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自動車業界におけるCRM(顧客管理)とは
CRMとは「Customer Relationship Management(顧客関係管理)」の略で、単なる顧客情報の管理にとどまらず、顧客との関係を強化し、長期的な価値を最大化するための戦略や仕組みを指します。CRMはどの業界でも必要とされており、自動車業界も例外ではありません。最近では、顧客数増加だけでなく、コストパフォーマンスの高いCRMが必要とされています。
本記事では、代表的な顧客管理システムの比較をしていきます。面倒な顧客管理を効率化しましょう。
CRMに関連する用語に関しては、こちらの記事でも解説しています。
自動車業界におけるCRMの課題
CRMが自動車業界で重視されるようになった背景には、どのような課題があるのでしょうか。
顧客情報の分散
自動車業界で、顧客と直に接するのは販売会社であり、メーカーが直接顧客と接する機会はあまりありません。そのため顧客情報は、メーカーや販社それぞれに分散する傾向が強く、活用できていないケースが多々あります。
アフターサービス専業企業の台頭
自動車保有台数は世界的に増加しており、部品の交換や修理、中古車取り扱いなどアフターサービス市場も拡大しています。
たとえば、中古車販売企業の台頭やカーオークション市場の活況が一例です。中古車の再利用増加で、これまで新車を購入していた顧客層が中古車市場へと流れています。
自動車メーカーは流出する顧客をつなぎ止めるため、新しい顧客関係の構築や維持の施策を迫られています。
新車代替期間の長期化
新車の買い替えまでの年数が伸びています。日本自動車工業会の2023年度乗用車市場動向調査によると、「前保有車の保有期間は平均7.2年※」です。
※出典:日本自動車工業会「 2023年度 乗用車市場動向調査 」(2025年6月18日閲覧)
長期化の理由はいくつかあります。
まず、デフレによる所得の低下は、消費者が車の買い替えを先延ばしにする大きな要因となっています。経済的な理由から、支出を抑えようとする傾向が強まっているためです。
また、自動車自体の耐久性が向上したことも挙げられます。車の寿命が延びたことで、以前よりも長く乗り続けられるようになり、結果的に買い替えの頻度が減少しています。
さらに、自動車以外の交通手段を利用する人が増えていることも影響しています。特に都市部では、公共交通機関の利便性向上やシェアサイクルの普及などにより、日常的に車を使わないライフスタイルを選ぶ人が増加しています。
また、車を所有していても、普段の移動には電車やバス、自転車などを利用する人が増えています。これにより、自動車の使用頻度が下がり、劣化しにくくなるため、自然と買い替えまでの期間が延びます。
これらの要因が複合的に作用し、新車の販売台数に影響を与えています。他の移動手段の選択肢が増えたことは、自動車業界にとって新たな課題となっていると言えるでしょう。
顧客がネットで知識を入手
インターネットの普及は、顧客が商品知識を得る方法を大きく変えました。かつては販売店でしか手に入らなかった情報が、今ではオンラインで簡単に手に入るようになったのです。
これまでは、顧客が販売店に足を運び、ディーラーから直接話を聞いて、勧められた車を購入するのが一般的でした。しかし、インターネットの登場により、顧客は自分で情報を検索し、比較検討するようになりました。
これにより、ディーラーは対面での商談機会が減少。顧客が来店する前に多くの情報を得てしまうため、ディーラーが顧客に直接働きかける場面が減り、結果として売上減少の一因となっています。
自動車業界の課題をCRMで解決できる理由
自動車業界では、メーカーと販社は別領域という意識が強く、それぞれ個別に営業やマーケティング施策を講じていました。分析軸が違うので、ニーズへの対応もバラバラです。顧客からするとピントのずれた機能改良やデザインを繰り返しがちでした。
そこで需要になるのが、 CRM の導入です。CRMによって、メーカーと販社は互いに情報を流通させ、ニーズにあった施策が打てます。
アフターサービスが後手に回っていた問題も、新車の販売スパンが延びている問題も、ネットの普及による問題も、CRMによって解決できます。
メーカーと販売会社の情報共有
