チャットボットの活用事例!用途やメリット・成功のポイント
チャットボット(Chatbot)とは、「チャット」と「ボット(ロボット)」を組みあわせた言葉で、人の代わりに会話を自動的に行うプログラムのことです。
チャットボットのタイプは、大きくわけて「ルールベース型(シナリオ型)」と「人工知能型(AI型)」の2種類です。近年はAI技術の進化により、より自然に人と会話ができるAIチャットボットを導入する事例が増えています。
この記事ではチャットボットの導入事例を、「コールセンター・消費者向け」と「社内問い合わせ向け」、「自治体・大学向け」、「自社開発」の4カテゴリーから紹介します。チャットボットの用途やメリット、おすすめチャットボットと各サービスの導入事例もあわせて紹介するため、導入検討に役立ててください。
チャットボットの仕組みや活用事例について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
チャットボットの導入の失敗事例について知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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チャットボットが注目される理由
チャットボットがなぜ注目されているのか、主な理由としては、さまざまな問い合わせ対応を効率化できる効果が挙げられます。
近年日本では少子高齢化が加速しており、労働人口も減少していることから、多くの企業で人材不足が課題です。一方でチャットボットを導入し、ユーザーから頻繁に寄せられる質問に自動で回答できるようになれば、問い合わせ対応における工数を減らし、業務負担を軽減できます。そのため問い合わせ業務の負担が増加している企業を中心に、負担軽減や人材不足解消の方法として注目されているのです。
チャットボットの導入目的としては、ユーザーが問い合わせのために電話をかける手間が省け、顧客満足度向上につながることも挙げられます。疑問点があっても、チャットボットから即座に回答を得られれば、ユーザーの満足度が高まり、企業への信頼性向上にもつながります。
チャットボットを導入するメリット・効果
チャットボットの導入効果・メリットは次のとおりです。
- リアルタイムなサポートが可能
- 見込み客からの問い合わせ数のアップ
- カスタマーサポートや問い合わせ対応の効率化
チャットボットは、メールでは伝わりにくい内容をリアルタイムに対応できたり、メールや電話と比較して気軽に問い合わせできたりする点がメリットです。
また、よくある問い合わせに自動で対応できるようになるので、社内ヘルプデスクやカスタマーサポートの効率化にも効果があります。結果として、見込み客からの問い合わせ増加やサポートしたオペレーター経由の売上アップ、人件費の削減効果にも期待できるでしょう。
チャットボットのメリットをさらに詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
チャットボットの用途・活用方法
チャットボットの利用シーンとしては、次のような場面が挙げられます。
- カスタマーサポート
- Webマーケティング
- 社内問い合わせ対応(社内ヘルプデスク)
- 地方自治体・行政の業務効率化
それぞれの用途・活用方法について解説します。
カスタマーサポート
チャットボットは、顧客の問い合わせに対応するカスタマーサポート(CS)業務を効率化するために、多くの企業で導入されています。
チャットボットをWebサイトやLINEなどに設置し、的確に「よくある質問」への回答を提示することで、顧客の疑問や困りごとを自己解決できるように導けます。
結果コールセンターの問い合わせ数が減り、問い合わせ対応の工数を削減可能です。カスタマーサポート業務が軽減されれば、オペレーターの人件費削減や、サポート対応の迅速化による顧客満足度の向上が期待できるでしょう。
Webマーケティング
チャットボットはWebマーケティング目的でも導入されており、Webサイトを閲覧するユーザーの、コンバージョンアップが可能です。
チャットボットによるWeb接客で、見込み客の関心を高め、問い合わせ数の増加や売上の向上につなげられます。顧客の潜在ニーズやサービスの問題点も把握しやすいため、製品・サービスの改善や、オペレーションといった業務改善にも役立てられるでしょう。
Web接客についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ次の記事も参考にしてください。
社内問い合わせ対応(社内ヘルプデスク)
