夜勤や当直、オンコールの待機を勤務実績としてどう残すか、医師の時間外労働を水準ごとにどう追うか。月末の集計で毎回つまずいているのではないでしょうか。
病院向けの勤怠管理システムを、病院特化型と汎用型に分けて8製品紹介します。機能・料金の比較表や選び方、費用相場、補助金、導入後の活用ポイントまで解説します。
【30秒でわかる病院向け勤怠管理システムのポイント】
・夜勤・当直・オンコールの記録と、医師の水準別の上限管理が課題
・病院の運用にそのまま組み込むなら特化型、人事・給与とまとめるなら汎用型がおすすめ
・特化型はVicsell勤怠管理Ⅱ、汎用型は奉行Edge 勤怠管理クラウドが代表例
病院向けに限らず、勤怠管理システム全体を比較したい方は下記もご参考ください。
>勤怠管理システムのおすすめ製品、選び方、ランキング
勤怠管理システムには多くの種類があり「どれを選べばいいか」迷いますよね。後から知ったサービスの方が適していることもよくあります。導入の失敗を避けるためにも、まずは各サービスの資料をBOXILでまとめて用意しましょう。
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※掲載料金は税区分の記載を含め、各社公式サイトの表記に基づいています。
病院向け勤怠管理システムの機能・料金比較表
まずは、病院での利用に適した勤怠管理システム8製品の料金・機能を比較してみましょう。各製品の詳しい機能や特徴は記事の後半で解説します。
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|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Vicsell勤怠管理Ⅱ | Dr.JOY | CWS就業管理システム | CAERU勤怠医療 | 奉行Edge 勤怠管理クラウド | KING OF TIME | ジンジャー勤怠 | ProSTAFFクラウド | |
| タイプ | 病院特化型 | 病院特化型 | 病院特化型 | 病院特化型 | 汎用型 | 汎用型 | 汎用型 | 汎用型 |
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 | 0円 | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額(最安プラン) | 要問い合わせ(買い切りライセンス) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | システム利用料 7,500円/1拠点 | 11,800円(従業員20・担当者1ライセンス) | ワンプラン 300円/人 | 300円(税抜)/人〜 | 要問い合わせ |
| 様式9の作成 | ● | 要問い合わせ | ● | 要問い合わせ | ● | ● | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 医師の働き方改革の上限管理 | ● | ● | ● | 要問い合わせ | ● | ● | ● | ● |
| 夜勤・当直・オンコール対応 | ● | ● | ● | ● | ● | 要問い合わせ | ● | 要問い合わせ |
| 強み | 様式9のリアルタイム試算と主要HISベンダーとの電子カルテ連携 | 面接指導の対象者判定と兼業先を含む労働時間の通算 | 病棟外業務を控除した様式9と医師4水準の時間外管理 | 1拠点あたりの定額課金と2暦日勤務への対応 | 打刻時刻と電子カルテ・PC操作時刻の乖離チェック | 打刻手段の多さと外部システム連携による様式9対応 | 変形労働時間制の日・週・月単位の自動集計 | ビーコンによる位置情報打刻と医師労働時間短縮計画レポート |
●=対応/×=非対応/要問い合わせ=公表されていない項目
医療機関における勤怠管理の課題
病院の勤怠管理は、24時間365日を交代制で回す勤務形態に、診療報酬や医師の働き方改革といった制度への対応が重なります。病院の勤怠管理で詰まりやすい課題を4つに整理しました。
夜勤・当直・オンコールが勤務実績として正確に残らない
看護部門は2交代・3交代で勤務し、医師にはこれに当直や宿直、オンコールの待機が加わります。職種ごとに勤務のルールが違ううえ、暦日の枠に収まらない勤務が日常的に発生するため、出退勤の記録だけでは勤務実績を再現しきれません。
