Z世代とは | マーケターが注目するジェネレーションZの特徴

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ミレニアル世代のあと、1997年以降に生まれたZ世代はデジタルネイティブの世代であり、マーケターがその特徴を調査するなど存在感を増しています。ティーンエイジャーとなったジェネレーションZの特徴やブランド観とはなにか、解説していきます。
Z世代とは | マーケターが注目するジェネレーションZの特徴

ティーンエイジャーのほとんどがZ世代となった最近になって、急に彼らが注目されるようになりましたが、それにはどのような理由があるのでしょうか。

また、彼らの持つ特徴とはどのようなものがあるのでしょうか。さまざまな角度から掘り下げて解説します。

Z世代とは

Z世代とは、1997年〜2005年頃までに生まれ、現在12歳〜20歳前後の主にティーンエイジャーとなっている世代のことを指します。

存在感の増すZ世代

Z世代は当初、ミレニアル世代と一括りに考えられていましたが、彼らがティーンエイジャーになり大学生になるにつれ、実はその考え方や関心を持っているものがミレニアル世代と大きく違っている、ということが表面化してきました。

現在12歳〜20歳のZ世代は世界に約20億人いるとされ、2020年にはその年間購買力が440億ドル(約4兆9000億円)にも及ぶと考えられていたため、彼らが何を欲しがっているのかを知ることは重要なマーティング戦略となります

そのため、多くのマーケターが彼らのことを調査し、その特徴が少しずつわかってきています。

Z世代が育った環境

1997年以降に生まれたとされるZ世代は、2001年のアメリカ同時多発テロとそれに続く国際テロ組織との戦い、2007年のサブプライムローン危機に端を発したリーマンショック、それによる史上最悪の失業率など、政治的にも経済的にもアメリカが激動の最中にある時代に育っており、社会的にも学校での銃撃事件の多発、オンラインでのいじめなどで不安定な環境を過ごしてきました。

一方、2009年にはアフリカ系アメリカ人のオバマ氏が大統領に就任し、リベラルへの流れが加速、いじめやジェンダー問題も語られるようになったことから、寛容の精神が高まった時代であったともいえます。

Z世代の特徴とは

こうした時代背景や環境で幼少期を過ごしたZ世代は、考え方や関心を持つものも、これらによる影響が大きいと考えられています。

そのような彼らを分析したマーケターが導きだしたZ世代の特徴には、どのようなものがあるのでしょうか。

デジタルネイティブ

ミレニアル世代もデジタル化の波が大きくなってきた時代を過ごしてきましたが、Z世代は生まれたときからスマートフォンやタブレットがあり、SNSなどのソーシャルメディアが溢れていました

その意味でZ世代は真のデジタルネイティブであり、12〜17歳の若者2200万人がモバイルデバイスを所有、5つの画面を同時に見ることもあり、91%がモバイルデバイスを持ったまま就寝してしまうという調査もあります。

Z世代は常にインターネットと接続されている環境が当たり前となっているのです。

デジタルの悪影響を自覚している

しかし、Z世代はそういった状況を認識し、自身に悪影響を与えている可能性があることも自覚しています。

彼らはデジタル技術が自身に与える影響は大きく、59%のZ世代がオンラインで過ごす時間を減らす必要があると考えています。

また、プライバシー意識の高い時代が影響していることから、SNSなどにおいても自身の情報を意識的に切り離す傾向が見られ、マーケターは将来的にユーザーデータに基づいて広告枠を買い付ける、プログラマティック広告が衰退することを予想しています

プライバシーを重視する

ミレニアル世代はソーシャルメディアに取り付かれている、とまでいわれましたが、Z世代のソーシャルメディアとの付き合い方には、それとは違った規則性が見られます。

Z世代はFacebookを情報共有のプラットフォームとは思っておらず、多くは「Snapchat」を個人的な情報共有に使用しています。

これはZ世代が何よりもプライバシーを重視していることの表れであり、不用意なツィートやスナップ写真がどのような意味を持つのかを充分に理解していることになります。

リアルなブランドを好む

多様な人種が存在するといわれるZ世代は、他者に対して完璧を求めず、ありのままを受け入れる傾向があります。

市場が広告にリアルさを求める流れになってきているのは、Z世代が日常生活に根ざしたブランドを好み、広告に対しても現実を反映したものを好むようになったからだと分析されています。

このことから、Z世代を対象としたブランディングは、従来とは違ったアプローチが求められるでしょう

Z世代が求める独立と成功|Z世代の起業家

経済不況や政治不安の中で育ち、幼いときからソーシャルメディアを通じてさまざまな価値観に触れてきたZ世代は、固定概念を持たず、独自の視点から世界を見ることができるため、他の世代とは違ったもうひとつの大きな特徴があります。

それが独立と成功を求める、高い起業家精神です。

その具体例として、なんらかの問題に直面し、それを解決するために起業するという結果にいたった、3人のZ世代ティーンエイジャー起業家を紹介します。

Flexin’ In My Complexion

2016年の春、ケリス・ロジャースさんは10歳のときに自身のTシャツブランド「Flexin’ In My Complexion」を立ち上げました。

起業のきっかけは、肌の色を理由に学校でいじめられたことです。自分と同じように、肌の色だけで人種差別される人をファッションで勇気づけようと考えたことが動機でした。

差別に反対するメッセージをあしらったTシャツは、SNSでも大きな反響と共感を呼んでいますが、ラインナップの拡充やファッションショーの計画もあり、忙しい毎日を送っているようです。

