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AIチャットボットとは?仕組みや導入メリット・課題と事例

最終更新日:(記事の情報は現在から204日前のものです)
AIチャットボットは、近年注目されている次世代のテクノロジーであり、ビジネスにおいても多くのメリットが期待されています。本記事では、AIチャットボットとシナリオ型チャットボットの違い、AIチャットボットの導入目的やメリット、倫理的な課題と取り組み事例をわかりやすく紹介します。

AIチャットボットとは

AIチャットボットとは、人工知能(AI)を用いて人間と自然な会話を行う自動会話プログラムのことです。チャットボット(Chatbot)は、Webサイト上で利用者の質問に対し、チャットを通して自動的に回答する機能です。

従来のチャットボットが、あらかじめ設定されたルールに従って応答するシナリオ型であるのに対し、AIチャットボットは機械学習を活用し、より人間らしい会話で精度の高い回答を返せます。

チャットボットとは何か、チャットボットの費用や比較表については次の記事で詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

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AIチャットボットとシナリオ型チャットボットの違い

チャットボットは、AIを搭載していない「シナリオ型チャットボット」と、AIを搭載している「AIチャットボット」の2つに分類できます。

シナリオ型チャットボットは、事前に設定したシナリオやQ&Aに沿って回答を行うチャットボットです。一方、AIチャットボットは、自然言語処理(NLP)機械学習(ML)といったAI技術を用いて、ユーザーと自然な会話を行えます。

具体的な違いは次のとおりです。

項目 シナリオ型チャットボット AIチャットボット
定義 ルールベースで自動回答をしてくれるチャットボット AIの技術を使って、人間のように自然な会話ができるチャットボット
仕組み 事前に設定したシナリオやQ&Aデータに沿って回答 ユーザーの入力した文章をAIが分析し、適切な回答を表示
特徴 ・選択肢を選ぶだけで一問一答形式で簡単に回答を得られる
・定型的な質問に向いている
・導入が比較的容易で安価
・自由な文章で質問できる
・一問一答形式ではない複雑な質問にも対応できる
・使えば使うほど精度が上がる
・導入に時間と費用がかかる

シナリオ型チャットボットの特徴

シナリオ型チャットボットは、事前に設定したシナリオやQ&Aに沿って回答を表示するタイプのチャットボットです。ルールベース型とも呼ばれます。

シナリオ型チャットボットの特徴は次のとおりです。

  • ユーザーは選択肢から質問を選ぶだけで、自由に入力できない
  • 決められたルールに基づいて回答するので、予期しない質問には対応できない
  • みずから学習できないので、回答の精度は変わらない
  • チャットボットの導入や運用は比較的簡単で安価

シナリオ型チャットボットのメリットとデメリット

シナリオ型チャットボットのメリットとデメリットは次のとおりです。

メリット デメリット
シンプルな質問に素早く回答できる 複雑な質問には対応できない
シナリオやQ&Aを自由に設計できる シナリオやQ&Aが多くなると管理が大変
FAQをそのまま利用できる場合がある 質問者のニーズに応えられない場合がある
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AIチャットボットの特徴

AIチャットボットは、AI(人工知能)を用いて自然言語処理や機械学習を行うタイプのチャットボットです。自然言語処理とは、人間が使う言語をコンピュータが理解する技術のこと。機械学習とは、コンピュータが大量のデータからルールやパターンを発見する技術です。

AIチャットボットの特徴は次のとおりです。

  • ユーザーは自由に質問を入力可能
  • 入力された内容を分析し、最適な回答を生成
  • 使用されるたびに学習し、回答の精度が向上
  • シナリオ型と比較して、運用までが難しい

AIチャットボットは導入や運用サポートを行っているサービスが多いので、知見がなく不慣れな方でも安心して導入できます。

近年ではChatGPTと連携できるAIチャットボットも増えてきています。

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AIチャットボットのメリットとデメリット

メリット デメリット
複雑な質問に対しても回答できる 回答に時間がかかる場合がある
表記ゆれや類義語にも対応できる 回答に誤りや不適切さがある場合がある
ユーザーと自然な会話ができる 学習データの準備やチューニング(微調整)が必要
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AIチャットボットの仕組み

