注目フードテック企業15選 日本・海外で「食」にイノベーションを起こす企業とは

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フードテックとは情報通信技術(ICT)を食品や飲食業界に適用したサービス。「食」にイノベーションを起こすべく、アメリカを中心にさまざまなフードテック企業が立ち上がっています。代表的な事例としては、植物性たんぱく質を使った牛肉に代わる素材を開発しているビヨンド・ミートや、最新の科学技術を使って食材を調理する分子料理法などの領域があります。本記事ではこのようなフードテック企業の中から注目企業15社をピックアップして紹介します。
注目フードテック企業15選 日本・海外で「食」にイノベーションを起こす企業とは

食+テクノロジー=フードテック

フードテックとは食品関連サービスと情報通信技術(ICT)を組み合わせた、新しい産業分野のことを指します。フードテックと一口にいってもその事業領域は広範に渡ります。

たとえば、フードテックには植物工場というジャンルがあります。通常は農地を使って農作物を栽培しますが、植物工場ではその名のとおり工場内で植物を栽培します。工場内で植物を栽培することによって、天候に関わらず一定品質、一定の量作物を安定して出荷しようというのが趣旨です。

食材をつくるだけではなく、調理をする側にもフードテックビジネスは存在します。たとえば分子調理法。科学技術を使った調理法のことで、たんぱく質を含む食べ物を酵素を使って結合させたり、食材をペースト状にして亜酸化窒素というガスと混ぜることによって泡のような見た目にしたりするといった技術があります。

このように、技術で「食」にイノベーションを起こそうというのが、フードテック。本記事では注目すべきフードテック企業を15社紹介します。

フードテック注目企業5選【海外】

まずは、海外の注目すべきフードテック企業を5つ紹介します。

Beyond Meat(ビヨンド・ミート)

まず紹介するのがビヨンド・ミートというアメリカ、カリフォルニアのスタートアップ企業です。ビヨンド・ミートではベジタリアンやビーガンでも食べられるように、大豆やえんどう豆などを使った植物性タンパク質由来の代替肉の開発を行っています。アメリカではすでに2万店舗以上の小売店でビヨンド・ミートの製品が購入できるようになっています。

総資金調達額は公表されているだけでも72億円以上。ビル・ゲイツ氏やレオナルド・ディカプリオ氏が出資していることでも知られています。

Memphis Meats(メンフィス・ミート)

メンフィス・ミートも、肉に代わる食材の開発を行っているアメリカのスタートアップ企業です。

メンフィス・ミートでは植物性タンパク質由来の代替肉ではなく、本物の肉を使っています。ただし、メンフィス・ミートの肉は牛や豚を肥育、屠殺して製品化するのではなく、幹細胞から得た筋肉繊維を特殊な方法で培養することによって製品化します。

培養するのに多額のコストが必要なので市場には出回っていませんが、技術の進歩によってコストが下がれば培養した人工肉が食卓に並ぶ可能性もあります。

Hargol FoodTech(ハーゴル・フードテック)

ハーゴル・フードテックはバッタを使ったプロテインバーの開発をしているイスラエルのスタートアップ企業です。日本では敬遠されがちな昆虫食ですが、海外では昆虫が効率的なたんぱく質の摂取源となっている国もあります。

同じように昆虫食を研究している企業は他にもあって、人口増加による食糧危機の解決策としても注目を集めています。昆虫食には国連も注目、栄養価の高さから「食糧危機を救う」とレポートを発表するほど期待されている面もあります。

AeroFarms(エアロファーム)

エアロファームは米国ニュージャージー州で植物工場を経営しているスタートアップ企業です。エアロファームではトレイやつりさげ式のモジュールを使って、水平だけではなく垂直にも並べて農作物を栽培して、省スペースで高効率の栽培を実現しています。また、LEDと栄養素が含まれたミストによって育てるので太陽光も必要ありません。

ソフトバンクなども投資をしている企業です。

Apeel Sciences(アピール・サイエンス)

アピール・サイエンスは野菜や果物の保存期間を最大5倍に伸ばせる食用コーディング技術を開発している、米国カリフォルニア州のスタートアップ企業です。アメリカ食品医薬品局は、アピール・サイエンスの製品について一般的に安全であると認められるという見解を示しており、人体にも有害ではないとされています。

