山の日の由来とは?2022年は8月11日のまま

最終更新日: 公開日:

記事の情報は2018-10-04時点のものです。

山の日は、自然や山の恩恵に感謝する日として制定された国民の祝日です。毎年8月11日が山の日にあたります。海の日制定以来、20年ぶりの祝日制定となった山の日にはどのような由来があるのか?2021年に移動する理由はなにか?その概要を解説します。
山の日の由来とは?2022年は8月11日のまま

8月11日は「山の日」

山の日とは2014年に制定され、2016年1月1日施行の改正祝日法で新設された祝日です。山の日は1996年に新設された「海の日」以来、20年ぶりに新設された祝日。これまで祝日の制定がなかった8月に、初めて制定された祝日です。

祝日法第2条によれば「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされています。しかし、祝日制定の根拠となる、山に関する出来事などがあったわけではないようです。

山の日はなぜ8月11日なのか

山の日そのものの制定が問題なく運んだ反面、日程を「8月11日」とするまでには紆余曲折があったようです。

山の日には祝日制定の根拠となる出来事などがあったわけではないため、「夏山シーズン前の山々がもっとも輝く月」として、6月第1日曜日が提言されていたようです。また、「8月13日からのお盆につながる、夏山シーズン」を狙った、8月12日を推す声も多かったといいます。

しかし、8月12日は「御巣鷹山日航機事故」という悲劇があった日でもあり、慰霊の日を祝日とすべきでないということから、最終的に8月11日とされたようです。

山の日が国民の祝日になった由来

山の日が制定されるきっかけとなったのは、作曲家の船村氏が2008年に行った「海の日があるのに、山の国である日本に山の日がないのはおかしい」という提言でした。海の日の設立に微力ながらも協力した覚えがあるという船村氏のコメントによると、太古から信仰的にも実生活的にも人類にとっては「山海一体」なのであり、山の日をつくることで「山海の友情」を厚くしようではないかとのこと。

これを受け、山岳5団体(日本山岳協会、日本山岳会、日本勤労者山岳連盟、 日本山岳ガイド協会、日本ヒマラヤン・アドベンチャー・トラスト)が「山の日制定協議会」を発足、山岳団体所属の議員に働きかけるなど、祝日法改正に向けて動き出したのです。

2013年には、約110名の超党派からなる「山の日制定議員連盟」が発足し、祝日法改正法案を国会に提出。山の日の制定に反対する議員もほとんどいなかったため、質疑応答もなく、賛成多数でスムーズに衆議院を通過したといわれています。

祝日の制定がないのは6月だけ?

年間をとおして祝日が制定されていない月は、2018年時点で「6月」だけでした。しかし、令和を迎えたことで天皇誕生日が12月23日から移動し、祝日がないのは、6月と12月になりました。

2021年は山の日は8月8日(日)へ移動し、9日(月)に振替

2021年は、山の日を含めた祝日の移動が行われます。これは、2020年に開催するはずだったオリンピックに伴う観光客の増加を見越したもので、開会式の前後を4連休、閉会式の前後を3連休とし、交通混雑を緩和させるための措置です。

海の日は7月22日(木)へ、スポーツの日へと名称変更される体育の日が、オリンピック開会式当日7月23日(金)へ移動され、週末とあわせ4連休です。また山の日は、オリンピック閉会式となる8月8日(日)へ移動され、振替にて月曜日が休日となるため週末とあわせて3連休となります。

山の日のまとめ

8月11日という日付に由来などの存在しない山の日は、山岳団体などによる「山に親しんで欲しい」という熱意が現実のものとなった祝日だといえます。このため、2016年の施行以来、さまざまなイベントが山の日前後に行われるようになりました。

これをきっかけに、普段あまり考えることのない山に思いを馳せつつ、各地のイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。