AIに奪われない仕事とは?文系ビジネスマンは「RPA女子」に学べ

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大手銀行が大規模な人員削減を進めるなど、仕事が機械に代替されるという危機が現実的なものになってきた。一方、テクノロジーの進化で生まれる新しい仕事、働き方も。それをいち早くモノにすることで開かれるキャリアの可能性について考える。

RPAの普及とともに需要が高まる人材とは

90年代におけるウェブ制作のような仕事は、今の時代では何に当たるだろうか? ひとつの例として、「RPA」に関わる仕事がある。

RPAとはRobotic Process Automationの略で、簡単に言うと、人間がPCを使って行う定形作業を代わりに行うソフトウェアだ。「朝決まった時間に社内のデータベースにアクセスして昨日までの商品別売上データを抽出し、支社支店別に集計したレポートをメールに添付して各マネージャーに送る」といった一連の作業をあらかじめインプットしておけば、毎日自動でその仕事をしてくれる。PCの中のロボット、というイメージだ。

RPAは事務系の仕事に強い。だから、事務職の仕事を奪うものという見方もあるが、実はそこには新たな仕事も生まれているのだ。

2008年以来、累計250社を超える企業に導入しているRPAテクノロジーズによると、日本ではRPAのテスト導入とその効果の確認を終え、本格運用に入ろうとしている企業が多いという。そこで需要が増しているのが、RPAの導入や運用をする人材だ。

あくまでテスト的な導入であれば、ソフトウェアベンダーなどに手取り足取りサポートしてもらえば良いが、全社的にスピーディに展開していくとなると自社内である程度の対応はできることが望ましい。RPAを使うのに高度なプログラミングスキルなどは不要だ。

導入時には、自動化したい業務の内容を把握してRPAで実現できるように業務フローを整理する「要件定義」や、専用ツールを使って実際の動作を定義する「開発」が必要になる。導入後も、RPAがエラーを出して止まってしまったときの対処や、業務側の要件変更やRPAが操作するソフトの仕様変更に対応するといった「保守運用」が必要だ。

文系女性に新しい働き方とキャリアアップの可能性を提供する「RPA女子プロジェクト」

こういった需要に対応するため、2018年5月、RPAテクノロジーズはパートナー3社と共に、RPAの導入や運用の支援を専門で行う人材を育成して企業に紹介する「RPA女子プロジェクト」を開始した。パートナーのブイキューブがオンライン教育のインフラを提供し、MAIAが教育を実施、Warisがキャリア支援を行う、という体制だ。

なお、Warisはフリーランス女性と企業とのマッチングサービスを専門に行う会社だ。登録者は、夫の転勤や出産などで一度は離職したが、過去の職業経験で培ったスキルを活かし、在宅勤務や週数日の勤務など柔軟な働き方を実現させているケースが多い。

今回のプロジェクトが「女子」を銘打ち、Warisのような企業をパートナーとしているのには、教育も実務もオンライン環境で実施することが可能で、いきなりフルタイム勤務の仕事を始めるのが難しい子育て中女性などにメリットが大きい他、ITスキル以上にRPAが担う業務に対する理解や関係者とのコミュニケーションが重要という点で「女性にとって可能性の大きい仕事」というメッセージが込められているのだろう。

プロジェクトの発表会では、研修を終えて現場で実務を覚える「OJTクラス」(時給2,000円程度)からスタートし、企業に対して要件定義から支援を行うような「ロボコーディネータークラス」までスキルアップすると時給5,000円以上を見込める、というキャリアアップのイメージが提示された。

変化の激しい世の中ゆえ、「RPAで一生食べていける」とは言えない。しかし、最先端の産業に関わることで世の中の動きに対するアンテナも磨かれる。難易度がそれほど高くなく、需要もあるという今のうちにこの業界に飛び込んで、学び続けながらキャリアアップしていくことは十分可能ではないだろうか。