勤務実績として残しにくいのは、次のような場面です。
- 宿直と日直は、宿日直許可の有無で労働時間としての扱いが変わる
- オンコールの待機時間を、どこまで記録に残すかが定まっていない
- 見習いとして入る夜勤を、通常の夜勤と分けて扱う必要がある
- 夜勤手当や宿直手当の対象になる回数を、後から勤務実績をたどって数え直している
記録が正確に残らなければ、手当の計算も労働時間の管理も後追いになります。
医師の労働時間を水準ごとに把握しきれない
医師の時間外労働の上限は、A水準・連携B水準・B水準・C水準で異なります。水準の区別を持たない仕組みで管理すると、上限に近づいている医師の把握が漏れてしまう恐れがあります。
医師は自院以外でも勤務することがあり、副業・兼業先の労働時間を通算して把握する必要があります。自己研鑽の時間を労働時間と切り分けて記録することも求められ、どちらも通常の打刻だけでは埋まりません。
連携B水準のように、36協定上の上限と個人の上限が異なる水準もあります。集計が月末にまとまってからでは、上限を超えたあとで気づくことになります。
様式9の作成が特定の担当者に依存する
入院基本料等の施設基準の届出に使う様式9には、月平均夜勤時間数や看護配置数、常勤換算の看護要員数を記載します。いずれも日々の勤務実績から算出するため、勤怠の集計と診療報酬の届出が直結します。
月平均夜勤時間数を72時間以内に収める要件※を満たせない場合、入院基本料は減算されます。
集計の手順は単純ではなく、「勤務実績の集計から届出まで把握しているのが看護部門の特定の担当者だけ」の状態になりやすい業務です。
※出典:厚生労働省「[スライド資料]保険診療の理解のために【医科】」(2026年8月13日閲覧)
集計と手当計算が手作業のまま残る
紙の出勤簿や表計算ソフトからの転記が残っていると、月末に作業が集中します。転記の量は、職員数と勤務区分の数だけ増えます。
夜勤手当、宿直手当、特殊勤務手当は、勤務区分ごとに計算のルールが違います。集計した結果を給与計算に渡す作業も加わるため、確認の工数が積み上がります。
勤務表を作ること自体に時間がかかるといった声もあります。希望休、欠員、法令上の制約、委員会活動を同時に調整する必要があり、単純な自動化が効きにくい領域です。
病院向け勤怠管理システムの機能・メリット
これらの課題は、仕組みで解決できる部分と運用のルールで決めるべき部分に分かれます。勤怠管理システムで解決できるのは、仕組みに関する課題です。
複雑な勤務形態を勤務パターンとして登録し自動集計できる
夜勤や当直、オンコール待機は、あらかじめ勤務パターンに登録することで打刻実績から自動集計できます。
手当の対象になる勤務の回数を自動で数える製品もあり、夜勤手当や宿直手当の集計を勤務実績から直接出せます。職種ごとに勤務ルールが違っても、部署単位で使うパターンを絞り込んで運用できます。
医師の労働時間を水準別に管理しアラートで気づける
水準ごとの上限を設定しておけば、上限に近づいた段階でアラートが出ます。月末の集計を待たずに気づけるため、当直の割り当てを見直すといった手を打てます。
面接指導の対象になる医師の判定、勤務間インターバルと代償休息の付与対象の通知、副業・兼業先を含めた労働時間の通算に対応する製品もあります。法律上の義務を負うのは特定労務管理対象機関ですが、努力義務にとどまるA水準の医療機関でも同じ仕組みが役立ちます。
様式9を勤怠データから作成できる
勤務計画表と勤務実績から、月平均夜勤時間数や看護配置数を集計して様式9の形に出力できます。基準を割り込みそうな段階でアラートを出す製品もあり、届出の直前になって不足が判明する事態を避けられます。
委員会や研修など病棟外の業務を控除したうえで集計し、控除の内容をリストで確認できる製品もあります。ただし実際の対応内容は製品ごとに異なり、製品自体の機能で作成するものと、外部のシフト作成システムとの連携で実現するものがあります。
集計から給与計算までを一本につなげられる
集計した勤怠データは、給与システムへそのまま渡せます。転記と、転記ミスの確認がまとめて不要になります。
病院で差が出るのは、電子カルテや人事システムとの接点です。主要HISベンダーの電子カルテと連携する製品、打刻用の端末を新設せず電子カルテやオーダリングの端末に相乗りさせる製品、打刻時刻と電子カルテ・PCの操作時刻の乖離をチェックする製品があります。