チャットボットは、経費精算や勤怠・休暇、社会保険といった人事・労務関連の問い合わせに活用できます。また、ITツールの使い方やトラブルに対応する社内ヘルプデスクとして活用され、社内問い合わせ対応の業務削減に貢献できるツールです。
社内の同じ質問や問い合わせをチャットボットが回答することで、担当部署への問い合わせ数が減り、24時間いつでも疑問に答えられます。
地方自治体・行政の業務効率化
ビジネス・企業での利用をイメージされやすいチャットボットですが、近年では地方自治体・行政への導入も広がっています。総務省でも「自治体行政スマートプロジェクト」といった、AI・RPAの活用を支援する活動が行われており、AIを活用したチャットボットの導入も進んでいます。
地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況調査※によれば、AIを業務に導入している市区町村のうち、半数以上が住民からの問い合わせにチャットボットを活用しているそうです。
通常自治体の窓口は利用できる曜日や時間が限られており、受付ができたとしても対応は営業時間内しか行わないケースもあります。しかしチャットボットは24時間365日対応しているため、導入することで住民の利便性を大幅に高められるでしょう。チャットボットにより問い合わせの数が減れば、受付での待ち時間削減や、職員の業務効率化にもつながります。
またチャットボットは、会話を続けることによって自治体への理解を深めるといった広報効果や、多言語による外国人への対応といったメリットもあります。
※出典:総務省「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」(2023年12月27日閲覧)
チャットボットの活用事例【コールセンター・消費者向け】
チャットボットを消費者向けサービスとして導入し、カスタマーサポートの業務効率化に成功した事例を紹介します。なおコールセンターのチャットボット活用事例については、こちらの記事でも詳しく紹介しているため、あわせて参考にしてください。
ライフネット生命の活用事例
ライフネット生命保険は、LINEおよびFacebook Messengerで、自動応答による保険診断・見積もりができるチャットボットサービスを提供しています。またWebサイトにおいても、営業時間外での質問にチャットボットで回答しています。
簡単なFAQや決まりきった業務の部分はチャットボットで対応し、ユーザーがより詳細なサポートを必要とした場合、オペレーターに切り替えるハイブリッド型です。これによりユーザーは、自動応答によって待たされることなく、満足度の高いコミュニケーションが受けられています。
アスクル「マナミさん」「アオイくん」の活用事例
通信販売会社アスクルでは、個人向け通販サイトLOHACO(ロハコ)で、チャットボット「マナミさん」を導入しています。ほかにも、企業向け通販サイトASKUL(アスクル)と、ソロエルアリーナで働く「アオイくん」、2つのAIチャットボットを運用しています。
どちらもIBM WatsonベースのAIエンジンを採用しており、マナミさんは2014年のチャットボットの黎明期に誕生しました。マナミさんは、当時のLOHACOのよくある質問をベースに、わずか3か月で開発されています。また毎月4名で定例会を開催して、チャットボットの課題の洗い出しやディスカッションをして精度を高めています。
マナミさんは人間に換算すると9人分のパフォーマンスを出しており、深夜、早朝といった問い合わせ窓口の空いていない時間帯でも顧客対応をできるのが特徴です。また、通販サイトだけではなくスマートフォン版のチャットボットも用意されており、ボットが解決できない場合はオペレーターがボットに代わって回答します。
@cosmeの活用事例
コスメ・美容の総合サイトの「@cosme」では、これまでユーザーからの回答にメールで返信していました。メールだとどうしても返信に時間がかかるため、チャットベースでコミュニケーションを見直そうと、チャットボットの導入を決定しました。
当初はチャットボットだけでの運用を考えていたものの、実際にシナリオを書き出すと、パターン化できない質問が多く、チャットボットだけで完結できないと判明。結果的に、チャットボットとオペレーターで重層的に対応しました。
メールでユーザーとコミュニケーションをとると、一通のメールでもはじまりの挨拶から締めの言葉まで考える必要があり、手間がかかります。しかしチャットボットであれば、FAQページのURL送信や、簡単な質問へ自動回答してくれるため、顧客対応が効率化されたとのことです。
CHINTAIのチャットボット「チンタイガー」の活用事例
