目次を閉じる
卯月とは
各月を1月〜12月のように数字で表すようになったのは、明治初頭。日本が陽暦(新暦)を採用したからです。しかし古来の日本では、各月を季節感のわかる和風月名で表現しており、4番目の月を「卯月」としていました。
陰暦(旧暦)では、陽暦(新暦)と月が一致せず、1か月ほどずれています。つまり、陰暦の4月である卯月は、新暦で4月下旬から6月上旬頃にあたります。
卯月の読み方や意味、由来・語源
卯月は「うづき・うつき」と読みます。卯月の意味や由来にはいくつか説があります。なかでも「卯の花が咲く月」が省略され「卯月」になったという説は有名です。
ほかにも、稲を植える月という意味の「植月(うゑつき)」「種月(うづき)」「田植苗月(たうえなへづき)」「苗植月(なへうゑづき)」が転じた説、一年の最初を意味する「初」「産」の「う」から「卯月」になった説があります。
また、十二支の4番目である「卯(うさぎ)」を当てはめた説もあります。しかしほかの月で干支をあてた例がないため、この説は不自然ともいわれています。
卯月の別名・異称
卯月にはさまざまな別名・異称があります。そのいくつかを紹介しましょう。
夏初月(なつはづき)
陰暦では4月から6月が「夏」になります。4月の「卯月」は夏の最初の月にあたるため「夏初月」とも呼ばれます。
孟夏(もうか)
「孟」には「はじめ」という意味があります。陰暦で4月をさす卯月は、最初の夏を意味するとして「孟夏」と呼ばれました。
麦秋(ばくしゅう、むぎあき)
卯月の終わり頃は麦の収穫時期です。麦の収穫時期は秋に見立てられることから、麦の収穫時期を表す言葉として「麦秋」と呼ばれたようです。
乏月(ぼうげつ・ほうづき)
麦の収穫を控え前年に採れた米もなくなり、穀物が乏しくなる時期ということから「乏月」とも呼ばれたようです。
そのほかの別名・異称
紹介してきた別名の他には、以下のような呼び名もあります。
- 卯花月(うのはなづき)
- 乾月(けんげつ)
- 建巳月(けんしげつ)
- 木葉採月(このはどりづき)
- 花残月(はなのこりづき)
- 鎮月(ちんげつ)
卯月のまとめ
陰暦の卯月は夏の最初にあたり、古来の日本では卯月を境に衣替えしたともいわれています。現代の卯月は4月下旬から6月上旬頃にあたりますから、その時期には古来の季節感に思いを馳せつつクールビズに備えて衣替えをしてみてはいかがでしょうか。