ホリエモンが学校設立、記者会見全文 「ゼロ高」にこめた教育と社会への本音とは

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ホリエモンこと堀江貴文氏が発表した、ゼロ高等学院――「ゼロ高」の開校。「座学を目的とせず、行動を目的とする」をコンセプトとし、ファッション、農業、経営などさまざまな分野のプロに実践を学べるうえ、高校卒業資格も取得できる。「学校教育を壊す(ディスラプトし再構築する)」と話すホリエモンがつくる学校とは。記者会見全文をまとめた。

3. 「高校ぐらい行っとけ」へのアンチテーゼ

堀江:
僕の時代……35年前とかの田舎って何も情報なくて、僕は公立小学校にいて、公立の小学校から中学受験もするんですけど、そのギャップがどうやって埋まったかって、小学校3年生のときの担任の先生の一言なんですよね。「君はここにいる人じゃなくて、たぶんここにいるとだめになるから、塾に行った方がいい」って言われて。

で、うちから車で30分くらいかかる塾に行き始めたのがきっかけで、この世界を見ることができたんですけど、当時はインターネットもないから周りの大人も中学受験なんて誰も(考えていなくて)、うちの小学校から中学受験したの3人なんですけど、そういう道があることを(担任に)教えてもらったから、今の僕があるんです。だから、ちょっとしたきっかけだったり出会いだったり、で、意外とコツみたいなのがあったりして、それを探してやればできる。

僕はやっぱり、中等から高等教育くらいの改革って待ったなしだと思っていて。なんでかっていうと、AIロボット時代になるじゃないですか。で、たぶんホワイトカラーの仕事からなくなっていくんですよ。カメラマンのみなさんいらっしゃいますけど、みなさんの仕事からなくなっていくんですよ、多分。ドローンとかが自律的に動いて、勝手に動画で撮影して一番ピンがあっているやつを自動で抽出してくれるようなマシンをDJIあたりがもうつくってて、たぶんあともう2〜3年でリリースされて(笑)。

坪田:
で、しかも一番いいやつだけ本部に送られたりとかするわけですよね、みんなね(笑)。

堀江:
っていう時代がそこまできてるんで、なくなるんですよ。で、なくなるとやっぱり困るわけですよ。みんなが定年後サラリーマンみたいになっちゃって、それが社会を不安定化させるわけですよ。そういう人が最強の人みたいな話になって、新幹線で人を刺殺したりとかするようになっちゃうんですよ。そういうのが社会の不安定化につながるんで、これは待ったなしだと。

つまり、生き方を変えなければいけなくて、アップデートしないといけなくて、HIU(堀江貴文イノベーション大学校)をまずつくったんです。HIUは別に学校法人でもなんでもないし、なんの資格もとれないんだけど、まあでもそこにいま1,700人くらいいます。まあ、一時期2,000人ぐらいまでいったんですけど。で、そこで、実践することはもうできているんです。

そこにいる会員の人たちの一部は、もうそういう生き方を実践しはじめているんだけど、それより前から、高校生が「高校生も入れますか?」とか聞いてくるわけですよ。「ああ入れないと思ってるんだ」って思って。だから「いや、1万円払ったら誰でも入れるよ」って言ってんだけど、じゃあ学校辞めてHIU入ろうとかってやつはいないわけで。なので、(ゼロ高では)学校の殻はつくろうと。

親とか先生が「高校くらいはいっときなさい」って何も考えずに言うんで、それで3年間、いま普通科の高校通にうと、3年間たぶんほぼ無駄になると思うんで、それこそ高卒の認定資格を取るのって別に通信でできるから、だから通信制でもいいのかなっていう。

とりあえずそれは、はっきりいって言い訳ですよね。とりあえず高校くらい行っとけよ、に対する

坪田:
そう、親御さんも結局なんで学校行かせてるかわかってないし、堀江さんがいろんなことをされているのも、ほとんどの世の中の人は「堀江さんだからできてるんだ」って思ってるんですよね。半年で高校つくるのだって、堀江さんの人脈があるからみたいな。でもそれって当たり前ですけど行動ベースで(堀江さんが)やってきたことであって。

