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電子契約とは?仕組みやメリット・締結方法

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【比較表】電子契約システム
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電子契約とは、契約書を電子文書に置き換え、インターネット上で電子署名を施し契約を締結する契約方式です。紙契約との違いや電子契約の有効性と関連法律、メリットなどを解説します。

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電子契約とは

電子契約とは、紙を使わずオンライン上で締結する契約のことです。紙の契約書で使うハンコを「電子署名」や「タイムスタンプ」といった電子データに置き換えて記録します。紙の契約書と同等の効力があるうえ、セキュリティ性も担保されています。

日本のビジネスでは古くから「紙と印鑑」を重視していました。しかし、インターネットの普及をはじめ、リモートワークやフレックスタイムなど多様な働き方が推進されたことで、電子取引サービスの需要も高まっています。

また、2024年春のJIPDECの調査によると、電子契約を利用しているのは77.9%と、ここ数年で一気に普及率が高まりました。とくに従業員数の多い企業の利用率は比較的高く、従業員が5,000人以上いる企業では88.3%が電子契約を利用しています。

従業員数が50人以上の企業においては、60.8%にとどまっているものの、2021の調査時よりも8.9%増加し、中小企業から大企業まで多くの企業で電子契約が利用されているのがわかります。

※出典:JIPDEC「企業IT利活用動向調査2024」(2025年9月8日閲覧)


電子契約システムの導入を検討する際は、まず「電子契約システム比較おすすめ17選」もご覧ください。
費用感については「電子契約システムの費用相場」、無料で使えるサービスを知りたい場合は「無料の電子契約システム11選」もご覧ください。

法令における電子契約の定義

電子契約は、法律でも明確に定義されています。「電子委任状の普及の促進に関する法律」による電子契約の定義は次のとおりです。

この法律において「電子契約」とは、事業者が一方の当事者となる契約であって、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法により契約書に代わる電磁的記録が作成されるものをいう。

※出典:法令検索「電子委任状の普及の促進に関する法律(平成二十九年法律第六十四号)」(2025年9月8日閲覧)

ほかにも、「電子署名法」には、本人の電子署名がされていれば、契約が成立したものと認める記載があります。電子契約が交わされた書類の保存に関しては「電子帳簿保存法」や「e-文書法」に詳細が記されています。

電子契約に関連する「電子帳簿保存法」や「e-文書法」などの法律は、こちらの記事で詳しく解説しています。

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電子契約と紙契約の違い

電子契約と紙契約の違いとして次のものがあげられます。

項目 電子契約 紙契約
書類形式 電子データ(PDF) 紙媒体
書類の送付 オンライン 郵送(切手代が必要)
記名・署名・押印 電子署名 記名:スタンプや印字
署名:肉筆
押印:物理的な印鑑が必要
印紙税 不要 必要
保管・紛失リスク 電子データを原本として保存可 紛失すれば原本の復元は不可

電子契約と紙契約では労力とコストが大きく異なります。電子契約がインターネット上で完結するのに対して、紙契約は製本や郵送の手間がかかることに加えて、切手代や印紙税もかかります。紙媒体では紛失した場合の原本復元も難しいです。

その点、電子契約は契約書類の作成から締結にいたるまでのプロセスをオンライン化することで、大幅な業務効率化を図れます。


契約書の正しい郵送方法についての解説はこちら
契約書の書き方/雛形はこちら

電子契約の仕組み

電子契約とは、オンライン上で契約を済ませる行為をいい、「電子契約サービス」を使って契約書の送信者・受信者がやり取りを行います。電子契約を結ぶステップは次のとおりです。

  • 送信者が電子契約サービスに契約して利用開始する
  • プラットフォーム上に契約書類をアップロードする
  • 受信者は電子メールやチャットで送られた契約内容を確認する
  • 受信者がオンラインの契約書に署名を行うことで契約が締結される

