ワークライフバランスとは | 整えるメリット・取り組み事例 - プライベートとの両立の方法

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仕事とプライベートをどちらも両立させて、充実した生活を送るためのワークライフバランスについて、特徴や内閣府が提唱する10箇条を元に、実現するメリットや取り組み事例を紹介します。
ワークライフバランスとは | 整えるメリット・取り組み事例 - プライベートとの両立の方法

ワークライフバランスとは

ワークライフバランスとは、仕事と生活の調和を取るという意味で、仕事を充実させるためにプライベートを充実させる、プライベートを充実させるために仕事を充実させるということです。

よくどちらか一方を犠牲にすることでバランスを取る、というように解釈をする人がいますが、それは間違いです。むしろライフワークバランスとはその逆で、仕事とプライベートを両立させることによって相乗効果をもたらし、良い循環を作っていくというものなのです。

労働時間を管理し家庭とバランスよく共存させ能力を開花させる

もちろん、「ワークライフ」を訳すと「ワーク」は仕事、「ライフ」は、プライベートな時間を意味しています。

家族との時間を作ったり、趣味の時間を作ったりするなど、仕事やプライベートのバランスを管理ができれば、自分の持つ能力をフルで発揮できるようになり、今よりさらによい人生を送れるということで内閣府が提唱しているのがワークライフバランスです。

最近の労働で深刻な問題になっているのが長時間労働です。ストレスや睡眠不足はもちろん、家庭を崩壊させる原因にもなりかねません。

家庭やプライベートが長時間労働でうまくいかないとストレスとなり、社員のメンタル面が弱っている状態では能力を出し切れませんし、それは企業側にも従業員側にもデメリットとなります。

これを改善するために打ち出された政策がワークライフバランスなので、ワークライフバランスを実現できれば企業も社員もメリットになります。このことを知っている企業だけがワークライフバランスを取り入れている状況です。

ワークライフバランスは全社員参加で実現する

ワークライフバランスは個人だけが動いてどうにかなるものではなく、企業と社員全員が参加することで成り立ちます。企業は作業時間の削減、管理するための効率化、社内の雰囲気の改善、長時間労働の制限などを明文化します。また、ここで明文化したルールを厳格に守ります。

社員は、会社が用意した効率化マニュアルを実行すると、短時間で作業・管理できるようになるため、今まで以上に会社に貢献できるようになります。このように、ワークライフバランスを行うには会社側と社員全員、会社全体が協力して取り組む必要があります。

ワークライフバランスの10箇条

ワークライフバランスを提唱した内閣府の詳細があります。内閣府で10箇条と名付けられている内容を簡単にしたので紹介します。

  1. 無駄な会議を行わない
  2. 管理ができない膨大な社内資料は無意味
  3. 時間の効率化を図るには整理整頓を行う
  4. 労働時間削減のために業務マニュアルや標準化
  5. 上司は労働時間を管理する能力が必要
  6. 作業時間を減らすには業務の分担
  7. 他者の業務内容を把握するのもワークライフバランスに必要
  8. 時間の管理をするにはスケジュール化することが大切
  9. 内閣府が推奨するコミュニケーション時間「がんばるタイム」とは
  10. 作業時間短縮ための効率化を共有

では、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。

1. 無駄な会議を行わない

内閣府が提唱しているワークライフバランスの政策として「会議」が挙げられました。実際に無駄な会議が多く、会議自体が仕事の負荷を上げています。

会議時間は1時間で終わることもあれば、朝から夕方までと長時間行ってしまっている企業もあるのではないでしょうか。しかし、長い会議をでも実にならない、結果につながらないなら時間の無駄とも言えるでしょう。

ワークライフバランスとは効率化が重要です。

そのために内閣府が提唱する会議の方法として、

  • 会議では必ずゴールや目的を設定する
  • 参加メンバーを厳選する
  • 開催時間が短時間で終えられるような簡潔な資料作りをする
  • 最後には必ず結論を出す という内容になっています。

これが実践・管理できれば有意義な会議となり、もし、時間の必要な会議でも無駄になる会議にはならないでしょう。

2. 管理ができない膨大な社内資料は無意味

「資料」の整理が行き届いていない企業が多く、いつまでも資料を保管している企業があります。

無駄な資料が多いと「あの資料どこかな」となった時に探すだけでかなりの時間がかかるので時間の無駄です。そこで内閣府はワークバランスを管理する方法として資料を減らすようにという政策があります。

これは仕事の効率化にもなり、資料が減るだけでストレスも軽減されます。

内閣府が提唱する資料削減の方法は

  • 削減する資料の基準の決定
  • 不要な書類は作成しない ということです。

削減する資料の基準については企業ごとに異なりますが、たとえば見積書などはいくらでも増えるので、1年未満の見積書は机の引き出しに保管し、1年以上の見積書は資料庫へ(段ボールに「いつからいつまでの見積書」と記載しておく)、3年を過ぎて一度も目を通さなかった資料は廃棄というように会社基準を作りましょう。

