経営資源とは | ヒトモノカネ情報を有効活用・配分する方法 - 経営手法

経営資源はヒト・モノ・カネ・情報から構成されています。これらをプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントという方法をもとに、「問題児」や「花形」などに適切に配分することによって、より効率の良い経営を行うことができます。経営資源は経営者なら必ず知っておきましょう。

経営資源とは | ヒトモノカネ情報を有効活用・配分する方法 - 経営手法

経営資源とは

ビジネスの中で経営資源という言葉をよく耳にするという方は多いと思います。経営資源とは会社が利用できる資産のことであり、ヒトモノカネ情報時間知的財産の6つの項目を指します。

これらの経営資源をその時の会社の経営状態によって適切に配分することで、より効率の良い経営を行えます。そのため経営者はこれらの経営資源を注意深く管理する必要があります。

ヒト

具体的に経営資源を一つひとつ確認していきましょう。経営資源として最初に挙げられるのが「ヒト」です。経営資源としての人は、会社で働く社員を指します。

また、広い意味では共同でプロジェクトを進めている会社や、開発を委託している会社なども含まれます。

経営を進めるうえで何よりも重要になるのは、そこで働く「ヒト」です。経営資源を考えるうえでも、「ヒト」は一番に重要視するべきでしょう。

「ヒト」には会社の社員だけではなく、プロジェクトに関わるすべてのメンバーが含まれるため、包括的な視点で経営資源たる「ヒト」を見ることでより多角的にプロジェクトを進められます。

モノ

経営資源の「モノ」は会社で所有している物理的なモノのことを指します。

オフィスにある机やパソコンはもちろん、事務所や工場、パソコンにインストールされているソフトなども経営資源のモノにあたります。こうした「モノ」は多ければ良いというわけではありません。

事務所を借りるのであれば家賃、ソフトウェアの更新料、工場の清掃費など、「モノ」にはランニングコストがつきものです。

「モノ」が多すぎるとこのランニングコストが経営を圧迫してしまうこともあるので、バランスがとれた形で「モノ」を所有できているかどうかが重要になってきます。

カネ

経営資源の「カネ」は、そのままお金のことを指します。

「カネ」は新しく社員を雇って給与を支払う、備品を購入する、新しいプロジェクトを始める際の調査費用など、使い方次第でより経営規模を広げられます。そのため会社にある「カネ」をどう配分していくかは、会社の今後を左右する課題でもあるのです。

またこの「カネ」には現金だけでなく、株式や債券なども含まれており、経営資源を調達するための財力が豊富かどうかを示す指標になります。

複合的に見る必要はあるにせよ、「カネ」が豊富な会社は将来性がある会社と考えてよいでしょう。

情報

経営資源の「情報」とは会社が所有している無形財産のことを指します。たとえばその会社にしかない技術やノウハウ、それに伴って取得した特許、実験などで得られたデータなどは「情報」にあたります。

これらは形がないにせよ、扱い方によって会社の利益を大きく伸ばす可能性もあり、ものによっては売却なども可能になってきます。

そのため会社が保有する財産として、慎重に扱う必要があるのです。また会社の運営によっては社員が高い技術を有していることも少なくなく、その場合人的資源と情報資源の両方を有しているということになります。

時間

経営資源の「時間」とはあらゆる時間のことを指します。

たとえば会社の従業員の勤務時間や、商品を市場に出すまでにかかる時間、マーケティングの調査結果などで的確な時期に商品を提供できるかなど、ビジネスでは限りある「時間」を適切に利用できるかどうかが重要になってきます。

特に「時間」は他の経営資源と異なり、取り戻す、あるいは買い戻すのは不可能です。そのため経営者は適切に「時間」を管理できているかどうか、慎重になる必要があります。

知的財産

「知的財産」とは、知的経営資源として生み出された無形の財産のことを指します。

たとえば映画や書籍の著作権、一定のプロジェクトのために作成されたプログラムなどが「知的財産」にあたります。

こうした創作物に加えて、商品を作る際に登録された商標や商号、イメージ、特許なども含まれます。これらはそれぞれ法律で保護されており、会社の経営上も重要な財産の一つとなっています。