基本的には送信者がオンラインで契約書を送り、受信者がサインする、といったフローが基本です。しかし、契約書に効力をもたせるためには「電子署名」の存在が重要となります。

電子署名

電子署名とは、紙契約における「サイン」や「印鑑」にあたるものです。紙契約では本人直筆の署名や印鑑が押されていることで「契約書類」として効力が生まれますが、電子契約では直接サインや印鑑を押せません。そのため次のような問題が発生します。

  • 原本とまったく同じ書類をコピーできてしまう
  • もし改ざんされていても痕跡がないので気づかない
  • オンラインで契約書を作成するため日時を操作できる
  • データが消えた場合の互換性が失われる

これらを解決するために「電子署名」と呼ばれる仕組みを活用。原本であることを証明し、オンラインの契約書に法的な効力をもたせます。電子署名は「電子証明書」と「タイムスタンプ」の2つで構成されているのが特徴です。

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電子証明書

電子証明書は、契約書の発行者(送信者)が本人であることを担保する仕組みです。本人性が見えにくいオンライン契約書において、発行者が第三者でないことを証明し、紙契約と同じような効力をもたせます。

電子証明書は、第三者機関である「認証局(CA)」が発行。認証局は、デジタル証明書をはじめWebサイトのドメイン、WebブラウザにおけるTLS/SSLサーバー証明書などデジタル証明書を発行する機関です。

なお、認証局とのやり取りは電子契約サービスが担うため、契約書発行者側の負担はほとんどありません。電子証明書は「公開鍵暗号方式」と呼ばれる堅牢なセキュリティのもと発行されるのが特徴です。

契約書の送信者と受信者しか開けられない暗号によって、書類の安全性を担保しています。

タイムスタンプ

タイムスタンプとは、刻印時間に電子データに存在していたこと、その時刻以降に編集や改ざんが行われていないことを証明する仕組みです。

タイムスタンプによって、「契約書が改ざんされていても痕跡がないので気づかない」「オンラインで契約書を作成するため日時を操作できる」といった問題を解消できます。

作成者が契約書を発行・保存する際に、第三者機関である時刻認証局(TSA)に対して「ハッシュ値(すぐに改ざんを特定できるアルゴリズムを用いたデータ)」を送付し、タイムスタンプの発行を要求します。

電子契約のメリット

電子契約のメリットとして次のものがあげられます。

  • 契約締結までのリードタイムを短縮できる
  • 書類の保管や管理が簡単になる
  • 事務的な労力やコストが大幅に削減される
  • テレワークとの親和性が高い
  • 契約の更新漏れにも気づきやすい
  • コンプライアンスを強化できる

契約締結までのリードタイムを短縮できる

電子契約の最大のメリットともいえるのが、リードタイムの短縮です。紙契約の場合、互いに合意したあとに契約書を作成・製本し、署名と押印を行ったうえで相手に郵送します。相手が契約書を受け取ったら、署名と押印をもらい返送してもらわなければなりません。

この一連のプロセスには時間がかかり、スピードが重要なビジネスの現場においては、契約書のやり取りが致命的な遅れになる恐れがあります。

一方、電子契約では、契約書の作成から締結まで全プロセスをオンラインで完結でき、合意した時点ですぐに契約を結べます。これまで数週間かかっていたものが数日、早くて即日完了するためスピード感のある経営を実現可能です。

書類の保管や管理が簡単になる

契約書の保管や管理が簡単になるのも大きなメリットです。契約書は紙やデジタルに関係なく一定期間の保管が義務付けられており、紙だと原本をファイリングし、倉庫に鍵をかけて保管するといった対応が必要となります。

しかし、「ファイリングに手間がかかる」「書類の保管スペースがない」「契約書がどこにあるのかわからない」といった悩みをもつ企業も少なくないでしょう。

電子契約サービスを導入すれば、契約書データをクラウドで一元管理でき、ファイリングの手間やスペース問題、紛失リスクが解消されます。サービスの「検索機能」で関連キーワードを入力すれば、見たい契約書をすぐに探し出せます。