CRMを使うことでメーカーと販社の情報を共有でき、正確な顧客ニーズを把握できます。ニーズがわかれば、メーカーと販売会社が一体となり顧客視点でサービスを提供可能です。
顧客がどのタイミングでどのようなサービスを必要としているかは、顧客属性やライフスタイルを分析して明らかにします。分析を踏まえて、販売会社は効果的な売り方の実施が可能です。
たとえば買い替え時期の傾向を分析します。分析結果にもとづけば、適切なタイミングでキャンペーンを実施できます。メーカーは販社と手を組むことでより効果的にマーケティングできるでしょう。
多様なライフスタイルに対応
個人の経済事情や価値観の変化が細分化し、自動車の買い替え方や時期も、違った考え方をもつ人が増えています。
顧客の多様化によって、マス的なアプローチでは、顧客と良い関係を築けなくなりました。そのため、CRMによってターゲットの価値観に応じた、独自のアプローチが必要です。
むしろ、資金力のある自動車メーカーがCRMを積極的に活用すれば、効果的な施策はそう難しくありません。
インターネットで顧客情報を入手
ネットの情報は、顧客の購買決定に大きな影響を与えています。顧客自身が独自に商品知識を入手し、費用対効果の高い購買行動をとることは、メーカーや販社にとって脅威でしょう。
その一方、インターネットにおける顧客情報を活用することで、ライフステージに応じたマーケティング施策や、過去の購買履歴に基づくアプローチをしやすくなります。インターネットを効率的に活用することが、今後の営業活動の鍵といえるかもしれません。
自動車業界のCRMの選び方
自動車業界は、購入からアフターサービスまで長期にわたる顧客接点が存在します。そのため、CRMを選ぶ際は業界特有の営業・サービスプロセスに合っているかを意識することが重要です。
商談・試乗・点検など複数の顧客接点を一元管理できるか
自動車業界では、最初の問い合わせから商談、試乗、納車、点検まで、顧客との接点が段階的に続きます。それぞれの接点で顧客情報が蓄積されていくため、一元管理できる仕組みが必要です。
導入を検討する際は、商談メモや試乗履歴、点検予定などをひとつの画面で確認できるかどうかを確認しましょう。営業担当ごとの対応履歴も追えると、引き継ぎや対応ミスの防止にもつながります。
アフターサービスや整備履歴も管理できるか
自動車は購入後のフォローが非常に重要な商品です。点検・整備や車検のタイミングで適切な案内をするためには、アフターサービスの履歴もCRMで把握できる必要があります。
選定時は、過去の整備履歴や対応内容を記録できる機能があるかを確認しましょう。リコール対象の車両や次回点検予定などのリマインド機能があると、顧客満足度の向上につながります。
本部と販売店のデータをスムーズに共有できるか
メーカーとディーラーの両方で顧客情報を管理する自動車業界では、組織をまたいだデータ共有が課題になりやすいです。情報連携がスムーズにできるCRMを選ぶことで、顧客対応の一貫性が保たれます。
CRMを選ぶ際は、本部と販売店のアカウントを分けたうえで、必要に応じて情報を連携・制限できるかを確認しましょう。シングルサインオンやデータ閲覧権限の柔軟な設定が可能な製品が望ましいです。
新規・既存顧客に合わせたマーケティングができるか
新車販売だけでなく、車検や乗り換えのタイミングに合わせたアプローチも重要です。顧客ごとに適切なタイミングで案内できるCRMであれば、リピート率の向上も期待できます。
顧客の年齢・家族構成・過去の購入履歴などの属性をもとに、キャンペーン案内やメール配信ができるかを確認しましょう。セグメント配信機能やリマインド機能もあると便利です。
他システムとの連携で業務全体を効率化できるか
販売管理システムや会計ソフト、在庫管理システムなど、他の業務システムと連携できるCRMは業務効率を大きく向上させます。データの二重入力や手作業の手間を削減できます。
導入前には、現在使用している基幹システムとのAPI連携が可能かを確認しましょう。CSVインポートしか対応していない場合は、日々の運用負担が大きくなる可能性があります。
自動車業界向けCRM
最後に、自動車業界向けのCRMシステムについて5つ紹介します。
本記事で紹介するCRMや、紹介しきれなかったサービスのさらなる詳細については次の記事からご覧になれます。ぜひご覧ください。
Salesforce Sales Cloud
- 国内外でナンバーワンの導入実績※1
- ステータス管理やレポートティング機能が充実
- 専門部隊によるサポート
