電子契約システムにおけるワークフロー機能とは?メリットや使い方
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電子契約システムにおけるワークフロー機能とは
電子契約システムは、ワークフロー機能を備えた製品が数多く存在します。電子契約システムにおけるワークフローとは、契約書の申請や承認に関する一連のプロセスを可視化し、効率良く作業を実行するための機能です。
ワークフロー機能は複雑な承認プロセスを経由する場合に役立ちます。
たとえば、課長や部長をはじめ、役員などのさまざまな関係者から承認を得なければならない場合、承認ルートが分岐したり、複雑化したりしがちです。ワークフロー機能では、承認プロセスの可視化やステータスの確認、承認者への通知などを行えるため、複雑な承認プロセスで起こりがちなヒューマンエラーや属人化などの問題を解消できます。
電子契約システムのワークフロー機能を利用するメリット
電子契約システムのワークフロー機能を利用すると、次のようなメリットが生まれます。
- 承認プロセスが明確になる
- 申請から承認までの流れを効率化できる
- ガバナンスの強化につながる
承認プロセスが明確になる
電子契約システムのワークフロー機能を利用する一つ目のメリットは、承認プロセスが明確になることです。
ワークフロー機能を利用すると承認プロセスを自由に設計できます。承認者をユーザー単位やグループ単位に分けられるほか、ルートが分岐する際も条件やルールの設定が可能です。
設計した承認プロセスはシステム上に可視化されます。「いつ申請されたか」「どこで承認作業が止まっているか」といったリアルタイムの状態を一目で把握できるのが利点です。ワークフロー機能を活用することで、承認プロセスの停滞を防ぎ、よりスムーズな契約締結が進められます。
申請から承認までの流れを効率化できる
申請から承認までの一連のプロセスを効率化できることも、ワークフロー機能のメリットです。
ワークフロー機能では、電子契約システム上で申請や承認が可能なので、紙の文書を出力せずに済みます。また、申請や承認も数クリックで完了するため、手間をかけずに作業を行えるのが利点です。モバイル端末に対応している電子契約システムであれば、外出先や出張中でも申請・承認作業を行えます。
紙の文書で承認作業を行う場合と比較して、契約書をプリントアウトして署名・押印し、関係部署に共有する手間が省ける点は大きなメリットです。
ガバナンスの強化につながる
電子契約システムのワークフロー機能では、安全性を高めるためにさまざまな設定を行えるため、ガバナンスの強化につながります。
たとえば、ワークフロー機能を有効にすると承認を得ない限り契約を締結できません。担当者の独断による不正行為を未然に防ぐ場合に効果を発揮するでしょう。ほかにも確認漏れを防ぐ通知・リマインド機能や、責任範囲を明確にできる権限設定機能なども利用できます。 部署や役職に応じて権限を設定できる電子契約システムが多いです。
ワークフロー機能が搭載された電子契約システム6選
電子契約システムのなかでも、本格的なワークフロー機能が利用できるかどうかは製品ごとに異なります。ワークフロー機能が搭載された、おすすめの電子契約システムを紹介します。
Docusign - ドキュサイン・ジャパン株式会社
ドキュサインの電子署名は、電子文書の作成や署名、レポート、本人認証など、非常に多くの機能を利用できる電子契約システムです。文書形式もPDFやMicrosoft Word、画像といった幅広いタイプに対応しているため、さまざまな業務環境で利用できます。
ワークフロー機能については、条件付きルーティングによって複雑な承認プロセスを設計できるのが特徴です。直列や並列、混合といった幅広い形式のルートで申請や承認の順番を変更できます。
マネーフォワード クラウド契約 - 株式会社マネーフォワード
マネーフォワード クラウド契約は、契約書の作成や署名、送受信といった基本的な機能に加え、案件管理機能が搭載された電子契約システムです。案件管理では、チャット画面を通じた法務部門とのリーガルチェックのやり取りや審査経緯の確認を行えます。
また、契約締結の際に承認ルートの設計が可能です。シンプルな承認ルートでも複雑な承認ルートでも、申請・承認方法に合わせて柔軟にカスタマイズできます。承認者の設定に関しても、個人とグループの両方に対応しています。
