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チャットボットとは?仕組みやメリット

最終更新日:(記事の情報は現在から1日前のものです)
チャットボットとは、チャットでの質問に自動で返答するプログラムです。本記事では、チャットボットの概要や仕組み、メリットについて解説します。これから自社サービスに導入しようと考えている方は参考にしてください。

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チャットボットとは

チャットボット(Chatbot)とは、「リアルタイムで短文のやり取りを行うこと」を意味する「チャット」と、「一定の作業を自動化するロボット」を意味する「ボット」を合わせた名称です。簡単にいうと、ユーザーからの質問に自動で返答するプログラムや、アプリケーションのことです。

また、AIチャットボットとは「AI(人工知能)を活用した自動会話プログラム」を意味します。人同士のような感覚でAIと会話を行い、情報収集や自動応答を行うのが特徴です。

AIとチャットボットの違い

AI(人工知能)とチャットボットはしばしば混同されますが、実際には異なる技術です。AIは「学習」と「推論」に焦点を当てており、幅広いタスクの自動化や問題解決に使われます。

一方、チャットボットは「会話」の自動化に特化したツールです。主にテキストや音声を通じてユーザーと対話を行います。AIを活用したチャットボットも多く存在するため、この2つが似たものと誤解されがちですが、実際には目的と適用範囲が大きく異なります。

要素 AI チャットボット
主な目的 学習・推論、複雑な問題解決 ユーザーとの会話自動化
技術の複雑さ 高度(機械学習、自然言語処理などを含む) 比較的単純(固定シナリオや簡単なロジックにもとづく)
応用範囲 広範(医療、金融、製造業など) 顧客サービス、FAQ応答、予約システムなどに特化

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チャットボットの歴史

チャットボット(Chatbot)の起源は、1960年代にアメリカで開発された「ELIZA(イライザ) 」といわれています。当時は人間が事前に設定したパターンにしか対応できず、柔軟性に欠けていたため、ビジネス利用に至るほど広まりませんでした。

しかし2010年代人工知能(AI)が急速に発展し、自然言語処理技術が実用レベルになったことで状況は大きく変わります。チャットボットにAIを導入することで、人間が回答するような柔軟性のある回答ができるようになりました。

2011年には、Appleから「Siri」が登場し、日本でもチャットボットやAIが身近な存在となります。それからもチャットボットやAIは進化を続けてビジネスにも導入されるようになり、徐々に社会に浸透していきました。

チャットボットが注目されるようになった背景

チャットボットが注目されるようになった背景

チャットボットが注目される背景には、企業が顧客対応の効率化とコスト削減を求める中で、24時間365日の対応が可能な自動化ツールとしての価値の高まりがあります。

AI技術の進化により、より自然で高度な対話が可能となり、顧客満足度向上やマーケティング効果の最大化が期待されるため、多くの業界で導入が進んでいます。

チャットボットの種類

チャットボットには、主に「シナリオ型」と「AI搭載型」の2つのタイプと、これらの機能を組み合わせた「ハイブリッド型」が存在します。それぞれのタイプについて特徴やメリット・デメリットを解説します。ニーズに最適なタイプを選びましょう。

チャットボットの種類

シナリオ型とAI搭載型チャットボットの比較

タイプ 特徴 メリット デメリット
シナリオ型チャットボット 事前に設定されたシナリオにもとづき、決まった応答を返す。 ・設定が簡単で短期間・低コストで導入可能
・定型的な質問への対応に向いている
・設定された質問にしか対応できない
・柔軟性に欠ける
AI搭載型チャットボット AIエンジンを使用してユーザーの質問を解析し、最適な回答を提供。会話データを蓄積し、継続的に学習していく。 ・幅広い質問に柔軟に対応可能
・自然な会話で顧客対応ができ、マーケティングにも活用可能
・初期段階では回答精度が低い場合もある
・導入コストが高く、設定にも時間がかかる

