営業の役割とは?仕事内容や必要なスキル・能力・目的を解説
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そもそも営業職とは?
営業職は、企業の製品やサービスを市場に提供し、顧客との関係を築き、売上を生み出す役割がある職種です。営業職の主な任務には、新規顧客の開拓、既存顧客のフォローアップ、商談の実施、契約の締結、アフターサポートなどがあります。
顧客のニーズや課題を深く理解し、それに適したソリューションを提案することで顧客満足度を高め、長期的な顧客関係を構築するため、営業職は企業にとって欠かせない存在です。
営業活動の目的
営業活動の目的は、大きく分けて次の3つです。
- 顧客に商品やサービスの価値を伝え、購入や契約に至らせる
- 顧客のニーズや課題を把握し、最適な商品やサービスを提案する
- 顧客との長期的な信頼関係を築き、リピートや紹介を促す
営業活動の目的は、顧客の満足度やロイヤルティを高めることにもつながります。顧客が商品やサービスに満足すれば、口コミやSNSで広めてくれたり、他の商品やサービスにも興味をもってくれたりします。これにより、ブランドイメージや知名度が向上し、新規の顧客獲得にも貢献するでしょう。
>>営業活動の本質とは?分業とプロセス整理で効率化するインサイドセールス
販売職との違い
販売職と営業職の違いは、重きを置く焦点と活動範囲にあります。
販売職は製品やサービスを直接消費者に販売することに重点を置いています。これに対して、営業職は顧客との関係構築、ニーズの発掘、カスタマイズされたソリューションの提案など、より戦略的かつ相談的なアプローチをする職種です。
営業職は、長期的な顧客関係の構築やビジネスチャンスの創出に注力するのが特徴です。
マーケターとの違い
マーケターと営業職の主な違いは、彼らの役割と目標の違いにあります。
マーケターは市場調査、ブランド管理、広告、プロモーション戦略の策定など、製品やサービスの市場でのポジショニングと認知度向上に焦点を当てています。一方で、営業職はマーケターが作り上げたブランドイメージや市場の機会をもとに、直接顧客と関わり、具体的な商談を進め、売上を生成する職種です。
営業職は、マーケティング活動によって生み出されたリードや機会を活用し、実際のビジネス成果に結びつける役割を担っているのが特徴です。
営業の役割とは
営業の役割は次の4つです。
- 売上・利益を出し続ける
- 顧客との信頼関係を築く
- 顧客の声を社内に反映する
- 企業の顔として表に出る
売上・利益を出し続ける
営業の役割の一つは、売上や利益を出し続けることです。営業は企業にとって収入の源泉であり、成長や存続に直結します。そのため営業は担当する顧客やエリア、商品やサービスに対して、それぞれ売上や利益の目標を設定し、達成することが求められます。
営業は、市場や競合の動向を分析し、自社の商品やサービスの強みや差別化を明確にし、顧客に訴求することが重要です。
顧客との信頼関係を築く
顧客のニーズを理解し、適切な製品やサービスを提供することで、信頼関係を築きます。この信頼は、継続的なビジネスにつながるでしょう。
さらに、営業は顧客のニーズや課題を深く理解し、最適な商品やサービスを提供することで、顧客の満足度やロイヤルティを高めます。顧客とのコミュニケーションを密にし、信頼関係を構築することで、顧客の囲い込みや長期的な関係性を確保する役割も担っています。
営業は、顧客のパートナーとして、顧客の成長や成功に貢献することが目標です。
顧客の声を社内に反映する
営業は顧客の声を聞き、それを社内の製品開発やサービス改善に反映させる橋渡し役も果たします。
営業は顧客との接点が多いため、顧客のフィードバックや要望、不満や苦情などを直接ヒアリングできるでしょう。営業はそうした顧客の声を社内の開発やマーケティング、サポートなどの部門に報告・共有することで、商品やサービスの改善や開発、マーケティング戦略の策定などに貢献しています。
顧客のフィードバックは貴重な資源であり、営業は社内と顧客の橋渡しとして、双方の利益を最大化できるでしょう。
企業の顔として表に出る
営業は、企業の代表として顧客やパートナー企業に向けて、価値観、文化、製品やサービスの魅力を伝える役割も担っています。この役割を通じて、ブランドイメージの構築や信頼関係の確立に大きく貢献します。
また、営業は展示会や業界イベント、セミナーなどに参加し、企業を代表して製品デモンストレーションを行ったり、企業の最新情報を発信したりすることも多いです。このような活動は認知度を高めるだけでなく、新規顧客の獲得や既存顧客との関係強化にもつながっています。
