ピラミッドストラクチャーとは?作成方法・考え方・具体例 - フレームワークを考える

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ロジカルシンキングを身に着けるうえで重要なピラミッドストラクチャーについて、基本的なところから解説するとともに、論理ピラミッドの作成方法や注意点について具体例を挙げながら説明していきます。
ピラミッドストラクチャーとは?作成方法・考え方・具体例 - フレームワークを考える

ビジネスシーンでは、論理的に物事を考え、相手にわかりやすく伝えることが重要だというのは、多くの人がご存知でしょう。プレゼンや報告書の作成などでも、相手に理解しやすいようにロジカルな構成を心がけるよう上司に言われた経験を持つ人は少なくないはずです。

しかし、実際にやってみると論理的に思考したり、書いたりするのは意外に難しいことがわかります。特に、これまでロジカルに物事を考えるということに意識を向けてこなかった人は、いざ相手に正確なメッセージを伝えようとすると、何から話せばよいのかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。

そんな人におすすめなのが、物事を「ピラミッドストラクチャー(ピラミッド構造)」を意識しながら整理し、話の内容を構成することです。ピラミッドストラクチャーによって自分の思考を整理しながら話の構成を考えることで、相手に正確にメッセージを伝えられ、説得力のある主張ができるようになります。

ピラミッドストラクチャーとは

ピラミッドストラクチャーとは、頂点に伝えたいもっとも大きな考えを置き、それを小さな考えのグループで支える話の構造のことをいいます。このように主張をピラミッドの頂点とし、その下にそれを支える根拠を置くことで、どんな相手にも理解しやすい話の構成になります。

ピラミッドストラクチャー図解

ピラミッドストラクチャーでは、それぞれの考えが縦と横とで関連づけられています。以下の図を見てください。

縦の関係では、ピラミッドの上部の考えは下部の考えのグループを要約するものになっており、横の関係は何らかの論理的な共通点をもつものがグループ化されています。もっとも伝えたい最終的な主張をピラミッドの頂点とし、その正しさを示すための根拠がその下を支えます。さらに、その根拠を裏付けるデータがその下にくるようになっています。

このような構造にすることで、相手は「なぜ、その結論になるのか?」が体系的に理解できるようになります。主張する側も、まず結論からはじめ、徐々にピラミッドの下に移るように根拠づけをしていけばいいので、自分の考えを整理して相手に伝えられます。

ピラミッドストラクチャーとMECE

ピラミッドストラクチャーの横のつながりでは、上部の考えの正しさを支える要素をなるべく「漏れなく、ダブりなく」揃えておいた方が説得力のある主張になります。これをMECE(ミッシーあるいはミーシー)といい、ロジカルシンキングでは非常に重要な考え方です。

その結論を出すために必要な要素を「漏れ」も「ダブり」もなく網羅することで、相手に不足点や矛盾点などを指摘されづらくなり、納得感のある主張が可能になります。

MECEの基本的な考え方や具体例については以下の記事を参考にしてください。

ピラミッドストラクチャーの作成方法

ピラミッドストラクチャーの概要を説明したところで、特にビジネスの現場において、自分の主張をピラミッド構造で説明するための具体的な方法について解説します。

1. 主張を出す

まずはピラミッドの頂点にあたる「主張」や「結論」を決めます。相手にもっとも伝えたいこと、理解してもらいたいことを最終的な結論として定め、その後にその正しさを証明するための根拠を並べていきます。

たとえば「広告費を増やすべきか?」、「新規採用枠を拡大すべきか?」というテーマで意見を述べるのであれば、それぞれ「増やすべき(増やすべきではない)」、「拡大すべき(拡大すべきではない)」という主張がピラミッドの頂点に来ます。

特にビジネスでは、一定のテーマに沿った意見や主張を求められることが多いですから、そのテーマに沿った結論にしなければ的外れになってしまいます。つまり何について聞かれているのかをしっかり理解することが重要です。

2. フレームワークを考える

最終的な結論を決めたら、次に下部構造でその主張が充分説明できるようにフレームワークを作成していきます。つまり「何をいえば(証明すれば)この結論の根拠となるのか?」について、論理の枠組みを考えるということです。

ここで重要となるのが、上述のMECEに考えるということです。その結論の正しさを証明するには、どんな要素があれば「漏れ」がなく、どういう構成にすれば「ダブり」なく体系的に説明できるかを考えましょう。たとえば「この事業をはじめるべきだ」という主張をしたいならば、その事業の「市場(顧客の状況)」と「競合の状況」、そして「自社の状況」の3つの観点から根拠付けをすれば効果的であることがわかります。

これはいわゆる「3C」のフレームワークですが、これらは事業を考えるうえで必要な要素を「漏れ」も「ダブり」もなく考えるために有効です。

3. 情報を収集してグループ分けする

論理の枠組みが決まったら、それに関連するデータを洗い出していきます。収集するデータは、その結論に関するものであればどんなものでも構いません。データを収集したら、その一つひとつの要素について共通する内容ごとにグループ分けしていきます。

