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顧客満足度とは | 向上させる施策や取り組み、方法【CS担当者必見】

最終更新日:(記事の情報は現在から1475日前のものです)
既存事業の売上を拡大させる、販売店舗の売上の落ち込みを回復させる、などの課題を達成するためには顧客満足度の向上が欠かせません。そんな顧客満足度の調査方法、向上させる方法について解説します。

既存事業の売上を拡大させる、販売店舗の売上の落ち込みを回復させる、などの課題を達成するためには顧客満足度の向上が欠かせません。しかし、顧客満足度を向上させるのは容易ではなく、そのための適切な施策の立案と取り組みが必要なのです。

まず、課題の達成に向けた顧客満足度調査を行い、その結果に基づいて顧客満足度を改善させるための施策の立案が必要となります。そして、企業はその立案の実施に向けた適切な取り組みを顧客と従業員に対して行わねばならないのです。

顧客満足度とは

顧客満足(CS)とは英語の「Customer Satisfaction」、つまり販売した製品やサービスに対してそれを購入した顧客が満足することです。同じ顧客から次の受注につながるよう、また新規顧客への受注に広げる為の重要な要素になります。

顧客満足は、単に価格が他社よりも安い、品質が良いといった基準の他にもサービスやアフターケアに対する評価も入ってきます。満足した・しないだけでなく、どの程度満足しているかも加えて調査分析し数値化したものを、顧客満足度といいます。

顧客満足度の向上の第一歩は顧客満足度調査から

顧客ニーズを欠いた事業は、顧客の支持を失い継続することが難しくなってしまいます。そのため企業は顧客満足度を定期的に調査する必要があります。特に売上の低迷が一過性でない場合は直ちに行うべきでしょう。

顧客満足度を低下させる原因が何であるかを把握せずに、改善に向けた施策を立案しても的外れな取り組みとなり、問題は解決されません。そのため適切な顧客満足度調査が必要なのです。

原因を特定するためには、課題を整理し調査の目的を明確にすることが欠かせません。調査目的が曖昧になれば、どのような調査方法をとったとしても得た情報が漠然とした結果になりかねないからです。

そして、調査の実施者は課題と調査目的との整合性の確認し、問題や原因の仮説を立てそれを検証するための調査方法を立案・実行しなければなりません。

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顧客満足度調査の結果に基づく課題達成に向けた施策の立案

顧客満足度の低下の原因が判明すれば、後はそれを解消するための施策の立案が必要です。その場合立案者は、企業従業員顧客の視点、具体的には、企業と顧客、企業と従業員、従業員と顧客の関係で施策を考えると整理しやすいでしょう。

顧客満足度を低下させる要因はさまざまものがあります。

たとえば、ブティックでは商品の種類、価格、品揃え、サイズ・カラーなどの商品の要因や、店員の接客マナーが悪い、提案力が低い、会話が弾まないなどの店員の要因もあります。また、店が狭い、暗い、入りにくい、駐車場がない、店を知らない・聞いたことがない、また来たいと思うサービスがない、などお店側に関する要因もあるのです。

これらの要因を3者の視点から整理すれば、施策は立案しやすくなるでしょう。たとえば、商品に関する要因なら、顧客や従業員の意見や要望をもとに、品揃えや価格の変更などを行うことが考えられます。

また、お店に関する要因なら、店舗レイアウトの変更、無料駐車場の設置、ホームページの開設、チラシの配布、既存顧客への優待の案内などの施策が有効かもしれません。

従業員に関する要因では、店側が従業員に商品や接客に関する研修を行う、従業員の成果を公正に評価し給料や昇進・昇格などの処遇に結び付ける、などの施策が重要なるでしょう。

顧客満足度の調査方法

顧客満足を数値化するには色々な手法がありますが、日本で代表的なJCSIについて説明します。

JCSI(日本版顧客満足度)とは

JCSI(日本版顧客満足度)とは、サービス産業の競争力を強化することを目的に日本の経済産業省と学会、民間企業の協力で開発された日本最大の顧客満足度調査で、毎年約30業種4000社を対象に調査が実施されています。

どの業種にも同じ質問を設定していますので、業種にとらわれない比較が出来る点や、以下の6つの指標で顧客満足度を比較・分析しているところが特徴です。

顧客満足度調査の指標については以下の記事でも解説しています。

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指標① 顧客期待

顧客があらかじめ企業やサービスに対して持っている、予想や期待です。例えばあの航空会社は安くてサービスが良いという評判だから使ってみることにした、というようなものです。同じサービスでも使う前の期待が大きい程実際とのギャップが大きくなり、相対的に満足度が下がってしまうこともありますから、この指標も合わせた分析が必要となります。

指標② 知覚品質

実際に商品やサービスを使ってからの、品質に対する評価です。例えば航空会社の場合だと、希望の時間のフライトがなかったが、機内食は良かった、シートが快適だったなどといったもので、利用者が他の商品やサービスと比べて知覚的に良い、または悪いと感じた質のことです。

指標③ 知覚価値

顧客のサービスのコストパフォーマンスに対する考え、つまり価格と質の関係が妥当かどうかに対する評価です。例えば、シートが快適な割に値段が安いとか、機内食は貧相なのに値段が高いなどの顧客の評価となります。

指標④ 顧客満足

実際に商品やサービスを使った後に判断する、総合的な満足度です。上記の知覚品質や知覚価値は、同じサービスでも時期や特定の条件下で変わる可能性があり、何度か利用した上で判断することも必要です。例えば、先月のフライトは到着も遅れてサービスも悪かったが、今回のフライトではサービスもよく価格も良かったといった場合もありますから、総合的に判断して満足したか否かを問うものです。

