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口コミ接触者の購買転換率を調査
企業ブランディング支援を手がけるアジャイルメディア・ネットワークは、「クチコミ接触者の購買転換率調査」を実施、結果を2月に発表した。
同調査では、ソーシャルメディア別、業種別に、口コミ(個人の情報発信)が購買に与える影響について分析した。一口にソーシャルメディアといっても多くの種類があり、それぞれユーザーや使われ方が異なる。影響を与える業種も異なると予測されるが、日本ではそういった調査があまり行われていないという。
そこで、日本でユーザーが多い7つのソーシャルメディアを利用しているユーザー1,112名を抽出、このうち「ソーシャルメディア上で半年以内に口コミに接触したことがある」と回答した人に、購入や来店につながった経験があるメディアを選択してもらった。有効回答数は883人。調査対象メディアは、Twitter、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTok、ブログ。
トップ3は「食料品」「化粧品」「ファッション」
調査の結果、口コミが来店や購入につながったという回答が多かった業種は、「食料品」「化粧品」「ファッション」だった。対して「不動産」「自動車」「旅行商品」の回答数が少ないが、そもそも購入頻度が低く購入経験を持つ人も少ないため、「回答率が低くなるのは当然」とのこと。
なお、過去半年間で口コミを見た回数をメディアごとに集計したところ、LINE、YouTube、Twitter、Instagram、Facebook、ブログの順番で多かった。これは各メディアの利用率にほぼ近いと考えられるという。
各メディアが「得意」な業種は?
同社は、利用率が高いソーシャルメディアの購買転換率が高い結果になるとして、接触率を元に業種ごとの購買転換率を指数化、偏差値をとり、レーダーチャートを作成している。(TikTokは有効回答数が少なかったため除外)
偏差値ベースで見ることで、口コミ影響度が大きい“得意な業種”がソーシャルメディアによって異なる、という傾向が見えてくる。Twitter、Facebook、YouTube、LINE、Instagram、ブログと、メディアごとに詳しく紹介する。
Twitterでは、「飲料(お酒以外)」がもっとも高い購買転換率を示した。次いで、「コンビニ」「ゲーム、玩具」。他に「映画、テーマパーク」などが高い数値を出しており、同社は「Twitterにおいては頻繁に投稿することが容易というサービスの構造もあり、低単価で頻繁に購入される商品の購買転換率が他のサービスに比べて高い結果になっている」と述べた。
Facebookでもっとも高い購買転換率を示した業種は「お酒」だった。次に「デジタルガジェット」「自動車」が続く。また「旅行商品」「スポーツ用品」が他のメディアより高い。Facebookのユーザーは会社員が中心といわれており、利用者の傾向が購買転換率に反映された結果だという。
YouTube
YouTubeでは上位2つに「スマホアプリ等」と「ゲーム・玩具」が入った。次いで「デジタルガジェット」だが、上位2業種とは大きな差がある。これ以外の業種は軒並み低い数値となった。Youtuberが紹介した商品やゲーム実況が影響していると考えられる。
LINE
LINEでは、顕著な業種の偏りはなかったなかでも、「お酒」「飲料(お酒以外)」が高い結果となった。同社は「LINEでは直近タイムライン投稿型の飲料のクーポンキャンペーンが多く実施されており、その結果が反映されていることが考えられます」としている。
Instagramは他のメディアと比べ、全業種で高い購買転換率を出した。Instagramならではの「ファッション」「化粧品」だけでなく、「映画、テーマパーク」「外食店舗」なども高い数値を示している。他にも「食料品」「旅行商品」「日用品」など写真でイメージが伝わりやすい業種において、購買転換率が高いことがわかる。
ブログ
ブログでは「家電」が突出。次いで「日用品」「デジタルガジェット」の購買転換率が高かった。他のメディアに比べると、ブログは検索や他メディア経由で流入することが多いため、「比較的単価が高く、購入前に比較検討する商品が高い結果になった」とのこと。