xR技術とは?AR/MR/VRの違い、ビッグ5の最新動向と事例を徹底解説

AR/MR/VRなどの技術を総称してxRと呼びます。本記事ではAR/MR/VRのそれぞれの違いや、xRに関する最先端のニュースやどのような産業での活用が期待されているのかなど、さまざまなトピックスを説明していきます。

xR技術とは?AR/MR/VRの違い、ビッグ5の最新動向と事例を徹底解説

xRとは? AR、VR、MRの違いを解説

xR(エックスアール)とはAR(拡張現実)、VR(仮想現実)、MR(複合現実)などの一連の3D技術のことを指します。まずは「AR」「VR」「MR」の特徴と違いを解説します。

AR(拡張現実)

ARとはAugmented Realityの略で日本語では「拡張現実」と呼びます。

2016年にリリースされて大ヒットしたスマホゲームアプリ「ポケモンGO」などが事例として挙げられます。ポケモンGOではスマホの画面上で、あたかもポケモンが周りの現実の風景の中に存在しているかのように表示します。ARとはこのように現実世界にデジタルデータを付与し、デジタルデータが現実に出現したかのように見せる技術のことを指します。

近年、ARを使ったアプリが次々とリリースされています。私たちになじみのあるのはスマホですが、一部でメガネ型のデバイスも開発されています。

VR(仮想現実)

VRとはVirtual Realityの略で日本語では「仮想現実」と呼びます。

VRではヘッドマウントディスプレイという視界全体を覆うようなゴーグル型デバイスを装着することで、現実に存在している世界とは別の仮想世界に没入したように見せる技術のことを指します。ARが現実世界を視界のベースにしてデジタルデータを表示するのに対して、VRでは仮想世界が視界のベースになります。代表的なVRのデバイスとしてはSonyから2016年に発売されたplaystation VRなどが挙げられます。

MR(複合現実)

MRとはMixed Realityの略で日本語では「複合現実」と呼びます。

MRはARやVRと比較すると比較的近年に誕生した概念です。MRはARをさらに発展させ、よりデジタルデータを現実的な世界に融合させる技術のことを指します。

たとえば、ポケモンGOでは各ユーザーのスマホにポケモンが表示されますが、ポケモンが捕まえられると、他人のスマホにも捕まえられるところが表示されたり、見る人の位置によってポケモンの見える角度が変わるわけではありません。

しかし、これがMRならば、他人がポケモンを捕まえる時の場面が他人にも見えたり、見る人の位置によってポケモンの見える角度が変わったりと、同じ空間を複数人が共有して同じ体験ができます

代表的なのはマイクロソフトが開発しているHololens(ホロレンズ)などで、VRと同様にヘッドマウント型のディスプレイです。
 

xR(AR/MR/VR)市場におけるITビッグ5の動向

xR(AR/MR/VR)市場ではグーグルやアップルなどのIT業界のビッグ5と呼ばれる企業が開発を主導しています。本章ではITビッグ5のそれぞれの企業の動向について説明します。

アップル

アップルは、グーグルがgoogle glassを発表した当初からxR市場に注目しており、アップルもgoogle glassのようなメガネ型のデバイスを開発しているのではないかと噂されていましたが、具体的な製品の発表はしていませんでした。

転機となったのは2017年で、iPhoneに搭載されているiOS11にAR機能を搭載することを発表して、ARKitという開発者向けのフレームワークをリリースしました。

またアップルは2018年にメガネ型デバイスのApple Glassを発表し、2019年か2020年には発売すると期待されています。

グーグル

xR市場が注目されるひとつのきっかけとなったのが2012年のグーグルが開発を発表したメガネ型のデバイスGoogle glassの発表です。2013年から発売されましたが、xR市場自体が充分に認知されておらず、使い道も限られていたので2015年1月に販売を終了しました。

しかしグーグルはそれ以降もVR開発に精力的に取り組み、2017年12月にはスマホでVRを体験するためのVRヘッドセットのDaydream View、2018年5月にはレノボと共同開発したMirage Soloがリリースされています。