指標⑤ 推奨意向

使った商品やサービスを、クチコミで他の人にも勧めたいかどうかどうかの指標です。サービスに関する感想は、最近では知人ではなくインターネットで不特定多数を対象に感想を発信することもありますから、このポイントは顧客満足度をはかる重要な指標となります。

指標⑥ ロイヤルティ

今後も同じ製品やサービスを継続して使いたいかどうかを指標としたものです。商品やサービスにとりあえず満足しただけでは、継続して利用するかどうかはわかりません。他の同様な商品やサービスも試して比較したいと考えるようであれば、表面的に満足度は高くても本当に満足しているとは判断できませんから、この指標の分析も大切です。

顧客満足度を向上させる方法

上に挙げたJCSIの6つの指標は、相互に因果関係があります。「顧客期待」は「知覚品質」、「知覚価値」の原因となり、「知覚品質」と「知覚価値」は顧客が満足するかしないかの原因となります。また顧客が満足したか不満足であるか、つまり「顧客満足」の結果として、「推奨意向」と「ロイヤルティ」が発生します。
顧客満足度を向上させる為の例としては、以下が挙げられます。

レビューの活用

顧客満足度を改善または向上するためには、まず現在の顧客満足度を客観的に分析し、どこに問題点があるかを把握する必要があります。顧客満足度調査を活用することで、これまで見えなかった問題点や弱点を洗い出すことが必要です。

サービス品質

顧客期待や、知覚品質、知覚価値といった要素は、感情的な要素が強いことにお気づきでしょうか。これは例えばA社の製品はB社の製品より効率が良いといった、客観的なラボラトリーでも検査できるものとは違い、主観的な要素に影響されます。この部分を向上する為には、顧客の立場からみたサービスの質を改善する必要があります。

従業員満足(ES)

顧客満足(CS)とは別に、従業員満足(ES = Employee Satisfaction)というものがあります。これは従業員の自社に対する満足度ですが、従業員が待遇やモチベーションの面で満足している会社の製品やサービスには、顧客も満足することが多いようです。顧客満足度向上の対策を考える前にまず従業員満足度にも目を向け、自社の宣伝効果を高めて顧客期待を向上させる必要もあるでしょう。

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顧客満足度調査の活用方法

顧客満足度を調査することで、企業にとってどんなメリットがあるでしょうか。顧客満足度調査結果はどのように活用できるかも含めて、ご紹介します。

JSCI導入の利点

顧客満足度を自社独自に調査するのは非常に困難です。アンケート調査などで直接顧客に尋ねることも出来ますが、率直な回答が得られるとは限りませんし、同業他社との比較も難しいです。しかしJSCIを利用することで、科学的な統計手法による客観的データ分析が可能となります。単に総合的な顧客満足度が高い・低いだけでなく、例えば総合的な顧客満足度は高いが、推奨意向やロイヤリティが低いのは何故かといった問題点の洗い出しもできます。

CS向上活動

現在の顧客満足度に関する問題点を洗い出すことで、顧客満足度の向上をどのように行えばよいかの指針が見えます。顧客満足度の調査結果を活用し、CS向上活動を具体的にどこに重点をおいて設計すればよいかを判断するのに、役立てることができます。

経営計画利用

経営計画は、短期的なものではなく中長期的な視点でたてる必要があります。顧客満足度が高くなくても、業績が向上している場合もありますが、それが中・長期的に続くかどうかを見据えた上での経営計画策定の為には、顧客満足度が重要な指標のひとつとなります。

施策は優先順位が高く実現可能なものから取り組み、PDCAを回そう!

施策の取り組みでは、問題の原因の解消に直結するような優先順位の高い施策から取り組むべきです。また、いくら優先順位が高くても実現不可能な施策を選んでは意味がないので、実行の可能性、実行できるまでの期間、実行にかかる費用などの考慮も欠かせません。

やるべき施策を立案できたら、それを実行していくために5W1Hを明確にした計画が必要になります。誰が、何を、何のために、いつ、どのように、誰に対して行うかなどを明確にすることが重要なのです。

あまり細かすぎる内容の計画をたてると逆に実行が難しくなりますが、まったく計画がないようでは効率的な取り組みは望めないでしょう。

また、担当部門としての計画を担当者レベルの計画に落とし込むことも必要です。さまざまな施策を実際に担当する者が1年、半年、1か月、1週間、1日に何をするかということを簡潔にまとめておくと、無駄の少ない行動がとりやすくなります。

そして、上司は担当者とともにその計画目標と実際の結果を定期的にチェック・評価しなければなりません。担当者に任せっぱなしでは効率的に目標を達成することは難しいので、改善への助言や支援が必要になります。顧客満足度を向上させるためには、このようなPDCAが回せる取り組みが求められるのです。

顧客満足度を向上させるためには、要因を特定する必要があるため、適切な顧客満足度調査の実施が不可欠です。次に、調査結果に基づき顧客満足度を向上させる施策の立案が必要です。立案にあたっては企業、従業員、顧客などの視点から検討すると有効な施策を得やすくなるでしょう。

最後の施策の実施では計画を立て定期的に結果をチェックするという取り込みが欠かせません。施策を計画して実行し、結果を途中で確認し直すべきところを改善して再度実施するというPDCAを回すことで、目標の顧客満足度の向上が期待できるのです。


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