賃貸物件情報のポータルサービス「CHINTAI」は、LINE BOTを活用してチャットボットによる顧客対応を実施しています。CHINTAIのLINE公式アカウントで、マスコットキャラクターの「チンタイガー」がユーザーからの質問に回答するのが特徴です。
たとえば、探したい物件の情報を入力すると、条件に合致した物件をチンタイガーから紹介してもらえます。またスマートフォンのGPSを活用して、現在位置から近所にあるおすすめ物件の紹介も可能です。この他にも新着物件の通知機能といった、部屋探しをしているユーザーに便利なチャットボット機能を数多く搭載しています。
またチンタイガーは毎日LINEでつぶやいており、つぶやきに反応したユーザーの言葉をもとに日本語の強化学習を行い、より人間のレスポンスに近いチャットボットに日々進化しています。
PayPalの活用事例
オンライン決済サービス企業PayPalは、AIチャットボット「Cognigy」を導入し、ユーザーのスムーズな決済サポートのために利用しています。ユーザーが商品を購入する際、画面遷移を行うことなく、ボットチャット上でPayPalの支払いサービスを利用でき、決済まで完了できます。
またSlackと連携しており、チャット上から相手へ簡単に送金可能です。たとえばドリンクを注文したり、友人同士でプレゼントを贈ったり、食事を割り勘にしたりなど、個人間送金をより手軽で便利なものへと進化させています。
参照:「チャット上で決済を可能に。PayPalと統合した支払いプロセスを提供」
Pizza Hutの活用事例
飲食業界でもチャットボットの導入が進んでいます。大手ピザチェーンのPizza Hutでは、Facebook MessengerやTwitterからピザが注文できるチャットボットを構築し、チャットを通じて気軽にピザを注文できるようにしました。現在はインドや東南アジアなどで、チャットボットサービスを多チャンネルに展開しています。
またチャットボットはピザが注文できるだけではなく、お気に入りのピザをウィッシュリストに追加する機能や、プロモーションを受け取れる機能も利用可能です。こういったマーケティングのための機能を搭載したことで、売上アップにも貢献しています。
チャットボットの活用事例【社内問い合わせ向け】
チャットボットを社内の問い合わせ対応のために導入し、問い合わせ対応を効率化した企業の成功事例を紹介します。
出光興産株式会社
出光興産株式会社は2022年夏よりチャットボットを導入し、社員からの問い合わせ対応を効率化するとともに、よりストレスなく困りごとを解消できるよう、社内環境を整えています。
従来は、電話とメールで社内の問い合わせに対応していました。しかし、サポート担当者の個別チャットへ問い合わせ来るようになったことから、チャットボットの導入に踏み切りました。チャットボットは、社内に浸透しているMicrosoft Teamsと連携できるAIチャットボットを導入。Teamsのチャンネルから簡単に問い合わせができるよう、効率的に運用しています。
AIチャットボットはスマートフォンからも利用でき、FAQを表示するだけでなく、集約窓口として適切な部署への有人連携も提供しています。
ウエルシア薬局株式会社
ウエルシア薬局株式会社は、社内向けの人事AIチャットボットを導入し、人事本部に寄せられる問い合わせ件数が70%削減されたとのことです。
ウエルシア薬局では、約2,000店舗にいる従業員50,000人からの問い合わせを、人事部門50名で対応しています。しかし深夜営業や24時間営業も行っているため、店舗従業員からの早朝や深夜帯の問い合わせには迅速に対応できていませんでした。
そこで人事チャットボットを導入したところ、人事本部に寄せられる問い合わせ件数や電話件数が大幅に減り、人事部門の対応工数削減につながりました。チャットボットの利用は、本社の業務時間以外での割合が約30%を占めており、本社人事が対応できない時間帯にチャットボットが貢献しているとのことです。
人事チャットボットは、家族情報の変更・慶弔・福利厚生や産休・育休、企業年金・社内規程・経費精算・車両管理・人事評価・給与など、人事・労務を中心に幅広い質問に回答します。チャットボットの月間利用数は5,000件を超え、回答精度90%以上の実績を達成しました。
ロイヤルマネジメント株式会社
ロイヤルマネジメント株式会社は、ロイヤルホストや天丼てんやを展開する、ロイヤルグループの間接業務を提供する企業です。社内向けAIチャットボットを導入し、約700店舗からの問い合わせ対応を自動化しています。
チャットボットは、勤怠の申請・休暇・家族情報や本人情報の変更、給与・賞与・手当や社会保険・各種証明書など、人事労務に関する幅広い質問に対応しています。
導入したチャットボットは、質問パターンやシナリオ作成などの作業をしなくても回答精度が自動で保たれるため、運用作業は回答内容を更新するだけとのことです。
