育児休業とは?育児休業給付金や育休制度の申請方法・必要な条件・書類について

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育児休業制度はこれまで何度も改正を繰り返し、2017年10月にも期間の延長など制度利用者の立場にたった改正が行われています。本記事では育児休暇との違い、育児休業に関する背景や取得の条件、育児休業給付金の申請の手続きなどについて説明していきます。

育児休業とは?育児休業給付金や育休制度の申請方法・必要な条件・書類について

育児休業とは

原則として1歳に満たない子どもを養育する男女労働者が、子どもを養育するために休業できるという制度です。法律上の親子関係がれば、実子、養子を問わず休業が可能です。

育児休業申出の直前の1年間、同じ事業主に継続して雇用されていることが条件となります。(ただし、日雇い労働者や、育児休業の申出があった時点で労働契約の期間満了や更新がないことが確実である場合は適用外となります。)保育園に入所できなかった場合は1年6か月まで延長でき、最終的に2歳まで延長が可能です。

休業中は給付金が支給されるので、出産や育児のために退職することなく、仕事と育児を両立できるようになりました。ここ数年の女性の育児休業利用率は80%を超えていますが、男性の利用率はやっと5%を超えたところです。

育児休暇との違い

育児休暇は法律で定められたものではなく、会社が社内で導入している制度です。そのため有給か無休か、いつまでの期間かなどは規定によって異なります。

2016年の厚生労働省の調査では、育児を理由とした休暇制度がある会社の割合は 17.1%と低い一方で、育児休業制度自体を社内規定にしている会社は95.3%と高く、育児休業制度が浸透し独自の育児休暇にまで手が及んでいないと言えます。

そういった点で見ると、育児休暇規定がある会社は、従業員の出産・育児のサポート力が高い会社であるともいえるでしょう。

育児休業導入における2つの背景

出生率の低下は社会問題となり、将来的に起こる少子化や高齢化にともなう労働人口減少が危惧されています。

それらを解決する対策のひとつとして、出産・育児のしやすい環境女性が働き続けられる環境を整えようと仕事と育児の両立を支援する「育児介護休業法」が、1991年に制定されました。

人口減少

日本の出生数は昭和48年(1973年)を境に年々減少しています。平成29年(2017年)には過去最低の94万1千人となり、減少は今後も続くとみられています。

政府は人口1億人を維持するために、2025年までに合計特殊出生率を1.8にする目標を掲げていますが、女性の絶対数が下がっているため、出生率が1.8になっても人口減少は避けられません。

出典:厚生労働省人口動態統計

現在の出生率を維持したとしても、2053年には人口は1億人を割ると予測されています。

待機児童の増加

出生数が減少する半面、保育施設を増やしているにも関わらず、待機児童は減る気配がありません。

待機児童の大半は3歳未満の子どもで、東京や大阪などの都市部に集中しています。女性の社会進出が推進され、都市部に人口が集中していること、核家族化も進んでいることも重なり、保育施設を増やしても待機児童の受け皿が追い付かない状況なのです。

出典:厚生労働省保育所等関連状況取りまとめ(平成29年4月1日)

2016年4月から女性活躍推進法(正式名称:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)が施行され、女性の活躍を支援する企業は増えてきました。しかし、子どもの預け先を確保できずやむなく育児休業制度を利用する女性の姿も垣間見えます。

こうした状況を逆に上手に利用して、休業中に復職後に備え自分のスキルアップを図る「育自休暇」という考え方も、最近では流行ってきています。

育児休業制度の条件

育児介護休業法に基づき、育児休業制度を受けられる条件は原則「1歳未満の子どもを養育する従業員」となっています。育児休業は男性女性の従業員に関わらず取得可能で、子どもが養子であっても育休を取得できます。育児休業制度を利用できる条件について概要を説明します。

アルバイトやパートでも育休は可能

正社員に限らず、アルバイトやパートの方でも育児休業ができます。ただし、契約社員やアルバイト、パートといった期限付き雇用の従業員が育休を取得する場合には、次の2つの条件を満たしていなければなりません。

  • その会社に雇用された期間が1年以上続いていること

  • 養育する子どもが1歳6か月になるまで、その労働契約(更新される場合は、更新後の契約)が満了することが明らかでないこと

日雇い労働者は対象外

1日単位で雇用されている日雇い労働者や、上記の条件を満たしていない従業員(雇用された期間が1年未満の有期契約従業員、育児休業を終えて引き続き雇用される見込みがない従業員)は育児休業できません。

育児休業制度3つのポイント

育児休業制度には、生活を支えるための育児休業給付金制度や男性の育児参加を高めることを目的とした父親特例の制度もあります。育児休業給付金とは、育児休業を取得しやすくし安心して育児をできるための制度です。パパママ育休プラス、パパ休暇などの制度もあります。詳しくみてみましょう。

育児休業給付金

育児休業を取得した場合、その間に支給されるお金です。支給されることにより、育児休業を取得しやすくし、休業中でも安心して育児ができるようになります。
母親が専業主婦の場合、父親が育児休業を取得して給付金の支給を受けることもできます。

給付金は2か月ごとに申請します。最初の180日までは休業前賃金の67%(上限29万9691円)、それ以降は休業前賃金の50%(上限22万3650円)が、最長子どもが2歳になる前日まで支給されます。支給下限額は7万4100円です。

パパママ育休プラス制度

男性の育児への関心・参加を高めるために、両親二人とも育児休業を取得する場合に設けられた特例制度です。

通常1歳を迎えるまでしか取得できない育児休業が、1歳2か月まで取得できます。(保育園に入園できない場合は最長2歳まで可能)

母親と期間が重複しても取得可能です。育児休業制度はどちらかが専業主婦でも取得できますが、パパママ育休プラス制度は、両親が雇用されていないと取得できません。

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パパ休暇

育児休業を取得できるのは、1人の子どもにつき1回と決められていますが、父親が産後8週間以内に育児休業を取得して会社に復帰した場合には、期間内にもう1回、トータルで1年間の育児休業を取得できます。

父親のみ2回に振り分けられる制度なので、長期休業に後ろめたさを感じる人にも育児休業を取得しやすく、育児への参加を促しています。