無人チャットボットと有人ハイブリッド型チャットボットの比較

タイプ 特徴 メリット デメリット
無人チャットボット すべての問い合わせに対してシステムが自動で応答。24時間体制で稼働可能。 ・営業時間外でも即座に対応可能
・顧客満足度の向上に貢献
・シナリオにない質問や、AIでも過去にない質問、個別対応が必要な複雑な質問には対応できない
有人ハイブリッド型チャットボット 無人チャットボットで対応できない場合、有人チャットやコールセンターを通じて人間のサポートスタッフが対応。 ・高度な問い合わせや個別対応が必要な場合にも柔軟に対応できる
・顧客満足度を高められる
・オペレーターの人件費が発生し、対応可能な時間が限られる
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チャットボットの仕組み

チャットボットは基本的に、「アプリケーション」と「bot」といわれるシステムをAPIで連携して作られます。botシステム内で問いかけの解釈・返答生成を行い、API経由でアプリケーションに戻される仕組みです。

チャットボットの仕組み チャットボットの仕組み

主にデータベースに蓄積された情報から、ロジックにしたがって回答を探して解析します。たとえば「〜の料金は?」といった問いに対し、名称や料金などのフレーズを分析して回答するイメージです。

音声解析やロジックのエンジンにAIを活用するものは、AIチャットボットとも呼ばれます。

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チャットボットのタイプ

外部サービスや基幹システムなどと連携するチャットボットもあり、一般的にはアルゴリズムによって次の4種類にわけられます。

選択肢タイプ

選択肢タイプのチャットボットは、データベースに蓄積されたシナリオや、設定された回答を選択して会話するタイプです。設定されていない受け答えはできません。

たとえば、カスタマーサポートボットが「製品に関する問い合わせですか?それともアカウントに関する問い合わせですか?」と質問し、ユーザーが選択肢の中から回答を選ぶといった形式です。

このタイプは、単純な問い合わせやナビゲーションに適しており、とくにWebサイトでよく利用されています。

ログタイプ

ログタイプのチャットボットは、行った会話の記録をログとして蓄積し、これを利用して人間に近づけた会話を行うタイプです。ログが蓄積されることによって、より自然な会話ができるようになるため、ログが少ない場合は会話が続かなくなります。

たとえば、カスタマーサービスで用いるチャットボットが過去の顧客とのやり取りを分析して、よくある質問に対する回答を学習するといったことが考えられます。

この方式は時間とともにボットの応答品質が向上し、より人間らしい対話が可能になるのが特徴です。反面、ログが少ない場合は会話が続かなくなります。

近年このタイプのボットはAI技術が進化してきたため、より複雑な対話を処理できるようになっています。

ハッシュタイプ

辞書に登録されたテンプレートをもとに、会話を行うタイプです。辞書タイプと呼ばれることもありますが、範囲の限定された利用方法であれば、受け答えには問題ありません

たとえば、レストランの予約ボットが「予約」といった言葉に反応して、予約手続きを案内するといった形です。

このタイプのボットは、特定の状況や用途に特化しており、限定された範囲内では効果的に機能するでしょう。

ELIZAタイプ

「Yes」「No」や相づちで返答しつつ、相手の言葉を要約したり聞き返したりすることで会話するタイプです。前述したチャットボットの原型ともいわれるELIZAから名付けられており、基本的には聞き役に徹するチャットボットといえます。

このタイプは顧客の課題を解決するよりは、カウンセリングや聞き役に適しています。シンプルながらも相手が話しやすい環境を作るため、ユーザーに共感や理解を感じさせられるでしょう。

チャットボットの機能

チャットボットに搭載されている機能は大きくわけると5つあります。

  • 問い合わせ自動応答
  • 回答精度の向上
  • FAQ連携
  • 有人対応連携
  • 外部システム連携

それぞれを詳しく解説していきます。

問い合わせへの自動応答

上記で紹介した種類ごとに応答の判断方法は異なりますが、ユーザーからの問い合わせに自動応答が可能です。

サイトやサービスごとで適切な形式を選ぶ必要はあるものの、自動で応答できる点に関してはどのチャットボットの種類でも共通しています。

AIによる回答精度の向上

チャットボットによっては、AIの深層学習や強化学習などの機能があり、会話を繰り返すことで学習します。AIによる回答精度はデータが多いほどAIの学習が進み、より自然な回答や適切な応答をできるようになるため、会話のやりとりをするほど回答精度が高められるでしょう。

