CMSを比較!世界シェアから見るおすすめツール紹介・導入前に検討すべきこと
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CMSとは
CMSは、Webサイトのコンテンツを構成するテキスト・画像・デザイン等を一元的に管理できるシステムのことです。
従来のWebサイトではHTML・CSSの知識が必要になるため更新・配信が簡単ではなく、つい更新が滞りがちでした。しかしCMSを使えば専門知識なしでも気軽に更新ができるため、タイムリーなメッセージを配信できるようになりつつあります。
CMSが注目される背景
CMSは2010年頃から徐々に活用が増え始め、現在では数多くの企業Webサイト構築・更新がCMSで行われています。なぜ企業Webサイト運営にこれほどCMSが注目されているのでしょうか。
One to One マーケティングの重要性
大きな理由のひとつに、One to Oneマーケティングが主要になった点が挙げられます。人口減少により市場が縮小、かつユーザーはインターネットやSNSなどから多様な情報を受け取るようになりました。そのため個々の顧客に対し効果的にマーケティングを行う必要が生じています。
CMSは、現代ユーザーがもっとも情報源として活用する「Webサイト」を充実させ、タイムリーに情報発信ができます。すなわち、現代にもっとも適したマーケティングツールのひとつです。
オウンドメディアの活用が一般的に
また、CMSが重要視されるようになったもう一つの理由としては、オウンドメディアが重視されるようになった点も挙げられるでしょう。
製品やサービスのアピールにとどまらず、関連した情報を幅広く発信することで、ユーザーをリード・見込み顧客として獲得していく役割を果たすのが「オウンドメディア」です。
しかし上述したように、従来のHTML・CSSによるWebサイト更新の手法では、せっかく発信可能な情報があっても、都度、IT部門への更新依頼、または外注作業が発生するため公開が滞ってしまい、結果的に鮮度のないWebサイトとなりがちです。
これに対し、CMSでオウンドメディアを構築することによって、だれもが、ブラウザでテキスト編集を行う感覚でコンテンツ更新が可能となり、スピーディーでタイムリーな情報発信の実現が可能になるでしょう。
次の記事では、オウンドメディアについてより詳しく解説しています。
CRMの市場シェア
世界中で利用されるようになったCRMですが、市場シェアについて確認してみましょう。
CMS世界シェア
下図は、世界中で使用されているCMSのツールシェアを、パーセンテージで表したグラフであり、本来は85位まで公開されているものを、10位まで抜粋してあります。
これによると、全世界で運営されているWebサイトの49%がCMSツールによって構築されており、全体の29.4%、CMSツール全体では60%で「WordPress」が活用されているのがわかります。
「Joomla!」と「Drupal」がそれに続く形です。しかし、いずれもCMSツール全体でのシェアは10%にも満たない状況であり、WordPressが圧倒的な人気を誇っているが読み取れます。
CMS日本シェア
これに対して、日本でのCMSツールシェアをパーセンテージで表したグラフが下図になりますが、こちらは3位までしか公開されていません。
世界シェアとは異なり、Webサイト全体でCMSツールが活用されている割合は公開されていませんが、それでも84.5%で「WordPress」が使用されており、日本においての圧倒的な人気が伺えます。
興味深いのは、2位に「Adobe Dreamweaver」が食い込んでいることであり、IT部門がコンテンツの更新を行う日本企業の特徴が見えるようにも思えます。
また、3位の「makeshop」は、日本製のEコマースサイト構築ツールであり、世界シェアで見ても73位に食い込むなど、国内での支持の高さを推測できるでしょう。
オープンソースとパッケージ
こうしたCMSツールは、大きく次の2つに分けられます。
- 無償公開されライセンス料金のかからないオープンソース
- エンタープライズでの運用を念頭にライセンス料金のかかるパッケージ
しかし、Webサイトを公開するためには、サーバーにホスティングを行う必要があり、オープンソースといえどもすべてが無料で運用できるわけではありません。
世界シェアでTOP3を占めるCMSツールが、いずれもオープンソースである事実もまた興味深いといえるのではないでしょうか。
CMSの選び方
CMSを選ぶ際は、次の流れで確認しましょう。
- CMSの導入目的を確認する
- CMSの機能を確認する
- CMSを導入する際の注意点を確認する
- CMSの料金・価格相場を確認する
CMSの導入目的を確認する
CMSの導入を検討する際は、まず導入目的を明確にしましょう。主な導入目的は次のとおりです。
導入目的 | 詳細 |
---|---|
Webページの更新や追加をタイムリーに行いたい | 操作が簡単でシンプル、ノーコードで見たまま編集が可能なCMSがおすすめ |