3. 時間の効率化を図るには整理整頓を行う

これは個々が取り組むことですが、机上が整理されていないと仕事がはかどりません。「資料がない」「さっきまでここにあったのに」というように机上が整理されていないと書類などを探すだけ時間の無駄になります。

常に机上などデスクは整理整頓し、資料がすぐに取り出せるようにすると作業時間も削減でき作業もはかどるしょう。整理整頓するだけでも仕事の効率化になるため、ワークライフバランスの実現に一歩近づくでしょう。

4. 労働時間削減のために業務マニュアルや標準化

これは会社側が行いますが、ワークライフバランスを実現するためには仕事の効率化が必要です。仕事の効率化をすると労働時間が削減されます。

ですが、作業が早い人と遅い人とでは作業比重が違い、どうしても作業が早い人の仕事量が多くなるのが事務作業です。

ただ、「難しい案件だから一緒に考えて」という内容ならわかりますが、「漢字が苦手」「計算が苦手」「文章作成できない」「パソコンが苦手」など基本的なことがわからないだけで仕事を人に回す人がいます。

企業側もこれを容認していることが多く、そうなると能力のある人材も十分に発揮できないいまま、「誰にでもできる作業」を延々と行う事態になります。

これでは良い人材をつぶしているだけになってしまいます。
こうならないように、業務内容や作業内容の基本的な作業も含めてマニュアル化し、社員が自分で仕事をこなせるようにしていきます。これでスキルアップも望めますし、自分の仕事をする時間が増えるので能力を開花させる社員も出てきます。

5. 上司は労働時間を管理する能力が必要

ワークライフバランスは「管理」も大切です。ただし、仕事を理解してないところや新人は、できる仕事量が限られています。

そこで上司が部下それぞれの仕事量や労働時間などを管理することで作業効率も上がり、短時間でも集中できるようになります。しかし、上司もたえず部下の様子を見ていられないため、部下も仕事の親展度や完了報告など上司に報告すれば社内全体の時間の管理ができるのです。

6. 作業時間を減らすには業務の分担

作業時間を減らすために業務の分担も必要です。

さきほど、ワークライフバランスを実現するためには個々のスキルの向上と、一定の社員に仕事が集中しないようにという話をしました。

この業務の分担というのは_専門分野ごとに割り振ると表現した方が正しいでしょう。

たとえば、先ほどの一定の社員に仕事が集中させないと言ったのは「できない業務がある」ことがないようにという意味です。この分担というのは、ある社員が見積書作成が得意なら見積書を専門にして、その代わり、価格交渉は他の社員がするといった、それぞれの得意分野を伸ばす作業をします。

業務を分担すれば企業側、従業員側双方にメリットがあるのです。

7. 他者の業務内容を把握するのもワークライフバランスに必要

仕事をしていると忙しさのあまり自分の仕事しか見えなくなる人がいます。しかし、自分の仕事だけをする人の方が作業時間が長く、効率が悪くなることをご存じでしょうか。

ワークライフバランスは効率化が主な目的のため、他者の仕事を見る時間がないと思われるかもしれませんが、そうではありません。

時間を管理するには他の人がどんな作業をして、今どんな業務をしているのかを把握することで、自分が行う仕事はこうした方が早いといったことまで把握できるのです。また、「あの人作業が進んでいない」となれば助けられるうえに、自分の作業が遅いときはヘルプしてくれるという体制を作れるため、作業効率があがるのです。

8. 時間の管理をするにはスケジュール化することが大切

スケジュール化というのは、部署内それぞれの社員の当日のスケジュールや、週間、月間スケジュールを誰でもわかるようにスケジュール化することで作業効率が上がります。

誰でも見られるスケジュール化ができれば、わざわざお互いのスケジュール調整しなくても良いですし、ブッキングといったミスをすることもなくなります。このように、ミスを防ぎ時間短縮にもなるのがスケジュール化です。

9. 内閣府が推奨するコミュニケーション時間「がんばるタイム」とは

内閣府では「がんばるタイム」を推奨しています。

がんばるタイムというのは部署内や会社内でコミュニケーションを取る時間を設けるということです。お互いコミュニケーションを取ることに集中できますし、改善点を議論できる場にもなり会社側、従業員側、どちらにもメリットになります。

