IT導入補助金2021、締切スケジュールは? 最大450万円助成 クラウド導入なら特別枠がおすすめ
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IT導入補助金とは
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のITツール導入費用について最大450万円が補助される制度。業務効率化、経営力向上などを目的に、経済産業省が実施しています。
2021年も新型コロナウイルス対策を視野に入れた特別枠があり、“非対面化ツール”導入が対象とされています。
IT導入補助金2021の概要は次のとおりで、4月より申請を受け付けています。
- コロナ対策特別枠「低感染リスク型ビジネス枠(C・D類型)」新設
- 通常枠の補助率は1/2以内、最大450万円
- 特別枠の補助率は2/3以内、最大450万円、非対面化ツールが対象
- 特別枠のみハードウェアレンタル費用も対象
- 申請できるのは、A・B・C-1・C-2・Dから1類型のみ
補助対象のツールを探している方は次のリンクも参考にしてください。
申請フローをざっくり解説
IT導入補助金の支給を受けるには、「交付決定通知」受領後にITツールを導入しなければなりません。ただし特別枠(C・D類型)は、交付決定日前に実施した事業も対象となる(遡及申請が適用される)可能性があります。
申請や交付のおおまかなフローは次のとおり。2021年から新たに「SECURITY ACTION」宣言が申請要件に加わりました。
- 事前準備(IT導入支援事業者の選定、ITツールの選択、gBizIDプライムアカウント取得、SECURITY ACTION宣言)
- 交付申請(IT導入支援事業者と共同作成)
- 補助事業実施(ITツールの発注・契約・支払い)
- 事業実績報告
- 補助金交付手続き
- 事業実施効果報告
申請で気をつけたいこと
ITツール(ソフトウェア、サービス)なら何でもよいわけではなく、事業に登録されているITツールのみが補助対象となります。また指定の「IT導入支援事業者」とともに申請を行わなければならない点に注意しましょう。
ITツールベンダーの中には「IT導入支援事業者」の指定を受けている企業も多いため、導入ツールに目星がついていれば、あわせて相談するのも手です。登録済事業者はIT導入補助金のサイトで確認できます。
なおSECURITY ACTION宣言は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する自己宣言制度。「★一つ星」または「★★二つ星」が定められており、申し込み手続き自体はサイトからすぐ行えます。IT導入補助金の交付申請時に、SECURITY ACTION宣言で登録したアカウントIDの入力を求められます。
A・B・C・Dどの類型が最適?
2021年のIT導入補助金は「通常枠(A類型・B類型)」と、コロナ対策で非対面化へ取り組む事業を支援する「低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」があり、C類型は補助額に応じて「C類型-1」「C類型-2」に分類されています。
特別枠のC・D類型の方が補助率が高いうえ、ハードウェアレンタル費用も補助対象となるため、メリットが大きいと考えられます。下記フローチャートを参考に申請枠を検討してください。申請できるのはA・B・C-1・C-2・D類型のうちいずれか1類型のみです。
ほか、補助金申請額、補助率、プロセス数、ツール要件(目的)、賃上げ目標有無など、補助対象をまとめた比較表が下図です。
通常枠(A・B類型)概要
通常枠は「A類型」「B類型」2つの申請区分があります。導入するITツールが担う「プロセスの数」と「導入費」により、補助金の上限額が異なります。
分類 | 補助内容 |
---|---|
A類型 | 30~150万円未満 |
B類型 | 150~450万円 |
補助率 | 2分の1以下 |
補助対象者は中小企業、小規模事業者で、業種・組織形態に応じて資本金や常勤従業員の上限が定められています。
補助対象経費は、ソフトウェア費、導入関連費など。IT導入補助金2021ページに掲載されるツールが対象となります。
クラウド導入なら特別枠(C・D類型)
コロナ対策の特別枠「低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」は、業務を非対面化するツールが対象なので、クラウド製品の多くが対象になると想定されます。また補助率が3分の2以内と通常枠(A・B類型)より高く、ハードウェアレンタル費も対象となります。
特別枠が通常枠と異なるポイントは次の3点です。
- 補助率は3分の2以内
- PCやタブレットなどのハードウェアレンタル費用もOK
- 2021年1月8日までさかのぼって申請でき、公募前に契約したITツールも対象(一定の条件あり)
なお非対面化ツールや、C類型とD類型の詳細については、下記のように指定されています。
- 非対面化ツール=事業所以外の遠隔地から業務を行うテレワーク環境の整備をはじめ、対人接触の機会を低減するよう非対面又は遠隔でのサービス提供が可能なビジネスモデルへの転換(業務形態の非対面化)に資する、労働生産性の向上を目的としたITツールをいう
- C類型=低感染リスク型ビジネス類型:複数のプロセス間で情報連携されるツールを導入し複数のプロセスの非対面化や業務の更なる効率化を行うことを目的とした事業
