スプレッドシートの共有設定の方法 | アドレスやリンクで!シート・セルの保護も

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記事の情報は2018-10-02時点のものです。

スプレッドシートは共同作業が可能な点が強みです。しかし、共有の設定がややこしいのも事実。そこで、メールアドレスやリンク、IMPORTRANGEでの共有や、特定シート・セルのみ共有する方法、共有できないときの対応について解説します。
スプレッドシートの共有設定の方法 | アドレスやリンクで!シート・セルの保護も

スプレッドシートを共有しよう

スプレッドシートの強みは共同編集できる点です。Excelにもオンラインで編集可能なものもありますが、相手にファイルを送信しなくても常に最新版が共有されます。

しかしその共有設定方法はやや複雑です。本記事では、そんなスプレッドシートの共有の設定について、

  • 共有するメールアドレスの設定
  • シートのリンク共有
  • 関数「IMPORTRANGE」で利用する方法
  • スマホでの共有方法
  • シートやセルを限定して共有する方法

などなど、共有設定で陥りがちな問題をすべて解説します。

シートの共有設定

シートを共有する方法は大きく分けて3つあります。

  • メールアドレスで共有
  • シートのリンクで共有
  • IMPORTRANGEで共有

よく使われるのは「メールアドレスで共有」と「リンクで共有」ですが、「IMPORTRANGEで共有」も便利なので一緒に紹介します。これらの共有方法はどれも一長一短です。場面にあったやり方を適宜選びましょう。

それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

アドレス リンク IMPORTRANGE
メリット 指定したアドレスでのみ閲覧可能 簡単・すぐ共有可能 特定のセル・シートだけ閲覧可能
デメリット 大人数になると手間がかかる リンクさえわかれば誰でも入れてしまう 共有用シートが個別に必要

アドレスで共有

最初にメールアドレスで共有する方法を紹介します。共有設定をしたアドレスにしか共有されないため、比較的高いセキュリティを保てます。しかし、大人数への共有となるといちいち設定するのはかなり面倒です。

それでは共有の仕方を見ていきましょう。

1. 右上の「共有」をクリック
2. 権限を選択
3. アドレスを入力
4. メールの「スプレッドシートで開く」をクリック

1. 右上の「共有」をクリック

「共有」の左にあるロゴは、共有設定によって変わります

2. 権限を選択

ペンのマークをクリックして、共有する権限を変更しましょう。

選択肢は「編集者」「コメント可」「閲覧者」の3つです

選択肢によって、以下のような権限を付与できます。

セルの記入や削除 コメント シートの閲覧
編集者
コメント可 -
閲覧者 - -

「編集者」にはほぼすべての権限が、「コメント可」だとコメント(シート修正の提案)する権限が、「閲覧者」にはシートを見るだけの権限が付与されます。

3. アドレスを入力

共有したいアドレスを入力しましょう。「名前」でも問題ありませんが、共有相手の名前(アカウント名)を知っている必要があります。

アドレスをここに入力すると、下の画像のように表示されます

ユーザーは何人でも追加できます。「送信」で設定完了です

4. メールの「スプレッドシートで開く」をクリック

共有された人はGoogleから招待メールが届いているはずです。「スプレッドシートで開く」をクリックすれば、共有完了です。

共有してもらう側は、メールを開いて「スプレッドシートで開く」をクリックするだけ

権限を変更・削除する方法

反対に共有を削除するにはどうしたらよいのでしょうか。削除のボタンはわかりづらい場所にあるので注意しましょう。

1. 右上の「共有」をクリック
2. 「他xx人のユーザーと共有しています」をクリック
3. 権限変更は「ペンマーク」、権限削除は「×」をクリック
4. 「変更を保存」>「完了」をクリック

1. 右上の「共有」をクリック

共有を設定するときと同じです。

2.「他xx人のユーザーと共有しています」をクリック

ボタンになっていないので一見クリックできなさそうですが、カーソルを合わせるとリンクになっているとわかります。

「完了」のボタンはあるが「削除」のボタンはない

3. 権限変更は「ペンマーク」、権限削除は「×」をクリック

権限を変更したいだけなら「ペンマーク」、削除したいなら「×」をクリックしましょう。権限の種類にある「オーナー」は、「編集者」の権限に加え、ファイルの完全な削除や、「オーナーの設定」を利用できます。

「オーナー」は強力なので不要なら付与しないのが無難

4. 「変更を保存」>「完了」をクリック

変更が完了したら「変更を保存」>「完了」を順に押して、設定完了です。

リンクで共有

続いてシートのリンクでの共有について解説します。

メリットは簡単に設定でき、一度権限を設定してしまえば以降はリンクを送るだけで、誰にでも権限を付与可能なことです。

デメリットはリンクを知っていれば、誰でもシートを閲覧できてしまう点です。何かしらの手違いでリンクを公にしたり、第三者にすべての人に見られてしまいます。そのため、見られても問題がないシートに適用すると良いでしょう。

