ホリエモンが学校設立、記者会見全文 「ゼロ高」にこめた教育と社会への本音とは

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記事の情報は2018-08-13時点のものです。

ホリエモンこと堀江貴文氏が発表した、ゼロ高等学院――「ゼロ高」の開校。「座学を目的とせず、行動を目的とする」をコンセプトとし、ファッション、農業、経営などさまざまな分野のプロに実践を学べるうえ、高校卒業資格も取得できる。「学校教育を壊す(ディスラプトし再構築する)」と話すホリエモンがつくる学校とは。記者会見全文をまとめた。
ホリエモンが学校設立、記者会見全文 「ゼロ高」にこめた教育と社会への本音とは

7月、ホリエモンこと堀江貴文氏が学校の設立を発表した。「ゼロ高」ことゼロ高等学院と名付けられ、10月の開校に向けて準備が進められている。

「学校教育を壊す(ディスラプトし再構築する)」と話す堀江氏がつくる学校というだけあって、発表は大きな話題を呼んだ。ゼロ高の概要や要点は下記記事でまとめている。

ホリエモン「学校教育は多様性を否定する」 ゼロ高が目指す行動ありきの高校とは
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注目度の高さは、約80社がつめかけるという形で記者会見の場にも表出した。会見ではゼロ高の説明とともに、堀江氏と、ゼロ高で顧問を務める坪田信貴氏(「ビリギャル」の著者/坪田塾代表)、佐渡島庸平氏(「ドラゴン桜」などの編集を担当/コルク代表)の対談も開催、約45分にわたり議論が交わされた。堀江氏らのゼロ校へかける思いが飛び交う会見全文を紹介する。

1. 堀江氏と坪田氏のつながり

堀江:
坪田さんは教育系だともう大先輩なんで。坪田さんと僕、一緒にリレー小説を書かせていただいて、それがご縁でつながったんですけど、坪田塾がどういう仕組みになってるのかを聞いて目から鱗で。ねえ、すごいですよね。受験という、まあ何ていうか一種の通過儀礼なんですかね、それを一緒に達成した師匠と弟子みたいな関係になると、「師匠に付いていきます」みたいになっちゃうんですよね。で、そのあと大学生になって起業したりとかしたときに、彼らに出資をしたりとかしてるんですよね。すごいっすよね。

坪田:
要は多くの人って学校生活の中で、5教科ができないとダメみたいな感じのことがあるじゃないですか。で、それを一生懸命やっていく中で、親子関係も悪くなるし、集団の中での平均以下みたいな感じになったら、もう自分ダメだってなるわけですよ。で、受験の5教科なんて別に大したことないので、それをこう一生懸命やってクリアしたら、自信が復活するわけですよね。で、さらに信頼関係も生まれる。それで「あ、俺こういう世の中の課題を解決したい」ってなったときに、「じゃ一緒に会社つくろうぜ」って話に。

堀江:
なれるんだ。すごいなあ、その手法は。あのー、我々もパクらせて頂きます。ありがとうございます(笑)。

2. Jリーグのユースを盛り上げる「高校設立」

坪田:
僕がやっぱ堀江さんすごいなあって思うのは、世の中の子どもたち、親御さんもそうなんですけど、見つけてほしいっていうか、これできるんだって思ってもらいたいのが、この話がそもそも出たのって2月じゃないすか?2018年の。ちょうどホリエモン祭りで、「俺学校つくろうと思うんすよねー」みたいな話が出て、実現するまで半年経ってないじゃないですか。

堀江:
あのあと、それこそN高(N高等学校/KADOKAWA・DWANGO(現カドカワ)が設立した通信制高校)の本校舎ってのが沖縄にあって、そこで「ホリエモン祭りin沖縄」ってのをやったんですよ。そのときに、FC琉球の社長が来てて……FC琉球も高校つくったんすよ。高等学院つくってて、これどうやってつくってるんですか?って。

僕Jリーグのアドバイザーもやってて、アドバイザーの中で「いやあJリーグのユースが盛り上がらないんすよね」って話をしてて、なんでユースが盛り上がらないのか考えてみたら、要は高校サッカーって同級生が応援に来るんだけど、Jリーグのユースって同級生が応援に来ないんだよね。

しかも下部チームなんで、やっぱり試合内容はトップチームのサポーターからすると物足りないんです。要は劣化版みたいな感じだから、やっぱ客が来ない。客が来ないとユースも選手も盛り上がらない。でも高校サッカーは同級生が来るから、盛り上がるんですよ。だけどJリーガーを下部から養成していくことは難しいから、だったら高校つくっちゃえばいいじゃん、その発想で。(しかも)高校生だったら高校サッカー出れるから。ユースのチームが。

そう思って、「誰か高校つくんないすかね」って、ちょうどそれこそ、日本代表の監督になった森保さんがサンフレッツェで2連覇かなんかしたときに対談して、高校つくっちゃえばいいんですよみたいな話をしてたら、FC琉球が本当につくっちゃって。「どうやってつくったんすか」って聞いたら、「実は通信制の高校と提携してやってるんです」って。いちから、ドワンゴのN高みたいにめちゃくちゃ面倒くさい手続きをしなきゃいけないのかなと思ってたら、あ、なんだこんな方法あるんだってなって。それから、その方法をそのまま教えていただいて、つくらせていただいた。

坪田:
ここってめちゃくちゃ大きなヒントだと思っていて。僕は教育業界にずっといるわけですよ。そしたらね、学校の先生もそうだし塾の先生とかもそうなんですけど、「いつかおれ学校つくりたい」っていう人を2万人くらい見てきたんです……わかります?だけど当然学校のつくり方なんてわかんないし、めちゃめちゃ金がかかると思っているし、「じゃあいつつくるんですか」って聞いたら「10年後20年後、それが夢です」みたいな人っていっぱいいる。それもう、おじいちゃんになっちゃうよって話じゃないですか。

じゃあ、なんで堀江さんが高校つくるって決めて半年でできたかっていうと、山ほどいろんな「多動力」を発揮して、いろんなイベント開催したりとかいろんなことやってるから、いろんな人と巡り合うわけじゃないですか。そしたらそこが、人材のある種ストックみたいになってて、「これやりたい」ってなった瞬間に、「どうしたらいいんですか」「じゃあそれを真似よう」みたいになる。これって、もうなんか教育の基本中の基本で、それが体現されてるのかな。