事務的な労力やコストが大幅に削減される

労力やコストの削減も、電子契約を導入するメリットのひとつです。紙の契約書を用いる場合、契約締結までに多くの事務作業やコストが発生します。たとえば次のとおりです。

  • 印刷・製本の手間
  • 収入印紙を貼り付ける作業
  • 宛名書きや封入、郵送の手間
  • 印刷やインク代、収入印紙のコスト

ひとつの契約書を送るのにも細かな手間やコストがかかり、これが十枚単位、百枚単位になれば膨大な作業量が発生します。

一方、電子契約では、デジタルで契約書を作成し、インターネット上で相手に送付するだけです。従来発生していた手間やコストのほとんどを削減でき、従業員のストレスも軽減されます。

テレワークとの親和性が高い

コロナ禍をきっかけに広まったテレワーク。すでに導入している企業や前向きな企業も多いはずです。電子契約サービスを使えば、手書きでのサインや押印が必要なく、すべてオンラインで契約が完了します。「印鑑を押すためにわざわざ出勤する」といった無駄も省けます。

契約の更新漏れにも気づきやすい

電子契約は「契約の更新」においてもメリットがあります。契約書のやり取りでは、契約開始日だけでなく契約終了日も重要です。契約終了日が迫ったとき、企業は「契約を打ち切るのか継続するのか」を検討し、何かしらのアクションをしなければなりません。

その際、膨大な量の契約書を管理していると、「更新の見落とし」が起こりがちです。期限を逃したことで取引先に迷惑をかけてしまう可能性があります。

電子契約では、サービス上で契約期限を管理可能です。期限が近くなるとアラートで知らせてくれるサービスもあるため、契約の更新漏れを防げます。

コンプライアンスを強化できる

コンプライアンスとは、企業における法令遵守のことです。紙契約では書類の偽造や改ざんなどのリスクがあり、コンプライアンスにおいて懸念が残ります。一方、電子契約では、「電子署名」や「タイムスタンプ」によって本人性、時系列の正確性を担保可能です。

そのほか、契約が結ばれるまでに関わった人物やプロセスも細かく記録できるため、コンプライアンス強化につながります。

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電子契約のデメリット

電子契約にはメリットがある反面デメリットもあります。とくに次の4つには注意しましょう。

  • 取引先の合意と協力が必要になる
  • 電子契約に対応していない契約もある
  • 社内の業務フローを見直す必要がある
  • セキュリティリスクを否定できない

取引先の合意と協力が必要になる

契約は企業と取引先の2者以上で結ぶものです。そのため、電子契約に切り替える際は必ず先方の合意が必要であり、取引先が拒否した場合は利用できません。取引先がITサービスに対して否定的だったり、電子契約に対して懐疑的に思っていたりするケースもあるでしょう。

一方的に勧めるのでなく、電子契約を結ぶメリットや法的効力などをわかりやすく説明し、協力を仰ぐことが大切です。

電子契約に対応していない契約もある

ひと口に契約といっても多くの種類があり、ほとんどが電子契約に対応しているものの、一部非対応な契約もあります。たとえば次のような契約です。

  • 事業用定期借地契約
  • 企業担保権の設定または変更を目的とする契約
  • 任意後見契約書

これらは公正証書(法的行為を行ったことを証明する書類)として書面化する義務があることから、現時点では電子契約ができません。もし上記の書類を扱っている場合は注意しましょう。

社内の業務フローを見直す必要がある

紙契約から電子契約に切り替える場合、社内の業務フローも大きく変える必要があります。契約から締結までの新たなプロセスを考え直したり、従業員が専用ツールを使いこなすための教育が必要だったりします。

なかにはITツールに抵抗のある従業員もいるので社内への周知も必須です。手間やコストは削減されるものの、新たな体制を作る必要が出てくるため、導入前や直後はある程度の負担がかかるでしょう。