Webサイト制作だけでなくマーケティング施策も実施したい | アクセス解析やABテスト、メール配信などマーケティング機能が付随したCMSがおすすめ |
ECサイトやグローバル展開を想定してサイト設計をしたい | 決済やカート機能があるもの、多言語やタイムゾーン対応しているCMSがおすすめ |
CMSの機能を確認する
CMSでできること、利用できる機能は次のとおりです。上記の導入目的・課題をどのように解決できるか記載しているため、必要な機能を洗い出しましょう。
【基本的な機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
見たまま編集・更新 | HTMLやCSSを使わず見たままでわかりやすい操作ができるエディタ機能 |
更新履歴の保存 | 過去のコンテンツを消さずに更新できる機能 |
公開日時の指定 | 記事の公開日時が設定できる機能 |
承認フロー | チェックが必要な記事の承認依頼が出せる機能 |
権限管理 | コンテンツの作成や変更などの操作の権限を管理できる機能 |
アクセス解析 | Webサイトのアクセスを解析する機能 |
LPO | ランディングページの最適化を図る機能 |
アンケート・メルマガ配信 | アンケートやメルマガを作成して配信できる機能 |
FAQ | 問い合わせページを作成できる機能 |
CXM | 顧客への対応やエンゲージメントを追跡し定性的なインサイトを提供する機能 |
ソーシャル連携 | SNSと連携できる機能 |
各種ツール連携 | データベースやAPIなどのツール連携機能 |
レスポンシブ表示 | PC、タブレット、スマートフォンなどデバイスごとの画面サイズに合わせて自動で表示を調整する機能 |
【特定の課題・用途・業界に特化した機能】
機能 | 詳細 |
---|---|
商品登録 | 商品マスタを登録する機能 |
お気に入り登録 | お気に入り登録ができる機能 |
ショッピングカート | 商品の購入、数量の変更を行える機能 |
決済機能 | 商品を購入できる機能 |
会員登録 | 会員登録をし、ログインできる機能 |
Webサイトを運用しながらマーケティング施策を効率的に行いたい場合はアクセス解析やLPO、CXM機能があるものを、EC業界であればショッピングカートや決済機能があるCMSを選びましょう。
CMSを導入する際の注意点を確認する
CMSを導入する際、失敗しないために次の項目も確認しておきましょう。
確認事項 | 詳細 |
---|---|
セキュリティ | 多くの記事や顧客情報を扱うためセキュリティが用意されているのかを確認しておきましょう。 |
サポート体制 | 導入サポートをはじめ運用中の対応などサポート体制について確認しておきましょう。 |
多言語対応 | グローバル展開を想定している場合やあらゆるユーザーが利用するサイトの場合は言語対応についてもしっかりと確認しておく必要があります。 |
CMSの料金・価格相場を確認する
CMSの料金は次のタイプによって異なります。
- オープンソース型
- パッケージ型
- クラウド型
オープンソース型の場合、無償公開されているため料金はかかりません。ただし、テンプレートやプラグインが有料の場合はそれぞれの費用がかかります。
パッケージ型の場合、月額費用のほかに初期費用やライセンス費用が必要となります。サイト運用の規模や企業の規模、使用する機能などによって費用が異なります。
クラウド型の場合、初期費用はなかには無料のものもありますが100,000円〜750,000円が相場です。月額費用は1,500円〜120,000円程度が相場です。機能やサポート内容、セキュリティ対策の方法などによって料金が大きく異なります。
種類と合わせて必要な機能と要件が搭載されているCMSの料金を確認しましょう。
また、Webサイトのページ数や規模感によって費用が異なる場合もあるため、気になるCMSがある場合は公式サイトから見積もり依頼や相談をして具体的な金額感を掴んだうえで検討しましょう。
おすすめCMSツールの料金や機能がまとまった資料はこちらから無料でダウンロードできます。
世界シェアTOP3のCMS
CMSはさまざまな種類がありますが、主に3つのCMSが世界シェアを大きくしめています。その機能比較を簡単に行ってみましょう。
WordPressは、ブログ用のCMSとして圧倒的な世界シェアを誇り、その完成度の高さから愛用者の多いオープンソースCMSです。これがもたらすメリットとして、万単位にもおよぶプラグインが公開されており、これを追加することによって充実したマーケティング機能を搭載できます。
ソースコードが無償のほか、プラグインもほぼ無償のため、導入コストを押さえられるのもメリットであり、中堅規模のコーポレートサイトにも対応可能な堅牢性も併せ持っています。
WordPressの料金プラン・費用
料金プラン | 月額費用 |
---|---|
無料 | 無料 |
パーソナル | 1,100円 |
プレミアム | 2,100円 |
ビジネス | 4,600円 |
コマース | 8.000円 |
エンタープライズ | 要問い合わせ(年間$25,000〜) |
WordPressの評判・口コミ
Joomla!
