求人情報の「質と量」を手にしたリクルート、次はAI活用を視野
今後の人材市場においては、人工知能(AI)の活用が注目されている。マシンラーニングを活用するインディードでは、毎日25テラバイトのデータが作られているといわれる。この膨大な情報を分析し、企業と求職者の双方が、採用プロセスを最適化できる可能性がある。
たとえば、受け取った履歴書の中から、最適な求職者を選抜するAI1があれば、企業にとって採用が簡素化できる。また、求職者にとっても、経験・スキル・給与・勤務地などの希望に最も合致するポジションを提案してくれる機能が期待される。
インディードの「量」とグラスドアの「質」の情報を手にしたリクルートは、人材市場におけるAI開発をけん引するようになるだろう。2015年に人工知能研究所リクルート・インスティテュート・テクノロジーを米国シリコンバレーに設立した同社は、当然、AIへ注力していると考えられる。
2017年3月期の通期実績では、インディードの売上高は約62%の増収で、海外売上高比率は前年に比べ、約35%から40%へと増加した。
特に、HRテクノロジー事業は戦略的に取り組んでおり、2016年の6億8300万ドルから、2019年には20億ドルへと拡大を目指す。今回買収したグラスドアは、海外および人材市場での成長に大きく寄与すると見られる。
規模の経済が働く人材市場において、リクルートの拡大戦略は極めて強力だ。人工知能技術を持つマイクロソフトと、その傘下にあるリンクトインとは異なるユーザー体験を提供し、世界の求職プロセスを変革していくことが期待される。