セキュリティリスクを否定できない

電子契約サービスの多くはクラウド型であり、インターネット上に契約データが保管されます。そのため情報漏えいやサイバー攻撃といったセキュリティリスクを完全には否定できません。

もちろんベンダーごとにセキュリティ体制を構築していますが、サービスによって対策内容も異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。

電子契約を導入する際の注意点

電子契約を導入する際は、いくつか注意したい点があります。主な注意ポイントを紹介します。

社員が電子契約のメリットを理解しているか確認する

電子契約は業務効率化やコスト削減につながる一方、社内に浸透しなければ機能しません。とくに現場で契約業務を担当する社員にとっては、従来の紙契約と手順が大きく変わるため、混乱や抵抗感が生じることもあるでしょう。

導入時には「なぜ電子契約にするのか」「どのようなメリットがあるのか」を説明し、現場が納得して使える状態を整えることが重要です。

取引先の理解と合意を得ることが必要

電子契約は、双方の同意があって初めて成立します。そのため、いくら自社が準備を整えても、取引先が電子契約に対応していない場合は、従来どおり書面での契約が必要になります。

取引先の意向を無視して一方的に電子契約を押し通そうとすると、信頼関係に悪影響を与えるリスクもあるでしょう。そのため、電子契約に切り替える際は事前の調整と丁寧な説明が欠かせません。

導入後のシステム変更には大きな手間がかかる

一度電子契約システムを導入すると、業務フローや契約管理の方法もそのシステムに合わせて構築されます。そのため、後から別のシステムに乗り換える場合は、大規模な見直しと再教育が必要になるでしょう。

導入時に機能やサポート体制を十分に比較検討し、自社の業務や将来的な拡張性に合ったサービスを選ぶことが重要です。

電子契約書の署名とやり方

続いて、電子契約書の署名方法を紹介します。署名方法は大きく「当事者型」と「事業者型」に分かれます。

当事者署名型

当事者署名型とは、契約を行う当事者自身が署名鍵を作成するものです。認証サービスを取り扱う会社に、本人証明ができる書類を提出し、発行された電子証明書を用いて電子署名を行います。フローは次のとおりです。

  1. 契約書についての電子データの作成
  2. 認証局に対し、本人性が証明できる書類を提出
  3. 電子証明書の発行(ICカードや電子ファイルに組み込まれている)
  4. 送信者において発行された電子証明書を用いて電子署名を行う
  5. 送信
  6. 受信者においても、電子証明書の発行と電子署名を行う
  7. 契約完了/電子契約書を保管

身近な例では、マイナンバーカードを用いた「署名用電子証明書」が当事者型署名型にあたります。当事者署名型であれば、紙媒体の契約書と同様の法的効力を有する点も重要なポイントです。

事業者署名型(立会人型)

事業者署名型(立会人型)とは、契約を行う当事者以外の第三者が電子署名を付与することです。基本的にメール認証で本人確認を行います。フローは次のとおりです。

  1. 一方当事者が契約書の電子データをサービス事業者ほかのサーバーにアップロードし、他方当事者のメールアドレスを入力する。
  2. サービス事業者において契約締結のためのURLを作成し、他方当事者のメールアドレスに送信する。
  3. 他方当事者が送られてきたURLにアクセスして、契約内容を承諾する。
  4. 契約完了/電子契約書を保管

事業者署名型では、電子契約サービスへのログインとメール認証を組み合わせることで本人確認を行うのが一般的です。

【契約締結までのイメージ】

電子契約の流れ 電子契約の流れ

電子契約の導入方法

電子契約サービスを契約する

電子契約を導入するには、電子契約サービスの契約が必要です。まず、契約書の保管方法が紙媒体から大きく変更するため、契約書保管の担当部署(総務部門や法務部門など)にて、電子契約サービスの周知徹底を行う必要があります。また、文書管理規定や印章管理規程なども改訂する必要があるでしょう。