チャットボットの活用事例【自治体・大学向け】
地方自治体や行政、大学でチャットボットを導入し、業務効率が向上できた成功事例をいくつか紹介します。
東京都「賃貸住宅チャットボット」の活用事例
東京都は、東京都庁公式Webサイトで、チャットボットによる住民税や運転免許、都営交通などの幅広い案内を提供しています。2022年7月からは、賃貸住宅でよくある質問に回答する、「賃貸住宅チャットボット」のサービスの提供も開始しました。
東京都では賃貸住宅のトラブルの発生防止を目的として、「賃貸住宅紛争防止条例」を制定し、「賃貸ホットライン」による電話や窓口相談を実施しています。これまでは、退去時の敷金精算や原状回復、入居時の修繕、重要事項説明に関する事項などの相談に電話で対応していました。
しかし賃貸住宅チャットボットサービスが開始されたことで、24時間365日相談できるようになり、利便性が向上しました。現在は東京都がチャットボットの回答精度を高めるために、積極的な利用を呼びかけています。
岡山県和気町 「わけまろくん」の活用事例
岡山県和気町は、AIチャットボットの導入で職員の負担を減らし、利用者の利便性を高めています。和気町では、以前から移住希望者からの問い合わせ対応が増加していました。そこで業務効率を向上させ、利用者が欲しい情報をすぐに得られるよう模索した結果、AIチャットボットの導入を決めました。
AIチャットボットは、同町のRPキャラクターを起用して「わけまろくん」と名づけられ導入されます。「わけまろくん」は和気町のWebサイトやLINEで、移住希望者からの質問に回答しました。
結果AIチャットボットの運用を開始してから、わずか1か月で約5,000件もの問い合わせに正しく回答し、定型的な問い合わせを減らすことで職員の負担軽減にも成功。また、フリーワード入力以外にも、カテゴリーから質問が選択できるため、利用者も求めている情報がすぐ得られるようになりました。
福島県会津若松市「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」の活用事例
福島県会津若松市は、LINEを活用したチャットボットで行政サービスを提供しており、市民の利便性向上に成功しています。会津若松市では、以前から「Webサイトが見にくい」や、「市役所に電話がつながらない」、「土日・夜間も対応してほしい」といった声が届いていました。そこで同市では、AIチャットボットを導入し、行政サービスを提供すると決定しました。
AIチャットボットは「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」と名づけられ、ごみ出しルールや公的機関、税金の案内など、生活に必要な情報を発信。また戸籍謄本をはじめとする証明書も、チャットボットから発行手続きをできるようにしました。
導入後市民にアンケートをとったところ、80%の方がAIチャットボットによる行政サービスに好意的との結果が出て、市民の利便性向上を実現しました。
福岡教育大学の活用事例
教員の育成に強みがある福岡教育大学は、情報の発信方法としてチャットボットを活用しています。福岡教育大学では、これまでWebサイトをとおして在学生にFAQやさまざまな情報を提供。しかしサイトが使いにくく、学生が目的の情報になかなかたどりつかない状態でした。またコロナ禍で、対面式以外の修学支援が必要でした。
そこでチャットボットを導入し、時間や場所を問わず学内外に正確な情報伝達ができる体制を構築。結果、これまで疑問が発生しても、答えを求めずにやり過ごしていた学生を救えるようになりました。
また学外の受験生や保護者とチャットを行うことで、データを収集。集めたデータからニーズや傾向を分析して、この内容を学外向けのFAQに反映できるようになりました。
チャットボットの開発・活用事例【自社開発】
チャットボットを自社で独自に開発し、活用している企業の事例を紹介します。
Amazon「Amazon Lex チャットボット」
Amazonは積極的にチャットボットを開発・活用している企業の1つです。Amazonはユーザーからの問い合わせはチャットボットが担当しており、テンプレートを活用しつつ、さまざまな質問に回答しています。ボットが処理しきれなかった質問は、有人のオペレーターが対応することで、幅広い質問にも対応しています。結果このような体制を構築したことで、オペレーターの人数を削減し、カスタマーサポートに必要なコストを圧縮できました。
また、Amazonはこの独自のチャットボットサービスを、他企業にも「Amazon Lex チャットボット」として販売しており、2021年日本語にも対応しています。現在は横浜市が導入し、市民にごみの種類と、粗大ごみ処理手数料を自動応答するサービスとして提供しています。
