統率力とは | リーダーシップ・マネジメント力との違い・身につけ方

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統率力とは、組織をつくるリーダーに必要不可欠な要素のひとつです。リーダーシップと意味を混同されがちですが、統率力とリーダーシップは何が違うのでしょうか。 本記事では、統率力のある人の特徴や、統率力の身につけ方を解説。統率力のある人材になるための具体的行動を理解し、実践していきましょう。
統率力とは | リーダーシップ・マネジメント力との違い・身につけ方

統率力とは

組織のリーダーに求められる力として「統率力」があります。統率力とは、端的に言えば設定した目標に向かって、組織をその方向へ導いていく力です。

目標に向かって多くの人を率いるためには、「チームをまとめる力」と「チームを率いて目標達成する力」のスキルが必要です。

統率力のあるリーダーは、メンバーの経験と能力に合わせて役割を与え、育成指導し、問題が発生したら最適な判断をして解決します。

統率力とは、メンバーそれぞれと向き合い、各人が力を発揮できる環境を整え、チームとして最高のパフォーマンスを上げるための力と言えるでしょう。

統率力とリーダーシップ、マネジメントの違い

組織のリーダーには、統率力はもちろんのこと、リーダーシップ、マネジメントなどさまざまな要素が求められます。この3つ要素は混同されがちですが、どのような違いがあるのでしょうか。

統率力とリーダーシップの違い

統率力は、リーダーシップの中の一要素です。リーダーシップには、リーダーに求められるすべての要素を指す幅広い意味があります。

リーダーに求められる要素の中には「コミュニケーション力」、「問題解決力」、「判断力」、「共感力」、「ストレス耐性」などがあり、「統率力」はそのうちの一要素です。

また経営学者のP・F. ドラッカー氏は、リーダーシップの定義について自身の著書で次のように述べています。

リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である

出典:P・F. ドラッカー『プロフェッショナルの条件』(ダイヤモンド社)

統率力は、以前からリーダーシップと混同されがちでした。しかし、ドラッカー氏が定義したリーダーシップの定義をみると、統率力は、リーダーシップを十分に発揮するための重要な一要素と言えるのです。

統率力とマネジメントの違い

マネジメントとは人・モノ・金・情報などの経営資源や資産を使って、リスクを管理しながら、チーム活動を維持管理、または向上させて目標を達成する手法のひとつです。

統率力との違いは、目標達成に向けての役割です。

日本でも200万部以上売り上げた名著「7つの習慣」の著者スティーブン・R・コビー氏は、「マネジメントは手段に集中しており、どうすれば目標を達成できるかという質問に答えようとするものである」と説明しています。

マネジメントは組織を管理する「守り」の役割があり、統率力は組織を目標に向かって引っ張っていく「攻め」の役割があります。

統率力がある人「5つの特徴」

では、統率力がある人にはどんな特徴があるのでしょうか。

(1)コミュニケーション能力が高い

組織には、さまざまな価値観、個性を持った人が集まっています。個性豊かな違う方向を向いているメンバーを、うまくまとめて引っ張っていくには、それぞれのメンバーと向き合い、コミュニケーションを密にとらなければなりません。

メンバーと上手にコミュニケーションをとれなければ、組織を統率できないのです。

(2)チームで働く能力が高い

チームを統率するには、メンバーに手本を見せなければならない時があります。そのためには、チームが取り組む仕事の能力が高くなければ、手本を見せることもできません。メンバーから信頼や尊敬を得るには、仕事の能力の高さも必要です。

(3)決断力がある

統率力の役割の中で、もっとも価値を見出すのは決断力です。的確で正しい決断を下し、実行することで組織は利益を生み出します。また正しい判断を下し良い結果をもたらすことで、メンバーたちの信頼を得られます。

(4)メンタルが強い

チームを率いて成果を出し、その責任を負うにはメンタルが強くなければなりません。窮地に陥ったときに、ポジティブに考えてメンバーを不安にさせず、勇気を持って冷静に決断するには、メンタルの強さが不可欠です。

(5)目配りができる

組織運営には、メンバーが力を発揮できる環境を作ることが必要です。そのためにも、一人ひとりのメンバーが高いモチベーションを保たなければなりません。

メンバーは「リーダーがちゃんと見てくれている」、「評価してくれている」と実感しなければ、努力する意義を見失いモチベーションも下がってしまい、自分の力を最大限に発揮しようとは考えませんので、メンバーの頑張りをしっかりと評価できるように目配りが必要なのです。

統率力を身に付けるには

ここまで統率力に必要な力を説明してきました。では、実際に統率力を身に着けるためには何をすべきでしょうか。具体的な行動を説明します。

「仕切る」経験を増やす

飲み会の幹事や会議の進行役など、日常の中で仕切る役割があれば、どんどん立候補してください。仕切る経験は統率力を高めてくれます。

自らイベントを企画して、計画の段階から仕切る経験をするのも良いでしょう。

論理的な思考力を身に付ける

チーム内の問題点を発見して課題設定するときも、メンバーに説明するときも論理的な思考力が必要です。普段から感情や思いつきで話すのではなく、結論に対して因果関係を整理して順序立てて考えるクセをつけましょう。

積極的にコミュニケーションをとる

統率力にはコミュニケーション力が重要なので常に数人と行動して、聞き上手・質問上手・提案上手になりましょう。継続的な練習と経験で、コミュニケーション力は磨かれます。

信頼を得られるよう行動する

信頼がなければ、チームの誰もついてきてはくれないので、日ごろから信頼を得られる行動をしましょう。

「約束したことを守る」、「相手の期待値以上のアウトプットを心がける」、「相手の考えを理解しようと努める」などの行動を積み重ねることで、信頼を得られます。

統率力は就職・転職活動時の自己PRにも役立つ

統率力のある人材は、あらゆる企業に必要です。そのため、統率力は就職活動や転職活動においても強みになります。

自己PRで統率力をアピールするには、学生時代の部活動や、前職で得たスキルや経験を「意見のまとめ役」、「主導」、「指導能力」などの具体的にわかりやすい言葉を使うと、統率力があると伝えられやすくなります。

自己PRの例文

私のアピールポイントは「統率力」です。

前職の総務の仕事では社員旅行の取りまとめを担当し、夕食会では入社3年目より5年間、司会を担当しました。

社員旅行に関しては不要論もあり、社員の間でも意見が対立しましたが、その都度、社員旅行反対者の意見に耳を傾けながら、会社の方針を理解してもらいました。

旅行の間は部署関係なくいろんな方に声をかけて、社内のコミュニケーションが活発になるように努め、年々社員旅行を楽しみにする社員も増えてきました。

意見の違う社員たちをまとめるのは難しい仕事でしたが、反対意見を受け止めて会社の方針を理解してもらう経験を通して、私は統率するやりがいを感じました。

まだまだ足りない力量かもしれませんが、組織の中でチームを組んで何かを成し遂げるときに、一緒に働く人たちの旗振り役になれるように頑張りたいと思います。

統率力を身に着けて組織にとって重要な人材になろう

最後に、統率力のある人に共通する5つの特徴をおさらいしましょう。

  • (1)コミュニケーション能力が高い
  • (2)チームで働く能力が高い
  • (3)決断力がある
  • (4)メンタルが強い
  • (5)目配りができる

今回は、統率力のある人の特徴や、統率力の身につけ方を解説しました。

リーダーシップの一要素である統率力を身に着けることで、チームメンバーの経験と能力に合わせて役割を与え、育成指導し、問題が発生したら最適な判断をして解決できるはずです。統率力を身に着け、組織を動かすリーダーとしての具体的行動につなげていきましょう。