連携の形はそれぞれ違うため、二重入力をなくしたいのか、記録と実態のずれを検知したいのかで選ぶべき製品が変わります。
勤怠管理システムの導入事例はこちらから確認できます。
>勤怠管理システム導入事例
病院向け勤怠管理システムにかかる費用・価格相場
病院向け勤怠管理システムの費用は、職員1人あたりで課金する製品なら月額300円程度から、拠点や利用ライセンスの数で課金する製品なら月額7,500円から16,600円程度が目安です。病院特化型は個別見積もりが中心で、汎用型は公開された価格から見当をつけられます。
費用は初期費用と月額の利用料に分かれます。課金の単位が製品ごとに違うため、自院の職員数と拠点数を当てはめないと総額は比べられません。
病院では、次の費目が基本料金に上乗せされることがあります。
- 打刻端末の費用。共用の端末で打刻する運用では、部署や動線に応じた台数が必要になる(無料でレンタルできる製品もある)
- 電子カルテや給与システムとの連携の初期構築。別途費用がかかる場合がある
- 拠点・分院ごとの課金。1拠点あたりの定額で課金する製品では、施設の数がそのまま費用に響く
勤怠管理システム全体の料金相場や、主要サービスの価格を詳しく比べたい場合は、次の記事を参考にしてください。
病院向け勤怠管理システムの選び方
病院の勤怠管理システムは、医師の働き方改革への対応や様式9の作成といった、他の業種にはない要件を満たせるかどうかで候補が絞られます。自院の勤務形態と、法令・制度への対応を軸に、次の5つの観点で見比べてください。
自院に合うタイプを見極める(病院特化型か汎用型か)
最初に決めるのは、病院向けに作られた特化型と、幅広い業種で使われている汎用型のどちらを土台にするかです。特化型には、様式9の集計や医師の水準別の上限管理といった病院固有の要件を、はじめから機能として持つ製品があります。
看護部門の交代制勤務や日当直の回数チェックのように、汎用型の設定で作り込むと手間のかかる部分にも、はじめから対応します。
汎用型は、勤怠以外の人事・給与のシステムとまとめて使いたい場合や、打刻の手段を現場ごとに選びたい場合に向きます。KING OF TIMEはICカードや指紋、指静脈といったオプションの打刻手段を組み合わせられ、ジンジャー勤怠は資格・免許・研修の受講履歴まで職員ごとに管理できます。
どちらが優れているかではなく、自院の勤務形態と、勤怠の外側までシステムでまとめたいかどうかで選び分けるとよいでしょう。
医師の働き方改革に対応できるか
医師の時間外労働は、水準ごとに上限が違います。A水準は年960時間、B水準とC水準は年1,860時間が上限で、連携B水準のみ、36協定上の上限(年960時間)と、副業・兼業先を通算した個人の上限(年1,860時間)が異なります※1。
医師の上限を一律に年1,860時間として扱うと、水準によっては誤った運用になります。
あわせて、追加的健康確保措置として勤務間インターバルの確保が求められます。根拠は時間外労働の上限規制(労働基準法第141条)とは別で、医療法第123条と医療法施行規則第110条から第119条です※2。確保すべき休息時間は、宿日直許可の有無で変わります。
勤務間インターバルの確保が法律上の義務になるのは、連携B・B・C-1・C-2水準として都道府県の指定を受けた特定労務管理対象機関であり、A水準は努力義務です。あらかじめ代償休息を見込んでシフトを組むことは、原則として認められていません。
勤務間インターバルの判定まで備えるのはDr.JOY、ProSTAFFクラウド、Vicsell勤怠管理Ⅱです。
水準の区分に沿って上限を管理できるのはDr.JOY、CWS就業管理システム、奉行Edge 勤怠管理クラウドです。KING OF TIMEやジンジャー勤怠も時間外労働のアラートは備えますが、どの水準に何時間を設定するかは各医療機関で設定する必要があります。
※1出典:厚生労働省「(公表用)医師の時間外・休日労働の上限規制等に関するQA」(2026年8月13日閲覧)
※2出典:厚生労働省「医療法第25条第1項に基づく立入検査の実施上の留意事項について(面接指導の実施、勤務間インターバル及び代償休息の確保)」(2026年8月13日閲覧)
様式9を作成できるか