Bank of America「Erica」の活用事例
Bank of Americaは、金融業界でいち早くチャットボットを導入している銀行です。Bank of Americaは2018年にAI搭載仮想アシスタントの「Erica」を、2,500人のモバイル顧客向けにリリースしました。Erica(エリカ)は現在までに、顧客約3,200万人の日常的な金融ニーズを支援し、顧客とのやり取りは10億回※を超えています。
Ericaは、過去の取引検索・支払い予約・対面相談予約・ロック解除・口座間振替といった、ユーザーのさまざまな行動をサポートしてくれます。またユーザーの習慣を分析することによって、節約といったお金に関するアドバイスも可能です。
スマートフォンデバイスを活用しているので、テキストだけではなく音声コマンドやジェスチャーでのユーザーからの命令にも対応しています。
※ Bank of America公式ニュースルームより(2022年10月12日発表)
参照:「バンク・オブ・アメリカ、AIアシスタント「Erica」を顧客サービスに正式導入」
AI「りんな」
日本マイクロソフトが開発した会話ボットに「りんな」があります。りんなは、元女子高生と設定されたAIです。LINEやTwitterなどでユーザーと交流を行っています。
2015年7月にサービスを開始し、1か月後にはユーザー数が130万人を超えたデータもあります。また、2016年には「世にも奇妙な物語」で女優としてデビューも果たしました。LINEの友だち登録ユーザー数は、860万人を突破※(2022年6月)しています。
AIりんなは2022年7月から、2020年にマイクロソフトから独立したrinna株式会社の、Chief AI Communicatorを務めています。
※出典:rinna株式会社のプレスリリース「 AIりんな、rinna株式会社のChief AI Communicatorに就任」(2022年7月13日発表)
おすすめチャットボット4選とサービス導入の成功事例
おすすめのチャットボット4選と、サービスを導入した企業の成功事例を紹介します。紹介するチャットボットサービスは次のとおりです。
ChatPlus(チャットプラス) - チャットプラス株式会社
- 有人チャットとハイブリッド運用も可能
- 問い合わせが増加し満足度向上へ
- 低コストで最多機能数を誇る
ChatPlus(チャットプラス)は、チャットサポートツールをWebページやアプリに簡単に埋め込めるサービスです。
プログラミングの知識がなくてもチャットボットを簡単につくれ、完全無人での対応や、有人チャット組みあわせたハイブリッドな運用も行えます。最安価格帯でありながら、企業の要望を組み込んでいくうちに、現在では最多機能数を誇る、結果を出すツールとなりました。
株式会社JALインフォテックの活用方法と成功事例
株式会社JALインフォテックは、ヘルプデスクサービスのWebサイトにChatPlusを設置し、問い合わせに対し自動対応しています。導入後はヘルプデスクに蓄積されているノウハウの公開スピードが上がり、ヘルプデスクの作業時間を30%ほど削減できました。
【課題】
- 問い合わせ対応のノウハウをスムーズに公開したい
- 同じ内容の問い合わせを効率化したい
- ヘルプデスク受付時間以外の対応もしたい
【チャットボット導入後の効果】
- ノウハウの公開スピードが上昇
- ヘルプデスクの作業時間を30%削減
- 24時間365日の問い合わせ対応が可能に
>>株式会社JALインフォテックのChat Plus+導入事例
AI-FAQボット - 株式会社 L is B(エルイズビー)
- 必要な準備はExcelのみ
- 自然文や言葉の揺れにも柔軟に対応
- 検索ワードやカテゴリを分析してFAQの改善につなげる
AI-FAQボットは、専門知識がなくても導入・運用できるチャットボットです。質問と回答が書かれたExcelをアップロードするだけで導入でき、管理や運用もExcelをとおして行います。よって、事前学習も難しい操作も不要です。話し言葉のような“自然文”、似た意味の違う言葉や類義語による“言葉の揺れ”にも対応しています。ユーザーの知りたいことや思考を自動で学習することにより、より多くのノウハウを学習し、精度を向上させていきます。
株式会社TSIホールディングスの活用方法と成功事例
株式会社TSIホールディングス(アパレル企業グループ)は、インフォメーションやスケジュールを、Web上で確認できるポータルシステムを導入しています。このシステムのトップ画面にAI-FAQボットを設置し、従業員からの問い合わせに自動で対応しています。
