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如月とは
古来の日本では、各月を季節感のある言葉で表現しました。英語でも2th Monthといわず、Februaryと呼びますよね。それと同じです。12か月あるうち、2月は「如月」でした。
それから時は経ち明治6年。陽暦が採用され各月は「2月」のように数字で表され始めました。当時の呼び方は現在でも親しまれ続けています。如月も和風月名として今なお、2月を表現しています。
如月の読み方
如月は「きさらぎ」と読みます。中国でも2月の異称に「如月」が使われており、その漢字をあてた説があります。
ところが中国では如月を「にょげつ」と読むので、日本の「きさらぎ」とは読み方が異なります。そのため「如月」の意味や由来には諸説あります。
如月の意味と由来・語源
もっとも有力な説は、「衣更着(きさらぎ)」が転じた説です。衣更着には、厳しい寒さに備え重ね着をする季節(衣を更に重ねる)という意味があります。
ほかにも、陽気が更に来る月だから「気更来(きさらぎ)」になった説、春に向けて草木が生えはじめるから「生更木(きさらぎ)」になった説があります。
如月の別名・異称
如月には、さまざまな別名・異称があります。いくつか紹介しましょう。
初花月(はつはなづき)
年が明けて最初に咲く梅の花を「初花(はつはな)」といいます。新暦3月にあたる如月では、梅の花が咲く月なので「初花月」と呼ばれます。
仲春(ちゅうしゅん)
陰暦では1月から3月が春です。陰暦2月の如月は春の真ん中にあたるため「仲春」と呼ばれます。同じ理由で「仲の春(なかのはる)」「中の春(なかのはる)」とも呼ばれます。
雪消月(ゆききえづき)
1月に残っていた雪も2月には消えるので「雪消月」と呼ばれます。
雁帰月(かりかえりづき)
冬に日本へ渡ってきた雁が、春にシベリアへ帰るため「雁帰月」と呼ばれます。
そのほかの別名・異称
そのほかにも以下のような別名・異称があります。
- 殷旬(いんしゅん)
- 梅見月(うめみづき)
- 建卯月(けんうづき)
- 令月・麗月(れいげつ)
- 小草生月(をぐさおひつき)
如月は陰暦・旧暦の2月
如月は陰暦の2月を意味します。しかし、陰暦の2月は陽暦の2月ではありません。陰暦と陽暦は1か月ほどずれています。そのため陰暦の2月は、新暦の2月下旬から4月上旬ごろになります。
如月のまとめ
新暦を採用した現代の日本では、まだ厳しい寒さで春を遠く感じるのが2月。しかし暦では、2月4日「立春」に春が到来します。
もしかしたら古来の日本人の方が、季節に敏感だったのかもしれませんね。