クロス取引で株主優待を狙う!~具体的なやり方・リスク・おすすめ証券会社とは?〜

株式投資と言えば配当や売却益と並び「株主優待権」も魅力のひとつです。クロス取引を上手く使えば、株主優待券をノーリスクで獲得できることをご存じでしょうか。今回はクロス取引で株主優待権を狙うやり方やリスク、証券口座などについて、一般信用取引を含めながら具体的に解説します。

クロス取引で株主優待を狙う!~具体的なやり方・リスク・おすすめ証券会社とは?〜

株主優待を狙える「クロス取引」

クロス取引とは、ある株式銘柄に対し、全く同じ値段・数量で売り注文と買い注文を同時に出し、約定させることです。
個人投資家が株主優待を獲得するための手法として広まり、人気を集めました。

クロス取引の具体的なやり方

たとえば、A社の株主優待券を狙っているとしましょう。このとき、まず以下のものを準備します。

  • 信用取引ができる証券会社の口座
  • 株購入用の資金

次に、狙っているA社の株の権利付き最終日をチェックします。権利付き最終日とは、「その日までに株を保有していると優待券を獲得できる」という区切りの日です。

権利付き最終日をチェックしたら、その日までにA社の株を「信用売り」し、さらに同数を「現物買い」します。

ここまで完了したら、権利付き最終日の翌日に信用売りと現物買いを相殺し、すべての売買を終了します。この相殺を「現渡」や「品渡」と呼び、クロス取引の肝となる手続きです。

「リスクゼロ」ではないクロス取引

クロス取引は、信用売りと現物買いを相殺させるため、価格変動によるリスクがありません。非常に小さいリスクで株主優待権を獲得できます。ただし、リスクはゼロではないのです。

株の信用取引は、簡単にいえば「証券会社から株を借りている」状態です。信用売りも信用買いも、借りている株を売買しているわけです。このとき、証券会社に対して「貸株料」を支払います。しかし、貸株料に加えて別のコストが発生することがあるのです。

高額なレンタル料になりがちな「逆日歩(ぎゃくひぶ)」

人気の高い株主優待権が出てると、それを狙った信用売りが増えます。すると、証券会社も貸し付ける株が不足します。このとき、足りない分の株式を機関投資家から株式を借りて補うのです。

ただし、機関投資家から借りた株式については、通常の貸株料に加えて「逆日歩(ぎゃくひぶ)」という特別なレンタル料が発生します。逆日歩は「借りた株の数×借りた日数」で求められます。

たとえば1株当たり0.1円の逆日歩が発生している株式があるとしましょう。この株を、3日間2000株借りたときの逆日歩は、以下のようになります。

2000株×0.1円×3日=600円

大口の株主優待を狙うあまり、逆日歩を計算し忘れないよう注意しましょう。

高額な逆日歩で損失が発生することも

過去には、特定の株主優待があまりにも人気を集めすぎたため、高額な逆日歩が発生した例があります。

代表的なところでは、2013年8月の吉野家で発生した3,000円相当の株主優待権があります。人気の高さからクロス取引狙いの信用売りが多発し、1株1日あたり2,000円もの逆日歩が発生したのです。

逆日歩はカレンダーにしたがい、休日も発生します。この例では合計3日分発生したことから、1株当たり6,000円の逆日歩となりました。3,000円の株主優待を獲得するつもりが、逆に6,000円+売買手数料を取られてしまったのです。

一般信用取引で逆日歩を防ぐ

クロス取引における最大のリスクともいえる逆日歩。しかし、実は「一般信用取引」で信用売り注文を出すことで回避できます。

信用取引には2つの種類があり、ひとつは「制度信用取引」、もうひとつは「一般信用取引」です。

  • 制度信用取引
    取引所が銘柄や取引期限などを決めて取引する方法。一般的な信用取引はこちらを指します。

  • 一般信用取引
    証券会社が銘柄や取引期限を決めて取引する方法。証券会社ごとにサービス内容や対象銘柄が異なります。制度信用取引に比べて貸株料はやや高めではありますが、逆日歩が発生しません。

一般信用取引は、各証券会社でサービスが異なります。しかし、逆日歩が発生しないという点では一致しています。クロス取引による株主優待権を狙うなら、一般信用取引が使える証券会社の口座を開設しておきたいところです。