パイプライン管理の手法とメリットとは?Excelとツールで営業プロセスを可視化
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- パイプライン管理とは?
- パイプライン管理の目的
- 営業プロセスになぜ改善が必要なのか
- パイプライン管理を行うメリット3つ
- 営業プロセスを可視化できる
- 見えなかった長所を発見できる
- 可視化で営業目標を逆算できる
- パイプライン管理の手法
- 営業プロセスを最小単位に
- 各プロセスでの停滞を把握
- 営業担当者の能力を把握
- 顧客ごとの売上を把握
- パイプライン管理の注意点
- リアルタイムで情報を共有する
- チーム全体で正確に情報伝達を行う
- 効率的な運用を行う
- Excelを用いたパイプライン管理
- ExcelやTeamsで営業プロセスを可視化
- パイプライン管理におすすめのツール
- パイプライン管理で営業効率化へ
- BOXILとは
パイプライン管理とは?
パイプライン管理とは、営業で発生するムダを解消するために、営業プロセスをパイプラインにたとえて、顧客とのファーストコンタクトから受注までの一連の流れを詳細に分析するアプローチのことです。
たとえば営業プロセスを「ファーストコンタクト→訪問→ヒアリング→提案→見積もり→稟議→受注」と細分化します。この細分化した工程ごとに成功率といった数字で比較し、とくに数字の低い工程を洗い出します。
数字の低い工程で問題のある箇所を改善することで、ボトルネックの解消やムダを省ける管理方法です。全体の効率化を図れるため、多くの企業に導入されています。
パイプライン管理の目的
パイプライン管理を導入する目的は、営業にまつわる一連のプロセスを可視化することで課題を明確にし、生産性向上につなげることです。
可視化されたパイプラインを見れば、どのようなタイミングで失注が発生しているのか、どの部分に時間がかかっているのかが明確になります。ボトルネックとなるプロセスが見つかれば、原因を特定して迅速に改善を図っていけるでしょう。
営業は担当者個人のスキルが成果に反映されやすいため、ボトルネックとなるプロセスを判断するのが難しくなります。しかし、パイプライン管理を行うことでムダを排除し、効率的に営業活動を行えます。
また、状況を可視化・分析することによって中長期的な売上予測を立てられるようになり、適切なKPIの設定もできるでしょう。
営業プロセスになぜ改善が必要なのか
ほとんどの企業で営業プロセスにムダが生じているといわれており、ムダを明確にして丁寧に営業効率を改善すれば、全体の売り上げも大きく向上することが判明しています。
営業のボトルネックを解消する有効な方法としてパイプライン管理を取り入れる企業が増えており、SFAやCRMなどとの連携によって大きな成果を上げています。
SFAとCRMはそれぞれ日本語に訳すと、営業支援システム、顧客関係管理を意味する言葉です。営業や顧客情報の管理にかかる業務の手間を自動化・効率化できることから、営業効率の大幅なアップが期待できます。
パイプライン管理を行うメリット3つ
パイプライン管理を行うメリットは次の3つです。
- 営業プロセスを可視化できる
- 見えなかった長所を発見できる
- 可視化で営業目標を逆算できる
パイプライン管理を行うにあたって、細部の問題点まで深掘りして丁寧に解決することが、セグメントごとの改善に重要なポイントとなります。
営業プロセスを可視化できる
営業プロセスを最小単位までセグメント化し、だれにでもわかるように可視化することによって、営業部門が抱える具体的な課題を把握できます。
どれほど営業の効率化を図ってもボトルネックは存在するので、それを可視化して積極的に解消することで、営業部門全体の問題を解決し、売り上げアップに大きく貢献できます。
また、問題を解決するために行われた施策やアドバイスを記録すれば、それを研修の内容に反映させられるでしょう。
見えなかった長所を発見できる
社員個人の営業成績を各プロセスで細分化し数値化することで、これまで目に見えなかった長所が明らかになり、モチベーションアップや各個人の自信にもつながります。
逆に各々が抱えている課題や問題も詳らかになるので、改善にフォーカスすることにより適切な指導も可能になるでしょう。
さらに、個人の課題解決により、チーム全体の目標達成の底上げにもつながります。個々の担当者の活動状況を可視化することにより、新人教育や組織全体のスキルの標準化に活用できるといったメリットも得られるでしょう。
可視化で営業目標を逆算できる
営業プロセスを体系化することで営業の達成状況が明確になり、そこから逆算して営業目標を各セグメントごとに設定できるようになります。
多くの企業では全体の目標を設定するものの、それが状況に整合しないため形骸化してしまうケースが少なくありません。パイプライン管理によって現状を可視化し、そこから具体的な目標を設定することで、現実的に達成可能な目標を設定できます。
パイプライン管理の手法
営業活動におけるパイプライン管理「商談の流れ」を順序立てて説明していきます。
営業プロセスを最小単位に
パイプライン管理を行うにあたって、まず営業プロセスの細分化が重要となります。