電子印鑑GMOサイン - GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサインは、電子文書の署名や送信、文書管理などのさまざまな機能が搭載された電子契約システムです。数ある機能のなかにワークフロー機能も用意されています。
電子印鑑GMOサインのワークフロー機能は、承認プロセスをそのまま電子化できるシンプルな構造です。また、有料のオプションに加入すると、事前に承認者を設定できる「ワークフロー固定」や、他社のワークフローシステムと接続できる「外部サービス連携」などの追加機能を利用できます。
freeeサインは、電子文書作成や署名、AIレビューなど、幅広い機能を搭載した電子契約システムです。機能群のなかにはワークフローも備わっています。
freeeサインのワークフロー機能は、作成した電子文書の間違いやミスをAIがチェックしたあと、独自の承認プロセスを作成できる仕組みです。目視でのチェック作業工程を最小限に抑えられるため、よりスピーディに電子契約の締結へと進められます。
Adobe Acrobat Sign - アドビ株式会社
Adobe Acrobat Signは、Adobe社が提供する電子契約システムです。PDF閲覧・編集用のAcrobat Readerを提供しているAdobe社だけあり、Adobe Acrobat SignもPDFファイルの作成・閲覧・管理などの機能に強みを持ちます。たとえば、作成したPDFファイルのOffice製品への書き出しや、複数ファイルの統合など、細かい操作や設定にも対応可能です。
ワークフロー機能に関しては、専用の編集ツールが用意されているほか、テンプレートも利用できます。シンプルな承認プロセスを設計する際はテンプレートを、複雑な承認プロセスの場合は編集ツールを使うと良いでしょう。
Shachihata Cloud - シヤチハタ株式会社
Shachihata Cloudは、選択する料金プランに応じてさまざまな機能を付与できる電子契約システムです。どのプランを選んでも電子署名や掲示板、名刺フォルダ、文書管理などの基本的な機能は利用できます。
ワークフローは標準機能として用意されていますが、機能を拡張する際は、「ワークフロー充実セット」のプランを選択しましょう。すると、テンプレートや改ページプレビュー、回覧文書のCSV出力など、ワークフローに関連した追加機能を利用可能です。
ほかにも、社内コミュニケーション機能が充実した「コミュニケーション満足セット」や、文書管理機能に特化した「文書管理充実セット」などがあるため、用途に合わせて選び分けると良いでしょう。
ワークフローシステムと連携するのもおすすめ
電子契約システムのワークフロー機能は単独で利用できますが、ワークフローシステムとAPI連携するのも方法の一つです。
ワークフローシステムとは、承認プロセスを可視化・効率化するための専用のシステムです。ほかのシステムに搭載されたワークフロー機能と違い、ワークフローに特化したシステムなので、機能性や柔軟性に優れているケースも珍しくありません。
たとえば、ワークフローシステムには、申請書作成やフォームエディタ、フロー定義などの機能が搭載されています。電子契約システムのフォームエディタと同じような機能でも、ワークフローシステムの場合は、テンプレートの種類が豊富だったり、自動計算や桁数設定などの機能が搭載されていたりと、利便性の高さに特徴があります。
電子契約システムとワークフローシステムの両方を導入する場合、初期費用や運用コストが高額になりやすい点に注意が必要です。そのため、まずは電子契約システムのワークフロー機能を試してみて、機能不足だと感じる場合はワークフローシステムの導入を検討すると良いでしょう。
または、既存でワークフローシステムを導入している場合は、各電子契約システムが連携に対応しているか確認してみましょう。ワークフローの進行と電子契約がセットで進められるようになります。
ワークフロー機能を活用して効率的な電子契約を
電子契約を行う場合、担当者の一存で作業を進めるわけではありません。法務部門によるリーガルチェックや、上司や役員による承認などの稟議が必要です。
しかし、紙の文書で申請や承認を行うとなると、手間がかかったり、ヒューマンエラーが発生したりと、さまざまな問題が発生する恐れがあります。そのため、電子契約システムに搭載されたワークフロー機能をうまく活用しましょう。デジタル上で承認作業を完結することで、業務効率化やコスト削減といった恩恵を得られます。
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