1. 右上の「共有」をクリック
2. 「共有可能なリンクを取得」をクリック
3. 権限を変更
4. リンクをコピー
5.共有相手にリンクを送信、開く

1. 右上の「共有」をクリック

2. 「共有可能なリンクを取得」をクリック

3. 権限を変更

オフを押すと選択肢が表示されます。

4. リンクをコピー

「リンクをコピー」を押すだけでコピーできます。

5. 共有相手にリンクを送信、開く

リンクの送信方法はなんでもかまいません。メールだけでなく、Slackやチャットワークでもスムーズにやり取りできます。

リンクを共有された側は「コメント可」や「閲覧者」の権限だとこのような表示に

動物アイコン

リンクで共有し、かつアドレスで共有していない(またはログインしていない)場合、画像のように動物アイコンが表示されます。

このアイコンに注目すれば、何人がログインしているのかわかります。ただし複数のタブでシートを開いていると、それぞれでアイコンが表示されるので過度な信頼は禁物です。

IMPORTRANGEで共有

特殊なやり方として関数「IMPORTRANGE」を使う方法があります。

IMPORTRANGEを使うメリットは、セル単位で共有できる点です。アドレスもリンクも、シート単位で共有しますが、IMPORTRANGEを使えば指定したセルだけを共有できます。

デメリットは、共有用のシートが別に必要なため少々面倒な点です。共有相手のためにシートを作成して、アドレスまたはリンクで共有設定をして、さらにIMPORTRANGEを入力します。

ただし相手と共有しているシートがすでにあるなら、さほどデメリットになりません。

例として「共有してみよう」のシート内容を共有しましょう。

このような表があるとします。

共有先のシート「共有されたシート」にIMPORTRANGEを入力しましょう。

関数
=IMPORTRANGE(スプレッドシートのURL, 範囲の文字列)

=IMPORTRANGE("https://docs.google.com/spreadsheets/d/xxxxxx…", "シート1!A1:J11")

関数を正しく入力できると「共有してみよう」の内容が「共有されたシート」に反映されます。

例では表全体を共有しましたが、一部のセルだけも共有可能です。

スマホで共有

スプレッドシートにはスマホアプリがあります。そのため、スマホからも共有を設定できます。

1. 共有ボタンをクリック

2. アドレスかリンクで共有

アドレスで共有する場合は「アドレス入力」「アドレス権限変更」の部分を、リンクで共有する場合は「リンクの権限変更」を設定しましょう。

「リンクの権限変更」をタップすると、権限を選択できます。

選択肢の表記は今までの表記と少し異なりますが、内容は同じです。

シートやセルの保護

「共有はしたいけど、特定のシートやセルは編集されたくない」

というときに便利なのがシートやセルの保護です。これを使えば、他ユーザーの編集を防止できます。

シートの保護

シートの保護から解説します。

1. 保護したいシートを右クリックし「シートを保護」をクリック
2. 保護の理由を書き「権限を設定」をクリック
3. (権限を変更したい場合は)「自分のみ」を変更してアドレスを入力

1. 保護したいシートを右クリック(Macは二本指でクリック)し「シートを保護」をクリック

2. 保護の理由(任意)を書き「権限を設定」をクリック

3. (権限を変更したい場合は)「自分のみ」をクリックしてアドレスを入力

「自分のみ」をクリックすると選択肢が表示される

「詳細設定」を選択

アドレス別での設定のほか、保護するか警告表示だけか、も設定できます。

セルの保護

シートの保護と手順はほぼ同じです。画像の箇所で「範囲」をクリックして、保護したい範囲を指定しましょう。

もう一つ別の方法も紹介します。

保護したいセルを選択した状態(青色の網かけ状態)で右クリックし、「範囲を保護」をクリックします。これで、上の手順と同じ状況に進めます。

セルを選択した状態でセルを右クリック

シートを共有できない?

今まで紹介した方法で共有できない場合は、なぜ共有できないのかを調べましょう。

シークレットモード

Chromeなら右上の「設定ボタン」から、「新しいシークレットウインドウ」をクリックしましょう。ショートカットを使うなら「Command + Shift + N」です。

シークレットモードでスプレッドシートにアクセスできれば、ブラウザが原因かもしれません。拡張機能を一時的に停止してみたり、他のブラウザを使ってみたりしてください。

設定ボタンは右上にあります。

ログイン

ログインしてみましょう。権限をアドレスで付与されている場合は、ログインしていないとシートに入れません。

ログインしていても、アカウントを間違えている可能性があります。一度ログアウトした後、再度ログインしてみましょう。

スプレッドシートなら簡単共有

スプレッドシートはオンラインでつながっており、簡単に共有できるのが強みです。適切な方法で共有すれば、安全かつスムーズに共有できます。

スプレッドシートを使って、素早く共有しましょう。