顧客とのファーストコンタクトから訪問しての商品やサービスの説明、そして見積もり・受注・アフターフォロー・売上に至るまでのプロセスを細分化して整理します。
企業によってプロセスは若干異なることが多いため、実際に行っている営業のプロセスを俯瞰するところからはじめましょう。
営業におけるアフターフォローの重要性についてはこちらの記事で解説しているので、あわせて参照ください。
各プロセスでの停滞を把握
営業プロセスを段階ごとに整理したら、次に各プロセスでの目標達成率や進捗度をグラフ化します。
これによって、ブラックボックスの状態だった各プロセスが見える化され、目標達成を妨げているボトルネックが何か把握しやすくなります。各プロセスの状況が明らかにならなければ、具体的な改善箇所がわからず、的外れな改善策を打ち出す可能性もあるため注意しましょう。
営業担当者の能力を把握
具体的な改善箇所を明らかにしたら、営業担当者ごとにデータドリブンを行うことで個人の得意分野の抽出が可能です。
顧客へのアプローチ数やアポ取得数、ヒアリングとプレゼン実施数、見積もり数や受注数などをグラフ化することで、それぞれの営業担当者の得意・不得意が可視化できます。すると、具体的にどこを改善すればいいかが把握できるようになります。
顧客ごとの売上を把握
顧客ごとにグラフ化を行い、比較することで売り上げ効率のいい営業手法が明らかになります。
グラフを比較検討することで、営業フェーズのどの部分にフォーカスすれば高い集客効果を得られるのか、受注につながりやすい集客チャネルはどれかといった判断ができるようになります。そのため、最終的にどこに営業リソースを集中させればいいかの把握が可能です。
パイプライン管理の注意点
パイプライン管理を行う際には、注意すべきポイントが3つあります。パイプライン管理をスムーズに進めるためには、効率よく行えること、また情報共有をしっかり行うことが重要です。
リアルタイムで情報を共有する
営業の進捗状況は日々変化するものであり、戦略もこれに合わせて変化させていく必要があります。そのためには最新の情報を、正確に把握しなければなりません。
導入する際には現場社員の最新情報が管理者へ伝わるように仕組みづくりを行う、もしくはリアルタイム性が確保できるツールを活用しましょう。ツールであれば、共同編集のような機能のあるものがおすすめです。
チーム全体で正確に情報伝達を行う
パイプライン管理は、マネージャーのような管理者だけが情報を把握していても、効果を最大限に発揮できません。なぜならパイプライン管理に必要な情報を提供するのは現場社員であり、社員ごとに認識が違うと正確な数値が出せないからです。
そのためパイプライン管理で使われる情報はチーム全体で共有し、社員全員が正確な情報を知り、提供できるようにしましょう。
効率的な運用を行う
情報の提供を行う現場社員は、データ入力の作業が必要になり、マネージャーのような管理者はデータの集計・分析を担当します。ここで時間がかかってしまうと現場社員の負担が増え、リアルタイム性を保つことが難しくなるでしょう。
そのため入力フォームの簡略化や、集計の工程を短縮するための仕組みづくりを行う必要があります。今回紹介したようなITツールは業務の自動化や効率化を可能にする機能が豊富なので、こういったツールを活用していきましょう。
Excelを用いたパイプライン管理
パイプ管理には、身近なツールであるExcelを使うことでセグメント毎の営業成果を簡単に可視化する方法もあります。
これによって、数値が高い分野を一目で判断でき、リソースを割くべき箇所が明らかになります。
ExcelやTeamsで営業プロセスを可視化
専用ツールを用いる以外に、Excelのパイプライン管理用のテンプレートを使って、営業データをカスタマイズする方法があります。
マイクロソフトからDynamics 365 for Marketingがリリースされています。これを使って入力したデータはExcelテンプレートを用いて分析することで、専用ツールに匹敵する高い精度のパイプライン管理が可能です。
またDynamics 365 for Marketingは、Microsoft Teamsとの連携も可能です。Teamsでは月次販売パイプラインレビューといった情報共有に役立ち、2つを連携させることでよりスムーズにパイプライン管理が行えるでしょう。
Dynamics 365 for Marketingの詳細と具体的なテンプレート作成方法については、マイクロソフトのページを参考にしてください。
パイプライン管理におすすめのツール
パイプライン管理にはSFAやCRMなどのツールがおすすめです。次の記事では、おすすめのSFAやCRMを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
パイプライン管理で営業効率化へ
営業部門の効率化と、生産性の向上を実現するパイプライン管理の概要、具体的な管理方法について解説してきました。
営業プロセスを可視化することで、これまで見えなかった営業部門の強みやボトルネックを発見でき、確実に達成可能な目標を設定できます。Excelを使った基本的な方法や専用ツールを活用した管理手法など、状況に合わせて最適な管理方法を確立して売上げアップを実現しましょう。
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