近年こうした知的財産の利用には注目が集まっており、企業もこうした知的財産の利用にはガイドラインを設けるなど慎重に取り扱う傾向があります。

経営資源の配分方法

ここまでそれぞれの経営資源について確認してきました。以下では代表的な経営資源の配分方法を説明します。

選択と集中

経営資源を適切に配分するための基本の考え方は「選択と集中」です。

「選択と集中」とは自社の得意・不得意な事業分野を見極め、得意分野にはより豊富な経営資源を、不得意分野では経営資源の整理や撤退を行うことを指します。

「選択と集中」を行うことで強みのある事業はより成長し、衰退しつつある事業の見極めにもつながるので、より経営を効率化し、業績を伸ばすことが可能です。

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PPM

PPMとはプロダクト・ポートフォリオ・マネジメントの略語です。PPMは経営資源を適切に資源配分するためのフレームワークのことで、「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」という項目から構成されています。

PPMは会社の事業を市場での成長率やシェアでこれら4つの項目に割り振っていくというもので、より客観的に事業を見直し、効率の良い経営につなげていけるのです。具体的に「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」がどのような事業を指すのか、確認してみましょう。

問題児

「問題児」は市場成長率が高く、市場シェアが低い事業のことです。製品ライフサイクル理論では、導入期から成長期にあたります。市場シェアを高められれば「花形」に変わる可能性がありますが、そのためには市場成長率以上にシェアを拡大する必要があります。

そのためには多額の資金が必要になるため、利益が上がらない、あるいは赤字になる可能性もあります。こうした「問題児」の特長から将来性の高い事業には投資し、残りは徹底するという事業の見極めが必要になります。

花形

「花形」は市場成長率もシェアも大きい事業のことを指します。市場成長率が高いことから製品ライフサイクルでは導入期から成長期にあたり、売り上げも大きいのが特長です。

「花形」は確実に会社の主要事業になることが見えているため、積極的に経営資源を投入し続ける必要があります。また大規模な資源投資を行うため、売り上げが多くても利益が上がりにくいのも「花形」の特長のひとつです。

製品ライフサイクル理論では市場規模の成長はいつかは止まるため、大規模な設備投資は徐々に必要なくなってきます。その際には莫大な利益を生む事業に変化しますが、それまでは競合他社から市場シェアを奪われないよう注意する必要があります。

金のなる木

「金のなる木」は市場成長率が低く、市場シェアが高い事業のことを指します。製品ライフサイクル理論では成熟期から衰退期にあたります「金のなる木」は市場シェアが高く、市場規模の成長率が低いため、新しく経営資源を投入しなくても、資金を生み出してくれる事業です。

そのため「金のなる木」には必要最低限の経営資源を残し、問題児や花形事業に配分することで全体的に経営を伸ばすことが可能になります。

負け犬

「負け犬」とは市場成長率が低く、市場シェアの低い事業です。ライフサイクル理論では成熟期から衰退期にあたります。

市場自体が成熟してしまっているため追加投資をする必要はほぼありませんが、そもそも利益が少ないため、事業の継続そのものを再考する必要があります。

ある程度の利益を生み出していれば投資は最小限に抑えて継続し、これ以上成長はないと考えられる場合は事業から撤退し、他の事業に経営資源を回していくべきでしょう。

経営資源は慎重に有効活用を!

経営資源には「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」「時間」「知的財産」の6種類があります。この経営資源をどれだけ適切に配分できるかが、今後の企業の成長を左右します。

経営資源の配分方法には「問題児」「花形」「金のなる木」「負け犬」で構成されるPPMを活用する方法があります。

各事業の市場成長率や市場シェアを見極め、適切に経営資源を配分するれぞれのスキルは経営者必須のスキルになります。それぞれの経営資源をしっかり理解し、経営改善に取り組んでいきましょう。