卯月とは | 意味と読み方、由来や語源、別名・異称は?

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記事の情報は2018-10-02時点のものです。

卯月(うづき・うつき)とは旧暦の4月を意味します。語源は卯の花から転じた「うづき」「うつき」だといわれています。陰暦の卯月は陽暦の4月とどのように違うのか、由来や別名・異称などを含め解説します。
卯月とは | 意味と読み方、由来や語源、別名・異称は?

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卯月とは

各月を1月〜12月のように数字で表すようになったのは、明治初頭。日本が陽暦(新暦)を採用したからです。しかし古来の日本では、各月を季節感のわかる和風月名で表現しており、4番目の月を「卯月」としていました。

陰暦(旧暦)では、陽暦(新暦)と月が一致せず、1か月ほどずれています。つまり、陰暦の4月である卯月は、新暦で4月下旬から6月上旬頃にあたります。

卯月の読み方や意味、由来・語源

卯月は「うづき・うつき」と読みます。卯月の意味や由来にはいくつか説があります。なかでも「卯の花が咲く月」が省略され「卯月」になったという説は有名です。

ほかにも、稲を植える月という意味の「植月(うゑつき)」「種月(うづき)」「田植苗月(たうえなへづき)」「苗植月(なへうゑづき)」が転じた説、一年の最初を意味する「初」「産」の「う」から「卯月」になった説があります。

また、十二支の4番目である「卯(うさぎ)」を当てはめた説もあります。しかしほかの月で干支をあてた例がないため、この説は不自然ともいわれています。

卯月の別名・異称

卯月にはさまざまな別名・異称があります。そのいくつかを紹介しましょう。

夏初月(なつはづき)

陰暦では4月から6月が「夏」になります。4月の「卯月」は夏の最初の月にあたるため「夏初月」とも呼ばれます。

孟夏(もうか)

「孟」には「はじめ」という意味があります。陰暦で4月をさす卯月は、最初の夏を意味するとして「孟夏」と呼ばれました。

麦秋(ばくしゅう、むぎあき)

卯月の終わり頃は麦の収穫時期です。麦の収穫時期は秋に見立てられることから、麦の収穫時期を表す言葉として「麦秋」と呼ばれたようです。

乏月(ぼうげつ・ほうづき)

麦の収穫を控え前年に採れた米もなくなり、穀物が乏しくなる時期ということから「乏月」とも呼ばれたようです。

そのほかの別名・異称

紹介してきた別名の他には、以下のような呼び名もあります。

  • 卯花月(うのはなづき)
  • 乾月(けんげつ)
  • 建巳月(けんしげつ)
  • 木葉採月(このはどりづき)
  • 花残月(はなのこりづき)
  • 鎮月(ちんげつ)

卯月のまとめ

陰暦の卯月は夏の最初にあたり、古来の日本では卯月を境に衣替えしたともいわれています。現代の卯月は4月下旬から6月上旬頃にあたりますから、その時期には古来の季節感に思いを馳せつつクールビズに備えて衣替えをしてみてはいかがでしょうか。

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