マイクロソフト

マイクロソフトもAR、VR分野で熱心に開発を進めています。スマホを利用したVR、ARデバイスが多い中で、本体にCPUなどが内蔵されていて、単体で動作するMicrosoft HoloLensや、パソコンと接続して動作可能なバーチャルコンテンツのためのシステムに当たるWindows MRなどをリリースしています。

しかし、Microsoft HoloLensは高価なので一般には普及しづらく、現在の通信速度ではビジネス用途として実用化することが難しい場合もあり、普及するのはまだまだこれからです。

フェイスブック

グーグルと同様に初期からxR業界に注目を集めていた企業がフェイスブックです。2013年にGoogle glassが発売されたことに続いて、2014年にVR用のヘッドマウントディスプレイを開発しているオキュラスを買収し、xR業界に参入しました。

主にVR技術を中心に開発を進めており、2017年にソーシャルVRアプリのFacebook Spacesをリリースしました。他にもARアプリの開発フレームのAR Studioをリリースするなど、積極的に開発を進めています。

アマゾン

他のビッグ5とは異なりアマゾンからデバイス開発に関する発表はありません。ただし、ソフトウェアの方向からxRに関連するサービスを提供しています。

たとえばAmazon Sumerianを使えば、特別なプログラミングや 3D グラフィックスの専門知識がなくとも、ARやVR、3Dアプリケーションを簡単に作成できるといいます。Oculus Go、Oculus Rift、HTC Vive、HTC Vive Pro、Google Daydream、Lenovo Mirageといった、一般的なハードウェアで実行可能です。

他にも、AWSの中でAmazon Lumberyardという無料3Dゲームエンジンと開発環境を提供しています。また、鏡の前に立つとAR技術によって試着体験を行うARミラーの特許も取得しているので、通販事業も含めてxR業界の開拓を行っていくと考えられます。

xR(AR/MR/VR)の活用が期待される6つの領域

xRの技術の発展可能性はエンターテイメントだけではなく、さまざまな産業での活用が期待されます。代表的な6つの業界について説明します。

小売・ファッション

主にWeb通販でのxR技術の活用となっていきます。

アマゾンがARミラーに関する特許を取得しているのは先ほど説明したとおりです。他にも2017年にはファッションビルのパルコがVR技術を使って店で買い物できるようにWebサイトで買い物ができるVR PARCOを期間限定でオープンするなど、通販の新しい形を模索しています。

建設

まず、現場での安全対策をxR技術を使って、危険の無い状態で研修を行うことが挙げられます。また、現実の空間に設計した建物の3Dデータを投影して、建築デザインや設計の検証に役立てるなど、さまざまな活用方法が期待されます。

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製造

建設と同じように安全対策の研修はもちろんのこと、工場のラインのレイアウトのシミュレーションなどにも活用が期待されます。また、コストの都合上、試作品を何度もつくれない製品などの開発検証において、データをVR化することで、より精度の高い検証作業が行えます。

医療

医療分野でもxR技術の活用が試みられています。例えば骨など、体内の様子を3Dデータとして表示することで立体的に患者の体の状態について把握するなど、専門医がAR技術を使い遠隔で治療現場の人に応急処置や手術の指示を具体的に行えます。

防衛

アメリカではxRの技術をどう軍事産業に活かすのかが熱心に研究されています。たとえば、フェイスブックに買収されたオキュラスの元CEOは現在別会社を立ち上げて、VRを使った国境警備技術の研究・開発を行っているといわれています。

教育

教育業界ではxRを用いた教育ツールは効果的な学習を促進すると言われています。

たとえば、工場や建設現場の安全講習で実際の危険を体験するケースや、飛行機の整備講習、外科医の手術の練習など、実際の状況をシミュレートすること重要だけれども、実験的な教育・訓練が現実的ではない領域はxR向きです。

まだ普及していませんが、中学・高校などの教育現場でもVRプラットフォームの活用が期待されていて、教育向けVR/ARサービスを提供している企業が続々と資金調達に成功しています。

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