睦月とは | 意味と読み方、由来・語源・別名・異称は?

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記事の情報は2018-09-23時点のものです。

睦月(むつき)とは、陰暦・旧暦の1月を意味し、グレゴリオ暦では1月下旬から3月上旬頃の初春にあたります。12月を意味する師走同様、現在では1月の別名として使われる睦月の意味や読み方、由来や語源、別名・異称について紹介します。
睦月とは | 意味と読み方、由来・語源・別名・異称は?

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睦月とは

明治以降、グレゴリオ暦を採用した日本では、12か月ある月を1〜12の数字で表すようになりました。1年を1月から12月と表現するのはそのためです。

しかし、古来の日本では、各月を季節感がわかるような言葉で表現しており、その最初の月を「睦月」と呼んでいました。

睦月は旧暦・陰暦の1月

グレゴリオ暦(新暦)を採用する以前、日本は月の満ち欠けを基準とした旧暦として「陰暦(太陰太陽暦)」を採用しており、睦月は陰暦(太陰太陽暦)の1月を意味します。

陰暦(太陰太陽暦)では、大月30日、小月29日と、月の日数が年によって異なるため、グレゴリオ暦と月が一致せず、1か月程度のズレが生じます。

つまり、陰暦の1月である睦月をグレゴリオ暦に当てはめると、1月下旬から3月上旬頃を指すのです。

睦月の読み方、意味・由来・語源

睦月は「むつき」と読み、その意味・由来・語源にはいくつかの説があります。もっとも有力な説は、睦び月(むすびつき)が「睦月」に転じたというものです。

睦び月とは、仲良くすること・仲睦まじいこと・互いに親しみ合うなどの意味を持つ「睦び合い」の宴を、お正月に家族や親族が集まる月に行うことが由来です。

ほかにも、「始まる・元になる月」である「元月(もとつき)」が転じて「むつき」になったという説、稲の実を水に浸す月である「実月(むつき)」が転じたという説などがあります。

睦月の別名・異称

睦月には、別名や異称で表されるさまざまな呼び名があります。そのいくつかを紹介しておきましょう。

初春月(はつはるつき)

陰暦では、1月から3月が「春」になります。このため、1月である「睦月」が、春の最初の月になるため「初春月」とも呼ばれます。

新春(しんしゅん)

初春月と同様、新しい春を迎えるのが1月である「睦月」となるため「新春」と呼ばれます。

早緑月(さみどりづき)

グレゴリオ暦で1月下旬〜3月上旬となる「睦月」は、木々の緑が芽吹いてくる時期でもあります。「早緑月」とも呼ばれるのはこのためです。

そのほかの別名・異称

  • 建寅月(けんいんげつ)
  • 孟春(もうしゅん)
  • 太郎月(たろうづき)
  • 初空月(はつそらづき)
  • 初見月(はつみづき)
  • 月正(げっせい)
  • 元月(元月)など

睦月のまとめ

日本古来の月名称には、さまざまな別名や異称があり、その意味や由来も諸説が存在します。

しかし、いずれも陰暦の季節感がもとになっていると考えられ、睦月の有力な由来である「睦び月」などは、人々の暮らしにも密接に結びついているといえます。

自然や人との結びつきが重視された、日本古来の考え方を失わないようにしたいものです。

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