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睦月とは
明治以降、グレゴリオ暦を採用した日本では、12か月ある月を1〜12の数字で表すようになりました。1年を1月から12月と表現するのはそのためです。
しかし、古来の日本では、各月を季節感がわかるような言葉で表現しており、その最初の月を「睦月」と呼んでいました。
睦月は旧暦・陰暦の1月
グレゴリオ暦(新暦)を採用する以前、日本は月の満ち欠けを基準とした旧暦として「陰暦(太陰太陽暦)」を採用しており、睦月は陰暦(太陰太陽暦)の1月を意味します。
陰暦(太陰太陽暦)では、大月30日、小月29日と、月の日数が年によって異なるため、グレゴリオ暦と月が一致せず、1か月程度のズレが生じます。
つまり、陰暦の1月である睦月をグレゴリオ暦に当てはめると、1月下旬から3月上旬頃を指すのです。
睦月の読み方、意味・由来・語源
睦月は「むつき」と読み、その意味・由来・語源にはいくつかの説があります。もっとも有力な説は、睦び月(むすびつき)が「睦月」に転じたというものです。
睦び月とは、仲良くすること・仲睦まじいこと・互いに親しみ合うなどの意味を持つ「睦び合い」の宴を、お正月に家族や親族が集まる月に行うことが由来です。
ほかにも、「始まる・元になる月」である「元月(もとつき)」が転じて「むつき」になったという説、稲の実を水に浸す月である「実月(むつき)」が転じたという説などがあります。
睦月の別名・異称
睦月には、別名や異称で表されるさまざまな呼び名があります。そのいくつかを紹介しておきましょう。
初春月(はつはるつき)
陰暦では、1月から3月が「春」になります。このため、1月である「睦月」が、春の最初の月になるため「初春月」とも呼ばれます。
新春(しんしゅん)
初春月と同様、新しい春を迎えるのが1月である「睦月」となるため「新春」と呼ばれます。
早緑月(さみどりづき)
グレゴリオ暦で1月下旬〜3月上旬となる「睦月」は、木々の緑が芽吹いてくる時期でもあります。「早緑月」とも呼ばれるのはこのためです。
そのほかの別名・異称
- 建寅月(けんいんげつ)
- 孟春(もうしゅん)
- 太郎月(たろうづき)
- 初空月(はつそらづき)
- 初見月(はつみづき)
- 月正(げっせい)
- 元月(元月)など
睦月のまとめ
日本古来の月名称には、さまざまな別名や異称があり、その意味や由来も諸説が存在します。
しかし、いずれも陰暦の季節感がもとになっていると考えられ、睦月の有力な由来である「睦び月」などは、人々の暮らしにも密接に結びついているといえます。
自然や人との結びつきが重視された、日本古来の考え方を失わないようにしたいものです。