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Webメディア事例に学ぶ成功の定義 | 運営目標・KPI設定の重要性

最終更新日:(記事の情報は現在から1289日前のものです)
Webメディアとして成立し、成長・成功を収めるオウンドメディアは、長期的な効果を企業や組織にもたらしますが、その運営は簡単なものではありません。Webメディアの成功とは?必要な目標・KPIとは?成功事例から学べることを紹介します。

Webメディアはオウンドメディアか?

新聞や雑誌、テレビなどのように「情報の媒体」となるものをメディアと定義する従来の慣習からすれば、すべてのWebサイトを「Webメディア」とするのは適当ではないのかもしれません。

近年ではユーザーにとって有益な質の高いコンテンツを届けることで、ユーザーとのつながりを高め、最終的なコンバージョンへとつなげるオウンドメディアが多くの企業から注目されており、これこそがWebメディアであるという意見もあります。

それでは、本当にWebメディア=オウンドメディアという認識で間違いはないのでしょうか。

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Webメディアの種類

さまざまなサイトが存在するWebの世界では、一般的には以下のような「メディア」として分類されることが多いようです。

  • 1次メディア:オリジナルコンテンツ中心の情報配信元
  • 2次メディア:1次メディアの情報を再配信するポータルサイトなど
  • User Generated Media:ユーザー自身が情報配信を行うサイト

これらの分類でもっとも大きな違いはオリジナルコンテンツを配信するにあたって、従来のメディアが持っている「編集部」としての機能を有しているかどうかであり、これは1次メディアにのみ存在する特徴といえます。

ほとんどが編集部機能を持ち合わせているといえるオウンドメディアは、その意味において1次メディアだということができますが、多くの1次メディアの目的が「メディア運営による収益化」を大きな目的としているのに対し、価値ある情報提供によってユーザー自ら情報取得を促す「プル型マーケティング」が目的とされる点でオウンドメディアは異なっています。

オウンドメディアはWebメディア?

オウンドメディアという意味においてニュース配信などを行う1次メディアはオウンドメディアであり、編集部機能を持つ1次メディアはすべてWebメディアである、ということがいえるでしょう。

しかし、上述したように2次メディア、User Generated Mediaも「メディア」として一般に認識されていることから、「Webメディア=オウンドメディア」ではなくオウンドメディアは限りなくWebメディアとイコールだがそのすべてではないといいかえることができるのではないでしょうか。

Webメディア運営の目的

従来のメディアがその運営によって収益化していたのと同様にWebメディアとしての運営を意識するオウンドメディアが直接的・間接的な収益化を目的とするのは当然のことです。

この意味においても、オウンドメディアをWebメディアとする根拠になりますが、「間接的な収益化」を実現するためメディア運営を行う具体的な目標にはどのようなものが考えられるのでしょうか。

組織によって異なる目標設定

世界中にはさまざまな業種の企業や組織が存在し、それぞれが異なるゴールを目指しているため、オウンドメディアの運営目標も当然さまざまなものとなります。そして大きくは以下のような目標設定がなされるケースが多くなるでしょう。

  • 組織自身、もしくは製品やサービスの認知度向上
  • 新規顧客・リードの獲得
  • ECサイトへの誘導、売上増への貢献
  • 顧客ロイヤリティの向上・リピート購入誘導
  • 組織のブランド力向上
  • 目指す世界観の啓蒙活動

広告枠を設けることによるオウンドメディア自身での収益化が目的であるケースもあります。

複数の目標設定があるケース

オウンドメディアを運営し、成長させていくためには「ユーザーに有益な質の高いコンテンツを継続して配信」していく必要があり、ほとんどの場合で効果を実感できるまでに半年〜1年程度の時間がかかるといわれています。

このため、オウンドメディアを成功に導くには粘り強い取り組みが求められ、最初からあれもこれもと目標を設定してしまうのは無理があるともいえるでしょう。

顧客ロイヤリティ向上とブランディングなど、両立できそうな目標であれば軸のぶれない運営も可能ですが、メディア単体での収益化などは成長が実感できてから取り組みをはじめても遅くはありません。