Joomla!は、ハーバード大学やLinuxなどのWebサイト構築に使われている、オープンソースCMSです。WordPressよりは難しいものの、Drupalほどの専門知識を必要としない運用が可能であり、SNS作成、Eコマースサイト構築、ヘルプポータルサイトの構築にアドバンテージを持っています。
テーマや拡張機能のモジュールはやや少なめですが、必要にして十分のテンプレートが用意されており、Joomla!用の高品位なテーマを有償で提供しているサイトも存在しています。
Joomla!の料金プラン・費用
無料
Drupalは、数十万ページにおよぶNASAのサイトをはじめ、世界中の企業の大規模サイトを支えるオープンソースCMSです。こちらもアドオンといわれる機能拡張を追加することにより、ECサイト運営やマーケティング機能を実装でき、その柔軟性と拡張性はパッケージ以上といわれるほどの評価を得ています。
オープンソース故に、大規模サイトの運営には開発力が必要になりますが、運用をサポートするベンダーも存在しており、注目のCMSといえるでしょう。
Drupalの料金プラン・費用
無料
Drupalの評判・口コミ
それぞれにインターフェースや扱いやすさ、特徴に違いがある3つのツールですが、オープンソースであるだけに、企業ニーズをすべて満たすには、カスタマイズやプラグイン・モジュールなどの追加も必要なります。
次に、それぞれの主要な項目を比較した表を作成してみました。
WordPress | Joomla! | Drupal | |
---|---|---|---|
扱いやすさ | 直感的な操作が可能 | 慣れるまでに少し時間が必要 | サイト構築に時間が必要 |
テーマ | 3,000以上 | 1,000以上 | 2,000以上 |
機能拡張 | 45,000以上 | 32,000以上 | 7,000以上 |
Eコマース機能 | ○ | ○ | ○ |
SEO | ◎ | ○(追加のチューニングが必要) | ○ |
モバイル対応 | ○ | ○ | ○ |
フォーラム機能 | ○(機能拡張の追加が必要) | ○(機能拡張の追加が必要) | ○(機能拡張の追加が必要) |
コミュニティ機能 | ○(カスタマイズが必要) | ○(機能拡張の追加が必要) | ○ |
サーバーOS | Linux | Linux / Windows / Mac OS X | Linux / Windows |
データベース | MySQL 4.1以上 | MySQL 3.23以上 | MySQL 4.1 / 5.x以上 |
プログラミング言語 | PHP 4.3以上 | PHP 4.3.10以上 | PHP 4.3.2以上 |
ECサイト向けCMS
簡単にWebサイトを構築できることで圧倒的な人気を誇っている WordPressですが、世界・日本シェアともに、個人によるサイト運営も含まれているため、企業のみに対象を絞った場合、また違った結果がでてくることも予想されます。
その意味においては、日本シェアのNo.3である「makeshop」をはじめとした、Eコマースで活用されているCMSツールを排除してしまうわけにはいかないでしょう。
makeshop - GMOメイクショップ株式会社
makeshopは、導入実績11,000社以上※、11年連続ASPカート型ネットショップ流通総額No.1※のネットショップ構築ツールです。100種類以上※のテンプレートデザインを利用し、商品ページやTOPページなどを構築可能です。
会員専用のログイン制御機能やポイント付与設定など、機能数業界No.1※の機能を運用に合わせ利用できます。ショップ立ち上げから商材に合わせた運営、集客まで、電話やメール、質問掲示板などでサポートしてくれます。
※makeshop公式サイトより(2023年3月閲覧)
makeshopの料金プラン・費用
料金プラン | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
プレミアムプラン | 11,000円 | 12,100円 |
makeshopエンタープライズ | 110,000円~ | 60,500円~ |
makeshopの評判・口コミ