たとえば、上述の「3C」の例でいえば、「市場(顧客)」に関しては「成長期にある」「潜在的規模が大きい」といった事実があれば、最終的な主張を裏付ける根拠となります。

同様に「競合」に関しては「各社の市場シェアの状況」や「その市場を代表する商品をもつ企業の有無」などの情報が得られればよいでしょう。「自社」の状況に関しては、「販路の拡大が可能」「既存の技術を転用できる」といった要素が挙げられるでしょう。

4. 情報から根拠につなげる

情報をグループ分けしたら、各々の情報から「どういうことが言えるのか?」「何がわかるのか」というメッセージをそれぞれの枠組みの根拠として抽出していきます。ここでは演繹法や帰納法を使いながら、ピラミッドの縦のつながりがスムーズかどうかを確認していきます。

たとえば「市場が成長期にある」「潜在的規模が大きい」「機能面に対するニーズが高い」といった事実が確認できるならば、「自社にとって魅力的な市場だ」といったメッセージが導き出せるでしょう。同様に「競合」や「自社の状況」のカテゴリでも、個々のデータからメッセージを抽出していきます。

5. 確認作業

メッセージを抽出したら、一つひとつのデータから「何がいえるのか?(so what)」を確認し、逆にそれぞれの枠組みの結論(メッセージ)から「なぜそう言えるのか?(why so)」を自問してみて、縦のつながりに無関係なところはないか、論理の飛躍はないかなどをチェックしましょう。

上の図を確認しながら、ぜひ自分なりに論理ピラミッドを作成してみてください。

ピラミッドストラクチャーの活用例

続いて、ピラミッドストラクチャーのビジネスシーンでの活用例について紹介しておきます。

プレゼンテーション

ビジネスプレゼンテーションは、ピラミッドストラクチャーがもっとも効果的に活用できるシーンのひとつです。

プレゼンテーションはオーディエンスに伝えたいことやオーディエンス自身が知りたいことをわかりやすい形で提供することですから、論理的で説得力のある主張を可能にするピラミッドストラクチャーを積極的に活用すべきです。

資料作りでは、まずキーとなるメッセージを決め、それを軸にできるだけ隙のない論理ピラミッドを構築しましょう。プレゼンでは身振りや手振りといったノンバーバルな部分も重要といわれますが、明確な根拠に基づいた論理的な主張こそがもっとも重要な要素であることは間違いありません。

ビジネス上の課題を解決する

ピラミッドストラクチャーは、プレゼンテーションだけでなく、ビジネス上の問題の原因を特定し、解決に導くための手段としても活用できます。

ビジネスにおける問題・課題のほとんどは「~すべきかどうか」「(いくつかの選択肢のなかから)何を選択すべきか?」という命題に集約されます。したがって、その答えをピラミッドの頂点として考え、その根拠となるデータを収集し整理することで、おのずと精度の高い意思決定が可能になります。

特に自分の考えや根拠を図として「見える化」できるため、自分の頭の中を整理しつつ、適切な解決策を提示できるようになります。

マッキンゼー流ピラミッドストラクチャー

世界最大手の戦略コンサルファームであるマッキンゼー社では、プレゼン資料を作成する際には必ずピラミッドストラクチャーを活用することで知られており、「3の累乗の法則」や「空→傘→雨」の論理などの活用でも有名です。

MECEの考え方もそうですが、限られた時間で精度の高い仕事が求められるコンサル業界では特に重宝されるノウハウであることは間違いありません。事実、同社ではこの方法でさまざまな分野のコンサルティングを成功させています。

ちなみに、ピラミッドストラクチャーを一躍有名にしたマッキンゼー初の女性コンサルタントであるバーバラ・ミントの書著『考える技術・書く技術』は、ピラミッド原則を理解するうえで特におすすめの本ですので、ぜひ手にとってみることをおすすめします。

考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則
考える技術・書く技術
バーバラ ミント (著), Barbara Minto (原著), 山崎 康司 (翻訳)
¥ 3,024

ピラミッドストラクチャーで問題解決を

プレゼン資料の作成や、相手に自分の主張を説得力をもって伝える際に便利なピラミッドストラクチャーについて解説してきました。

相手に話が伝わりづらいのは、多くの場合、こちらの考えの並べ方が相手の思考プロセスとかみ合っていないことが原因です。話が抽象的すぎたり、専門的すぎたりするのも伝わらない原因となりますが、それ以上に、話や文章の構成の拙さが相手の理解を妨げてしまっているケースが多いです。

聞き手にとってもっともわかりやすいのは、主たる結論を受け取った後に、その根拠を体系立てて受け取るような話の構成であり、それこそがピラミッドストラクチャーなのです。

ぜひ本記事を参考に、自分なりに論理ピラミッドを作成する練習をしてみてください。一度やっただけでは難しいかもしれませんが、何度もチャレンジしてみることで、さまざまなビジネスシーンでの問題解決にも役立てることできます。