入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類(様式9)※1は、月平均夜勤時間数や看護配置数、常勤換算の看護要員数を病棟ごとの勤務計画表から算出し、地方厚生(支)局長※2に届け出る書類です。算出のもとになるのは日々の勤務実績なので、勤怠管理システムの集計精度がそのまま届出に響きます。
同じ様式9への対応でも、中身は製品ごとに違います。Vicsell勤怠管理Ⅱは勤務実績から届出値をリアルタイムに試算し、CWS就業管理システムは委員会や研修など病棟外の業務を控除したうえで集計します。奉行Edge 勤怠管理クラウドは様式9と予実2段勤務表を自動で作成します。
一方、KING OF TIMEは外部のシフト作成システムとのCSV連携で様式9に対応します。自院のシステムだけで作成まで完結させたいのか、すでに使っているシフト作成システムと組み合わせるのかで、選ぶ製品が変わります。
※1出典:厚生労働省「入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類」(2026年8月13日閲覧)
※2出典:厚生労働省「・基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて(◆令和02年03月05日保医発第305002号)」(2026年8月13日閲覧)
夜勤・当直・オンコールなど複雑な勤務形態に対応できるか
2交代・3交代の看護部門の勤務、日をまたぐ夜勤、宿直、オンコールの待機、日付をまたぐ2暦日勤務など、病院職員の勤務形態はさまざまです。これらを勤務パターンとして登録できるか、そして手当の対象になる回数まで数えられるかで、月末の集計作業の量が変わります。
CAERU勤怠 医療は当直(宿日直)やオンコール、変則交代制、2暦日勤務に対応し、手当の対象になる勤務の回数を自動でカウントします。Vicsell勤怠管理Ⅱは看護部門の交代制勤務を最大99,999通りの勤務パターンとして登録でき、Dr.JOYは当直を一括で管理できます。
自動化の範囲は製品ごとに違います。自院で発生している勤務区分を書き出したうえで、どこまでを自動集計に載せられるかを確かめるとよいでしょう。
電子カルテ・給与システムと連携できるか
勤怠のデータは、給与計算だけでなく電子カルテや人事のシステムとも接点があります。ただし連携の形は製品ごとに違い、できることも変わります。
Vicsell勤怠管理ⅡはNEC、富士通、日立、IBM、SSIなど主要HISベンダーの電子カルテと連携します。CWS就業管理システムは打刻用の端末を新たに置かず、電子カルテやオーダリングの端末に相乗りさせる形をとります。
奉行Edge 勤怠管理クラウドは、打刻した時刻と電子カルテ・PCの操作時刻の乖離をチェックします。
二重入力をなくしたいのか、記録と実態のずれを検知したいのかで、連携機能を精査しましょう。
【候補が絞れないなら、まずは3分で診断してから比べませんか?】
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病院向け勤怠管理システムおすすめ比較4選【病院特化型】
病院向けの機能を備えた特化型の勤怠管理システムのうち、代表的な4製品を紹介します。病院の勤務形態や帳票にそのまま乗せて使いたい医療機関に向いています。どこまで対応するかは製品ごとに違うので、比較表とあわせて見てください。
| Vicsell勤怠管理Ⅱ | Dr.JOY | CWS就業管理システム | CAERU勤怠医療 | |
|---|---|---|---|---|
| 初期費用 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 0円 |
| 月額(最安プラン) | 要問い合わせ(買い切りライセンス) | 要問い合わせ | 要問い合わせ | システム利用料 7,500円/1拠点 |
| 強み | 様式9のリアルタイム試算と主要HISベンダーとの電子カルテ連携 | 面接指導の対象者判定と兼業先を含む労働時間の通算 | 病棟外業務を控除した様式9と医師4水準の時間外管理 | 1拠点あたりの定額課金と2暦日勤務への対応 |
Vicsell勤怠管理Ⅱ
- 様式9をリアルタイムに試算し、基準を割り込む前にアラートで知らせる
- A〜C水準の勤務間インターバルをリアルタイムに判定し、月・年・平均単位の残業時間上限をアラートで通知
