"自称"裁量労働の会社は中小企業がほとんど
ここまで、自分の会社が法的な裁量労働制を導入しているのか、自称なのか見極めるためのポイントを取り上げましたが、法的な裁量労働制を導入している場合、裁量労働制の内容を周知し、みなし労働時間や健康確保の措置について説明を行いますので、それらがない場合は、自称裁量労働である可能性が濃厚と言えます。
“自称裁量労働”の会社は、中小企業である場合がほとんどです。中小企業の4分の1では長時間残業が常態化してるという調査結果もありますが、勤怠管理ができない、残業代の計算が手間、残業代のコスト負担が重いなど、裁量労働を自称する会社側の理由はいろいろあるにせよ、“自称裁量労働”が長時間労働やサービス残業の隠れ蓑になる事実は看過してはなりません。
本来の裁量労働制は、働く方にとってメリットあるしくみです。自分の裁量で仕事を進められることは、能力発揮を促進し、業務に対する意識改革やモチベーションアップのきっかけにもつながります。
これから裁量労働の企業で働こうとする方は、まず求人の内容と自分の経歴が裁量労働の対象となることに違和感がないか確認し、面接や面談を通じて働き方について裁量が認められているかを確認しましょう。
また、現状は自分の経歴や希望する職種が裁量労働制の対象にならないという方も、裁量労働制の適用拡大は国会で議論されていますから、近い将来、法律が改正されて、裁量労働制の対象となる可能性もあります。正しい知識を得て、どんな働き方をするかは、自分で選んでいきたいですね。