AIチャットボットとは、人工知能(AI)を用いて人間と自然な会話を行う自動会話プログラムのことです。AIチャットボットは、次のような流れで動作します。

  1. ユーザーがテキストや音声で質問や要望を入力
  2. AIチャットボットが入力された内容を「自然言語処理」技術で分析し、意味や意図を理解
  3. AIチャットボットが学習データから「機械学習」技術で、最適な回答や提案を生成
  4. AIチャットボットがテキストや音声で回答や提案を出力

自然言語処理とは

自然言語処理(Natural Language Processing:NLP)とは、人間が日常で使っている言葉や文章をAIが分析する技術です。自然言語処理には、文を単語に分割する、文の構造や関係を解析する、さらには、文の意味や目的を解析する、対話の流れや状態を管理する処理が含まれます。

自然言語処理によって、AIチャットボットはユーザーの入力内容を正しく理解し、適切な応答を行います。

機械学習とは

機械学習(Machine Learning:ML)とは、AIが大量のデータを学習し、ルールやパターンを発見する技術です。機械学習には、正解のラベル付きのデータから学習する教師あり学習、正解のラベルなしのデータから学習する教師なし学習、ChatGPTに使用されているディープラーニング(深層学習)や、行動と報酬から学習する強化学習といった種類があります。

機械学習によって、AIチャットボットは大量の学習データをもとに、最適な回答や提案を生成できます。

AIチャットボットの導入目的とメリット

AIチャットボットを導入する目的は、主に次の3つに分けられます。

  • コスト削減
  • 業務効率化
  • 顧客満足度向上
  • マーケティング効果向上

コスト削減

AIチャットボットは、人間のオペレーターに代わって顧客からの問い合わせに対応できます。これにより、オペレーターの人件費や教育コストを削減可能です。

また、AIチャットボットは24時間365日稼働できるため、時間帯や曜日に関係なく対応できます。さらに、AIチャットボットは複数の顧客と同時に対話できるため、応対時間や待ち時間を短縮します。

業務効率化

AIチャットボットで顧客やユーザーが、セルフサービスで疑問を解消できるようになると、電話やメールでの問い合わせの数が減り、顧客対応業務の効率化につながります。

また、AIチャットボットを、人事や経理などの社内向け問い合わせ対応のために設置して、バックオフィス業務の効率化を図っている企業も増えています。

顧客満足度向上

AIチャットボットは、顧客のニーズや嗜好を分析し、パーソナライズされた対話を提供できます。これにより、顧客は自身に合った情報やサービスを受けられるため、顧客満足度が高まるでしょう。

また、AIチャットボットは常に丁寧でフレンドリーなトーンで会話できるため、顧客との信頼関係を築くことにつながります。さらに、AIチャットボットは顧客のフィードバックや評価を収集し、サービスの改善点や新たなニーズを把握できます。

マーケティング効果向上

AIチャットボットは、顧客との接点を増やし、関係性を深めることで、ブランドイメージや顧客ロイヤルティを高められます。

また、AIチャットボットは顧客の購買意欲や行動履歴を分析し、最適なタイミングやアプローチで商品やサービスを紹介したり、クロスセルやアップセルを促したりもできます。さらに、AIチャットボットにより顧客の検索ニーズに合わせて誘導することで、コンバージョン率や売上の向上を目指せるでしょう。

AIチャットボットの課題と取り組み事例

AIチャットボットは、多くのメリットをもたらす一方で、倫理的な課題も抱えています。主な課題は次の3つに分けられます。

  • データのプライバシーとセキュリティ
  • AIの判断の透明性と責任
  • AIのバイアスと公平性

データのプライバシーとセキュリティ

AIチャットボットは、顧客との対話を通じてさまざまなデータを収集します。これらのデータは、AIチャットボットの学習や改善に役立ちますが、同時に顧客のプライバシーを侵害する可能性が否定できません。

