改善に取り組める
組織診断ツールのアンケート機能を利用すれば、従業員が何を感じているのか把握しやすくなるほか、改善策を講じられます。
物流業界では、従業員がトラックを1人で運転するケースが多く、直接コミュニケーションを取りにくいのが難点です。
そのため、業務をどのように感じているのか、人間関係に悩んでいないか、把握するのは難しいでしょう。
組織診断ツールを導入することで、職場環境に対する満足度や人間関係の課題を可視化できます。これをもとに適切な改善施策を講じることで、定着率向上や離職率の低減も期待できるでしょう。
従業員の健康や体調を把握しやすくなる
組織診断ツールを利用すれば、従業員の健康状態や精神状態について把握しやすくなります。
組織診断ツールでは、健康状態や精神状態について調査する機能もあるため、定期的に集計することで変化が見られた場合にすぐ気づける点もメリットです。
またストレスや健康問題を抱える従業員に対し、早めにコンディションを整えるためのフォローができれば、心身の不調による事故・トラブルを防止できるでしょう。
物流業界における組織診断ツールの導入事例
物流業界で組織診断ツールを導入している企業の例を、業務改善例とともに紹介します。
サンキュウエアロジスティクス株式会社
東証プライム上場の山九株式会社のグループ会社で、航空貨物分野の物流を担うサンキュウエアロジスティクスは、組織診断ツールの導入で従業員の本音を集められるようになりました。
サンキュウエアロジスティクスでは、これまで別のサーベイシステムを利用していました。しかし、年間利用コストが課題であり、設問や回答者の開示範囲も調整できず不便さを感じていました。
人事・労務の申請を紙で運用しており非効率だったことから、サーベイ機能のついた人事・労務システムを導入します。システムを変えたことで複数のサーベイを実施できるようになり、より幅広い情報を収集できるようになりました。
以前は入社後や退職時のサーベイを実施できませんでしたが、組織診断ツールの導入により、それが可能になります。これにより、退職面談だけでは得られなかった本音を収集しやすくなりました。
結果からケアすべき部分の可視化もできており、よりよい職場環境づくりに役立つ情報が得られているそうです。
※出典:SmartHR「人事・労務のペーパーレス化で業務効率化。従業員の本音を集め、従業員満足度の向上を目指す」(2025年7月11日閲覧)
株式会社オープンロジ
物流プラットフォームサービスを提供するオープンロジは、組織診断ツールの導入により組織課題を客観的に把握できるようになりました。
オープンロジでは、これまでも経営陣や人事が組織課題を感じていましたが、客観的なデータがなく本当に正しいのかわからない状態でした。
また組織が急拡大したことで社員の声が届きにくいため、組織と個人で方向性にズレが生じていないか確認すべく、組織診断ツールを導入。
アンケート調査を実施したところ、感じていた組織課題におおよそ間違いはありませんでした。これまで実施してきた人事施策が関連する項目の高スコアにつながっていたことがわかり、手応えを感じたそうです。
結果をもって現場のリーダーと1on1ミーティングを実施し、課題を共有するとともに現場改善のためのサポートを進めており、よりよい職場環境の構築につとめているそうです。
※出典:Wevox「組織の強みを見極めて活かしたい。だからこそ、本質的な仮説・検証をするためのツールを探していた」(2025年7月11日閲覧)
株式会社ダイワコーポレーション
倉庫業を中心にさまざまな物流サービスを提供するダイワコーポレーションは、組織診断ツールの導入により、従業員の主体性と相互理解が向上しました。
ダイワコーポレーションはこれまで、福利厚生の充実や働き方改革を進めていました。しかし、社員から「〇〇してほしい」と組織改革を会社にすべてゆだねる発言が増えていたそうです。
社員に主体性をもって組織改革してもらうために組織診断ツールを導入し、部門ごとに「対話会」を実施しました。
対話会ではアンケート調査結果で出た改善推奨項目のなかから、部門ごとに重要な項目を事務局が選び、スコアを上げるために計画立案・実施しました。
結果、社員が企業の課題を自分ごととして捉えられるようになり、組織をよりよくしていきたい気持ちがもてるようになったそうです。社員同士で積極的に意見交換やコミュニケーションを取ることで、相互理解が進み、よりよい会社づくりにつながっています。