- D類型=テレワーク対応類型:テレワーク環境の整備に資するクラウド対応ツールを導入し複数のプロセスの非対面化を行うことを目的とした事業
出典:一般社団法人サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金2021 公募要領 低感染リスク型ビジネス枠(特別枠:C・D類型)」2021年4月14日改訂
2021年の締切スケジュール
IT導入補助金は複数段階の締切が設定されており、通常枠と特別枠それぞれで交付決定日と事業実施期間、同報告期間が異なります。
採択には、導入するITツールが“申請時点で助成対象に指定されている”必要があります。ベンダー側のIT導入支援事業者は12月にかけて随時追加されていくため、後半に申請する方がITツールの選択肢が広がります。すでに導入サービスが決まっており、対象事業者なら、早めに申請するとよいでしょう。
2021年のスケジュール
2021年度の交付申請締切予定日と、交付決定予定日は次のとおりで、4月7日に公募が始まりました。4次締切分以降のスケジュールは未定です(2021年8月11日時点)。
通常枠(A・B) | 特別枠(C・D) | 申請締切日 | 交付決定日 |
---|---|---|---|
1次締切分 | 1次締切分 | 2021年5月14日(金)17:00 | 同6月15日 |
2次締切分 | 2次締切分 | 2021年7月30日(金)17:00 | 同8月31日予定 |
3次締切分 | 3次締切分 | 2021年9月30日(木)17:00 | 同10月29日予定 |
特別枠はITツール契約時期を1月8日までさかのぼった申請が可能。該当時期に新規導入したクラウドサービスがあれば、支援事業者登録を依頼すると申請可能となるかもしれません。
(参考)2020年のスケジュール
参考までに、2020年の交付申請締切予定日と交付決定日は次のとおりでした。おおよそ、月末に申請を締め切り、1か月後に交付決定通知が出る、というスケジュール感です。
A・B類型(通常枠)締切
通常枠のA・B類型は次のようなスケジュールでした。
A・B類型(通常枠) | 申請締切 | 交付決定日 |
---|---|---|
1次公募(臨時対応) | 2020年3月31日(火)17:00 | 同4月30日 |
2次締切分 | 2020年5月29日(金)17:00 | 同6月30日 |
3次締切分 | 2020年6月12日(金)17:00 | 同7月15日 |
4次締切分 | 2020年6月26日(金)17:00 | 同7月31日 |
5次締切分 | 2020年7月10日(金)17:00 | 同8月12日 |
6次締切分 | 2020年7月31日(金)17:00 | 同8月31日 |
7次締切分 | 2020年9月2日(水)17:00 | 同9月30日 |
8次締切分 | 2020年10月2日(金)17:00 | 同10月30日 |
9次締切分 | 2020年11月2日(月)17:00 | 同11月27日 |
10次締切分(最終) | 2020年12月18日(金)17:00 | 2021年1月27日 |
C類型(特別枠)締切
特別枠のC類型は次のようなスケジュールでした。
C類型(特別枠) | 申請締切 | 交付決定日 |
---|---|---|
1次締切分 | 2020年5月29日(金)17:00 | 同6月30日 |
2次締切分 | 2020年6月12日(金)17:00 | 同7月15日 |
3次締切分 | 2020年6月26日(金)17:00 | 同7月31日 |
4次締切分 | 2020年7月10日(金)17:00 | 同8月12日 |
5次締切分 | 2020年7月31日(金)17:00 | 同8月31日 |
6次締切分 | 2020年9月2日(水)17:00 | 同9月30日 |
7次締切分 | 2020年10月2日(金)17:00 | 同10月30日 |
8次締切分 | 2020年11月2日(月)17:00 | 同11月27日 |
9次締切分(最終) | 2020年12月18日(金)17:00 | 2021年1月27日 |
※2020年の特別枠はC類型のみで、D類型はありませんでした
補助対象のITツールは?
補助対象となるITツールは、IT導入補助金事業へ登録されている製品に限定されています。
IT導入補助金2021サイトの「IT導入支援事業者・ITツール検索」ページから検索可能。IT導入支援事業者一覧のリストも用意されています。
ただし、そもそもどの業務について生産性を向上させたいか、どんなサービスを使いたいか、あらかじめ検討しておくことがおすすめです。
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- ペーパーレス化に役立つサービスまとめ記事
- 電子契約サービスまとめ記事
- プロジェクト管理・タスク管理サービスのまとめ記事
- 顧客管理のサービス(CRM•SFA)まとめ記事
- クラウド労務管理のサービスまとめ記事
- マニュアル作成・ナレッジ共有のサービスまとめ記事
- 経費精算・ワークフローのサービスまとめ記事
2021年のIT導入補助金では昨年に続き特別枠が設けられ、3分の2まで、最大450万円が補助されます。業務の非対面化を目指した取り組みが対象となるため、ほとんどのクラウドサービスが対象に含まれると考えられます。
手続きの進め方や対象サービスの探し方をしっかりと確認したうえで、制度を有効活用しましょう。
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