FAQ連携

チャットボットはFAQと連携させることで、FAQのデータを有効活用できます。コールセンターやヘルプデスクに似たような内容の問い合わせが寄せられるのは、よくある悩みです。「サイトのQ&Aのページに載せているのに問い合わせが来てしまう。」、「過去対応した内容に再び対応しなければいけない。」などの事象は多々あります。

しかしチャットボットとFAQシステム、Q&Aを連携させれば、問い合わせの内容から適切な記事・ページを提示して解決できます。

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有人対応連携

簡単な問い合わせには強いチャットボットですが、細かい対応はできないこともあり、人が対応しなければならないこともあります。

しかしチャットボットを問い合わせの窓口にすれば、詳細内容を記録したうえで担当者や担当部署に直接つなげられるため、直接人が対応するよりも効率のいい対応が可能です。サービスによっては、有人チャットに切り替えられる機能が付いている場合もあります。

外部システム連携

社内の在庫管理システム人事管理システムなどと連携させれば、チャットボットを通して在庫数を確認したり、勤怠入力を行ったりもできます。

近年ではChatGPTと連携できるチャットボットも増えてきています。

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チャットボットの導入形態

チャットボットの導入形態には、主に「クラウド型」と「オンプレミス型」のふたつがあります。それぞれの特徴やメリット、デメリットを紹介するので、ニーズに適した導入形態を選択しましょう。

クラウド型

クラウド型は、インターネットを通じてサービスプロバイダーのサーバー上で稼働するチャットボットです。たとえば、Amazon LexやGoogle Dialogflowなどは、このタイプに属します。

クラウド型のメリット

クラウド型は初期費用が安く、導入や運用もしやすい点がメリットとして考えられます。物理的なサーバーを設置する必要がないため、迅速な導入が可能です。また、サービスプロバイダーがサーバーの保守やアップデートを行うため、運用にかかる手間も少なくて済むでしょう。柔軟性が高く、需要の変動に応じてリソースを調整することも簡単です。

また、インターネットに接続できる場所ならアクセスできるため、近年のテレワーク需要にも対応しやすいといった特徴があります。

クラウド型のデメリット

一方で、クラウド型チャットボットにはいくつかの欠点もあります。データが外部のサーバーに保存されるため、セキュリティとプライバシーに対する懸念が考えられるでしょう。また、サービスプロバイダーの提供する機能に依存するため、カスタマイズの範囲が限られる場合もあります。

さらに、初期費用が安いものの、チャットボットの運用規模によってはランニングコストが高額になりがちです。

オンプレミス型

オンプレミス型は、企業の内部サーバー上で運用されるチャットボットです。このタイプは、とくにデータのセキュリティやカスタマイズ性が重要視される場合に適しています。自社で完全なコントロールと管理が可能であり、特定のニーズに合わせた高度なカスタマイズが行えます。

オンプレミス型のメリット

オンプレミス型における最大のメリットは、データセキュリティとプライバシーが強固な点です。すべてのデータが社内サーバーに保存されるため、外部のサービスプロバイダーに依存するリスクがありません。また、企業独自のセキュリティ基準に合わせた運用が可能であり、業務の特性に合わせた細かなカスタマイズが行えます。

さらに、クラウド型では懸念点になりがちなランニングコストも、管理できる人材がいれば抑えられる点もメリットの一つです。

オンプレミス型のデメリット

しかし、オンプレミス型の導入には高い初期投資が必要であり、サーバーの維持・管理にかかるコストも大きいです。また、システムの運用とメンテナンスに専門的な知識が必要であり、それに伴う手間が増えることも考慮する必要があります。

そして、外部からのアクセスが制限されてしまうのもデメリットでしょう。VPN接続によって社内LANにつなげないとチャットボットを使えないため、使用感が低下するかもしれません。