- NEC、富士通、日立、IBM、SSIなど主要HISベンダーの電子カルテと連携
Vicsell勤怠管理Ⅱは、病院と介護施設向けに作られた勤怠管理システムです。看護部門の交代制勤務を最大99,999通りの勤務パターンとして登録でき、シフトマスタを部署別にストックできます。
様式9の届出値を勤務実績からリアルタイムに試算し、基準を下回りそうな段階でアラートを出せるため、月末になってから看護配置の不足に気づく事態を避けられます。病棟日誌や看護管理日誌の出力にも対応しています。
兼業先の労働時間の管理にも対応します。顔認証と体温測定を兼ねた打刻機との連携にも対応しています。
Vicsell勤怠管理Ⅱのプラン・料金
買い切りの一括ライセンスで、金額は個別見積もりです。
Dr.JOY
- B水準・C水準の上限管理と、面接指導の対象になる医師の判定に対応
- 勤務間インターバルと代償休息の付与対象をアラートで通知
- 自院と兼業先の労働時間を合算して法定外労働を把握
Dr.JOYは、医師の労働時間管理に軸足を置いた病院向けのシステムです。当直を一括で管理でき、変形労働時間制や裁量労働制にも対応します。
自己研鑽の時間を同じ時間帯の中で分割して登録できるため、労働時間として扱う時間とそれ以外を切り分けて記録できます。行政の立入検査に向けた帳票の出力や、医師労働時間短縮計画の記載項目の情報提供にも対応しています。
打刻はICカードとビーコンから選べます。顔認証も追加される予定です。
Dr.JOYのプラン・料金
料金は個別見積もりです。
CWS就業管理システム
- 委員会や研修など病棟外の業務を控除して様式9を作成し、控除リストも出力
- 医師の4水準(A・B・C-1・C-2)ごとに時間外労働を管理し、医師労働時間短縮計画の作成を支援
- 電子カルテやオーダリングシステムの端末に相乗りする形で打刻できる
CWS就業管理システムは、医療機関向けに作られた就業管理システムです。看護部門の交代制勤務表の作成に加え、医師の日当直や手術室の待機勤務、オンコールまでを勤務区分として管理できます。
様式9は、委員会や研修といった病棟外の業務を控除したうえで集計でき、控除した内容をリストで確認できます。外勤時間の登録により、副業・兼業先を含めた労働時間の通算にも対応します。
打刻用の端末を新たに置かず、電子カルテやオーダリングの端末に相乗りさせる運用も選べます。
CWS就業管理システムのプラン・料金
料金は個別見積もりです。
CAERU勤怠 医療
- 当直(宿日直)やオンコール、変則交代制、2暦日にまたがる勤務に対応
- 手当の対象になる勤務の回数を自動でカウント
- 初期費用0円、1拠点あたりの定額課金で人数による課金がない
CAERU勤怠 医療は、医療機関向けの勤怠管理システムです。日付をまたぐ2暦日勤務や変則的な交代制をそのまま勤務パターンとして登録でき、当直やオンコールの回数を手当の対象として数えられます。
1拠点あたりの定額制で、職員が何人いても金額が変わりません。分院や関連施設を持つ医療法人でも、拠点数から費用を見積もれる料金体系です。
一方で、様式9の作成や医師の水準別の上限管理まで1つのシステムでまかないたい場合は、それらに対応する製品とあわせて比較するとよいでしょう。
CAERU勤怠 医療のプラン・料金
初期費用は0円、月額はシステム利用料 7,500円/1拠点です。人数による課金はなく、打刻に使うタイムレコーダーは無料でレンタルできます。
病院向け勤怠管理システムおすすめ比較4選【汎用型】
幅広い業種で使われている汎用型のうち、医療機関向けの機能を備えた4製品を紹介します。給与や人事のシステムと組み合わせて使いたい医療機関や、法改正への継続的な対応を重視する場合に候補になります。
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|---|---|---|---|---|
| 奉行Edge 勤怠管理クラウド | KING OF TIME | ジンジャー勤怠 | ProSTAFFクラウド | |
| 初期費用 | 0円 | 0円 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| 月額(最安プラン) | 11,800円(従業員20・担当者1ライセンス) | ワンプラン 300円/人 | 300円(税抜)/人〜 | 要問い合わせ |
