フリーアドレス導入に失敗する企業の特徴
このようにメリットの多いフリーアドレスですが、導入に失敗する企業も存在します。どのような場合にフリーアドレスの導入に失敗しやすいのかについて説明します。
書類の取り扱いが多い
まず、書類の取り扱いが多い企業はフリーアドレスの導入に失敗しがちです。
フリーアドレスでは退社するときに、自分が使っていた机の上を綺麗にしてから帰る必要があります。紙の資料をたくさん取り扱っている部署では、いちいち机を綺麗にしたり資料をロッカーから出したりしていると始業と終業時に無駄な手間が発生します。
また、これに関連して個人情報や機密性の高いデータを取り扱う場合もフリーアドレスに向いていません。
在席率が高い
在籍率が高い部署もフリーアドレスに向いていません。経理や法務などのバックオフィスは落ち着いた環境で作業した方が生産性が高くなりますし、在席率が高い部署なのでオフィススペースの削減効果も期待できません。
フリーアドレスの導入成功企業事例
では、どのような企業がフリーアドレスを導入して成功しているのか、企業ベースで成功事例について説明します。
事例:カルビー
カルビーでは出社すると、「ソロ席」「集中席」「コミュニケーション席」という3種類から座席を選択して、コンピューターがその種類の席の中からランダムに席を割り振るようになっています。
席の種類を決定でき、場所のみランダムにすることによって、業務内容によって最適な環境でかつ、他部署間のコミュニケーションが活性化できます。ただし、社員が自由に席を選らべないことはストレスにもなります。
事例:キューピー
キューピーもオフィス改革の一環としてフリーアドレスを導入しています。
キューピーの場合はフリーアドレスにすることによって加工食品チームと食品開発チームが連携しやすくなった結果、新商品の開発期間が約6か月削減されたという事例があります。
フリーアドレスを上手く取り入れ働き方改革を
働き方改革によってフリーアドレスに注目が集まっています。昔は不便なためあまり定着しませんでしたが、IT技術の発達により、フリーアドレスのメリットは固定席に対して相対的に増大しています。
単に、フリーアドレスを導入するだけではなく、ITによるペーパーレス化などを促進し、テレワークなどの多様な働き方を推奨する人事制度を導入することによって、フリーアドレスの効果は高まり、定着もしやすくなります。