NIコンサルティングは、1990年代初頭から経営コンサルティングを通じ、紙の営業日報からITのSFAまで研究・開発・運用を行なってきました。そんなNIコンサルティングだからこそ実現できた営業支援システムが『Sales Force Assistant』です。営業担当者の活動(顧客情報収集)はすべてデータベース化されて顧客管理、商談管理、案件管理、クレーム管理などを一挙に網羅。蓄積されたデータを元に、各担当者に専属の「AI秘書」が有効な情報を提供して営業活動をアシストします。さらに、その営業担当者の一日分の活動は一覧の日報形式に集約されるので、「営業の見える化」をデイリーに実現。上司はアドバイスや質問のコメントを返しやすく、情報共有もナレッジ蓄積もコミュニケーションも促進させます。
----------------(長文ですが、SFAのご検討にあたり是非お読みください)----------------
旧コンセプトSFA(Sales Force Automation)は、1990年代初頭に米国で提唱されたITコンセプトです。初期のSFAの代名詞ともなったSiebel Systems, Inc. が設立されたのが1993年ですから、遅くとも93年にはSFAという用語・仕組みが確立されていたと考えて間違いありません。生まれてからすでに30年も経つ古い概念であることはお分かりいただけるでしょう。
Sales Force Automationはその名の通り、Office Automation(OA)、Factory Automation(FA)から派生した概念であり、営業部門・営業活動を自動化し省力化することを狙いとしたものです。それを日本では、直訳して「営業自動化システム」とせず、「営業支援システム」と訳しました。誰が最初に訳したのか知りませんが、うまい訳ですね。これにコロッと多くの日本企業が乗せられてしまったのでしょう。日本でもすぐにSFA(営業自動化システムではなく営業支援システム)が開発、導入され始めたのです。
弊社代表の長尾一洋も、1996年に出版した『営業日報を活性化せよ』の中でSFAについて言及し、紙の日報を活用した営業マネジメントからIT活用へのシフトを示唆しています。96年当時、すでに米国のSFAを日本語化したようなシステムが開発され、販売もされていましたし、NIコンサルティングでも自前のSFAの開発を進めていました。そして、1998年に登場したのが日報型SFA「顧客創造日報 Ver1.0」です。
紙の日報による営業指導のノウハウを元に、日本企業の雇用慣行や営業活動に最適化された日報型SFAを開発したわけですが、長尾は「SFAをセールス・フォース・オートメーションと考えるのは間違いであって、セールス・フォース・アシスタンスが正しい。」と、1999年に出版した「顧客創造ノート」に記しています。
日本名の「営業支援システム」に正しく沿うものであれば、営業担当者を支援し、営業活動の質や生産性を高めるものになったはずなのに、米国流のSales Force Automationによって、営業を自動化し、営業担当者を機械のように扱って管理を徹底する道具と化してしまっていたことへの警鐘です。
生身の人間である営業担当者やその営業活動を工場に喩え、まるで機械のように扱い、そのプロセスを自動化することで、営業担当者の創意工夫や智恵を不要なものとした人間不在の“Automation”幻想がそこにあったのです。
営業担当者を固定給で雇わず、セールス・レップと呼ばれる個人事業主のような形で歩合に応じた報酬を支払う米国流の雇用慣行であれば、営業プロセス(営業自動化ライン)の中身が見え、マネージャーが受注・売上見込管理(パイプライン管理、フォーキャスト管理)できれば、それで良かったのかもしれません。しかし、日本企業の多くは、営業担当者に固定給(歩合給があってもほんの一部)を支払い、未経験者も育成しながら営業活動させています。自ずとこの旧SFAは営業担当者の行動管理ツールと化してしまうことになったのです。
そんな中、私どもNIコンサルティングは、一貫して営業担当者の行動管理を否定し、真の「営業支援システム」でなければならないと訴えてきたわけですが、それでも大きな過ちを犯してしまいました。2002年に、放置顧客や放置案件、予定の遅延があることを教えてくれるアラートを出す新機能を投入したのですが、その機能に「イエローカード」という名前を付けてしまったことです。顧客を放置し、予定を遅延させている営業担当者に対し、まさに警告する「イエローカード」を出す。10枚たまればレッドカード・・・。実はこれが顧客企業に大ウケして、過去の機能追加の中で最大のヒットになりました。営業担当者を管理したい、抜けや漏れがないかチェックしたいという多くの企業のニーズがあり、そのニーズに応えるべく「イエローカード」という名前を与えてしまった・・・。ウケて、売れたけれども、“Automation”幻想に私どもも毒されてしまっていたのかもしれません。実際、この時期売上もグンと伸びました。
この幻想に気付いて、警告するばかりでなく、褒めたりプラス評価するための「グリーンカード」機能を投入したのが、2008年です。実はこのイエローカード機能は、営業担当者の立場で考えても、抜けたり漏れたりしたら教えてくれるとても便利な機能であり、営業担当者の活動をアシストするものです。営業担当者に警告を与える「イエローカード」とせず、営業担当者を支援する「チャンスカード」とでも命名すべきだったのです。それでは恐らくインパクトがなくて、私どもの売上は伸びなかったでしょうが・・・・。
旧SFAが登場して30年。もうそろそろ“Automation”幻想から脱却して、本当の意味で営業担当者を支援し、営業活動をサポートする仕組みに変えてみませんか?営業マネジメントは必要なことですが、管理したり、分析したりするだけでは、売上は上がりません。現場の営業担当者をアシストし、サポートしてこそ成果が出るのです。
「今こそ、真(新)のSFA、Sales Force Assistant へ!」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。