たとえば、顧客が個人情報や機密情報をAIチャットボットに伝えた場合、そのデータが第三者に漏えいしたり、悪用されたりするリスクがあります。また、AIチャットボットが不正アクセスやサイバー攻撃によって改ざんされたり、操作されたりする危険性もあります。

このような課題に対処するためには、AIチャットボットが収集するデータの種類や目的、利用方法、保存期間などを明確にし、顧客に事前に同意を得ることが必要です。

また、収集したデータは適切に暗号化や匿名化といった処理を施し、安全な環境で管理することが重要です。さらに、AIチャットボット自体も定期的にセキュリティチェックやアップデートを行い、不正な侵入や操作を防ぐ取り組みも必要とされています。

AIの判断の透明性と責任

AIチャットボットは、人間のオペレーターに代わって顧客からの問い合わせに対応します。しかし、AIチャットボットがどのようなロジックやアルゴリズムで判断や回答を行っているかは、外部からはわかりにくいのが実情です。

たとえば、AIチャットボットが顧客に対して不適切な回答や提案を行った場合、その理由や根拠を説明できない場合があります。また、AIチャットボットが顧客に対して誤った回答や提案を行った場合、その責任や負担を誰が負うべきかは明確ではありません。

このような課題に対処するためには、AIチャットボットが行う判断や回答のプロセスやロジックを透明化し、顧客にわかりやすく説明できるようにすることが必要です。

また、AIチャットボットが行う判断や回答の品質や正確性を保証し、エラーやトラブルが発生した場合には迅速に対応できるように取り組むべきでしょう。さらに、AIチャットボットの利用規約や免責事項を明確にし、顧客に事前に同意を得ることも必要です。

AIの課題への取り組み事例としては、次のようなものがあります。

Amazonの事例

アメリカのオンライン小売業者であるAmazonは、AIチャットボット「Amazon Lex」を導入しています。このAIチャットボットは、顧客からの問い合わせに対応するだけでなく、商品やサービスの購入や予約などのサービスも提供。

Amazon Lexでは、AIチャットボットが行う判断や回答のプロセスやロジックを顧客に可視化し、理解しやすく説明しています。また、AIチャットボットが行う判断や回答の品質や正確性を監視し、エラーやトラブルが発生した場合には人間のオペレーターにエスカレーションする仕組みを備えています。

参考:会話型AIサービスのAmazon Lexチャットボットが日本語に対応。強みや活用方法とは?

AIのバイアスと公平性

AIチャットボットは、学習データやアルゴリズムに基づいて判断や回答を行います。しかし、学習データやアルゴリズムに偏りや歪みがある場合、AIチャットボットが偏った判断や回答を行う可能性があるのです。

たとえば、学習データが特定の人種や性別などの属性に偏っている場合、AIチャットボットがその属性に対して差別的な態度や言動をとる可能性があります。また、学習データが時代遅れや不正確な情報である場合、AIチャットボットがその情報に基づいて誤った判断や回答を行う可能性もあります。

このような課題に対処するためには、AIチャットボットの学習データやアルゴリズムを正確で最新のものにすることが必要です。また、AIチャットボットが行う判断や回答にバイアスや歪みがないかを定期的に検証し、必要に応じて修正や改善を行うことが求められます。さらに、AIチャットボットが人間の倫理や価値観を尊重し、公正な対話を行えるようにすることが重要です。

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本記事では、AIチャットボットとは何か、その仕組みとメリット、倫理的な課題と取り組み事例について紹介しました。AIチャットボットは、ビジネスにおいて多くのメリットをもたらす一方で、倫理的な課題も抱えています。

AIチャットボットを導入する際には、次の点に注意してください。

  • AIチャットボットが収集するデータのプライバシーとセキュリティを保護する
  • AIチャットボットが行う判断と回答の透明性と責任を確保する
  • AIチャットボットが行う判断と回答のバイアスと公平性を検証する

AIチャットボットは今後も進化し続けるテクノロジーです。その可能性と課題を理解し、適切に活用することで、ビジネスの成長や社会の発展に貢献できるでしょう。

次の記事では、おすすめのチャットボットや選び方について紹介しているので、導入を検討をしている方はぜひ、参考にしてください

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