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ユニコーン企業とは
ユニコーン企業とは、設立10年未満で企業の評価額が10億ドル以上ありながらも、上場していないベンチャー企業のことです。
なぜここ近年でユニコーン企業が増えたかの理由について解説します。また、代表的なユニコーン企業と日本を代表するユニコーン企業についても紹介します。
ユニコーン企業の由来
ユニコーン企業の名前の由来は、ユニコーンのように伝説の生き物でとても「レアな存在」という意味が込められています。ユニコーン企業は、創業間もないにも関わらず巨額の利益をもたらす可能性があることから、希少価値が非常に高く、多くのベンチャー投資が注目をしています。
ユニコーン企業の数は?
2015年1月の米フォーチュン誌によれば、ユニコーン企業は80社以上存在し、かつてはフェイスブックやツイッターもユニコーン企業でした。ほかにも、同誌ではスマートフォン世界シェア3位のXiaomi(中国)、ドロップボックス、ピンタレスト、Uber、Airbnbも、短期間で企業価値が急上昇し、ユニコーン企業として注目されていました。
ユニコーン企業が増えた理由
ユニコーン企業が増えた理由として考えられることについて解説します。
インターネット企業の株式公開の増加
FacebookやTwitterなどのネット企業の株式公開が増加し、Googleを筆頭とするビッグカンパニーが次々に企業買収を行ったことが理由の一つです。
その結果、2015年11月の段階ではフェイスブックの企業価値は3,000億ドルを超える企業になりました。このようにインターネット企業の株式公開の増加により、ユニコーン企業が増えました。
スタートアップの買収の増加
Google、フェイスブック、アップルなどのインターネット界のトップ企業が莫大な資金を投じ、スタートアップ企業の買収が増加していることも理由の一つと考えられます。
もともと資金力のある企業が買収を行うことで積極的な投資活動が行われ、結果として有望企業がスタートアップの段階で急成長する可能性が広がっているのです。
スタートアップの地位の向上
これまでは非上場企業の社会的信用は、長年企業を存続しているといったことでしか信頼を得ることが困難でした。
しかし、インターネット会社の大成功の例により、スタートアップ企業の社会的地位が向上しはじめたことも理由の一つと考えられます。
資金調達が容易になった
これまでは株式公開をすることによって、資金調達をするのが一般的な流れでした。現在では株式公開ではない資金調達の手段が増えたこともユニコーン企業が増えた理由となっています。
たとえば、マーケティングやファイナンスを行っているメタップスの場合には、アメリカ投資ファンドから50億円以上の資金を調達することに成功し、株式公開をせずとも莫大の資金を確保できます。
上場はただの手段という認識の広がり
ベンチャーキャピタルによる投資がさかんになり、上場はひとつの手段に過ぎないという認識が広がったことも理由に挙げられます。
特にスタートアップの場合には、世の中に改革を起こすことを目指す企業が多いため、投資を受けることによって投資家にイニシアチブを渡したくないというケースも増えています。
代表的ユニコーン企業
代表的なユニコーン企業を紹介します。
ウーバー(Uber)
- 拠点:アメリカ
- サービス概要:シェアリングエコノミー
世界70か国・地域の630都市以上で利用可能な自動車配車サービスです。アプリで簡単に配車ができ、車種・乗車位置・目的地など自由に決められます。運転手が顧客を、顧客が運転手を相互評価でき、両者にとって利用しやすい仕組みです。UberEATSと呼ばれる出前サービスも登場し、利用する飲食店も増加しています。
エアビーアンドビー(Airbnb)
- 拠点:アメリカ
- サービス概要:宿泊施設・民泊サービス
世界192か国・33,000の都市で80万以上の宿を提供している民泊サービスです。Airbnbの特徴は、世界各国の個性的でユニークな部屋を低コストで借りれることです。空き家や空き部屋を有効活用したいホスト側と、手軽に多種多様な部屋を借りたいユーザーをつなぐサービスとなっています。
シャオミ(Xiaomi)
- 拠点:中国
- サービス概要:スマートフォンを製造販売
世界スマートフォンシェアの7%近くをしめるスマートフォンメーカーです。生産機種を絞り大量生産を行い、マーケティングをオンラインに限定することでハイエンド機種でも低価格を実現しています。日本でも2017年4月より正規代理店が登場し、取り扱っています。
滴滴出行(ディディチューシン)
- 拠点:中国
- サービス概要:シェアリングエコノミー
滴滴出行は、中国版Uberとも呼ばれる世界最大級の交通プラットフォームです。2018年の2月には、日本のタクシー事業者と提携したサービスの発表されました。
スペースX(SpaceX)
- 拠点:アメリカ
- サービス概要:ロケット製造
商業衛星用のロケットを中心に製造・打ち上げを行っています。商業衛星市場では低コストロケットで大きなシェアを獲得しています。またアメリカの軍事衛星の打ち上げにも参入しており、今後さらなるシェア拡大が予測されます。
WeWork(ウィーワーク)
- 拠点:アメリカ
- サービス概要:オフィススペース運営
100 都市に 500 拠点以上のオフィスを抱え、主要都市でコワーキングスペースを提供している。建築デザイン企業を買収し、設計図を用いずにオフィス設計できる手法を用いているため、オフィス環境を容易に複製できるという強みもあります。
WeWorkのビジネスモデルについては、次の記事を参考にご覧ください。

日本のユニコーン企業
日本の代表的なユニコーン企業を紹介します。
メルカリ
- サービス概要:フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用
いらなくなったものを安価に売買できるフリマアプリです。2013年にリリースされて以降ユーザー数を伸ばし続けています。
DMM.com
- サービス概要:デジタルコンテンツ配信事業、オンラインゲーム事業など
もともとビデオレンタル店から始まり動画配信事業で急成長しました。動画配信事業とオンラインゲーム事業を主力としているが、近年ほかにも多くの事業を展開しています。太陽光発電・仮想通貨・家事代行マッチングなど展開するサービスはWeb関連以外のものもあります。
LINE
- サービス概要:モバイルメッセンジャープラットホームLINEの運営など
LINEアプリは、日本でプライベートで使うメッセージアプリとしてもっとも普及しています。韓国最大のインターネットサービス会社ネイバーの100%子会社として2000年に日本で設立されました。LINEオリジナルキャラクターの人気もあり、フラッグシップストアも運営しています。
ユニコーン企業について知り、有望なスタートアップに注目
多くの投資家がスタートアップに注目しているため、ぜひこれを機会にユニコーン企業について知り、有望なスタートアップに注目してみてはいかがでしょうか。
2017年ではユニコーン企業の8割がアメリカと中国から誕生していると言われていますが、今後はますますインターネットの発展により、日本のユニコーン企業も増えていくことでしょう。