| 強み | 打刻時刻と電子カルテ・PC操作時刻の乖離チェック | 打刻手段の多さと外部システム連携による様式9対応 | 変形労働時間制の日・週・月単位の自動集計 | ビーコンによる位置情報打刻と医師労働時間短縮計画レポート |
奉行Edge 勤怠管理クラウド
- 様式9と予実2段勤務表を勤務実績から自動作成
- 医師の水準ごとの上限をアラートで管理し、時間外労働が月100時間以上の医師を面談対象として抽出
- 打刻した時刻と電子カルテ・PCの操作時刻の乖離をチェック
奉行Edge 勤怠管理クラウドは、医療・福祉向けの機能をそろえた汎用型の勤怠管理システムです。2交代・3交代や当直、オンコール、日をまたぐ夜勤、宿直といった病院の勤務形態を勤務パターンとして登録できます。
打刻した時刻と電子カルテやPCの操作時刻のずれを突き合わせられるため、記録と実態が離れていないかを確認しながら運用できます。自己研鑽の時間や副業・兼業先の労働時間、勤務間インターバルの管理にも対応します。
料金は使うライセンスの構成で変わります。
奉行Edge 勤怠管理クラウドのプラン・料金
| ライセンス構成 | 初期費用 | 月額費用※ |
|---|---|---|
| 従業員20/担当者1ライセンス | 0円 | 11,800円 |
| 従業員20/担当者1/シフト作成者1ライセンス | 0円 | 16,600円 |
従業員20ライセンスと担当者1ライセンスの構成が最小で、シフト作成者のライセンスを加えると金額が上がります。
※ご契約は法人単位で年間契約となります。
KING OF TIME
- 外部のシフト作成システムとのCSV連携により様式9の作成に対応
- 任意の上限値・警告値を設定して時間外労働と勤務間インターバルを管理
- ICカードや指紋、指静脈などのオプションの打刻手段を組み合わせられる
KING OF TIMEは、打刻手段の多さと就業ルールの設定の柔軟さが特徴の汎用型の勤怠管理システムです。
様式9への対応は、シフト作成システムの快決!シフト君NEO メディカルとのCSV連携で実現する形で、KING OF TIME単体の機能ではありません。
医師の上限管理も、A水準からC水準までのプリセットではなく、任意の上限値と警告値を設定して運用します。自院のルールに合わせて設定できる反面、どの水準に何時間を設定するかは自分たちで決める必要があります。
KING OF TIMEのプラン・料金
初期費用は0円、月額は1人あたり300円のワンプランです。
医療機関ユーザーの口コミ・評判
ジンジャー勤怠
- 変形労働時間制の労働時間を日・週・月それぞれの単位で自動集計
- 当直や特殊勤務などの手当を自動計算(計算方法は自院の運用に合わせて設定)
- 資格・免許・研修の受講履歴を職員ごとに一元管理
ジンジャー勤怠は、医療機関向けの機能を備えた汎用型の勤怠管理システムです。変形労働時間制を採用している場合に、日・週・月それぞれの単位で労働時間を自動集計できます。
時間外労働の上限規制に対するアラートや、打刻漏れ・連続勤務の通知にも対応します。行政の立入検査に向けた資料作成を支援する機能もあり、資格や免許、研修の受講履歴を職員ごとにまとめて管理できます。
ジンジャー勤怠のプラン・料金
月額は1人あたり300円(税抜)からで、勤怠に給与計算や人事情報の製品を組み合わせると金額が上がります。初期費用は個別見積もりです。
ProSTAFFクラウド
- ビーコンを使った位置情報での打刻に対応し、打刻忘れや不正打刻を防ぐ
- 連続勤務時間の制限や、勤務間インターバル・代償休息の付与対象をアラートで通知
- 医師労働時間短縮計画のレポートを出力
ProSTAFFクラウドは、病院向けの機能をそろえた汎用型の勤怠管理システムです。ビーコンによる位置情報打刻に対応しており、打刻忘れや不正打刻を防げます。
時間外労働の状況は3段階のアラートで通知され、連続勤務時間の制限や、勤務間インターバル・代償休息の付与対象も知らせます。副業・兼業先の労働時間の把握や、医師労働時間短縮計画のレポート出力にも対応しています。
ProSTAFFクラウドのプラン・料金
料金は利用規模と構成に応じた個別見積もりです。
勤怠管理システムの導入で利用できる補助金・助成金
勤怠管理システムの導入費用は、国の補助金・助成金で負担を軽くできる場合があります。医療機関が対象になる制度を2つ取り上げます。
デジタル化・AI導入補助金