チャットボットの導入効果・メリット

企業がチャットボットを導入することで得られる主な効果やメリットは次のとおりです。

チャットボットの導入効果・メリット

問い合わせ対応の効率化

チャットボットを導入するメリットの一つとして、問い合わせ対応の効率化があります。

問い合わせ窓口に顧客から似たような問い合わせが寄せられることは多くありますが、そうした質問への対応をチャットボットで自動化すれば、大きく工数を削減し、業務効率化が可能です。

定型的な質問にはチャットボットが自動対応するため、担当者は個別対応が必要な複雑な案件に集中できます。これにより負担を軽減し、回答の質も向上します。

顧客満足度の向上

チャットボットは24時間365日稼働するため、顧客からの質問にいつでも回答できます。迅速な対応により、課題解決までの時間を短縮し、顧客満足度の向上につながります。

電話受付の対応時間が制限されていると、ユーザーが商品やサービスについて知りたいことがあり電話やメールで問い合わせをしようとしたときに、すぐに回答が得られずにストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。

しかし、チャットボットであれば受付時間外で問い合わせができなかったり、営業時間までメールの返信を待ったりする必要はありません。簡単な疑問であればすぐに解決できるようになるため、顧客満足度を高められます。

人件費の削減と本来の業務への集中

定型質問をチャットボットが対応することで、オペレーターの稼働時間を削減し、人件費の削減が可能です。これにより、オペレーターやサポートスタッフが本来の業務により多くの時間を割けるようになります。

とくに、AIチャットボットなら幅広く高精度な回答ができるため、より業務負担の軽減につなげられるでしょう。

また、チャットボットの導入で問い合わせ対応のスタッフを削減できれば、雇用や採用、研修にかかるコスト削減も期待できます。

対応の質の均一化

オペレーターによる対応のばらつきをなくし、システム化された統一の回答を提供することで、誤った情報提供を減少させ、顧客満足度の向上やトラブルの防止にもつながります。

電話対応では、経験年数や知識などによって個々に品質のバラつきが出じるのはよくあることです。しかし、チャットボットならば、対応に差が出ることはなく、統一された回答内容や品質を提供できます。

データ活用の向上

チャットボットにより蓄積された会話データを分析することで、マーケティング施策やサービス改善に役立ちます。これにより、顧客全体の傾向を把握し、個々の顧客に最適なメッセージを提供できます。

また、商品・サービスについてどのような疑問をもっているのか、どのようなニーズがあるのかなどを把握できるようになり、新商品・新サービスの開発の改善にも役立てられるでしょう。

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チャットボットの費用相場

チャットボットの費用は、初期費用+月額費用です。初期費用は数十万円かかることもありますが、近年はクラウド型チャットボットの増加により、初期費用は無料の場合も多くあります。

月額費用は数千円から数十万円までとさまざまで、チャットボットの種類や利用できる機能によって異なります。シナリオ型の方が安い傾向にあり、費用相場は3万円~15万円程度、AI型は10~60万円以上です。

また、APIを利用した外部連携タイプのチャットボットの場合、やり取りした会話数や文章量に応じて料金が変わる、従量課金制を採用していることが多いです。

高額なチャットボットを導入しても、使いこなせなければ大きな損害となるため、適したサービスを見極めましょう。

業界・分野ごとのチャットボットの使い方

チャットボットは、多くの業界や分野で効果的に活用されています。用途は幅広く、さまざまなシーンで役立っています。次に、主要な業界や分野における具体的な利用方法を、表形式でまとめました。