営業担当者がもつ専門知識や人間性は、企業の顔として顧客に直接伝わるため、営業職の質は企業のイメージに直結するでしょう。
営業の種類
営業活動は多岐にわたり、一言で営業といっても手法や目的によってさまざまな種類があります。代表的な営業の種類は次のとおりです。
新規開拓営業
新規開拓営業は、まだ取引のない新しい顧客を見つけて、自社の商品やサービスを提案する営業方法です。高いコミュニケーションスキルと粘り強さが求められます。他の営業との違いは、未知の顧客にアプローチする点にあり、市場の拡大に直結する重要な活動です。
代理店営業
代理店営業は、自社の商品やサービスを代理店を通じて販売する営業方法です。代理店と良好な関係を築くことが重要で、代理店を通じて間接的に顧客にリーチします。他の営業活動と異なり、代理店との関係構築にフォーカスします。
ルート営業
ルート営業は、定期的に既存の顧客を訪問して、継続的に製品やサービスを販売する営業方法です。顧客との長期的な信頼関係の構築が鍵となります。他の営業と異なる点は、既存顧客との継続的な関係維持に重点を置く点です。
訪問・テレアポ営業
訪問営業は直接顧客のもとへ訪問し、テレアポ営業は電話を利用してアプローチする営業方法です。どちらも個別の顧客へ直接提案することが特徴で、即時性の高いコミュニケーションができます。
飛び込み営業
飛び込み営業は、事前のアポイントメントなしに顧客企業や店舗へ直接訪問して営業活動を行う方法です。高い精神力とコミュニケーション能力が必要とされ、他の営業活動に比べて直接的なアプローチができます。
テレコール営業
テレコール営業は、電話を利用して顧客に直接製品やサービスを提案する営業方法です。効率的に多くの顧客にリーチできる点が特徴で、とくに時間や場所を選ばずに活動できる利点があります。
インサイドセールス
インサイドセールスは、主にインターネットや電話を利用して、オフィス内から顧客にアプローチする営業手法です。デジタルツールを活用し、リードの獲得から成約までを一貫して行います。外出する必要が少ないため、コストを抑えながら効率的な営業活動が可能です。
反響営業
反響営業は、広告やプロモーションなどを通じて顧客からの問い合わせや興味を引き出し、反響に応じて営業活動を行う方法です。他の営業活動と異なり、顧客からのアクションを起点とします。
受付営業
受付営業は、店舗やショールームなどで顧客からの問い合わせに対応し、製品やサービスを提案する営業方法です。顧客からの直接的なアプローチに対応する点が他の営業と異なります。
深耕営業
深耕営業は、既存の顧客との関係を深め、さらなるビジネスチャンスを探求する営業活動です。顧客との信頼関係の強化と、長期的な取引の促進に焦点を当てています。
内勤営業(カウンターセールス)
内勤営業は、主に事務所や店舗内で顧客対応を行い、製品やサービスの提案をする営業形態です。外部への訪問を伴わず、来店された顧客や電話、メールでの問い合わせに応じます。
海外営業
海外営業は、国外の市場を対象に製品やサービスを提案し、新たなビジネスチャンスを探求する営業活動です。文化や言語の違いを乗り越え、グローバルな視点でのアプローチが求められます。
医薬営業(MR)
医薬営業は、医薬品や医療機器を医師や薬剤師、医療施設に提案する営業活動です。高度な専門知識が求められるとともに、医療分野に特化した営業活動を行います。ただし、厳密には「Medical Representative:医薬情報担当者」を指すため、情報提供が主な活動となっており、直接的な販売活動はしません。そのため、営業職とは別として扱われることもあります。
営業の主な仕事内容
営業職の仕事は、単に商品やサービスを売ることだけではありません。顧客の信頼を得て、長期的な関係を築き上げることが求められます。
営業の主な仕事内容は、次のとおりです。
取り扱う商材の理解
営業職の基本は、自社の商品やサービスに関する深い理解から始まります。これには、製品の特徴や利点、活用できるシナリオなどを網羅的に学び、顧客に正確な情報を提供できる能力が求められます。
顧客の開拓やアポイントメントの取得
新規顧客の開拓や既存顧客とのアポイントメント取得は、営業活動における初期段階での重要な仕事です。これには、コールドコール(未接触顧客への電話)やリファレンス(紹介)、オンラインイベントへの参加なども含まれます。効果的なアプローチを通じて、商談の機会を増やします。
商材のプレゼンテーションやデモンストレーション
顧客に対して製品やサービスの価値を伝えるために、プレゼンテーションやデモンストレーションを行うのも営業の仕事です。これは顧客が製品やサービスの機能を直接見たり体験したりできる貴重な機会であり、営業成果に直結するでしょう。