IT導入補助金から名称が変わった制度です。申請の対象となる方の一覧には、業種区分とは別枠で医療法人・社会福祉法人(従業員300人以下)の行があり、医療法人は対象に含まれます※。
対象の一覧は法人格ごとに区分されているため、自院がどの法人格で運営されているかによって扱いが変わります。医療法人以外の開設主体は、対象要件をあらためて確かめてください。
※出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「申請の対象となる方 | デジタル化・AI導入補助金2026」(2026年8月13日閲覧)
働き方改革推進支援助成金
労働時間の短縮や勤務間インターバルの導入に取り組む中小企業を支援する助成金です。業種別課題対応コースの対象業種に病院・診療所が含まれます。病院・診療所は、常時使用する労働者数が300人以下であれば対象になります※。
成果目標には、時間外・休日労働の上限設定や勤務間インターバルの導入、医師の働き方改革の推進が用意されています。勤務間インターバルは9時間以上が必要で、B水準・連携B水準・C水準の医師が在籍する場合は10時間以上になります。
勤怠管理システムの導入は労務管理用ソフトウェアの導入として支給対象の取組に含まれますが、成果目標の達成が前提です。
令和8年度の交付申請期限は令和8年11月30日の午後5時です。予算額の制約により期限前に受付が締め切られる場合があるため、申請を検討する場合は都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に確認してください。
※出典:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(業種別課題対応コース)」(2026年8月13日閲覧)
対象になる制度や申請の流れをまとめて確認したい場合は、次の記事も参考にしてください。
病院向け勤怠管理システムを活用するポイント
導入したシステムが定着するかどうかは、機能の多さよりも運用の決め方で変わります。病院で先回りして決めておきたいことを挙げます。
まず打刻から始め、申請・承認は段階的に載せる
勤怠管理システムには、打刻からシフト作成、申請・承認、手当計算まで機能がそろっています。ただし最初から全部を載せると現場が覚えることが増え、肝心の打刻が定着しません。
先に打刻だけを切り替え、勤務実績が正しく集まる状態を作ってから、申請・承認やシフト作成へ広げるほうが現場の負担は小さくなります。職種ごとに勤務ルールが違う病院では、部署を絞って試してから全体へ広げる進め方も取れます。
様式9や医師の上限管理といった制度への対応は、勤務実績が正確に集まっていることが前提です。順番を逆にすると、集計の土台が固まらないまま帳票だけを出すことになります。
打刻端末の設置場所と台数を勤務動線から決める
共用の端末で打刻する運用では、どこに何台置くかで現場の動きが変わります。病棟やナースステーション、更衣室からの動線を踏まえて、設置場所と台数を先に決めておきます。
職員全員がPCやメールアドレスを持っているとは限らない医療機関もあります。その場合は、ICカードや顔認証の端末、個人のスマートフォンからの打刻など、PCを前提としない手段を組み合わせることになります。
私物の端末を業務で使う場合の取り決めも、あわせて決めておくと運用が始まってからの調整が減ります。
手書きのシフト表とシステムのシフトを二重に作らない
勤務表を手書きや表計算ソフトで作ってきた看護部門では、システムを入れた後も従来の勤務表を作成してしまう傾向があります。すると同じシフトを2か所で作ることになり、どちらが最新のデータか把握できなくなります。
勤務表をシステム側に寄せるのか、従来の作り方を残してシステムには実績だけを入れるのか。どちらかに決めておくと、月末の突き合わせが不要になります。
希望休や欠員、委員会活動の調整には、自動化しきれない部分が残ります。どこまでをシステムに任せ、どこからを人が調整するのかも、あわせて決めておくとよいでしょう。
病院向け勤怠管理システムに関するよくある質問(FAQ)
病院の勤怠管理システムを検討するときに、よく問われる点をまとめました。
様式9とは何ですか。勤怠管理システムで作成できますか