新たなフローを確認する

電子契約を導入すると契約のフローが新しくなるため、各部門を新フローに適応させなければなりません。部門ごとに行うべき対応は次のとおりです。

部門 内容
総務・法務部門 契約書の保管方法・文書管理規定の改訂
経理部門 税務申告における電子データの扱いについての処理フローの改訂、顧問税理士との連携
情報システム・セキュリティ部門 既存システムと電子契約サービスとの適合性チェック、セキュリティ上の問題点の洗い出し

電子契約を導入する際は、管理や保管だけでなく、税務や既存システムとの適合性、セキュリティの面も考えなければなりません。各部門がうまくアジャストできるよう連携体制を整える必要があります。

電子契約導入で知っておきたい法律

続いて、電子契約を導入する際に押さえておきたい法律をいくつか紹介します。

契約に関する前提

電子契約による取引の安全性確保のために「電子署名」が用いられます。電子署名は、あくまでも紙の契約書に対する署名や捺印の法解釈を基礎としており、合意の要素となる意思表示の形式は法律上問われていません。口頭での意思表示でも、「合意」となります。

ただし口頭で合意した場合、あとで一方の当事者から「そんな内容では合意していない!」と主張された場合、押印がある契約書の場合と同様の法律の保護が与えられません。なぜなら、口頭による合意のため、当事者が所有する印鑑による押印がなく、民事訴訟法228条4項が適用されないからです。

電子署名法第3条

電子データとして作成された契約書であれば、電子署名法第3条によって、民事訴訟法228条4項と同様の保護が与えられます。電子署名法第3条には、民事訴訟法228条4項と同様の保護を受けるために必要な要件が、次のように定められています。

電磁的記録であって情報を表すために作成されたもの(公務員が職務上作成したものを除く。)は、当該電磁的記録に記録された情報について本人による電子署名(これを行うために必要な符号及び物件を適正に管理することにより、本人だけが行うことができることとなるものに限る。)が行われているときは、真正に成立したものと推定する。

※出典:法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)」(2025年4月18日閲覧)

末尾の「真正に成立したものと推定する。」は、民事訴訟法228条4項と同じです。この推定を受けるために必要な要件に、電子署名法3条が求めている「電子署名」が該当します。

電子署名法2条1項

電子署名は電子署名法2条1項にて、次のように定義されています。

電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に記録することができる情報について行われる措置であって、次の要件のいずれにも該当するものをいう。 一:当該情報が当該措置を行った者の作成に係るものであることを示すためのものであること。 二:当該情報について改変が行われていないかどうかを確認することができるものであること。

※出典:法令検索「電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)」(2025年4月18日閲覧)

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電子帳簿保存法

電子署名法のほかに、電子契約の導入には電子帳簿保存法にも注意が必要です。電子帳簿保存法は、電子契約で取り交わした契約書の保存について定められた法律です。電子契約で締結した契約書を法的効果がある状態で保存する場合は、この法律に則って保存が必要になります。

電子契約システムでは電子帳簿保存法に対応しているものもありますが、機能は各サービスによって異なるため、電子契約を導入する際には、法律に対応したシステムかどうかを確認しましょう。

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e-文書法

e-文書法は2005年に施行された文書の電子保存に関わる法律です。e-文書法より、商法や法人税法などにおいて紙媒体での保存が必要だった文書に対し、スキャナ保存した電子化データとしての保存が認められるようになりました。

e-文書法と電子帳簿保存法との違いには、対象となる文書や保存要件があります。e-文書保存法の対象は、見積書や契約書など250の法律で管理されている書類ですが、電子帳簿保存法の対象文書は国税関係書類や帳簿などです。

電子保存を検討する場合は、対象の文書がどの法律に準拠が必要かを確認する必要があります。

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印紙税法

印紙税法は1899年に制定された法律で、一定金額以上の取引や領収証に課税される税金について法律です。

印紙税法第2条には、課税対象となる文書には印紙税を収める義務があると規定されています。ただし、印紙税法で規定されている課税対象となる文書は「紙で印刷された文書」であり、電子文書は該当しないため、印紙税は課税されないことになります。