顧客がもつニーズや課題のヒアリングと分析
営業職は顧客のニーズや課題を正確に把握することが求められます。ヒアリングを通じて顧客の要求を理解し、それを解決できる自社の商品やサービスを適切に提案します。このプロセスは、顧客にとって最適な解決策を見つけるために不可欠です。
ヒアリング内容をもとにした提案・見積もり
顧客からの情報をもとに、最適な商品やサービスの提案を行います。ここで重要なのは、顧客のニーズに合わせたカスタマイズ提案ができるかどうかです。また、予算に応じた見積もりを提出し、顧客の購買意欲を引き出すことも重要です。
交渉やクロージング
提案後、価格や契約条件に関する交渉を行います。営業職は、用意できる範囲内で最善の条件を顧客と交渉し、双方にとって良い契約を成立させることが求められます。そして、最終的には成約に向けたクロージングまでを行うのが営業の仕事です。
アフターフォローや関係性の構築
契約後も、顧客との関係を維持・強化するために定期的なフォローアップが必要です。これには、製品やサービスの使用状況確認、追加ニーズのヒアリング、そして問題があれば迅速な対応を行うことなど、幅広い対応が含まれます。
顧客からのフィードバックや要望の社内共有
顧客からのフィードバックや要望は、製品開発やサービス改善の重要な手がかりとなるでしょう。営業職は、これらの情報を社内の関連部門と共有し、顧客満足度の向上に努めます。
営業は顧客との接点が多いため、上記で述べた仕事内容以外にも柔軟に対応する必要があります。顧客の状況や気分によって、営業の進め方や話し方を変えたり、予期せぬトラブルやクレームに対処したりすることもあるでしょう。
また、営業の仕事内容は裁量や責任が大きいため、自己管理や計画性が求められるのも特徴です。
営業に必要な5つのスキル
営業に必要なスキルは次の5つです。
- 効果的なコミュニケーション能力
- 探究心と好奇心
- 製品やサービスに関する知識と経験
- 顧客のニーズを的確にヒアリングする能力
- 課題を見つける能力
効果的なコミュニケーション能力
営業の成功には、効果的なコミュニケーションが不可欠です。このスキルは、顧客との関係構築において中心的な役割を果たします。なぜなら、営業活動は顧客とのコミュニケーションに大きく依存しているからです。具体的には、次のポイントが重要です。
- 話し方や聞き方:相手の話を注意深く聞き、理解を示す
- 表情や態度:肯定的で開放的な態度を保つ
- 言葉遣いやトーン:敬意を表し、柔軟に対応する
さらに、顧客の考えや意見に対して、共感し理解を深めることも必要です。これにより、信頼感や親近感を築けます。
探究心と好奇心
営業担当者は、常に新しい知識を学び、自己改善に努めるべきです。なぜなら、市場や競争環境の変化に対応し、顧客のニーズを満たすためです。具体的には次のような活動が求められます。
- 市場や競合の動向の調査
- 自社の商品やサービスの強み、弱み、改善点の把握
- スキルや知識の向上
さらに、顧客のニーズや課題に対応し、適切な解決策を提供することも重要です。これにより、顧客満足度の向上につながります。また、自社の商品やサービスに対して熱意をもち、それを伝えることで、顧客の関心を引き付けられます。
製品やサービスに関する知識と経験
営業担当者は、取り扱う製品やサービスに関する深い知識と経験をもつべきです。これは、顧客に対して信頼性のある情報提供と効果的な提案を行うために不可欠です。具体的には、次のことが求められます。
- 製品やサービスの特徴、機能、価格、品質、メリット、デメリットの熟知
- 顧客からの質問や疑問に対する正確な回答
また、製品やサービスを実際に使用し体験することで、理解を深めることが重要です。これにより、自信をもって説得力のある説明が可能になります。統計データによると、製品知識が豊富な営業担当者は、顧客の信頼を得やすく、長期的な関係を築けます。
したがって、製品やサービスの詳細な知識と実際の経験は、営業の効果を高め、顧客との信頼関係を構築するために欠かせません。
顧客のニーズを的確にヒアリングする能力
営業は、顧客のニーズや課題を把握することで、最適な商品やサービスを提案できます。営業は、顧客のニーズや課題をヒアリングするために、次のようなことに注意しましょう。
- 顧客の話をよく聞き、傾聴する
- 顧客の話に対して、共感や理解を示す
- 顧客の話に対して、質問や確認をする
- 顧客の話に対して、要約やフィードバックをする
- 顧客の話に対して、感謝や謝罪をする
営業は、顧客のニーズや課題をヒアリングすることで、顧客の満足度や信頼感を高められます。
課題を見つける能力
