進捗管理のポイント解説、計画通りに進めるためのツールと方法まとめ

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記事の情報は2018-07-31時点のものです。

プロジェクト形式で進行する仕事をうまく進めるためには、進捗管理が欠かせません。特に責任者であるプロジェクトマネージャーは、作業計画と作業実績とのずれをいち早く見つけて見直さなければならず、進捗管理のスキルが求められます。 本記事ではプロジェクトマネージャーとして普遍的に必要なスキルと、進捗管理のコツやポイント、手法を解説します。
進捗管理のポイント解説、計画通りに進めるためのツールと方法まとめ

進捗管理とは何か

進捗管理とは、仕事上のプロジェクトにおいて、作業計画と作業実績のずれを逐一確認することです。進捗状況をタイムリーに確認・把握することで、作業実績の遅れを発見してリスケジュールできるので、大きな損失や失敗というリスクを回避できます。

一方で、作業実績が遅れた場合は計画外の人件費が発生するうえ、本来享受するはずの利益の損失となり、予算に大きな影響を与える場合もあります。

特に製造業界やIT業界での進捗管理の失敗は、大規模リコールやシステム障害につながる可能性がありますが、進捗管理をすることで失敗を防げます。

管理者には必須の力

管理者に必要な能力として、進捗管理能力は必須です。プロジェクトにおける人員・コスト・時間といったリソースには限りがあります。管理者は、これらを超過することなく、プロジェクトを完遂させなければなりません。

ひとつの作業の遅れでプロジェクト全体に影響することもあるので、細やかで柔軟な進捗管理が必要です。管理者の進捗管理能力でプロジェクト成功を左右してしまうほど、重要なスキルとなります。

優れた管理者は進捗管理が上手く、作業を整理し優先順位をつけて、柔軟性を持ってリスケジュールの判断ができます。

次の記事では進捗管理やプロジェクト管理を行うためのツールやノウハウを理解し、実践するためのポイントを解説しています。

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プロジェクトマネージャーの役割とは

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの責任者です。プロジェクトを成功するために、計画を作り、遅れがないか都度確認しなければなりません。

しかしプロジェクトは、大抵はスムーズに進まずに問題点が見つかって新たな課題が出てきたり、計画を練り直したりするものです。計画は遅れ、業務は増え、人手は不足するといった事態になることもあります。

そうならないためにも、プロジェクトリーダーの役割が重要になってきます。

プロジェクトマネージャーと進捗管理

プロジェクトマネージャーは責任者として、誰よりも納期の遵守と品質担保にこだわらなければなりません。全体を把握し細やかな進捗管理をして、時には柔軟な方向転換も必要になります。またタスク一つひとつの進捗を評価することも必要です。

プロジェクト完成までを通して必要とするスキルは、どのプロジェクトを担当しても持ち合わせていなければならないスキルで、プロジェクトマネージャーにとって普遍的に必要なスキルです。

進捗管理を上手く進める5つのポイント

では、プロジェクトを成功させるためには進捗管理においてどのようなことに注意していく必要があるのでしょうか?

ここからは、進捗管理を上手に進めるための5つのポイントを説明していきます。

(1)管理工程を細かく分ける

プロジェクトはいくつかの工程が続くことになりますが、一つの工程そのものを管理していては、作業がどこまで進んでいるのかわかりません。そのため、気付いた時にはリスケジュールだけでは済まないほど、作業が遅れているということになりかねません。

できるだけ早い段階で、作用計画と作業実績のずれに気付くことが、進捗管理には大切です。

プロジェクトの計画表を作るときには、工程をできる限り細分化して、その中にあるタスクをすべて管理対象にします。一つひとつのタスクを完了・未完了で管理することで、残りの作業量を一目で把握できます。

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(2)進捗会議を定例化する

プロジェクトの進捗はプロジェクトマネージャーだけが知っていればいいわけではありません。それぞれの作業状況を確認するために、短い時間で構わないので、メンバー全員で定期的に進捗会議を開く必要があります。

進捗会議では進捗が可視化されてないと進捗状況の共有ができないので、作業工程表などを使いながら確認していくと良いでしょう。また情報の追加や更新などは、進捗会議の場で共有するとメンバー間の意思疎通もできます。