普段言えないことを言える職場にすると職場でのストレスも改善されます。

さらに職場内の管理ができ、互いの絆を深めて団結力を高めることにもなり、ワークライフバランスとしては外せない時間です。

10. 作業時間短縮ためにナレッジを共有

最後に、内閣府が提唱しているのがナレッジを共有することです。ナレッジとは、ここでは「業務の効率化を果たす知恵」として定義します。

作業の効率化は方法が多様ですし、企業でもマニュアル化しているところもありますが、個人個人で「もっと効率が上がる」ことを実践している人もいます。

それを、「効率化研修」を実施すれば、それぞれが行っている効率化を共有でき、また一歩ワークライフバランスの実現に近づくでしょう。

自分の仕事内容と共有できる効率化方法が合えばさらに効率はあがります。実際に行動して、さらに時間がかかった場合は今までの管理方法に戻しても良いのですから、研修で得た情報は実践してみましょう。

ワークライフバランスな社会って?

就労による経済的自立が可能な社会

   
就職し経済的自立をすることによって、自分のライフプランを描けるようになります。経済的自立が自分自身の生活の基盤の確保を助け、そこから自分の目標実現に向けてチャレンジできる社会を目指します。

健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会

仕事を生活の中心に置いてしまうのではなく、家族や友人との時間を充実させることで、心身ともに健康に過ごせるようになります。また、地域とのつながりを持つ時間や、自己啓発のために使える時間を作ることで心に余裕ができる社会を目指します。

多様な働き方・生き方が選択できる社会

公正な支援があれば、多種多様な生き方を選択できるようになります。

年齢や性別に関わらず、自分自身のスキルや考えを大切にして働けるシステムがあり、子育てや親の介護などが必要な際には、それに合わせた働き方ができる社会を目指します。

ワークライフバランスを整えるメリット

採用活動に有利

今ではどこの会社も人材不足に悩んでおり、就職活動も売り手市場になっています。

そこでワークライフバランスを整えることによって、会社が社員のことを考え、大切にする会社というイメージになるでしょう。その結果、求職者が「ここで働きたい」と思うきっかけになり、優秀な人材が集まりやすくなるのです。

優秀な人材を集めるための採用ブランディングについては、こちらの記事も合わせてご覧ください。

職場定着が進む

ワークライフバランスを整えることで、社員それぞれのプライベートの時間が充実するため、仕事へのモチベーションを上げられます。その結果、社員は「会社のために頑張ろう」という気持ちや「仕事も頑張ろう」という気持ちを作りやすく、離職率を下げ、職場への定着につながるのです。

企業イメージの向上

今、企業には利益を求めて成長していくだけではなく、どれだけ社会に貢献できるのか?というCSR(企業の社会的責任)がとても重要視されてきています。その中でワークライフバランスを整えるということは、「社員を大事にする企業」や「社員が安心して働ける環境のある企業」という企業イメージを構築でき、会社のイメージアップにつながります。

ワークライフバランスへの取り組み事例

休暇制度の整備

今もっとも改革が期待されているのが育児休暇です。
これまでは子育ては女性がするものであり、育児休暇も女性が取るものとされてきましたが、最近では、男性でも育児休暇を取りやすい状況が作られるようになってきています。

このような社会情勢の変化は、男性と同じように女性も社会とのつながりを求めるようになってきていることが1つの要因として挙げられます。

夫婦で話し合い、男性側が子育てをするとなった場合には男性側に育児休暇を取得させることで、女性の社会での活躍を後押しします。

住宅補助

会社から家までの距離が電車で2時間以上かかる人は、通うだけでも毎日往復4時間かかってしまいますよね。そのような人たちのために、住宅補助をすることで比較的会社の近くに住めるようになります。

このようにして、通勤時間を短くしたり、住環境を整えたりすることも、ワークライフバランスのひとつです。通勤時間が長すぎるということは、家に帰る時間が遅くなる原因であり離職につながりやすくなるため、とても重要なポイントです。

時短勤務

   
会社員は8時間労働をするものという考え方が一般的でしたが、今では勤務時間を2、3時間にしたり、30分単位で短縮したりする時短勤務に企業が対応するようになりました。

これは、時短勤務によってママ世代の勤務が広がり、結果的に多様性を高めることにつながるからです。これは新しい働き方改革として期待されており、個々にできるだけ対応できるように勤務時間のバリエーションを複数設けている企業もあります。

ワークライフバランスを整え、プライベートと仕事を両立させよう

以上が充実した生活を送るためのワークライフバランスについてでした。現代では20,30年前のような働き方が一般的ではなくなりました。一人ひとりが働きやすい社会を作るためには、企業単位でライフワークバランスを整えるという姿勢が非常に大切です。

企業は人から成り立っているものであり、人材不足が深刻化する今、一人ひとりが長く働き続ける環境づくりが求められています。
ぜひこれを機会に、ワークライフバランスについて考え、プライベートと仕事を両立させるようにしましょう。