十五夜は満月とは限らない?2022年はいつ?中秋の名月の意味

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記事の情報は2022-07-05時点のものです。

十五夜とは、旧暦8月15日の夜、またはその夜の月のことを意味し、中秋の名月とも呼ばれています。旧暦のため毎年変動する十五夜、2022年はいつなのか?中秋の名月といわれるその意味や、仲秋の名月との違いとは?旧暦8月15日しか十五夜と呼ばない理由や、その日にお月見をするようになった由来、十六夜の存在と十五夜が満月とは限らない理由などを解説します。
十五夜は満月とは限らない?2022年はいつ?中秋の名月の意味

十五夜とは?

十五夜(じゅうごや)とは、旧暦(陰暦)8月の15番目の夜、もしくはその夜の月のことをいい、中秋の名月とも呼ばれます。美しい満月が見れるこの日に、お月見をする方も多いでしょう。

実際には、新月が必ず月の最初の日となる旧暦の場合、約15日かけて満月を迎え、また約15日かけて新月になるまでを1か月とするため、毎月15日の夜はほぼ満月が見れます。しかし、現代では月の満ち欠けを基準とした旧暦ではなく、太陽の動きを基準とした新暦を使用しているため、十五夜にあたる日にちは毎年変動しています。

2022年の十五夜はいつ?

月の満ち欠けを基準とした、旧暦8月15日である十五夜は、新暦となった現在の暦と一致しません。2022年の十五夜は、9月10日となります。

十五夜が毎年変動する理由

1年が約365日である新暦(陽暦)では、地球の公転軌道とのズレを修正するため、約4年に1度、閏日を追加する閏年を設けています。

これに対する旧暦(陰暦)は、月の満ち欠けが基準となる12か月となっているため、1年が約354日になっています。このズレを修正するため、約3年に1度、13か月目となる閏月を追加しているのです。十五夜を新暦(陽暦)に換算すると、毎年変動してしまうのはこのためです。

中秋の名月(十五夜)の意味とは?

それでは、中秋の名月にはどのような意味があり、なぜ十五夜の別名として使われるようになったのでしょうか?

旧暦の元旦である1月1日は、現在の暦ではちょうど立春の時期にあたります。このため、旧暦では1月からが春とされており、7月〜9月までは「秋」になるのです。つまり「中秋」が、秋の中日を意味する言葉のため、中秋の名月は「8月15日の名月」を意味しているのです。

仲秋の名月との違い

中秋の名月と混同されがちな言葉に「仲秋の名月」があります。両者には明確な違いがあるので覚えておくとよいでしょう。

中秋が秋の中日(8月15日)を意味するのに対し、仲秋は旧暦8月(仲秋)すべてを意味するのです。つまり、仲秋の名月といった場合、十五夜だけでない8月のすべての名月を意味しています。

中秋の名月(十五夜)にお月見する理由

日本には、古来から月を愛でる習慣自体はあったといわれています。しかし、十五夜を特別視してお月見するようになったのは、平安時代に伝わった中国の「中秋節」に由来します。

中国での中秋節は、春節に次いで大きな祝日。3000年とも言われる中秋節の歴史は、古代の月祭りまで遡るそうです。中秋節には家族や友人を招いて、月餅を食べながら月見をする風習があったのです。

宮中に伝わったお月見は、鎌倉時代を経て江戸時代になる頃には、農村の収穫祭と結びついて庶民に浸透し、豊かな実りの感謝を捧げ、お供え物とともにお月見をするようになったといわれています。このため、十五夜には「芋名月」という別名もあります。

十五夜は満月とは限らない?

すでに解説したように、旧暦では毎月15日は「ほぼ」満月になります。しかし、必ず満月になるわけではなく、完全な満月は前後にズレる場合も多くなります。

これは旧暦(陰暦)が、1か月を29日、もしくは30日としているのに対し、月の満ち欠けの周期が約29.5日となっているからであり、新月から満月までが14日〜16日と幅があるためです。

十五夜と対になる日本の十三夜

古来中国から伝わった風習、十五夜のお月見のほかに、日本独自の風習に「十三夜(じゅうさんや)」のお月見があります。

旧暦8月15日の十五夜に対し、旧暦9月13日の十三夜は、その時期に食べ頃を迎える大豆や栗などを供えたことから「豆名月」「栗名月」とも呼ばれ、十五夜の後であることから「後の月(のちのつき)」とも呼ばれました。

江戸時代には、十五夜と十三夜は対であるとされ、どちらか片方しか月見しないことを「片月見」「片見月」で縁起が悪いといわれたそうです。

十五夜のまとめ

古来中国の中秋節に由来する中秋の名月、十五夜は、日本の収穫祭と結びついて定着し、お月見になったといわれています。それは十五夜の月が非常に明るく、農作業にも適していたことから、神様が農作業を手伝ってくれることへの感謝のしるしだともいわれています。

2022年の十五夜、十六夜には街の灯りから離れ、当時のように月明かりを感じるのもいいのかもしれません。片月見にならないよう、十三夜のお月見もお忘れなく。