ferret One CMS - 株式会社ベーシック
ferret One CMSは、BtoBのサイト運用に特化した国産CMSです。HTMLやコーディング不要でサイトを更新できるツールと、マーケティングに役立つ機能をセットで提供しています。
BtoBサイトに必要なページやページ構成のテンプレートをもとに、サイトを構築でき、Q&Aや電話番号付きCTAなどのパーツも搭載しています。マーケティング担当自身によるLPの量産のほか、ターゲット別やキーワード別テストも実施可能です。
ferret One CMSの料金プラン・費用
- 初期費用:10万円
- 月額費用:10万円〜(プランにより異なります。)
A-BiSU(エビス)は、AIを駆使したWebマーケティングをオールインワンで実現するECサイト向けCMSです。
AIがコンテンツ作成や顧客対応管理をサポート。既存サイトのHTML・CSSを一括で取り込めるためデザイン変更が要らず、「見たままの画面」上で直感的に編集できるようになります。さらに、決済などバックエンドを担う外部ECサービスと連携でき、ECサイト運営を続けながらコンテンツマーケティング施策の強化を実現します。
A-BiSU(エビス)の料金プラン・費用
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A-BiSU(エビス)の評判・口コミ
EC-CUBEは、ECサイトで使用するコードをオープンソース化し、350を超えるプラグインなど、高い拡張性や自在な変更が可能なデザインなどを実現した、日本製CMSです。
大規模サイト用にコードを書き換えられるなど、オープンソースならではの利点を活かし、型に縛られないサイト設計が可能、システム担当者のエンジニアがいれば、ライセンス料金をかけずに自由なデザイン/機能を実現するサービスのため、企業独自のオリジナリティを表現するのに最適です。
EC-CUBEの料金プラン・費用
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Movable Type
Movable Typeは、国内5万サイト※以上に導入されているCMSです。コンテンツを構造化して出し入れを容易にしており、再利用性にも優れています。
Data APIにより、柔軟なコンテンツ運用が可能。ウェブサイト・アプリ・デジタルサイネージなど、デバイスや出力形態にとらわれず利用できます。
※出典:Movable Type「Movable Type」(2022年7月26日閲覧)
Movable Typeの料金プラン・費用
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Magento
Magentoは、世界中のECサイト構築に使用されているオープンソースのCMSであり、Eコマースに限定すれば、世界No.1のシェアを誇っています。(※CMSツール全体ではシェア4位)
特に越境ECではその強みを発揮しており、各国の商習慣にあわせた細かなパラメーター調整を柔軟に行えます。反面、最適化にそれなりの知識が必要とされ、日本国内でサポートが可能な制作会社が少ないことから、やや日本では知名度が低くなっているともいえます。
Magentoの料金プラン・費用
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CMSはサイト規模と要件で決めよう
世界No.1のシェアを誇るWordPressでも、複雑なディレクトリ構造を強いられる際には、サーバーへの負荷が極端に大きくなる一面を持っており、逆にDrupalでは、直感的なサイト構築を行うことが難しいことから、サイトを立ち上げるまでの時間がかかりがちな一面を持っています。
こうしたCMSの特徴を把握しサイト構築をどのような規模で、どのように更新していくかを明確にし、それに最適なCMSを見極めていくことが重要だといえます。サーバー構築やSEOへのチューニングを含め、適切な制作会社の選定とパートナーシップが必要になってくるといえるでしょう。
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