入院基本料等の施設基準に係る届出書添付書類(様式9)のことで、月平均夜勤時間数や看護配置数、常勤換算の看護要員数を地方厚生(支)局長に届け出るための書類です。労働基準法の36協定届で使う様式第9号とは別のものです。
勤怠管理システムでの作成可否は製品によって違います。Vicsell勤怠管理Ⅱ、CWS就業管理システム、奉行Edge 勤怠管理クラウドは製品自体の機能で作成でき、KING OF TIMEは外部のシフト作成システムとの連携で対応します。
医師の働き方改革のA水準・連携B水準・B水準・C水準は何が違いますか
時間外・休日労働の上限が違います。A水準は年960時間、B水準とC水準は年1,860時間です。連携B水準は36協定上の上限が年960時間で、副業・兼業先を通算した個人の上限は年1,860時間と、2つの数字が異なります。
B水準と連携B水準は、2035年度末を目途にA水準へ移行することが目標とされています。自院がどの水準の指定を受けているかによって、勤怠管理システムに設定する上限値が変わります。
宿日直許可を受けている場合も打刻や記録は必要ですか
原則として労働時間から除外されます(※宿直中に実際の診療や看護業務等を行った時間については労働時間としてカウントする必要があります)。許可の有無によって確保すべき勤務間インターバルの時間が変わるため、いつ宿日直に入ったかを勤務区分として残しておくと、インターバルの判定ができます。
通常の勤務と宿日直許可を受けた宿直は始業から24時間以内に9時間、宿日直許可のない宿直明けは始業から46時間以内に18時間の連続した休息が必要です。
宿日直の最中に通常の勤務と同じ業務が発生した分は扱いが別になります。勤務区分ごとに記録を分けられる製品を選んでおくと、後から切り分ける手間が減ります。
病院向けの勤怠管理システムは電子カルテと連携できますか
連携できる製品はありますが、対象になる電子カルテは製品ごとに決まっています。Vicsell勤怠管理ⅡはNEC、富士通、日立、IBM、SSIなど主要HISベンダーの電子カルテと連携します。
自院で使っている電子カルテがその範囲に入るかは製品ごとに違うため、製品名を挙げたうえで見積もりの段階で確かめるとよいでしょう。CWS就業管理システムのように、連携ではなく電子カルテの端末へ打刻を相乗りさせる方式もあります。
夜勤72時間ルールは勤怠管理システムで管理できますか
月平均夜勤時間数を集計できる製品であれば管理できます。夜勤72時間ルールは労働法ではなく、入院基本料の施設基準(診療報酬)の要件です。
同一の入院基本料を算定する病棟全体で、月平均夜勤時間数を72時間以内に収める必要があります(夜勤専従者と夜勤時間数16時間未満の職員は、この平均の算定から除きます)。
この実績は様式9の勤務計画表から算出します。様式9の作成に対応した製品を選べば、届出と日々の管理を同じデータでつなげられます。
病院向け勤怠管理システムを比較するならBOXIL
病院向け勤怠管理システムを選ぶときの要点を、あらためて整理します。
- 夜勤・当直・オンコールの記録、医師の水準別の上限管理、様式9の作成、集計と手当計算の手作業が、病院の勤怠管理で詰まりやすい4点
- 病院の業務にそのまま乗せたいなら特化型、人事・給与とまとめたい場合や打刻手段の幅を求めるなら汎用型が向く
- 様式9への対応は、製品自体の機能で作成するものと外部システムとの連携で実現するものがあるため、中身まで確かめる
- 費用は職員数あたりと拠点あたりで課金の単位が違い、打刻端末や連携の初期構築が上乗せされることがある
- 導入後は打刻から始め、端末の設置場所と勤務表の作り方を先に決めておくと定着しやすい
無料やアプリ対応、小規模企業向けなど、特徴から勤怠管理システムを選びたい場合は、次の一覧からも比較できます。
特徴から勤怠管理システムを比較する | ||
|---|---|---|
| 英語対応の勤怠管理システム | 無料の勤怠管理システム | アプリ対応の勤怠管理システム |
| 小規模向け勤怠管理システム | 中小企業向け勤怠管理システム | シフト管理できる勤怠管理システム |
| 給与計算ソフト連携可能な勤怠管理システム | 建設業向け勤怠管理システム | 派遣会社向け勤怠管理システム |
| 製造業向け勤怠管理システム | 介護業向け勤怠管理システム | 利用料金が安い勤怠管理システム |
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