堀江:
でもね、それはもう箕輪っていう編集者(堀江氏の著書「多動力」を担当した箕輪厚介氏)が登場したんで、僕だからできるってのは多分違うんですよ。箕輪なんて3年前は無名でどうしようもないやつだったんだけど、僕の「多動力」って本を編集して完全に変わって、覚醒して……いや本当にびっくりするくらい覚醒しちゃって「何この典型的な覚醒の仕方!」みたいな感じで、1年間で箕輪編集室、彼のオンラインサロンって月々5,000円くらいするんだけど、もう1,200人ぐらいいるんですよ。HIU抜かれますよね、人数で(笑)。

坪田:
まず、髪の毛が垂れてたのが上がりましたもんね、なんかね。覚醒具合が。

堀江:
どんどんかっこよくなってくんですよ。映画までつくっちゃいましたからね。「やべえ、映画、俺つくれてねえわ」みたいな。

4. 「何もないところから足していく」からゼロ高

坪田:
僕はあえてちょっと古い話をさせてもらうんですけど、「孟母三遷の教え」ってあるじゃないですか。あの中国のね。昔、孟子のお母さんが最初お墓の近くに住んでて、そしたら子どもが葬式のマネを始めた、次は市場の近くに住んだら商売のマネを始めた、で、学校のところに引越したら学問の勉強をし始めて、それでOKと思っていたらいい学者になりましたみたいな。

それって親がいかに環境つくるかみたいな話じゃないですか。それって多分箕輪さんにしたって堀江さんと出会って、「あ、この人の真似しよう」ていうふうになって、それによってものすごく器がでかくなったってことですもんね。だから僕、この「ゼロ高校」っていう名前ってすごい好きで。

堀江:
最初ね、H高校にしようとしてたんすよ。N高をパクッてH高校にしようとしたんだけど、なんかしっくりこねえなと思って、ある日降りてきました。

坪田:
それめちゃめちゃいいなと。何もないところから足して行くんだっていう思想がすごいなっていうのと、あと、すし学部とかすし職人学部とかいろいろあるじゃないですか。そこが、僕が(ゼロ高が)今までの学校と一番違うのは何かなって思ったときに、すしをいかに握るかとか、化学的にどう変化するからこういう味になるんだって言う理論みたいなのを学ぶのと同時に、ビジネスも学ぶじゃないですか。たとえばすし店の経営とかみたいな。

今までの学校って、どっちかっていうと、優良な働き手、労働者をいかに量産するかっていう富国強兵の流れからの。だけどゼロ高って起業家をつくろうとしているじゃないですか。そこが僕、圧倒的に違うとこだなと思うんです

堀江:
これは、社会が変わって……これ完全にテクノロジーで変わってるんだけど、スマホ、ブロードバンド、インターネットで、画一的な生き方をしなくても生きていけるようになっちゃったわけですよ。たぶん。

昔はやっぱり協調性がある程度ないとだめだったり、会社で働かなきゃだめだったり、家族つくらないとだめだったりしたんだけど、今はテクノロジーの力でいろいろシェアリングできるようになって、生きていくのにお金もあんまり実はかからなくなってるから。

前は生きていくのにお金がかかる仕組みになってたんで、お金をまず稼がなきゃみたいなのがあって、サラリーマンになんなきゃみたいなのがあったんで、ああいう仕組みがまだワークしてたんですけど、今もう、それが完全に崩壊しちゃったので、概念的には、もう人と同じことはやらなくてもいいし、協調性もぶっちゃけなくていいし、一人でも生きていけるみたいな時代になっちゃったので、それにみんな、子どもは特に気づいてて、「なんで俺たちこんな事やってんだろう」って思っちゃうよねって。

大人もやばいと思ってて、仕事なくなるじゃないですか。どうやって生きていけばいいんだろう。だから60歳とか65歳とか定年になったら急速にぼけたりする人いるじゃないですか。あれはもう生きがいがなくなって暇になってやることなくて。しかも学校教育の弊害って同世代としかつるまない文化をつくっちゃうところにあると思っていて、全く自分と同じプロファイルを持っているような人たちとばっかりつるんでると、多様性を受け入れられなくなるんで。

そういうのも含めて、そういう場をつくっていかなければならないし、さっきみたいなすし屋でもいいんだけど、僕らは実はバラエティ豊かな選択肢をたくさん用意しようと思っていて、合うやつを一生懸命やりゃあいいと思うんですよ。1か月ですし職人コース入ったけど、なんかだめだな、俺センスねえなと思ったら、次はロケットエンジンつくってみようとか。