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顧客に愛される「熱狂づくり」の取り組み
インターネットやデジタルの普及、発達によって、商品やサービス購入の選択肢は増えた。激化する競争の中で、企業はいかにしてブランドのロイヤリティを高めていくかが重要な課題となっている。航空業界において「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指すのが日本航空(JAL)だ。
顧客から選ばれるブランドとなるために、企業はどのように価値づくりに取り組んでいけばよいだろうか。このほど都内で開催された「熱狂ブランドサミット」では、対顧客、対社内という2つの「熱狂づくり」に取り組む2人のパネリストが登壇した。
モデレータを務めたトライバルメディアハウス 熱狂ブランドマーケティング アクセラレーターの田中陸也氏は、様々な業界、ブランドの「熱狂ブランディング」を支援している。
田中氏は、「JALのような堅い社風の大企業でチャレンジングな取り組みがなぜ可能になったのか、取り組みの背景にある狙いや思い、苦労などについて明らかにしていきたい」と述べた。
まず口火を切ったパネリストが山名氏だ。山名氏は、ECサイトの企画・運営業務等に携わり、現在はコーポレートブランド推進部でマーケティングに従事する、ITとマーケティングに精通する人物だ。
JALでは、「そもそもお客様はどうやって航空会社を選んでいるのか?」について一つの仮説を導いたという。
「年に数回程度航空会社を利用する、一般的な顧客にとってはシートや機内食といったソフト面、ハード面が選択の基準になると考えていたが、そうではなホスピタリティが重視されているとの仮説を立てた」と山名氏は語った。
そこで、サービス業のブランド価値の基本は「人」にあるという原点に帰り、JALを「なんとなく好き」になってもらうために「人」にフォーカスした施策を展開する方針が決まった。