業界・分野 活用シーン 内容
顧客サポート オンラインサポートとFAQ 顧客がオンラインで遭遇する一般的な問題やFAQに対して、即時に回答を提供。問題解決を促し、サポートチームの負担を軽減。
製品・サービス案内 製品やサービスの情報を提供し、顧客の購入決定をサポート。特徴や使用方法、価格に関する問い合わせに対応。
ヘルスケア 予約管理と問診対応 医療機関での予約管理や問診対応を効率化。患者の基本情報収集や予約手続きのサポート。
健康情報の提供 患者へ向けた健康関連情報の提供や、健康に関する一般的な質問に回答。
教育機関 学生サポート 授業スケジュール、試験日程、キャンパス情報などを提供。入学手続きや奨学金に関する問い合わせにも対応。
受験生・保護者向け案内 大学や学校の入試情報、キャンパスライフに関する情報を提供。
金融機関 取引情報の提供 口座情報や取引履歴、金融商品に関する情報を提供。
投資アドバイス 投資に関する基本情報やアドバイスを提供し、顧客の投資決定をサポート。
レストラン・ホスピタリティ 予約受付 レストランの予約受付や確認を自動化し、顧客の利便性を向上。
施設案内 ホテルやリゾート施設の予約管理、客室案内、施設内サービスに関する情報を提供。
不動産業界 物件案内 利用者のニーズに応じて適切な物件を案内。賃貸や購入に関する質問に対応。
問い合わせ対応 物件の詳細情報、見学予約、契約手続きに関する問い合わせに対応。
小売業界 製品案内と在庫確認 製品の情報や在庫状況を提供し、オンラインショッピングをサポート。
販売促進 製品の特別オファーやプロモーション情報を提供。
エンターテイメント業界 イベント情報提供 コンサートや映画、展示会などのイベント情報を案内。
チケット予約サポート イベントのチケット予約や購入手続きをサポート。
交通・旅行業界 交通情報案内 交通機関の時刻表や運行状況を提供。
旅行計画サポート 旅行計画の提案や予約手続きをサポート。
公共サービス・自治体 行政手続きの案内 市役所や区役所の手続き方法、必要書類、窓口情報を提供。
地域情報提供 地域のイベントや施設、緊急情報を住民に提供。

チャットボット導入の注意点

チャットボットを効果的に運用するためには、導入前にいくつかの重要な注意点を考慮する必要があります。これらの注意点を押さえることで、導入後の失敗を回避し、最大の効果を得られます。

KPIの設定

チャットボット導入の効果を測定するためには、事前にKPI(重要業績評価指標)を設定することが重要です。KPIを明確にすれば、導入後の成功や改善点を客観的に評価できるようになります。

KPI設定の必要性

導入前に目標や指標を設定することで、チャットボット導入の効果を具体的に計測できます。KPIを設定することで、導入後も定期的に成果をチェックし、必要に応じてシナリオや応答内容を改善していくサイクル(PDCAサイクル)を回せます。

KPIの設定例

KPIの設定項目 説明
有人対応件数・オペレーターの対応時間 チャットボット導入後、オペレーターの業務削減が目標の場合に設定します。電話やメールの対応時間をKPIとし、どれだけの業務削減が達成できたかを効果測定します。
質問の解決件数・解決率 チャットボットが解決できた質問の数や解決率を測定するためのKPIです。とくにAI型チャットボットでは、回答の精度や顧客満足度を評価するために使用します。
顧客満足度の向上 顧客満足度の向上を目指し、NPS(顧客推奨度)やCSAT(顧客満足度)のアンケートを実施し、チャットボットの効果を評価するKPIとして設定します。顧客のフィードバックをもとに改善を図ります。

運用開始後の注意点

チャットボットの運用を開始した後も、導入効果を最大化するためには、いくつかの点に注意する必要があります。

起こりうるケース

ケース 説明
利用数が増えない、コールセンターへの問い合わせが減らない チャットボットの設置場所や使い勝手が悪いと、利用が進まず、チャットボットの効果が十分に発揮されない可能性があります。
ユーザーの求める回答が提供できない シナリオ型チャットボットでは、予想外の質問に対応できない場合があり、ユーザーの期待を満たせない可能性があります。

回避するための方法

回避方法 説明
チャットボットの設置場所を見直す チャットボットの利用が進まない場合、設置場所や導線を再検討し、より目立つ位置に配置するといった工夫を行います。
社内教育と周知を徹底する 社内での利用を促進するため、社員に対してチャットボットの使い方や導入のメリットをしっかりと周知することが重要です。
シナリオや回答を定期的に更新する 収集したデータやユーザーフィードバックをもとに、シナリオや回答内容を定期的に見直し、継続的に改善することが求められます。