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Webメディアの「成功」とは

それでは、Webメディアが成功したといえるのはどのような成長を遂げた場合なのでしょうか。

目標達成のための設計

まずはWebメディアを運営していく目標を設定し、それを達成するための「目標設計」をしていく必要があるでしょう。

たとえば、上述した「新規顧客・リードの獲得」が目標であるならば「いつまでに」「なにを」「どのくらい」という数値が必要であり、半年後に毎月20人の製品問い合わせというような具体的で定量的な目標を掲げます。

これを実現するためには、SEOを意識したコンテンツを配信して、SNSなどを活用した拡散でPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)を増やし、用意したランディングページへと誘導していく仕組みを整備し、狙う目標に対してどの程度のPVやUUを集めればいいのかを検討していきます。

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KPIの設定と改善

このように目標設計を行っていく過程で、PV、UU、コンバージョン数などを基準にKPI(業績評価指標)へと落とし込み、運営しながら改善を続けていくのです。

たとえば、PVからのCTR(クリック率)が1%、そこからのコンバージョンが1%と仮定すれば、20人のコンバージョンを得るためには、200,000PVが必要となりますが、CTRとコンバージョンをそれぞれ2%に向上できれば、同じPVでも4倍の成果を得ることができます。

同様に、CTRとコンバージョンが1%のままでも、PVを800,000にすることができれば4倍の成果が得られることになり、こうした指標を達成し、目標を実現できていることがWebメディアの成功を意味するということができるでしょう。

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Webメディアの成功事例

成功するWebメディアでは、明確な運営目標とそれを達成するための目標設計・KPI設計がなされており、常に改善が行われていることが特徴となりますが、それを実現している成功事例をいくつか紹介していきましょう。

DIGIDAY

DIGIDAYは、デジタルマーケティング戦略の情報に特化した「DIGIDAY」の日本語版であり、アメリカの最新コンテンツの翻訳と日本独自のニュース・コラムをミックスした配信を行うWebメディアです。
日本での運営は、GIZMODE、lifehackerも運営する「インフォバーン」が行っており、商品・サービス開発、ブランディングなどのコンサルティング業務を行う同社に、大きな効果をもたらすと同時に、メディア単体での収益化も行われています。

BIZ KARTE

BIZ KARTEは、「MFクラウド会計・確定申告」などのMFクラウドシリーズをリリースする、マネーフォワードが運営するWebメディアです。
確定申告、会計、経費精算、会社設立、ビジネスハックというカテゴリーに分け、わかりにくい財務関連のコンテンツを充実させることにより、企業担当者・個人事業主の悩みを解決、結果的に自社製品へのコンバージョンに成功しています。
以前はMFクラウドブログとして運営されていましたが、より独立色が強められ、新たなカテゴリーも追加するなど、進化を続けています。

経営ハッカー

経営ハッカーは、「クラウド会計ソフト freee」などをリリースする、freeeが運営するWebメディアです。
経理ガイド、経理・決算知識、給与・労務知識などのカテゴリーがあり、会社設立や経営に役立つ情報を発信、情報源としてさまざまな方面から高い評価を得ています。
無料ガイド集やテンプレートを準備するなど、実用面でも役に立つコンテンツが多数存在しており、SNSからの流入も考慮された戦略が光ります。

Social Media Lab(ソーシャルメディアラボ)

Social Media Labは、SNSプラットフォームを活用したマーケティングに関しての情報を発信するWebメディアであり、企業のSNS構築・運営・監視のサポートを行うガイアックスによって運営されています。
Laboratoryとしてのコンテンツ記事が充実しているほか、定期的なセミナー開催を行うなど、オフラインでの活動も行っており、Facebook、Twitter、LINE、Instagramなどの各サービスをどのように使いこなせばいいのかという切り口で、多くの企業の関心を集めています。

Live Commerceブログ

Live Commerceブログは、越境ECサイトの構築を実現するCMS「Live Commerce」をリリースするデジタルスタジオが運営するWebメディアです。
多くのオウンドメディアとは異なり、自社サイト内にブログという形で埋め込みを行っていますが、ECサイト運用ノウハウやその方向性、助成金など、多岐にわたる情報を提供しており、自社サービスのコンバージョンにつなげています。
その多くがコンテンツ経由での獲得となっており、コンテンツマーケティングの成功例ともいえるでしょう。

Coca-Cola Journey

Coca-Cola Journeyは、コカコーラの歴史や新製品情報、有名ライターによる寄稿記事などで構成された異色のWebメディアです。
すでに確立されたコカコーラというブランドをさらに確固としたものとするため、コーポレートサイトとイメージを統一した別メディアを立ち上げ、ブランディングに専念するという戦略が取られています。
それ自体がオウンドメディア化され、サイト内に広報によるブログもリンクされるなど、他とは違った展開が特徴です。

BBQ GO!