メールなどの一方的な連絡事項ではなく、定期的にFace to Faceでお互いの進捗状況を把握できる環境作りも大切です。

(3)チームの雰囲気をより良くする

プロジェクトに限らず、働く場所の雰囲気が悪ければ、業務効率は下がります。なぜなら、雰囲気が悪いと聞きたいことも聞けずに仕事が止まってしまったり、間違えることが不安で、過剰な確認作業に時間を使ってしまったりして、業務効率の悪いチームになってしまうからです。

助け合いながら、安心して働ける雰囲気にするためにも、まずは間違いやミスがおきても険悪な雰囲気にならないように、チーム内での信頼関係を上手く構築することが大切です。

(4)チームメンバーの性格を把握し、タスクを振り分ける

メンバーによって経験も能力も違いますが、タスクを振り分けるときは能力だけでなく、性格も考慮して振り分けると、全体的に良い作業計画を立てられます。

性格によって、残り30%の作業を「あともう少し」と楽観的にとらえるタイプと、「まだ完成する見通しがたたない」と悲観的にとらえるタイプがいます。そしてそのとらえ方が、仕事の完成度とスピードに影響します。

メンバーそれぞれの性格がどのようであるか、普段のタスクに対しての取り組み方に応じて、タスクを振り分けていくことがプロジェクトを成功に導きます。

(5)進捗管理ツールを使う

進捗管理を効率的にするには、専用のツールを使うのが一番です。

今は、有償・無償の多くの進捗管理ツールがあります。プロジェクトマネージャーにとっても、メンバーにとっても使いやすいものを探して、進捗管理に活用してみてください。

代表的な進捗管理ツール3選

業務を効率化させたりプロジェクトの進捗管理を円滑にしたりするためには、進捗管理ツールが欠かせません。近年さまざまな進捗管理ツールが登場していますが、特にすすめたいの3つのツールを紹介しましょう。

Asana(アサーナ)

  • プロジェクト管理に必要な機能を網羅
  • タスクごとのコメントやいいね機能で、気軽に返信
  • 何がどこにあるかすぐにわかるシンプルなデザイン

元Facebookのエンジニアが作った Asana(アサーナ)。シンプルなデザインなので、非常に使いやすいタスク管理ツールです。親タスクとサブタスクで、作業を細分化して管理できます。

また、メンバーに割り当てられたタスクも一覧で確認できるので、タスクの可視化が可能です。プロジェクトマネージャーはメンバーの仕事量を確認し、仕事の割り振りもしやすくなります。

Trello(トレロ)

  • 付箋を貼る感覚で、視覚的に管理
  • タスク管理に特化
  • 直観的に使えるシンプルな操作

Trello(トレロ)カードを動かしながらタスクを視覚的に管理できるツールで、タスク管理以外にもToDoリストやメモ帳として使えます。作ったタスクはドラックアンドドロップでカードを移動するだけなので、面倒な入力作業は不要です。

思いついたアイデアなどをメモできるので、仕事以外にも小説のプロットや同窓会の幹事など、プライベートでもいろいろな使い方ができます。

Backlog

  • カテゴリ分け、検索が簡単!
  • 300種類以上の絵文字やアイコンで、コミュニケーションを促進
  • 利用する機能とストレージの容量で価格決定

Backlogはガントチャートをはじめ、視覚的なわかりやすさにこだわったプロジェクト管理ツールです。絵文字やアイコンの多さでもわかるように、コミュニケーションに重きを置いています。プロジェクト管理ツールとての機能を取りそろえ、Asanaと同様にタスクを親課題と子課題を登録できるので作業を細分化できます。

またユーザー数課金ではなく、利用する機能とストレージの容量で価格が決まるので、メンバーの変化が多いプロジェクトでも気軽にメンバー変更や追加が行えます。

進捗管理でプロジェクトの成否が決まる

ここまでプロジェクトにおいて進捗管理がいかに重要であるかを書いてきました。

プロジェクトが計画どおりに進むことは稀です。プロジェクトにおいては、いろいろな試行錯誤を繰り返しながら、適切な進捗管理をできるかどうかが成功のわかれ目になります。

進捗管理ツールもたくさんありますので、自分に合った使いやすいツールを見つけてプロジェクトを成功へと導いてください。