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サービスデスク業務をAIで効率化!導入メリットや活用例を紹介

最終更新日:(記事の情報は現在から11日前のものです)
煩雑化しやすいサービスデスク業務はAI技術によって課題解決が可能です。AIチャットボットやAIナレッジベースを活用すれば、業務効率化や生産性向上が見込めます。サービスデスクでAI技術を活用するメリットや活用例を紹介します。

サービスデスクで発生しやすい主な課題

サービスデスクでは、担当者の負荷増加や属人化など、さまざまな課題が発生します。AI技術で課題を解消するためにも、まずは各課題の傾向や原因を探りましょう。代表的なサービスデスクの課題を解説します。

  • 対応範囲が広すぎて担当者の負荷が大きい
  • 業務の属人化によりナレッジが十分に共有されていない
  • 問題を自己解決する仕組みや環境が整備されていない

対応範囲が広すぎて担当者の負荷が大きい

サービスデスクの業務は多岐にわたり、対応範囲が広いため、担当者の負担が大きくなるケースも珍しくありません。

一般的にサービスデスクでは、社内から幅広い問い合わせを受け付け、クローズしてはじめて業務が完結します。そのため、業務範囲にはパソコンのトラブルやパスワードの紛失といった些細なものから、システムの要望調査や改修などの大規模な作業までも含まれます。

しかし、簡単な要望だからといって問い合わせを無視できません。すると、人間の手で広範な問い合わせを処理しなければならず、必然的に負荷増大の結果に陥ります。中央サービスデスクを設置している企業や、グローバル企業においては、とくに深刻な課題です。

業務の属人化によりナレッジが十分に共有されていない

サービスデスクのよくある課題として、業務の属人化によってナレッジの共有不足に陥ることもあげられます。

業務の属人化が発生するのは、サービスデスクでは基本的に、各担当者が個別に問題を処理するケースが多いためです。すると、問い合わせ内容や提案内容、ノウハウなどが1人の担当者に集中し、ブラックボックス化を招きます。

上記のような状態では、ナレッジが組織内へと浸透しません。そのため、同じような問い合わせ内容に対して何度も解決案を模索する必要があり、組織全体の業務効率が低下します。

問題を自己解決する仕組みや環境が整備されていない

サービスデスクでは、できるだけユーザー側で問題を自己解決してもらうのが理想です。しかし、自己解決の仕組みや環境が整っていない現場も少なくありません。

たとえば、ユーザーが自己解決できるようFAQシステムを導入したとしても、「直接問い合わせた方が早い」「サイトにアクセスするのが面倒」といった理由で、活用が進んでいないこともあります。

すると、同じような問い合わせが何度も寄せられ、担当者が対応に追われてしまいます。同時に、本来集中すべきコア業務に注力できないのも問題だといえるでしょう。

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サービスデスクでAI技術を活用するメリット

サービスデスクでAI技術を活用すると、次のようなメリットが生まれます。

  • 一次対応を自動化できるため
  • 機械学習のためのナレッジが蓄積されるため
  • ユーザー側にとってもメリットが多いため

上記のメリットを活かすと、サービスデスクの課題を解消できる可能性があります。

一次対応を自動化できる

サービスデスクでAI技術を活用する一つ目のメリットは、問い合わせの一次対応を自動化できる点です。

たとえば、AIチャットボットを導入すると、簡易的な質問に対しては機械による自動回答が可能です。とくにAI搭載型のサービスは、機械学習によって回答精度を高められます。そのため、時間が経過するほど回答できる範囲が広がり、同時に担当者の負担を抑えられます。

ただし、前述したFAQと同様、社内にシステムが普及していないと効果は期待できません。AI技術を活用する際は、「どのようなサービスを選ぶか」と同時に、「どうやってその仕組みを定着させるか」を検討することも大切です。

機械学習のためのナレッジが蓄積される

AI技術を活用すると、おのずと機械学習のためのナレッジが蓄積されます。

機械学習とは、入力した学習データに則ってAIが自発的に学習する仕組みです。学習中に内部データ同士の関連性や法則性を発見できるため、学習済みのAIを予測や分析、データ集計などに活用できます。

たとえば、AIチャットボットの場合、業務マニュアルや製品マニュアルを読み込ませて適切な回答ができるように学習させる仕組みです。そもそも社内にナレッジベースがなければAIの運用は難しいため、AI技術の導入過程でナレッジが貯まっていき、その情報は第三者とも共有できます。

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ユーザー側にとってもメリットが多い

AI技術を採り入れたサービスデスクは、ユーザー側にとってもメリットが多いです。メリットやベネフィットがしっかりと社内に浸透すれば、問題の自己解決が促され、問い合わせ件数の削減につながります。

たとえば、AIチャットボットでは設定次第で、問い合わせに対して適切なFAQページを案内できます。直接問い合わせを行うよりも短時間で問題を解決できることがわかれば、ユーザーにとって利便性が高まるため、チャットボットやFAQの定着につながるでしょう。