しかし、電子契約を締結しても、書面に印刷して交付する場合は課税文書に該当し、印紙税がかかることに注意しましょう。

電子契約システムの比較ポイント

電子帳簿保存法に対応しているか

契約書類の保管には法的なルールがあり、電子契約システムも法律に対応していることが不可欠です。とくに、電子帳簿保存法への対応は必須条件といえるでしょう。改正内容も年々変わるため、最新の基準に準拠しているか、監査時にもスムーズに対応できる仕様になっているか確認することが重要です。

取引先も利用しやすい仕組みになっているか

電子契約は、相手先と双方で合意し合うものです。取引先が新たなシステムを導入しなくても契約できるか、操作が簡単で説明しやすいかなど、「相手の使いやすさ」も重要な判断材料になります。導入しても相手に負担がかかる仕様では、スムーズな運用につながらない可能性があります。

セキュリティ対策がしっかりしているか

契約書には機密情報が含まれることが多いため、情報漏えいや不正アクセスを防ぐためのセキュリティ体制が欠かせません。通信の暗号化、アクセス権限の設定、ログの保存などが適切に管理されているか、安心して利用できる環境が整っているか確認しましょう。

主要3社の電子契約サービス比較表

国内シェアが大きい各電子契約サービス提供事業者の一例を、当事者型・立会人型でそれぞれ紹介します。

どのようなサービスが必要であるか(コストや手間を削減することに重きを置くか、事後的紛争に備え、証拠として安全なサービスを選択するかなど)を検討しながら、各サービスを比較検討してください。

項目 クラウドサイン 電子印鑑GMOサイン Adobe Acrobat Sign
初期費用 無料 無料 無料
月額料金 10,000円~ 8,800円~ 1,848円~
電子契約種別 メール認証型(立会人型/指図型) 当事者型 当事者型/立会人型
タイムスタンプ機能
テンプレート機能
ワークフロー・タスク管理機能
契約書管理機能
特徴 1. 受信者アドレスごとの個別URLによるメール認証
2. アクセスコードによる2要素認証
証拠としての信用性が高い電子契約書を作成できる当事者型を採用しながら、費用が比較的廉価。 当事者型/立会人型両方を採用しており、料金体系が豊富。

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電子印鑑GMOサイン クラウドサイン
・国内シェアNo.1※1
・送信実績累計5,000万件※2
・利用実績350万社以上※3
・国内シェアNo.1※4
・市場認知度No.1※5
・導入自治体数No.1※6

※1、※2、※3 GMOグローバルサイン・ホールディングス「電子契約なら電子印鑑GMOサイン|国内シェアNo.1の電子契約サービス」(2024年10月30日閲覧)

※4、※5、※6 弁護士ドットコム「クラウドサイン | 国内シェアNo.1の電子契約サービス」(2024年10月30日閲覧)

電子契約の導入で工数削減・業務効率化につなげよう

電子契約の仕組みをはじめ紙契約との違い、導入のメリット・デメリット、署名方法などを解説しました。電子契約サービスが普及し、テレワークやフレックスタイムなど新しい働き方の流れから電子契約を検討する方も多いでしょう。

電子契約には「電子証明書」や「タイムスタンプ」など複雑な仕組みはあるものの、契約における工数およびコストを削減できるうえ、紙の契約書と同等の効力を得られます。

サービスを選ぶ際は、社内文化や取引類型、取引先などの諸条件と照らし合わせて最適なものを選定しましょう。

電子契約システムの比較表とサービス資料

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監修
荻原理志
弁護士法人淀屋橋・山上合同所属
荻原理志
企業法務全般/事業再生を扱う。リーガルテックサービス事業者のアドバイザーとして、主に契約書レビュー機能の開発業務にも携わる。『リーガルテックの概要と利用上の注意点(旬刊経理情報1590号、中央経済社』などを寄稿)

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