これらの注意点を踏まえて運用を進めることで、チャットボット導入の効果を最大化し、顧客満足度を高められます。

チャットボットの作り方

チャットボットの作成には自社で開発する方法と、チャットボット作成ツールを使用する方法があります。

それぞれの作成方法について説明します。

自社でチャットボットを開発する

自社でチャットボットを開発する場合でも次のようにいくつか手段があるため、ニーズや要件にあった開発方法を選びましょう。

なお、自社でチャットボットを開発する方法には、どれも技術力の高いプログラマーやエンジニアが必要です。社内にチャットボットの知識をもつプログラマーがいない場合は、新しく社員を採用するか、外部委託する必要があり、コストがかかります。

チャットボットを運用するうえで、カスタマイズしたいといった強いこだわりがないのであれば、チャットボット作成ツールを使用するとよいでしょう。

APIを活用する

API(Application Programming Interface)を活用することで、既存のチャットボットサービスやプラットフォームの機能を自社のシステムに組み込めます。

たとえば、Googleの「Dialogflow」やMicrosoftの「Azure Bot Service」、OpenAIの「ChatGPT API」などが提供するAPIです。これらを利用することで、高度な会話能力をもつチャットボットが開発可能です。

APIを活用する方法は、カスタマイズ性と効率性のバランスを求める場合に適しています。

ただし、チャットボットAPIは利用できるプラットフォームが限定されている場合も多く、運用方法を考える必要があるでしょう。

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開発フレームワークを活用する

開発フレームワークを利用する方法では、より柔軟なカスタマイズが可能です。フレームワークは、チャットボットの基本的な構造を提供し、開発者が独自の機能やロジックを追加できるようにしています。

たとえば、Node.jsやPythonを使用してチャットボットを開発するための、ライブラリやツールキットが多数存在します。これらを利用することで、特定のビジネスニーズに合わせたチャットボットを開発できるでしょう。

オープンソース(OSS)のプラットフォームを活用する

オープンソース(OSS)のチャットボットプラットフォームを利用することで、コストを抑えながらカスタマイズ可能なチャットボットを開発できます。

オープンソースのプラットフォームには大規模な開発者コミュニティが存在し、マニュアルやフォーラムも豊富に用意されているため、技術力さえあれば開発も進めやすいでしょう。

たとえば、RasaやBotpressはオープンソースのチャットボットプラットフォームとして広く知られています。

ただし、あくまでもオープンソースであるため、セキュリティやプライバシーに関する対策も自身で管理する必要があります。

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チャットボット作成ツールを活用する

チャットボット作成ツールを活用すれば、専門的な知識がなくても簡単にチャットボットを作成できます。

ツールを使用したチャットボットの作り方は次のとおりです。

  1. 課題とユーザーニーズを明確にする
  2. チャットボット作成ツールを選ぶ
  3. チャットのシナリオ作成・設定をする
  4. チャットボットの動作確認・アップデートをする

ツールの利用に費用はかかりますが、機能やサービスの充実したツールが多いため、手間をかけずにチャットボットを導入できます。

また、数は少ないながらも無料で使えるチャットボットツールがいくつか存在するため、まずはチャットボットを導入してみたいといった場合もツールの利用がおすすめです。

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チャットボットを導入したい企業におすすめのサービスを比較表にしてまとめました。値段や無料トライアルの有無、連携できるサービス、設置できる場所などが一目で比較できます。

まずは問い合わせ対応の効率化かマーケティング支援かといった、導入する目的を明確にして、この比較表を参考に、サービスを絞り込むとよいでしょう。

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チャットボットでマーケティングを成功させる

LINEといったツールで当たり前のように導入されるようになったチャットボットは、マーケティング戦略や顧客対応の要として、成長し続けているツールです。

またAIの活用が進む中で、より自然で人間との会話に近い対話が実現できるようになりました。従来マンパワーで担っていた業務を削減でき、かつデータも蓄積できるためマーケティングにも有用です。

機能も充実し、ほかのSNSに埋め込めたり、既存のCRMツールと連携できたりと、トータルでデータを活用できるものも増えています。実現したいことは何かを見極めながら、導入に失敗しないよう注意して適切なチャットボットサービスを選びましょう。

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