2012年創業ながら40億円以上の資金調達に成功しており、ビル・ゲイツ氏が運営するビル・ゲイツ財団もこの企業に投資しています。

フードテック注目企業10選【日本】

テクノロジーで食にイノベーションを起こすフードテック。日本で活動しているフードテック系のスタートアップ企業を10社紹介します。

コンプ

コンプは人間に欠かせない6大栄養素と必須アミノ酸9種類が完全なバランスで配合された栄養補助食品「COMP パウダー」を開発している企業です。UHA味覚糖とコラボしてCOMPの入ったグミも開発しています。

設立は2015年と若い企業ながら、いろいろなメディアで注目を集めています。

ベースフード

ベースフードは1食に必要な栄養素を含む“完全栄養食”のパスタ「BASE PASTA」を開発しているスタートアップです。2016年10月のクラウドファンディングで集めた資金で事業を開始して、2017年10月にはグローバルブレイン社から1億円の資金調達に成功しています。

Showcase Gig

Showcase Gigは来店前に事前注文、決済ができるサービス「O:der」を開発しているスタートアップです。三井住友カードやPOSレジを開発している東芝テックなど大手の決済関連企業との業務提携を進めており、これまで累計15億円以上の資金調達に成功しています。

飲食店にとっては客の来店時間、注文内容がわかるだけでなく、オーダーや支払いのオペレーションも削減できます。

八面六臂

八面六臂は飲食店向けの食材ECを手がけているスタートアップ企業です。飲食店向けのECは通常の食品通販とは異なり、ロット数や配送手段、決済方法など、調整しなければならないことが多岐に渡ります。このような細かい調整を行って、通常のECサイトと同じように食材の仕入れができるサービスを提供しています。

ウェル・ビーイング

ウェル・ビーイングは、栄養成分自動測定器「カロリーアンサー」を開発しているスタートアップ企業です。その場で簡単にカロリーと各種栄養素の成分量を測定できる機械で、ものづくり日本大賞や文部科学大臣発明奨励賞などを受賞しています。

これまで、専門機関に依頼すると約2週間、栄養士による計算だと10〜20分ほどかかっていた分析が、1〜2分で完了。テレビ番組でも利用されています。

SHIFFT

SHIFFTは飲食店や小売店から発生した余剰食品を定額で1日2回まで受け取れる「Reduce Go」というサービスを開発している企業です。日本ではまだ食べられる食べ物を捨てる食品ロスが社会問題化しており、これを解決するサービスとして注目を集めています。

KAKAXI

KAKAXIは気温、温度、日射量センサーを内蔵した農業用デバイス「KAKAXI」を提供しているメーカーです。従来のように経験や勘に頼ることなく、定量的に栽培環境の把握、管理が可能になります。 また広角カメラによる撮影や映像出力にも対応。作付けから収穫までの振り返り、消費者へのPRにも利用できます。

ファームノート

ファームノートは畜産農家向けの牛個体管理センサー「Farmnote」を開発している企業です。牛の体調の変化をICT技術によって客観的に管理することによって、経験が浅い酪農家でもその変化にすぐ気づき、客観的に状況を把握できるようになります。

デザミス

デザミスは牛の行動モニタリングシステム「U-motion」を開発している企業です。ファームノートと同様に、牛に装着することによって牛の細かい体調の変化や発情の兆候を客観的に把握できるようになります。

ベジタリア

ベジタリアは水田の水位や水温などを記録・送信するセンサー「PaddyWatch」を開発している企業です。政府は水田の大区画化を目指すことを発表しており、大区画の水田で均質的な品質の収穫量を確保するためには水の管理がかかせません。PaddyWatchを導入することによって、少ない人員で水田の管理ができるようになり、稲作農家の生産性が上がる効果が期待できます。

フードテックは「食」の未来を変える

最新のICT技術を活用して「食」のあらゆるイノベーションを目指す、フードテック。多くのスタートアップが立ち上がり、ビル・ゲイツ氏やソフトバンクなど、著名人、大手企業が出資をしています。

フードテックの注目すべき企業を海外で5社、国内で10社、計15社紹介してきました。植物性たんぱくに由来する代替肉や、必須栄養素を一つの食材で摂取できる完全栄養パスタのような、これまで口にしたことが無かった新しい食品も登場。また飲食店でのオペレーションを改善したり、定量的な数値を元にした生産管理を実現したりと、さまざまな領域のフードテック企業が誕生しています。

フードテックは食文化の未来を変容させていくことが期待できるでしょう。