※出典:Wevox「相互理解と主体性の向上で、より良い組織をつくりたい〜物流業界でエンゲージメント活動に取り組む事務局の思いと活動〜」(2025年7月11日閲覧)
おすすめ組織診断ツールの比較表
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物流業界向け組織診断ツールおすすめ5選
物流業界におすすめの組織診断ツールを紹介します。
HRBrainは、組織診断や人事評価、労務管理など、さまざまな機能と連携できるタレントマネジメントシステムです。
組織全体の状態はもちろん、従業員ごとにフォーカスした分析もできる組織診断サーベイ機能により、経営や人事、現場の労働環境の改善などに活用できます。
独自の設問設定ができるため、社内の課題を見つけやすい点も特徴です。豊富な配信設定機能と分析機能により、サーベイにかかる手間を省きながら、解像度の高い課題発見や改善策の考案を実現できます。
組織診断のほかにも、パルスサーベイやストレスチェックにも対応可能で、必要なシステムを組み合わせて使用できる対応力の高いサービスです。
カオナビは、組織診断機能が搭載されたタレントマネジメントシステムです。
社員が感じるストレス状況の可視化やエンゲージメントの分析、従業員満足度調査ができる機能のほか、退職者の傾向や離職防止のための分析などもできます。
また、サーベイの結果をワンクリックでグラフ表示でき、分析や改善策の検討に活用可能です。より具体化した追加アンケートの実施や、回答者を絞り込める機能もあります。
タレントマネジメントや人事評価など、さまざまな機能が搭載されており、人材管理に幅広く活用したい場合におすすめのシステムです。
SmartHRタレントマネジメント - 株式会社SmartHR
SmartHRタレントマネジメントは、従業員サーベイ機能が搭載されたタレントマネジメントシステムです。
プリセットサーベイ機能には組織改善のほか、人事評価やキャリア、就労環境などさまざまな分野の質問が用意されています。組織や従業員の状態をすぐに可視化できるメリットがあります。
システムに登録されている従業員情報を使ってサーベイを配信でき、部署や役職、雇用形態などでフィルタリングも可能です。サーベイ結果を登録された従業員情報とかけ合わせで分析できるほか、回答後結果が自動的に集計されるため、データ加工の手間を省けるのも魅力です。
物流業界はもちろん、さまざまな業界・職種で導入されています。
ラフールサーベイは、ウェルビーイング経営をサポートする組織診断ツールです。
従業員の登録やサーベイの回答期限を簡単に設定できるほか、ショートサーベイとディープサーベイの2種類で、メンタルやフィジカル、エンゲージメントなどを数値化できます。
回答を自動集計してわかりやすいダッシュボートで確認でき、業界内での比較や部署・属性とのクロス分析でよりくわしい分析も可能です。
また、フィードバック機能で回答の分析後に課題解決のヒントを自動表示でき、具体的な対策を推薦してくれる機能も搭載されています。
物流業界で豊富に採用されている組織診断ツールです。
Wevoxは、エンゲージメントの高い組織づくりに貢献する組織診断ツールです。
たった3分で回答できるサーベイ機能によって従業員のエンゲージメントを測定できるほか、リアルタイムで自動集計可能です。
蓄積されたデータの解析によって、組織の特徴や傾向、課題を特定できます。
独自サーベイの作成もでき、回答する範囲やサーベイの配信タイミングを自由に設定できます。
さらに回答の傾向から従業員の特性や相性も判別できるため、チーム構成や従業員同士の相互理解にも活用可能です。
物流業界向け組織診断ツールで環境を改善しよう
組織診断ツールでは社内アンケートを配布したり、回答結果を分析できたりするため、物流業界で労働環境を改善したい場合や、エンゲージメント向上を目指したい場合におすすめです。
回答結果は自動的に集計されるほか、従業員への配信設定も可能なため、サーベイ業務の効率化を図れます。
物流業界向けの組織診断ツールを導入する場合は、独自の設問を設定でき、従業員が回答しやすいシステムを選択したうえで、導入実績が多いシステムをピックアップしましょう。
組織診断ツールは、次の記事でも詳しく紹介しています。