営業に必要なスキルの一つは、課題を見つける能力です。営業は、顧客のニーズや課題を見つけることで、商品やサービスの価値を高められます。営業は、顧客のニーズや課題を見つけるために、次のようなことに注意しましょう。
- 顧客の現状や目標、期待や不満などを把握する
- 顧客の現状と目標のギャップや問題点を明らかにする
- 顧客の問題点に対して、原因や影響、解決策などを探る
- 顧客の問題点に対して、緊急性や重要性、優先順位などを判断する
- 顧客の問題点に対して、商品やサービスの効果やメリットを示す
営業職に向いている人の特徴
営業職は、多種多様な業界や顧客とのやり取りを行うため、次のような特徴をもつ人が向いているでしょう。
論理的思考ができる
営業職においては、顧客のニーズや課題を正確に把握し、それに対する最適な解決策を提案する能力が求められます。これには、情報を整理し、論理的に考え、顧客に対して明確に伝える能力が必要です。
たとえば、顧客が抱える問題点を聞き出し、それに対して自社の商品がどのように役立つのかを論理的に説明できる人は営業職に向いています。
行動力と積極性がある
新規顧客の開拓や既存顧客との関係構築には、みずから積極的に行動を起こす姿勢が重要です。待っていても商談の機会は生まれにくいため、みずから電話をかけたり、訪問を重ねたりする行動力が求められます。また、失敗を恐れずに次へと進む積極性も営業職には必要です。
精神力・体力がある
営業職は、拒否されることや厳しい交渉に直面することも少なくありません。そのため、精神的に強い人やストレスに負けない人が向いています。また、顧客を訪問するために長時間の移動が必要な場合もあるため、一定の体力も必要です。連続しての商談や長時間のプレゼンテーションに耐えられる体力も、営業職には求められます。
これらの特徴をもつ人は、営業職での成功が期待でき、顧客との信頼関係の構築や売上向上に大きく貢献できるでしょう。
営業スキルを向上させるには
営業スキルを向上させることは、個人のキャリアアップだけでなく、売上向上にも直結します。営業スキルを向上させたい人は、次の方法を押さえておきましょう。
必要なスキルを明確にして習得する
上述のとおり、営業職に必要なスキルは多岐にわたります。これらのスキルを一つずつ明確にし、どのスキルを強化すべきかを判断しましょう。
たとえば、プレゼンテーション技術を向上させたい場合はプレゼンテーションの機会を積極的に求めたり、仮説立案力を向上させたい場合はフレームワークを学んだりすることが有効です。
事前準備とロールプレイングを入念に行う
営業活動の成功は、事前準備にかかっています。顧客についての綿密なリサーチや、商談での質問予想、対策を練ることが重要です。
また、同僚とロールプレイングを行うことで、実際の商談における対応力を高められます。ロールプレイングを通じて、異なる顧客タイプや難しい質問に対する対処法を学びましょう。
チームや組織を意識して取り組む
営業活動は個人プレーだけでなく、チームや組織全体の努力が反映されます。チームメンバーや他部署との協力を意識し、情報共有や連携を図りましょう。チーム内でのベストプラクティスの共有や、成功体験の共有は、全員のスキルアップにつながります。
自己分析や振り返りの癖をつける
営業活動を行った後は、成果を振り返り、自己分析を行うことが重要です。成功した点、改善すべき点を明確にし、次回の活動に活かしましょう。このプロセスを繰り返すことで、自身の営業スタイルを確立し、効率的に成果を上げられます。
成功している営業パーソンを参考にする
成功している営業パーソンの行動や考え方、営業戦略を学ぶことも重要な方法のひとつです。社内のトップ成績を収めている営業パーソンから直接アドバイスを求めたり、有名人の場合はセミナーや書籍、オンラインコースなどを通じて学んだりもできるでしょう。
彼らの成功の秘訣を理解し、活動に取り入れることで、スキルアップにつながります。
営業の役割を理解し必要なスキル向上へ
営業は、企業の成長や存続に欠かせない重要な部門です。営業は、売上や利益を出し続けるだけでなく、顧客のニーズを満たしながら信頼関係構築に励み、顧客の声を社内に反映することが求められます。
営業に必要なスキルは、効果的なコミュニケーション能力、探究心と好奇心、製品やサービスに関する知識と経験、顧客のニーズを的確にヒアリングする能力、課題を見つける能力などです。営業は、常にスキルや知識を向上させ、顧客のパートナーとして、顧客の成長や成功に貢献することが目標です。
営業活動の支援や効率化には、SFAやCRMなどの営業ツールの利用がおすすめです。
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