Salesforce Sales Cloud は、世界で15万社以上※2が導入したCRM/SFAソリューションです。
営業活動に必要な機能をオールインワンで利用できます。カスタマイズ性に優れており、ユーザーの状況に合わせて業務プロセスを構築できます。BtoBとBtoCの違いにとらわれず、さまざまなビジネスに対応できるので幅広い企業におすすめです。
ユーザー交流の場が設けられているほか、専門部隊によるサポート体制も整っています。
※1 出典:セールスフォース・ジャパン「
AIを駆使したセールスソリューション&ソフトウェア—営業向けSalesforce
」(2025年6月18日閲覧)
※2 出典:セールスフォース・ジャパン「
15万社に選ばれる営業支援システム Sales Cloud | セールスフォース・ジャパン
」(2025年6月18日閲覧)
GENIEE SFA/CRM
- 柔軟なカスタマイズ性により権限を細かく制御
- データの見える化とユーザー間コミュニケーションが可能
- 状況に合わせた手厚いサポートで定着率99%※
GENIEE SFA/CRM は、顧客情報をはじめ、商談情報や営業活動などを一元管理できる国産SFA/CRMです。閲覧権限やアクセス権限などを細かく制御でき、データの紐づけや項目のカスタマイズなども可能なため、メーカーと販社での情報共有もスムーズです。
数クリックで売上進捗や営業の稼働状況などを分析でき、ダッシュボードから視覚的に把握できます。また、チャット機能により、顧客ベース・案件ベースでのコミュニケーションも可能です。
※出典:ジーニー「 GENIEE SFA/CRM公式HPより 」(2025年6月18日閲覧)
Zoho CRM
- 圧倒的な機能と驚きの低価格
- キャンバス機能を搭載
- 業務の効率化を実現
多くの商品を取り扱い仕入先、購入者などさまざまな情報を管理する必要のある自動車業界からも選ばれる Zoho CRM(ゾーホー・シーアールエム) 。
なかでも特に人気の高い機能が「キャンバス」です。業界初※のキャンバスビューをCRMに使用し、データを好みの形で表示できます。区別しやすいように画像を追加したり、カスタムボタンを追加してフィールドを作成したりできる使いやすさが特徴です。
※出典:ZOHO Japan「 Zoho CRM向けCanvas – 業界初、コード不要のデザインスタジオ。 」(2025年6月18日閲覧)
Microsoft Dynamics 365
- 他Microsoft製品との連携
- 拡張性が高く、開発者の間口が広い
- クラウド型・オンプレミス型に対応
Microsoft Dynamics 365 は、Microsoft社が提供するCRMソフトウェアパッケージです。CRMで必要な機能が網羅的に搭載されています。ExcelやWordのような使いやすいインターフェースが特長です。
導入実績も豊富です。全世界で利用されており、国内でも日産自動車をはじめ、多くの有名企業に採用されています。政府官公庁や教育機関向けのパッケージもあります。
GRMarketing
- 月次決算の早期確定
- 売上集計や請求書発行などの経理処理を簡略化
- 入金チェックにかかる時間の削減
GRMarketing は、見積もりや請求書発行、受注管理、売上管理などを簡略化するクラウド型の顧客管理サービスです。クラウド型のため、オフィスにあるパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからも利用できます。
シンプルなインターフェースのため、すぐに操作方法を覚えられます。IT企業だけでなく製造業や建設業、保険代理店、芸能事務所など、さまざまな業界で導入されています。
自動車業界の課題をCRMで解決
自動車業界におけるCRMの必要性と、おすすめのCRMについて紹介してきました。
CRMという言葉は以前からご存じだったかもしれません。それだけ効果が実証されている手法ですが、実際に導入・活用する際には相応の困難がともなうことも事実です。
しかし、今後CRMを活用するメーカーや販売会社は確実に増加すると予測されます。この機会に、CRMの重要性を深く理解し、顧客との双方向コミュニケーションを強化することが、多くの課題を抱える自動車業界の突破口となるでしょう。
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