米マイクロソフトがHoloLens 2 発表、アニメで描かれてきた「xRの世界」とは?

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記事の情報は2019-02-25時点のものです。

2019年2月24日(中央ヨーロッパ時間)、米マイクロソフトがヘッドマウントディスプレイ(HMD)の新モデル「HoloLens 2(ホロレンズ 2)」を発表し開発者たちを賑わせている。AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・MR(複合現実)いわゆるxRは、HoloLensなどデバイスの進化と5G実装で実証実験の段階から実用に向けて加速するだろう。本記事では、昨日発表された「HoloLens 2(ホロレンズ 2)」の性能概要と、xRが一般に普及した世界を描いた日本のアニメを紹介する。

AR・VR・MRの世界が垣間見えるアニメ3選

今回発表された HoloLens 2 は、コンシューマ向けとは言えない。しかし、そんな産業用デバイスであるHoloLens 2 が、世界最大規模の携帯通信関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で発表された意義は大きい。いずれメガネ型やコンタクト型などへと進化を遂げて一般消費者にも広く普及するようになれば、ポストスマホになり得る可能性を十分秘めている。

こうなると、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)・MR(複合現実)いわゆるxRが、日常生活に溶け込んだ世界を意識せざるを得ない。そしてそれは、アニメの中ですでに実現していた。xRの未来が垣間見える作品を3つ紹介しよう。

電脳コイル

2007年5月から12月にかけて、NHK教育で放送されたSFアニメ。第39回星雲賞メディア部門、第29回日本SF大賞など、多くの賞を受賞した。舞台は202X年。「電脳」と呼ばれる技術が一般社会に普及して、「電脳メガネ」をかけていれば電脳技術で作られた道具を使ったりペットを飼ったりできるし、インターネットもハンズフリーでみられる。

一方、子どもでも気軽に電脳技術を用いたツールを使うことができ、電脳犯罪も多発する。仮想とリアルが重なりあう世界での日常生活が描かれており、この作品でAR(拡張現実)という技術を知ったという人も多い。

攻殻機動隊

原作の劇場版アニメ映画は1995年公開、テレビアニメは2002年に公開された。ほかにもwebアニメ、実写映画、ゲーム、小説などにも展開されており、絶大な支持を集めるSF作品だ。

脳にマイクロマシンなどを埋め込んで、脳を機械化してしまう電脳化をはじめ、身体機能のロボット化や義体化、データの読み取りなど高度かつ多様な科学技術が用いられる日本を舞台とした作品だ。映画マトリックスなど海外作品にも影響を与えたと言われ、いまも存在感ある大作。

ソードアート・オンライン

原作は小説で、アニメ化されたのは2012年。舞台は2022年、ナーヴギアという仮想空間接続デバイスが開発され、このナーヴギアを使った次世代型VRゲームに閉じ込められた人間模様を描くSF作品だ。

このゲームにはログアウトボタンがなく、ゲームをクリアすることだけがこの世界から脱出する唯一の方法。仮想世界でデスゲームを繰り広げるなか、現実世界にいる自分"本体"からナーヴギアを強制的に外されると、脳を破壊されて死亡するという設定で、複数の仮想現実空間でドラマが展開される。

2020年、5G実装が進むとxRも加速度的に進化する

2020年には5G実装が進むと言われている。通信環境の劇的な改善によって、xRの実装は加速度的に進むだろう。またマイクロソフトHoloLens 2 のほかにも、VIVEやOculusなどのデバイスも2019年内の新型発表が噂される。xR(AR/VR/MR)が産業・商業に普及するだけではなく、一般人の生活にも浸透する日は、そう遠くないかもしれない。

今回紹介したアニメの根底には、テクノロジー進化の描写と、「人間とは何か」を考えさせる問いが隠されている。xRが人類の生活や行動を劇的に変革し始めたいまこそ、日本発の世界的人気を誇るSF作品を、体感してみてはいかがだろうか。

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