Me & the bees Lemonade

12歳のミカイラ・アルマーさんが立ち上げたブランド「Me & the bees Lemonade」は、天然の蜂蜜を使ったレモネードを生産しており、Whole Foods Marketを通じて販売しています。

起業のきっかけは、蜂に刺されたことです。それによってミツバチが自然生態系の中で果たしている役割に気付き、レモネード販売を開始し、収益の一部はミツバチ保護を行う団体に寄付されています。

彼女はビジネスを通じて自然を守ることで、自ら養蜂する社会起業家と自認しています。

Zollipops

12歳のアリーナ・モースさんは、砂糖を使わない健康キャンディーブランド「Zollipops」」を9歳のときに立ち上げ、トイザらスやアマゾン、Whole Foods Marketを通じて販売しています。

YouTubeでキャンディーの作り方を覚えたという彼女は、アメリカで深刻な問題になっている虫歯を減らしたいという動機から、砂糖を使用しない、グルテンフリー、GMOフリーという健康キャンディーブランドを立ち上げたのです。

日本のZ世代とは

ここまではアメリカのZ世代を中心に解説してきましたが、もちろん日本にもZ世代は存在します。

しかし育ってきた環境の違いもあり、日本のZ世代はアメリカとは違った特徴を持っているようです。

リスクを避ける安定志向

日本のZ世代へのアンケートでは、仕事に対する意識に関して「安定して長く続けられる仕事」が、好きな仕事や収入の多い仕事を上回っており、8割がなんらかの不安を抱え、リスクを避けた安定を求める傾向が見られます。

これには、Z世代の親達がリストラや離職を経験している人が多く、離婚を経て片親に育てられた子供が多いことも背景にあると思われ、安定の裏にある不安が、Z世代の中に深く根ざしていることが伺われます。

親密圏に限定された人間関係

SNSの使い方に関しても、日本のZ世代が抱える不安と安定を求める傾向が表れているといえます。

親密圏といわれる親や友だち、それ以外の他人という境界が彼らにはあり、親密圏だけで人間関係を築くため、SNSは未知の人と知り合いになる場というより、親密圏にいる人とより親しくなるために使われます。

そのため、考え方が今の不安を解消する現在思考となりやすく、長期的な展望を描きにくい刹那的な面を持っているともいえます。

グローバル意識と価値観の多様化

その一方で、デジタルネイティブであるZ世代は、デジタルを自在に駆使できることから、さまざまな挑戦へのハードルが低くなっており、価値観の多様化が見られます。

また、デジタルとの親和性が高いZ世代では、グローバル化に対する抵抗感がなく、成功ということに対して答えは一つではないという意識も強くなっています。

このため、リーダーといった目立つポジションを目指すよりも裏方を希望する傾向もあり、人の役に立ちたいという一面もあるようです。

Z世代のグローバル比較

全体的にはアメリカとも似た傾向のある日本のZ世代ですが、考え方の微妙な違いから、グローバル比較を行ってみると、興味深い結果が得られています。

日本のZ世代は創造的ではない?

12〜18歳までの学習、クリエイティビティ、将来の仕事についてアドビシステムズ株式会社が調査結果を発表しています。

それによると、自分が創造的だと思うかという質問に対し、YESと回答した割合が、アメリカ47%、イギリス37%、オーストラリア46%、ドイツ44%、であったのに対し、日本はわずか8%にとどまりました。

これは教師側への質問でも同様であり、日本の学生が創造的だと思う教師は、2%しかいないという結果も公表されています。

参考:アドビ、日本のZ世代に関する意識調査結果を発表

学校教育は就職の役に立たない?

シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム、中国、台湾、香港、韓国、日本を対象に、15〜18歳のZ世代への意識調査が行われた結果では、日本のZ世代のほぼ半数が、学校教育が就職の役に立たない、と考えていることがわかりました。

この比率は、中国、台湾、香港でやや高めでしたが、日本の比率の高さは他国とは比べ物にならず、教育方法の在り方が問われそうです。

会社に対する忠誠心はない?

同様の対象で仕事に対する意識調査を行ったところ、他国に比べた日本のZ世代は、生涯に勤める会社数、学校卒業から就職までの期間がともに少なく、親世代の仕事観を踏襲した保守的な思考が見られました。

反面、有名企業でも低い給与では働きたくない、条件のいいオファーには応じるなど、転職に関する意識は高く、会社に対する忠誠心は低い傾向があります。

多様な価値観を持つZ世代と向き合うには

複雑な内面を持つともいえるZ世代は、独立と成功を求める、起業家精神にあふれる個人主義者でもあり、その多様な価値観は企業という枠組みの中で仕事をする、ということが難しいのかもしれません。

しかし、デジタルネイティブともいえる彼らは、変化の激しい現代の経済市場において、もっとも能力を発揮する存在なのかもしれません。

企業側としては、Z世代の特徴や考え方を認識したうえで、いかに組織の中で活かしていくか、手腕が問われてくるでしょう。