BBQ GO!は、日本最大のバーベキュー情報サイトをうたうWebメディアで、日本ハムが運営を行っています。
バーベキュースポットの検索ができるところから、ポータルサイト的なイメージもあります。それだけでなく、バーベキュー用品やレシピの紹介、食材やお役立ち情報などのコンテンツが充実しており、豊富な材料を揃える日本ハム製品に、自然と関心が向くような設計がされています。
準備のカテゴリーに「幹事」「ファッション」があるなど、独特の切り口が魅力です。

somu-lier(ソムリエ)

somu-lierは、総務・人事などのバックオフィス業務の情報を配信するWebメディアで、ソニー系列のソネットが運営を行っています。
クローズアップ、インタビュー、コラム、総務のおいしい話などのカテゴリーにわけられ、無料ガイドやお役立ち資料などのダウンロードによって、初心者にもわかりやすく、なおかつ総務のベテランにも役立つコンテンツが満載です。
これによって、同社の勤怠システム「AKASHI」へのコンバージョンに役立てています。

ベネッセ教育情報サイト

ベネッセ教育情報サイトは、その名のとおり、ベネッセホールディングスが運営する教育・子育て・受験に関する情報提供を行うWebメディアです。
明確なカテゴリーとキーワード検索によって、目的のコンテンツに素早くアクセスできるような工夫がなされており、教育改革や入学準備、自由研究や進路・職業といった、豊富なテーマも用意されています。
普遍的なテーマが多いため、コンテンツの資産化が功を奏しており、リピーターの増加を通じたコンバージョンにつながっていそうです。

大学のWebメディア事例

ここまではBtoBBtoCといった、企業が運営するWebメディアの紹介を行ってきましたが、Webメディアの運営は企業に限ったことではありません。

なかでも学校法人である大学などでは、生徒数の確保という命題があり、そのためのブランディング、マーケティングは非常に重要であるといえるでしょう。

それでは、そうした目標を達成するため、各大学はどのような取り組みを行っているのか、いくつかの事例を紹介してみます。

MEIJI NOW:明治大学

MEIJI NOWは、明治大学が運営するWebメディアであり、大学のWebサイトとは独立した活動が行われています。
学部のコト、留学のコト、先輩のコト、学生生活のコト、わたしとくらしのコト、キャンパスのコトというカテゴリーからなっており、インタビューやイベント報告などを通じ、幅広い情報発信を行っています。
明治大学ではこれ以外にも、研究成果の公表を中心とした「meiji.net」も運営しており、多角的な方面から大学のブランド向上に努めています。

Keio Times:慶應義塾大学

Keio Timesは、慶応義塾大学が運営するWebメディアであり、明治大学と異なる大学Webサイト埋め込み型として、サブディレクトリでの運営がなされています。
自校の誇る教授や講師陣による成果発表や、部活動の紹介などの学生情報のほか、近隣の飲食店の特集や卒業生へのインタビューなど、Timesと名乗るにふさわしい豊富な話題が提供されており、すでに確立されたブランド力をいっそう高め、より優秀な学生の確保が目指されています。

目的と戦略を明確にしたWebメディア運営

BtoB、BtoC、学校法人のWebメディアを紹介してきましたが、それぞれが明確な目的意識を持ち、ゴールを設定した戦略を貫いているのがおわかりでしょう。

すでに解説したように膨大な情報が氾濫するWebの世界において、狙ったとおりの効果をWebメディアに期待するには、ユーザーに有用な質の高いコンテンツを提供し続けていく「忍耐」が必要であり、「なんとなく」はじめた「他がやっているから」はじめたWebメディアの更新が滞り、淘汰されていく理由はここにあるといえます。

Webメディアを成長させ、成功へ導いていくためには、忍耐を乗り越えていくための「目的」が必要であり、長期的な「戦略」が必要なことを忘れず、取り組んでいくべきなのです。

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