サービスデスクにおけるAIの活用例

一概にAIといっても、さまざまなサービスが存在します。サービスデスクに活用できるAIの種類を押さえ、適切なサービスを導入しましょう。

AIチャットボット

チャットボットとは、ユーザーからの問い合わせに対して、チャット形式で回答できるロボットです。

本来は、「質問に対してどのようなルートで回答するか」といったシナリオを構築する必要がありますが、AI搭載型であれば、機械がみずから質問内容を分析して適切な回答を返せます。また、自然言語処理技術により、人間の話し言葉を柔軟に理解できるのもポイントです。

ただし、システムの実装前に学習データをインプットしなければならず、回答精度が高まるまでに時間がかかります。学習データが不足している場合は、ある程度学習済みのAIチャットボットを選ぶのがおすすめです。

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AIナレッジベース

AIナレッジベースとは、システム内に集約された知識を組み合わせて、AIから提案や回答を受け取れるサービスです。指示を与えることでオリジナルのテキストや画像などが生成される、生成AI技術が用いられています。

たとえば、「経費精算はどこで処理すれば良いか」の質問に対し、手続きが可能なページを案内できるほか、「○○に関するプログラミングを組んでほしい」といった高度な要求にも対応可能です。サービスデスクへの問い合わせも、AIナレッジベースに質問すると解決できることがあります。

そのため、問い合わせ件数の削減や担当者の負担軽減が可能です。

AIログ分析

AIログ分析とは、システムのアクセスログやイベントログを、AIによって分析するサービスです。もともとAIはデータ間の関連性や法則性を見つけるのが得意なので、従来よりも高精度な分析を行えます。

ログを分析することで、問題の発生原因やより根本的な課題を探れるのが利点です。結果、問題の再発を防げるため、問い合わせ件数を削減したうえで、担当者がコア業務に集中できる環境を構築できます。

AIとIoT製品との連携

常時インターネットとつながったIoT製品とAIは相性が良く、サービスデスクの現場でも活用できます。

たとえば、特定の機材にIoT専用のセンサーを埋め込む方法が代表的です。仮に機材の不具合や異常を検知した場合、通知が届くため、速やかに問題を特定できます。そのため、人間が常に機材をモニタリングする必要がありません。

上記のとおり、AIとIoT製品を連携すれば、保守管理担当者の負担軽減につながります。

AIOps

AIOps(AI Operations)は、ITインフラの運用環境にAI技術を活用するサービスです。ITインフラの運用実績をAIが分析することで、ネットワーク障害の予測や問題の早期発見へとつながります。また、モニタリングやデータのバックアップなど、一部の運用タスクを自動化できるのも特徴です。

物理的なハードウェアやネットワークに関して、問題が発生しそうな箇所を予期できるため、サービスデスクの担当者があらかじめ対策を立てられます。深刻化する前に問題を解消することで、改修やシステムの切り替えに要する工数の削減が可能です。

サービスデスクでAIを活用する際のポイント

サービスデスクでAIを活用する際は、次のようなポイントを意識することが大切です。

  • 課題や目的に合わせて適切なサービスを選定する
  • AIの学習期間を見込んでおく
  • 専門人材の採用も視野に入れる

課題や目的に合わせて適切なサービスを選定する

AIサービスを導入する際は、まず課題と目的を明確にすることが重要です。課題や目的が不明瞭のままAIサービスの導入を進めると、機能不足やシステムの形骸化など、さまざまな問題が発生します。

課題解決に必要なAIサービスを導入できるよう、「コストを削減したい」「在庫管理を効率化したい」といった具体的な目的をあらかじめ把握しておきましょう。上層部や情報システム部門のみで意思決定するのではなく、現場担当者を含めて議論することが大切です。

AIの学習期間を見込んでおく

サービスデスクでAIを活用する際は、学習期間込みのスケジュールを設定しましょう。

AIは取り込んだデータを学習し、徐々に賢くなる仕組みです。学習が浅いうちは出力結果の精度が低くなるため、最初はAI非搭載のサービスを導入し、徐々に学習データを積み上げていくのも良いでしょう。

また、「どのようなデータを学習させるか」の観点も必要です。仮にAIチャットボットやAIナレッジベースを導入する場合、業務マニュアルや製品マニュアルなどが参考になるため、すぐに取り出せるように整理することをおすすめします。

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専門人材の採用も視野に入れる

AI技術を導入する際は、高度な知識や技術が求められる場面もあるため、目的によっては専門人材の採用を検討するのも一案です。

たとえば、技術的な要件が厳しく、流通しているサービスでは要望を満たせない場合、いちからAIのモデルを組み立てなければなりません。すると、データの前処理や分割、モデルを評価するための知識が求められます。

AIを活用するなら、なるべくデータサイエンスやディープラーニングなどの知識に精通した人材が在籍しているのが理想です。

AI技術を駆使してサービスデスク業務を効率化しよう

サービスデスクは業務量が多く、担当者の負担が大きいことから、AI技術を最大限に活用できます。AIを活用すれば一部の業務を機械が代行し、業務効率化や生産性向上を図れるためです。

ただし、サービスデスクで活用できるAIサービスには幅広い種類があるため、課題と目的に即して選び分ける必要があります。また、精度の高い出力結果を得られるよう、あからじめ学習期間を念頭にスケジュールを組みましょう。

AI技術をうまく活用することで、サービスデスクで起こりがちな、さまざまな課題の解消につながります。

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