【課題】
- 同じ質問や問い合わせが頻繁に来てしまう
- マニュアルを用意しても読んでもらえない
- ヘルプデスクの対応工数を減らしたい
【チャットボット導入後の効果】
- 電話件数の削減でヘルプデスク業務の効率化
- 電話問い合わせの割合が66.2%から46.5%に
>>株式会社TSIホールディングスのAI-FAQボット導入事例
- オートメッセージ機能(自動話しかけ)
- 対面さながらの接客を実現
- だれでもすぐに使いこなせるわかりやすいインターフェース
sinclo(シンクロ)は、コンタクトセンターシステムメーカーであるメディアリンクが自社開発した、次世代型のWeb接客ツールです。
サイト訪問者の情報を可視化するだけでなく、あらかじめ条件を設定し、訪問者に自動で話かける「オートメッセージ機能」がついています。また、サイト訪問者に対してリアルタイムで画面や資料を共有することで、対面にいるかのような接客サポートができます。
株式会社あしたのチームの活用方法と成功事例
AIを活用したサービスで、企業の人事評価制度改善を支援する株式会社あしたのチームは、Webサイトに来訪する顧客のコンバージョンをアップさせるために、sincloを導入しました。チャットボット導入後、サイトに訪れる潜在的な顧客をキャッチできるようになり、アポイント件数が増加し、受注金額の合計が1億円を突破したとのことです。
【課題】
- サイトに来訪する顧客のコンバージョンをさらにアップさせたい
- Webマーケティングを充実させたい
【チャットボット導入後の効果】
- アポイント件数の増加
- 受注金額の合計が1億円を突破
おすすめチャットボットの資料を厳選。各サービスの料金プランや機能、特徴がまとまった資料を無料で資料請求可能です。資料請求特典の比較表では、価格や細かい機能、連携サービスなど、代表的なチャットボットを含むサービスを徹底比較しています。ぜひチャットボットを比較する際や稟議を作成する際にご利用ください。
本記事で掲載しているチャットボットや、紹介しきれなかったチャットボットの機能・価格をさらに詳しく比較したい方はこちらからチェックできます。ぜひチャットボット選定の参考にしてください。
チャットボット導入で多い失敗する理由
チャットボットを導入しても、定着せず導入に失敗するケースもあります。導入に失敗する理由としては、次の5つが挙げられます。
- ユーザーの問題解決につながっていない
- 回避策を用意していない
- 導入自体を目的にしている
- 運用後の分析やメンテナンスができていない
- 対応範囲の線引きができていない
ユーザーの問題解決につながっていない
「十分な量のFAQが登録されていない」「回答の精度が低い」などで、ユーザーの問題解決につながっていないことが、導入に失敗する理由の1つとして挙げられます。
チャットボット導入の目的は、質問に回答し、ユーザーの問題を解決することです。しかし、チャットボットの回答による解決率が低ければ、ユーザーから利用されずに終わるでしょう。チャットボットの回答から、ユーザーが問題解決に至らなければ導入しても効果につながりません。
そのため回答精度が低い場合には、FAQの追加といった情報量を増やし、精度の高い回答ができるようにします。チャットボットを導入して終わりではなく、効果を上げるために効果測定をしながら改善を図りましょう。
回避策を用意していない
チャットボットが回答しきれない質問に対し、回避策を用意していないことも、導入に失敗する理由の1つです。シナリオ型チャットボットは、簡易的な質問の回答はできますが、複雑な質問には答えられません。
AIチャットボットは長く運用することで複雑な質問にも答えられるようになりますが、学習量の乏しい導入直後は精度が低く、適切な問題解決につながらないこともあります。そのため、チャットボットが質問に答えられなくてもユーザーが問題解決できるよう、回避策を用意する必要があります。
チャットボットが質問に回答できない場合には、有人型のチャットや電話・メールへ切り替えられるよう、誘導できる流れを構築しましょう。適切な回避策がなければ、ユーザーの離脱につながる恐れがあります。商品やサービスが利用されなくなる可能性もあるため、しっかり対策してください。
導入自体を目的にしている
チャットボットの導入自体を目的にしていることも、失敗に終わる理由として挙げられます。
近年チャットボットは注目を集めていますが、「他社が導入しているから」といった理由で適当に導入しても、効果にはつながりません。解決したい課題がわからないままでは、不要な機能が搭載されたツールを選ぶ可能性が高く、コストが無駄になることもあるでしょう。
まずはチャットボットで何を解決したいのか、どのような使い方をしたいのかを検討し、導入の目的を明確にする必要があります。
運用後の分析やメンテナンスができていない
チャットボットの分析やメンテナンスができていないために、効果が上がらない場合もあります。たとえば、チャットボットをメンテナンスせずに放置すると、情報が古い、FAQが不足しているといった理由で利用されなくなるでしょう。
またチャットボットを導入して、すぐにユーザーニーズを把握するのは困難であるため、継続的な運用で集まった情報をもとに、質問や回答を追加修正する必要があります。
チャットボットは、定期的にアップデートすることで、期待されている回答を返せるようになります。そのため、修正やFAQの追加をこまめに行い、ユーザーが使いやすいチャットボットに近づける取り組みが必要です。チャットボットの運用担当者を決めて、責任の所在を明確にし、継続的に分析やメンテナンスを行いましょう。
対応範囲の線引きができていない
有人対応とチャットボットの対応範囲を明確にすることも必要です。
チャットボットは便利なツールですが、すべての質問に正確に回答するのはほぼ不可能です。そのため、「サイトからの問い合わせに一次対応として活用する」や、「手続きといった受付対応だけに活用する」など、有人対応との線引きを明確にしましょう。
また、チャットボットがどこまで対応するのか、線引きした対応範囲を社内で共有することで、運用開始後の不要なトラブルを避けられます。
チャットボットを導入する方法
チャットボットを導入するには、次の方法があります。
- 自社で開発する
- ツールを利用する
自社で開発する
チャットボットを導入するのに、自社でチャットボットを開発する方法があります。自社開発はオンプレミス型と呼ばれる、自社サーバーに1からシステムを構築する方法でつくるため、柔軟なカスタマイズで自社のサービス・商品にあったチャットボットを開発できます。
ただし自社開発するには、チャットボットの知識に加えて、プログラミングの高度な知識・技術が必要です。さらにチャットボットは、前述したように開発して終わりではなく、メンテナンスを行わなければなりません。運用を始めてからも、FAQの追加・修正、エラーや不具合対応などが発生するため、長期間の運用に対応できる人材が不可欠です。
また自社開発は、人件費が発生することに加え、数か月もの時間がかかることも考慮にいれましょう。
ツールを利用する
自社で開発する以外に、既存のチャットボットツールを利用する方法があります。近年はクラウド型のツールが主流であり、クラウド環境にあるシステムをレンタルするため、時間も初期コストもかけず導入可能です。自社での開発が難しい場合や、開発にかかる時間やコストを抑えたい場合には、ツールを利用するとよいでしょう。
ツールを導入すると、月額数千円の低コストで運用できるだけでなく、専門知識やコーディング不要で簡単に運用を開始できます。サービスによっては、チャットボットが回答するFAQの内容をまとめたExcelファイルの読み込みだけで、設定が可能です。また、用意されたテンプレートに追加・修正をするだけで、チャットボットを構築できるツールもあります。
さらにツールの利用とあわせて、チャットボットの導入・運用支援サービスを受けられる場合もあります。初めてのチャットボット運用でも、シナリオ設計や回答の文章などに迷った場合にサポートが受けられるため安心です。
チャットボットの導入事例を動画で解説
チャットボットの導入効果や導入事例を動画で紹介します。
【おすすめチャットボット3サービス・導入事例の紹介】
チャットボットについて詳しく知りたい方は、こちらの動画を参考にしてください。
【チャットボットとは?効果や種類をわかりやすく解説】
チャットボットの導入は今後も増加する
導入事例にもあるように、チャットボットはさまざまな分野で活用されています。チャットボットのユーザーのメリットとしては、疑問・質問の回答を最短で得られることです。
また企業側では高い成約率を目指す、「One to One(ワン・トゥ・ワン)」のコミュニケーションとして、チャットボットを活用したマーケティングも注目されています。2016年にはメッセージ系のアプリ利用時間が、SNS系のアプリ利用時間を超えたデータもあり、今後チャットボットの導入は引き続き増加していくと考えられます。
チャットボットの導入を検討する際は、自社の導入目的やサービスの選び方を把握したうえで、比較するとよいでしょう。サービスを比較・検討する際は、ぜひボクシルの無料でダウンロードできる資料を参考にしてください。
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